2024年10月30日更新

監修記事

天井に穴をあける方法や工具について

換気口や採光口などを設置する目的で天井に穴をあけたい場合には、どのような方法をとると良いのでしょうか?天井に穴をあける際に必要な工具と、穴を開ける際の注意点、方法、リフォーム業者に依頼する際の会社の選び方などについてご紹介します。

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天井に穴を開ける方法について

天井 穴 開け

天井の多くは石膏ボード

一般的な住宅の天井には、天井材として石膏ボードや合板などが用いられています。

石膏ボードとは、石膏をベースとした素材を板状に成型し、表面を紙などでコーティングした建材のことで、カッターやノコギリなどで簡単に加工することが可能です。

合板はチップ状に砕いた木材に樹脂を加え、高温高圧で圧縮して作られる建材で、こちらも加工しやすいという特徴がありますが、石膏ボードとは違い、強度がやや高いため、カッターで加工することはできません。

天井に穴を開ける際には、用いられている天井材の違いによって使える工具が多少違ってきますので、工具を用意する前に天井にどのような建材が用いられているのかを確認しておきましょう。

天井に穴を開けるには工具が必須

天井に穴を開ける際には、壁紙や天井材を切り取る必要があるため、どうしてもある程度の工具が必要です。

石膏ボードなら工具がなくても無理矢理穴を開けられますが、工具無しでの施工は穴の大きさを微調整することができませんし、穴を開ける際の衝撃で天井材が大きく割れてしまうこともあるため、避けた方が良いでしょう。

ダウンライトや通気口を設置する場合など、穴の大きさが器具より小さすぎたり、大きすぎたりすると設置後の見た目が悪くなってしまいます。

専用工具の購入にはある程度の費用がかかってしまいますが、仕上がりの状態が大きく変わりますし、一度購入すれば壁などの工事にも利用可能です。

ただし、複数箇所の工事を行う予定がないという場合には、工具の保管場所の問題もありますので、リフォーム業者に施工を依頼した方が手間もかからず、仕上がりも良くなるでしょう。

下地を傷つけないようにする

天井部分には石膏ボード等の天井材を張り付けるために、木材などで下地が格子状に組まれています。

もし、施工の際にこの下地を傷つけてしまうと、天井全体の強度が下がってしまうため、地震などで建物に大きな力が加わった際に天井が剥がれ落ちてしまうのです。

こういった事故を予防するために、押し込むと針が飛び出て下地の位置を調べることができる製品や、センサーで下地の位置を測定できる製品がホームセンター等で販売されています。

工事を行う前にこのような器具を用い、下地の位置を十分に確認してから作業に入りましょう。

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天井に穴を開けるときに使う工具について知りたい

天井に穴を開ける際には、どのような工具を用いると良いのでしょうか?

