相見積もりのコツと注意点とは?断り方も把握しよう!
目次
リフォームの相見積もりとは?
リフォームの相見積もり(あいみつもり)とは、複数のリフォーム業者に見積もりを依頼し、それらを比較検討して決定することを指します。相見積もりによって業者間の競争を促し、提案の質や価格の透明性を確保することができます。
この記事ではリフォーム時の相見積もりについて扱います。それ以外の工程は他の記事で流れを確認しましょう。
①相見積もり・初回相談←今回はこちらを解説!
②現地調査
③プランと見積もりの提示
④ご契約
⑤工事
相見積もりのメリット
相見積もりを取ることには、以下のように大きなメリットがあります。
メリット①価格の比較ができる
複数の業者から見積もりを受け取ることで、各業者の価格を比較することができます。
各社の提案内容には違いがあり、また仕入れ単価や人件費、諸経費なども異なるため、場合によっては価格に大きな差が出ることがあります。相見積もりを取ることで、適正な市場価格や相場感を把握することもできます。
また、業者はリフォーム工事の受注を目指して競争を意識するため、精一杯の安価な見積もりを提示してくれる可能性が高まります。
メリット②提案内容の質を比較できる
同じ要望や予算を伝えても、業者ごとにプランや使用する建材、工事方法が異なることがありますが、相見積もりを取ることで、各社の提案を客観的に評価しやすくなります。
どの業者が最も適切で、自分に合った提案をしているかを比較でき、業者は競争相手がいることで、より質の高いプランを提案しようと努力します。
また、相見積もりを取ることで、工事内容が妥当であるかを確認することができ、不必要で過剰な工事が行われるリスクも減らすことができます。
見積もりの価格が工事の内容に合った妥当でものであるかどうかを判断することが難しく、価格競争も行われないため、相場よりも高くなる可能性があります。
また、提案されたプランや工法の内容が妥当で、質の高いものであるかどうかを評価することも難しくなるでしょう。
見積もりは基本無料が一般的!
リフォーム工事の見積もりは、無料であることが一般的です。
見積もりには現地調査やプランニング、積算などに多くの手間と時間がかかっていますが、通常はリフォーム会社の営業活動の一環として行われ、契約に至らなければ費用は請求されない慣習になっています。ただし、内容によっては費用が発生するケースもありますので、見積もりを依頼する段階で確認しておきましょう。
見積もりが有料となる4つの例外のケースとは?
以下のようなケースでは、見積もりの段階で費用が発生することがあります。
ケース①メーカーの指定業者による訪問・調査が必要な場合
エアコンや給湯器、衛生器具などの修理で、メーカーの指定業者による訪問・調査が必要な場合、修理の有無にかかわらず点検費や出張費がかかることがあります。
ケース②対応地域外への出張費がかかる場合
特定のデザインや工法などを気に入って、遠方のリフォーム業者に見積もりを依頼する場合に、出張費がかかることがあります。
ケース③高度な設計・デザインを要する場合
リフォームの規模が大きかったり、難易度が高く、より踏み込んだプランニングやデザインが必要な場合には、設計料やデザイン料がかかることがあります。
ケース④耐震診断・雨漏り診断などの調査が必要な場合
耐震診断・雨漏り診断などの専門的で手間のかかる調査・診断が必要な場合に、専門家による診断費用がかかることがあります。
なぜ3社で見積もりを取るのがおすすめ?
リフォームの相見積もりでは、3社程度に依頼するのが一般的で、おすすめです。以下に、その理由を説明します。
①適度な比較ができる
3社程度の見積もりを比較することで、価格や提案内容の違いを客観的に把握しやすくなります。
しかし、4社以上の多数の業者に見積もりを依頼すると、情報が多すぎて比較が難しくなり、逆に混乱してしまって決めることが難しくなってしまう場合があります。
②打ち合わせの負担が少ない
複数の業者と同時に打ち合わせや現地調査を行うことはできません。多くの業者に見積もりを依頼すると、それだけ打ち合わせやヒアリング、現地調査の回数が増え、時間と労力がかかります。
相見積もりを同時進行で無理なく行うためには、3社程度が限界といえるでしょう。
③適正な競争を促すことができる
適度な数の業者に見積もりを依頼することで、適正な競争が生まれます。
業者も他の業者と比較されることを意識し、より良い見積もりやプランを提示してくれる可能性が高まります。また業者の側から見ても、3社程度までが適正と考えられます。競合他社が多すぎると受注できる可能性も低くなるため、見積もりに手間と時間をかけて本気で取り組むことが難しくなるからです。
④優良な業者に絞ることができる
その地域で評価が高く、類似するリフォーム工事が得意で、実績が豊富な候補となる業者は実はそれほど多くはありません。
マッチングしていない業者から見積もりを取ってもあまり意味はなく、良い結果は得られません。優良な業者に依頼するためにも、3社程度に絞ることが妥当といえるでしょう。
リフォーム会社を比較する4つのポイントとは?