代表的な工具についてと、それぞれの工具の特徴についてご紹介します。

ホールソー

ホールソーとは、円筒形のノコギリを回転させて穴を開ける工具です。

構造上どうしても強い力を正確に加える必要があるので、ドリルに取り付けて使用する製品が多く販売されています。

手回し式のホールソーも販売されてはいますが、慣れていないと作業が難しいため、できれば電動ドリルや電動ドライバーとセットで購入した方が良いでしょう。

ホールソーは製品によってあけられる穴のサイズが違いますので、購入の際には目的とする穴の大きさに合った製品を選ぶことも大切です。

ホールソーの使用方法は、ホールソーの中心にある軸を天井に押し当て、ホールソーを回転させながらゆっくりと押し込むだけで穴を開けることができます。

自在錐

自在錐とは、やじろべえのような形状をした器具で、やじろべえの腕に相当する部分に刃が取り付けられている工具です。

刃の位置を腕の長さに合わせて調整することができるので、好きな大きさの穴を開けることができます。

使用方法は、まずあけたい穴の大きさに合わせて刃の位置を調整し、ホールソーと同様に軸を天井に垂直に押し当て、ゆっくりと回転させて穴を開けていきます。

ホールソーと違い、自在錐は刃が1枚ないし2枚のため、力を加えすぎると穴が歪んでしまう点には注意しておきましょう。

作業の際には、刃が天井に軽く触れる程度の力を維持し、削り取るイメージで行うようにしてください。

廻し挽きノコギリ

廻し挽きノコギリとは、一般的なノコギリと違い、刃部が細く作られているノコギリです。

刃が細いため、力の入れ具合で曲面に切り取ることができます。

基本的な使い方は一般的なノコギリとほぼ同じですので、ホールソーや自在錐では開けられない大きな穴を開けたいという場合や、円形以外の形状に切り抜きたい場合に向いている工具です。

販売価格も他の工具に比べて安価で、電動ドリルや電動ドライバーを別途用意する必要もないので、コストを抑えて施工したいという方にも向いています。

ただし、手作業で切り抜いていくため、慣れていないとどうしても綺麗に切り抜くことができません。

廻し挽きノコギリを使用する際には、後で修正できるよう、予定している大きさよりやや小さく切り抜くと良いでしょう。

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天井に穴を開けるときの注意点について知りたい

基本的にやり直しは不可能

天井に穴を開ける際には、石膏ボード等の天井材やクロスを切り抜くため、後から穴の大きさを小さくすることができません。

作業の際には、工具のサイズや施工箇所を十分に確認してから穴開け作業を開始してください。

廻し挽きノコギリを用いる場合については、天井に鉛筆等で穴の大きさを書き込んでおき、その線より小さく切り抜いてから微調整すると綺麗に穴を開けることができます。

高所の作業なので足場に注意する

一般的な住宅の天井は、床から約2400mmの高さです。

作業では、電動ドリルやノコギリを持って脚立等の足場に上ることになるため、手が滑って工具を落としてしまったり、バランスを崩して転落したりする危険があります。

作業の際には施工箇所付近の床にダンボールを敷いてからビニール袋等を重ねておけば、工具の落下による床の傷と、施工の際に飛び散る埃などの汚れを予防することができるでしょう。

落下防止については、滑り止めの付いた安定性の高い脚立を用いるようにしてください。

脚立の高さについては、低い脚立の上で立って作業するのではなく、高めの脚立に腰掛けて作業した方が比較的安定して作業を行うことができます。

もし、落下が不安なら、周辺の家具を移動させて空間を確保し、ビニール袋等でカバーした布団を敷き詰めておくと、ある程度落下の衝撃を和らげることができるでしょう。

作業が不安な場合はプロに施工を依頼する

作業の失敗や転落事故等が不安な場合には、リフォーム業者に穴開けから設備の取り付けまで依頼してしまうのも良いでしょう。

特にダウンライトなどの電気機器の取り付けについては、穴開けの他に電気工事も行わなければなりませんが、屋内配線工事には第二種電気工事士の資格が必要です。

資格がないにもかかわらず、配線工事を行ってしまうと、もし漏電等の事故が起きても火災保険等の補償が受けられません。

ダウンライトや換気口の設置などの簡単な工事の場合、リフォーム業者に依頼しても工事費用はDIYでの施工とそれほど違いはないので、安全性と仕上がりを考えてプロに依頼した方が安心です。

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天井の穴開けリフォームをプロに依頼する際の最適なリフォーム会社の選び方を知りたい

天井 穴 開け

天井の穴開けリフォームを依頼する際には、どうやってリフォーム会社を選べば良いのでしょうか?