相見積もりを取った後は、各業者の見積もりやプランを比較検討します。以下に、リフォーム会社を比較する際の4つのポイントを説明します。これらのポイントをバランスよく満たしているかどうかを、よく確認しましょう。
ポイント①見積もり価格
最も重要な比較ポイントは、見積もりの価格です。ただし、価格が安ければ良いというわけでなく、その内訳も詳しく確認することが大切です。
工事費用、材料費、諸経費など、各項目に詳細な情報が明記されているかをチェックし、選ばれている材料や設備などのグレードと価格を確認して、各社を比較しましょう。
ポイント②プラン・提案の内容
各業者が提案するプラン内容も重要な比較ポイントです。同じ要望を伝えていても、業者によって提案内容や工事方法が異なることがあります。またそれらが正確に伝わるかどうかも大切です。図面や3Dパースなどを使ってビジュアル的にわかりやすくプレゼンテーションしてくれる業者は、リフォームが初めての方にとっても理解しやすく、より施工内容をイメージしやすくなります。
効率の良い間取りや機器の選定、インテリアデザインのセンスなどを細かくチェックして、自分の要望に最も合った提案をしてくれる業者を選びましょう。
ポイント③工期・工程の長さ
リフォームは多くの場合、生活しながらの工事となり、生活に様々な不都合が出てきます。
リフォームする箇所が使えなくなり、人や車の出入りに支障があったり、水道やガス・電気が止まるタイミングもあります。業者によって工期や工程の進め方は多少異なります。工程表を提示してもらい、生活への影響が少なくなるような配慮があるかどうかを具体的に確認しましょう。
ポイント④過去の実績とアフターフォロー
業者の過去の実績も確認しましょう。類似するリフォームの実績が豊富で、地域で高く評価されていることがポイントになります。業者のウェブサイト等で過去の施工例や口コミを確認し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
また、定期点検や修繕などのアフターサービスや保証がしっかりしているかどうかも確認しましょう。
見積もり書の内訳でチェックすべき箇所とは?
ここでは、リフォームの見積もりを比較する際に最も重要な、見積もり書のチェックポイントについて深掘りします。
見積もり書には、以下のような情報が記載されていることが一般的です。
- 会社名・責任者名・捺印
- 見積もりの有効期限
- 合計金額(税抜・税込)
- 工事種別ごとの内容・金額
- 数量(面積・本数・個数など)× 単価(単位あたりの金額)
- 備考(見積もりに使用した資材の注釈や掛け率など)
- 支払い条件(期日・割合)
この中で、特にチェックすべきポイントを以下に解説します。
チェック①一式見積もりが多くないか
原則として、各項目の工事費は材料費、施工費などを数量×単価で算出して求められますが、これらが明記されずに「一式」と記載された項目が多い場合、具体的な内容が不明確になりがちです。
一式見積もりは「どんぶり勘定」の疑いがあるとともに、後から追加費用が発生するリスクもあるため、内容について詳しく確認しておきましょう。
チェック②極端に値引きされていないか
合計金額から極端な値引きがされている場合、それぞれの単価が不明確・不透明となり、他の項目に利益が上乗せされている可能性があります。
他の業者の見積もりと比較することも難しくなりますので、値引きの理由や詳細について、不明点があれば業者に問い合わせることが必要です。
チェック③プランと内訳書が一致しているか
見積もり内訳書の内容が、提案されたプランと一致しているか、ひとつひとつ確認しましょう。
提案図や仕様書に記載されている建材や素材、設備機器などが、希望するリフォーム内容に合致しているかどうか、それが見積もり内訳書に反映されているかどうかが重要です。
要望と見積もり・プランが一致していない場合、工事の進行中に「希望した内容と違う」といったトラブルが発生する可能性があります。
チェック④見積もりの有効期限を確認する
見積書の有効期限は、見積もりが提出されてから契約まで30日から60日程度が一般的です。明記されていない場合は口頭で確認しましょう。
近年は資材価格の変動が激しく、見積もりから時間が経過すると「材料の値段が上がってしまった」などの理由で契約時の価格が変わってしまう可能性もあります。また、期限があまりにも短く設定されている場合には、契約を迫るような姿勢も見えますので、注意が必要です。
チェック⑤支払い条件を確認する
見積もりの際には、支払い条件を必ず確認しましょう。
リフォーム工事の支払いは、一般的に契約時(着工時)と、工事完成時に分けられています。工期が数か月かかる場合は中間金が必要な場合もあります。
これらの割合は出来高(工事の進捗に応じた費用)に近いことが理想的で、工期の短いリフォーム工事では、着工時に20~40%程度、残りが完成時の支払いとなることが一般的です。
相見積もりで気を付けるべきこととは?