天井の穴開けについては、電気工事会社や内装業者などが工事を手掛けることが多いため、設置したい設備に合わせて工事を依頼する会社を選ぶと良いでしょう。

会社を選ぶ際には、口コミサイトなどを利用すれば、実績や評判についても調べることができます。

また、見積りを依頼する際には、どのような目的で工事を依頼するかを正確に伝えるようにしてください。

ダウンライトを設置する目的なら、使用する製品のサイズやカタログを用意しておけば、必要な穴のサイズを考えてくれますし、天井の構造上設置が可能かどうかも判断してくれます。

施工箇所については、ある程度位置を決めておくと良いのですが、正確すぎる指定は後で施工が難しくなってしまう可能性があるので、注意が必要です。

これは、上の項目でも紹介しましたが、天井には下地が設置されているため、場合によっては希望する位置に穴が開けられないことがあるからです。

下地に用いられている木材の太さは約5cmが一般的ですので、あらかじめ穴の位置を約10cm程度ずれても大丈夫なように考えておけば、後で配線等の長さで困ることはないでしょう。

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天井に穴を開ける前に知っておきたいこと

天井 穴あけ

天井に穴を開けることを考えている場合、どのようなことを事前に知っておくとよいのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

DIYはすべて自己責任だが「穴埋めプレート」でふさぐことは可能

DIYでの作業は費用を安く抑えることができる反面、作業に不慣れな人が行うと、穴の位置を間違えてしまったり、必要ない部分を傷つけてしまうということが起こりえます。

そのような時、一度開けてしまった穴は完全には塞ぐことはできませんが、極力目立たないように修復する方法があります。

それは穴埋めプレートを使用するというものです。この穴埋めプレートを使用することで、ダウンライトを取り外したときなどにできた不要な穴を目立ちにくくふさぐことができるでしょう。

DIYの場合足場はしっかり確保する

普段あまり高所作業をしない方であれば、自宅に脚立やハシゴが無い場合もあるでしょう。

しかし、安定した足場の確保は安全に作業を行う上で必須です。

天井に穴を開けたり、塞いだりする場合、高所で天井を見上げて腕を上げながら作業することになります。

そのため、普段は使い慣れていない首や腕などの部分へ負担がかかるだけではなく、バランスを崩しやすくなってしまうでしょう。

また、慣れない作業で思うように進められず、仕上がり具合に影響が出てしまう可能性もあります。

高所での作業を行う場合は必ず安定した足場を確保し、転ばないよう注意しながら作業しましょう。

プロに依頼すれば安心

天井に穴を開けるという作業だけであればDIYでもある程度は可能です。

しかし、開けた穴にダウンライトを設置して電気配線を整えるのであれば初めからプロに依頼した方が良いでしょう。

なぜなら安全面や仕上がりの質の問題だけでなく、電気工事を伴うリフォームであれば電気工事士の資格が必要となるからです。

リビングの照明をダウンライトにリフォームする場合、天井に穴を空けて照明を埋め込み、電気配線を整えるという作業が発生します。

リフォーム業者へ依頼した場合、穴開け作業だけでなく電気配線や照明の取り付けまで責任を持って行ってくれるので安心です。

費用の相場については照明のグレードにもよりますが、1個あたり1万円の照明を6個設置する場合、工事費込みで約8万円~12万円で依頼が可能でしょう。

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天井に穴を開ける前に準備しておきたいこと

実際に穴を開ける作業を始める前に必要な準備を整えておきましょう。

どのような準備が必要かについてご説明します。

準備するもの

まずは天井に穴を開けてどのようなリフォームを行いたいのかを整理しましょう。

必要な道具や資材が足りない状態で穴を開けてしまうと、作業を途中で中断して数日過ごすことにもなりかねません。

天井に穴を開ける場合、主に必要になるものは穴を開けるための電動ドリルと、穴を空けない部分の天井や、床の汚れを防ぐための養生に使う新聞紙やビニールシート、マスキングテープなどです。