要望や予算を明確にしておく
リフォームの相見積もりを依頼する前に、自分たちの要望や予算を明確にしておくことが大切です。リフォームの範囲や希望する仕様・使いたい材料や設備などを、優先順位をつけて具体的にリストアップしておきましょう。
また、リフォームにかけられる予算を把握しておくことも大切です。要望や予算が曖昧だと、的確なプランや見積もりを提示してもらうことが難しくなります。
既存の図面や資料を用意する
建物の平面図や確認申請図書、また過去のリフォーム履歴を示す図面や仕様書などがあれが用意しておきましょう。
各リフォーム業者に閲覧またはコピーを提供することで、建物の構造や設備の状態を把握しやすくなり、正確で無駄のないプランニングや見積もりを行うことができます。
相見積もりであることを伝える
見積もりを依頼する際には、複数の業者に相見積もりを依頼していることを、業者に伝えておきましょう。
相見積もりであることを知らせることで、業者はこちらに対して信頼感を持つとともに、競争意識を持ち、より良い条件を提示する努力をしてくれることが期待できます。また、競争であることを理解しているため、後から他の業者との比較を理由に断る際にもスムーズに話をすることができます。
適正な見積もり期間を設定する
見積もりを依頼する際には、無理のない適正な見積もり期間を設定することが重要です。
一般的には1週間から2週間程度の期間ですが、どれくらいの期間で提示されるかをあらかじめ確認しておきましょう。見積もりやプランの作成には多くの手間と時間がかかります。あまり急がせると十分な検討ができないため、余裕を持った期間を設定しましょう。
また、各社の見積もりを提示する期日をなるべく揃えるようにしましょう。
各社に同じ条件で見積もりを依頼する
相見積もりを依頼する際には、各社に同じ条件で見積もりを依頼することが重要です。
予算と、具体的なリフォーム内容、使用する材料、工期などの条件を統一して伝えることで、業者ごとの見積もりを正確に比較することができます。条件が異なると、見積もりやプランの内容が変わってしまい、正しい比較ができなくなることがあります。
見積もりを提示された後であっても、プランについて変更してもらうことは可能です。
ただし、変更に伴い見積もり額が変わることがありますので、事前に業者としっかり相談しましょう。また、あまり頻繁な変更は混乱や不信感にも繋がりますので、大きな変更がないように、リフォームの方針や予算を明確にしておくことが大切です。
なるべく対面で打ち合わせを行う
見積もりの依頼や詳細な打ち合わせは、なるべく対面で行うようにしましょう。対面での打ち合わせはメールや電話に比べてスムーズな意思疎通ができますし、業者の説明を聞きながら質問を行い、疑問点をその場で解消することができます。また、対面でのコミュニケーションを通じて、業者の誠実さや対応の丁寧さを判断する材料にもなります。
予算を正直に伝える
見積もりを依頼する際には、予算を正直に伝えることが重要です。
予算を明確に伝えることで、業者はその範囲内で最適なプランを提案することができます。予算が不明確だと、提案できる内容が限定されたり、予算を大幅にオーバーしてしまうこともあります。
また、ある程度の予備費を見込んでおくことは大切ですが、予算を極端に低く伝えたりすると、業者は最善のプランを提案することができないだけでなく、後々の交渉や追加費用の発生などでトラブルになることがあります。
他社のプランや見積もりを見せて駆け引きをしない
相見積もりを行う際には、他社のプランや見積もりを見せて駆け引きをしないようにしましょう。
他社の見積もりを持ち出して値引き交渉をすることは、業者に対して不信感を与え、面倒な相手だと思われて、誠実な対応をしてもらえなくなる可能性があります。
業者もプロフェッショナルであり、適正な価格での提案を心掛けています。他社との比較は自分の中で行い、業者との信頼関係を築いてより良い提案を引き出すことが、結果的には得につながるでしょう。
相見積もり後の断り方とは?