電動ドリルには穴を開けるための「ホルソー」を取り付けて作業することになるため、持っていない場合にはお持ちのドリルに合うホルソーも必要になります。

また、安全に作業するための脚立や粉塵を吸い込まないための防塵マスクやゴーグルも用意しましょう。

養生の方法

天井に穴を開ける作業では天井の下地となる石膏ボードに穴を開けることとなります。

石膏ボードに穴を開けていくと表面が削れて粉塵が舞い落ちてきます。

そのため、作業場所を中心としてできる限り広範囲を養生した方が良いでしょう。

可能であれば部屋全体に新聞紙やビニールシートを敷き、移動できる家具は部屋の外へ運び出すかシート等を被せて養生しましょう。

基礎の確認

天井はどこにでも穴を開けて良いわけではありません。

穴そのものを開けることはどこにでもできますが、もしも穴を開けた後に照明を設置するのであれば、設置するための木材がある位置を探さなければなりません。

仮に木材の無い天井板だけの場所に穴を開けてしまった場合、照明を設置、固定するためにビスを打とうにもビスを刺せる場所がなく、別の箇所に穴を開けることになってしまう可能性もあります。

デザイン性だけで穴を開ける場所を決めるのではなく、建物の構造を理解した上で事前に穴を開けるのに適切な場所を確認しておきましょう。

機材

天井付近での作業となるため足場が覚束ない場合や、高さが足りず無理な体制で作業を行うことは大変危険です。

安全に作業するための脚立や足場を必ず用意しましょう。

また、穴を開けるための電動ドリルとホルソーが必要です。

電動ドリルを購入する場合は安いものでも約1万円は必要となり、高性能のものは約3万円以上必要になるでしょう。

最近はホームセンターで工具のレンタルを行っている店舗もあるため、レンタル品であれば1日数百円でレンタルすることもできるようです。

電動ドリルとホルソーの2つがあれば、天井に穴を開けるという作業自体は可能ですが、天井に穴を開ける場合は石膏ボードの破片や粉が降ってきます。

実際に作業を行う場合はゴーグルやマスク、帽子等も用意しておいた方が良いでしょう。

また、床を汚さないためにも新聞紙やマスキングテープがあると後片付けが簡単です。

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【実践編】天井に穴を開ける方法

実際に天井に穴を開ける方法として、フリーホルソーを使って穴を開けるという方法があります。

フリーホルソーというのはホルソーの1種で、開ける穴の大きさを自由に設定できるようになっているタイプのものです。

通常のホルソーは円形に並んだノコギリのような無数の刃がついたパーツを電動ドリルの先端に取り付けて使用します。

そして、ホルソーを取り付けたドリルを回転させることによって板や石膏ボードなどの板状のものに穴を開けることができます。

このとき、開けられる穴のサイズは使用するホルソーの刃のサイズによって決まります。

そのため、ホルソーを使用して複数の異なるサイズの穴を開ける場合、穴のサイズの種類と同じ数だけホルソーが必要となります。

そのため、ミリ単位で調整したい場合などにはフリーホルソーが適しているでしょう。

フリーホルソーはコンパスのように自由に直径を設定して使用することができるため、必要に応じて開ける穴のサイズを変更することができるのです。

フリーホルソーを使用する手順としては、まず開ける穴の半径を確認します。

次に、フリーホルソーの中心に付いている錐と刃の部分の長さを開ける穴の半径と同じになるように調整します。

作業中にフリーホルソーの直径がずれてしまわないよう、付属のネジ等のストッパーでサイズを固定しましょう。

設定が済んだらいよいよ天井に穴を開けます。

開けたい穴の中心にあらかじめ印を付けておき、印の位置にフリーホルソーの錐を押し当てます。

最初はゆっくりと回転させ、出来る限り垂直に、刃が均一に天井を削るようにドリルを押し付けながら穴を開けていきます。

最後まで切れたら押し付ける力が軽く感じるのですぐにわかるでしょう。

このフリーホルソーは約15,000円から販売されているので、1本持っていると様々な穴をあけることができるため便利です。

注意点としては、壁の固さや厚みに対して電動ドリルの性能が低い場合、パワー負けして途中で止まってしまうことがあります。

ドリルはできるだけパワフルなものを選ぶと良いでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】小川愛

二級建築士、宅地建物取引士。愛知県名古屋市にて高級分譲住宅設計・施工会社に勤務。土地取得からプランニング、施工、販売、お客様のお引っ越し、アフターサービスまでの、住宅に関わる全ての業務に従事。

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