相見積もりを取るということは、必ずいくつかの業者を断ることになります。
契約の前であればいつでも断ることができ、業者もそれを理解していますが、選ばなかった業者に対しては誠実に断りの連絡を入れることも大切です。以下に、相見積もり後の断り方について解説します。
断るタイミングは早めに!
初回面談でピンと来なかった、現地調査がずさんだった、見積もりが他社より高額だった、プランが気に入らなかったなど、断る理由は様々です。
どの段階でも良いので、断ることを決めた時点で、できるだけ早めに連絡を入れましょう。契約するつもりのない業者と対応を続けることは時間と労力の無駄になりますので、早めの連絡をすることが双方にとって有益となります。
断る場合のメール文面(テンプレート)
断りのメールを送る際には、誠実かつ簡潔に、実情に応じて記述しましょう。以下の例文を参考にしてください。
件名:リフォーム見積もりのご依頼に関するご連絡
〇〇株式会社 〇〇様
お世話になっております。先日リフォームの見積もりを依頼いたしました〇〇(ご自身の名前)です。
この度は、見積もりをご提供いただき、誠にありがとうございました。いただいたお見積もり内容を慎重に検討した結果、予算の都合により、今回は他社にリフォームをお願いすることに決定いたしました。
大変恐縮ではございますが、今回はご縁がなかったことをお詫び申し上げます。また、ご多忙の中、ご対応いただきましたことを心より感謝申し上げます。また機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
取り急ぎ、御礼とご連絡を申し上げます。
Q&A お見積もりの工程で良くある質問
- 相見積もりの後の流れは?
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相見積もりを取った後は、各業者の見積もりやプランを比較検討し、最適な1社を選んで、他社に断りの連絡をします。
決定した業者と打ち合わせを行い、見積もりやプランについて調整の上、契約を進めて、工事の具体的な日程や詳細を決めていきます。
- すべての業者の見積もりが予算を超えてしまった場合は?
-
すべての業者の見積もりが予算を超えてしまった場合は、要望と予算が釣り合っていなかったものと考えられますので、再検討が必要です。
具体的には、リフォームの範囲を限定して、必要な工事を優先し、その他を後回しにすることや、素材・設備等のグレードや数量を変更するなど、費用を抑える工夫が必要になります。
変更を検討する際には、相見積もりを依頼している各社に減額の方法を相談し、それぞれの意見を取り入れて再見積もりを行う方法もあります。
リフォームする際のポイント
もしリフォームを実際に行うとなった際には、ぜひお近くのリフォーム会社に一度ご相談することをおすすめします。
リフォーム会社に相談する時に一番気になるのは「いくらかかるのか」という金額の部分かと思います。
正確なリフォーム金額を知るためには、リフォーム前に「現地調査」を受ける必要があります。
その際に、損をしないリフォームを実現するために重要なことが一点あります。
それは、リフォーム会社1社のみに現地調査と見積もりをお願いするのではなく、複数社に依頼して、必ず「比較検討」をする!ということです。
複数の会社に依頼する時のポイントは「同じ条件」で依頼することです。バラバラの条件で依頼をすると、正しい比較ができません。
このポイントをきちんと押さえ、複数の会社の提案を受けることでご希望のリフォームの適正価格が見えてきます。
「色んな会社に何度も同じことを伝えるのがめんどくさい…。」という方はカンタンに複数社を比較検討できるサービスもございますので、ぜひご利用ください。
一生のうちにリフォームをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しないリフォームをするためにも、リフォーム会社選びは慎重に行いましょう!