

目次
12畳の部屋を増築する方法にはどのようなものがある?
戸建て住宅(一軒家)の増築費用を考える場合、まず大切なのは住宅のどの位置に部屋を増設するかです。
1階部分に増築する場合は基礎工事が必要ですし、2階部分を増築する場合は基礎となる1階部分の補強工事が必要となります。また、離れを増築する場合は母屋に直接増築する場合とは違い、元々の住居に手を加える必要がないため、施工価格はやや割安です。
増築方法ごとにかかる費用

増築費用は「坪単価×坪数」でおおよそ見積もれます。12畳は約6坪にあたるため、2026年時点の坪単価をもとにすると次のとおりです。
| 増築の場所・構造 | 坪単価の目安 | 12畳(約6坪)の費用相場 |
|---|---|---|
| 1階に増築 (木造) | 約70万円 | 約420万円 |
| 1階に増築 (鉄筋コンクリート造) | 約100万円 | 約600万円 |
| 2階に増築 (木造・1階の補強込み) | 約120万円 | 約720万円 |
| 2階に増築 (鉄筋コンクリート造) | 約150万円 | 約900万円 |
| 離れ (基礎から施工) | 50万〜70万円 | 300万〜420万円 |
| 離れ (プレハブ) | 20万〜50万円 | 120万〜300万円 |
2階への増築が高くつくのは、新しい床の重さに耐えるための1階の補強工事と、足場の設置が必要になるためです。鉄筋コンクリート造はさらに工事の難易度が上がり、約900万円が目安となります。離れなら母屋の改修をほとんど伴わないぶん割安で、プレハブを選べば120万〜300万円で12畳の空間を確保できます。
リビング・和室など部屋のタイプ別の費用例
同じ12畳でも、部屋のタイプによって内装・設備の費用が変わります。
- リビングを増築する場合
既存の部屋とつなげて広いLDKにするケースが多く、既存壁の撤去費用や大きめの窓・サッシの費用が上乗せされます。木造1階の基本工事費約420万円に加えて、20万〜50万円程度を見込んでおくと安心です。 - 和室を増築する場合
畳や襖、障子といった建具・造作が加わるため、同じ広さのフローリング仕上げの洋室より内装費がかさみます。畳のグレードによっても金額が変わります。 - 寝室・洋室を増築する場合
フローリングとクロス仕上げの標準的な内装なら、坪単価どおりの金額に収まりやすいタイプです。
畳数別の増築費用の目安

12畳より小さく、または大きく増築する場合の目安も押さえておくと、間取りの検討がしやすくなります。木造1階(坪単価約70万円)で換算した中心価格は、次のとおりです。実際の見積もりでは、内装や既存住宅との接続工事によって幅が出ます。
| 広さ | 坪数の目安 | 費用相場(木造・1階) |
|---|---|---|
| 6畳 | 約3坪 | 200万〜300万円 |
| 8畳 | 約4坪 | 260万〜400万円 |
| 10畳 | 約5坪 | 350万〜550万円 |
| 12畳 | 約6坪 | 400万〜650万円 |
| 20畳 | 約10坪 | 600万〜900万円 |
広くなるほど坪単価はわずかに下がる傾向がありますが、概算では「坪単価×坪数」で考えて差し支えありません。増築費用は、構造(木造・RC造)や1階か2階かによって大きく変わります。なお、増築にあわせて既存部分の間取り変更も行う増改築では、増築のみの坪単価に改修費用が上乗せされる点も頭に入れておきましょう。
増築工事ではどのような工事を行っていくのか
増築工事を行う場合、施工箇所によって工事内容が変わります。1階にリビングや和室を増築する場合、2階に増築する場合、離れを作る場合の3つに分けて、行われる工事の内容を見てみましょう。
1階部分にリビングや和室を増築する

1階部分を増築する場合の工事の流れ

1階の空いた土地に新しく部屋を増築する場合、まず施工箇所に型枠を組み、コンクリートで基礎を作る工事から始まります。基礎が完成したら、新築工事と同じように柱を立てて建物を組み上げ、外壁と屋根を施工します。その後、既存住宅の壁を撤去して室内とつなげ、内装工事を行えば工事完了です。
内装工事の内容
- 洋室(フローリング仕上げ)の場合
根太を設置し、その上にフローリング材を張って仕上げます。 - クッションフロア・タイルカーペットの場合
根太の上にコンパネなどで下地を作り、その上に床材を施工します。 - 和室の場合
コンパネなどで下地を作り、畳を敷いて仕上げます。
鉄筋コンクリート造の場合の注意点
鉄筋コンクリート造で増築を行う場合は、柱を立てるのではなく、上部まで型枠を組んでコンクリートで壁を作る工法となります。木造に比べて工事期間がやや長くなりやすいのはこのためです。
また、鉄筋コンクリート造の建物は壁が非常に頑丈なため、既存壁の撤去に手間がかかります。そのため、型枠工事の前にあらかじめ壁を撤去するケースもあります。
2階部分に増築工事を行う場合

2階部分を増築する場合の工事の流れ
2階に増築する場合は、まず1階部分が新しく増設する2階の重さに耐えられるかどうかを調査します。
耐荷重に問題がなければそのまま工事を進められますが、もともと2階増築を想定して建てられている住宅は少ないため、補強工事が必要になるケースがほとんどです。
補強工事が完了したら、1階部分の屋根を撤去し、新しい2階の壁と屋根を施工していきます。外部が完成した後、1階の天井と2階の床を作り、内装工事を行えば工事完了です。
2階増築の費用が高くなる理由
2階部分の増築は、1階に増築する場合と比べて費用が高くなる傾向があります。これは、
- 作業用足場の設置費用がかかる
- 屋根の撤去工事が必要になる
- 雨水の侵入を防ぐための養生作業が必須になる
といった理由によるものです。なお、屋根の撤去費用は面積にもよりますが、廃棄物処理費用を含めて1㎡あたり約4,000円が目安となります。
離れを作る場合の工事内容

離れは新築とほぼ同じ工程です。基礎工事の後に柱を立てて屋根を作り、構造ができあがったら外壁と内装を仕上げます。
増築工事を行う際の注意点とは
増築は床面積が増える工事のため、新築にはない法律上の手続きや、既存建物の状態の確認が欠かせません。着工後の想定外の出費を防ぐためにも、契約前に次の点を押さえておきましょう。

増築に必要な建築確認申請とは
増築部分の床面積が10㎡を超える場合、建築確認申請が必要です。12畳(約20㎡)の増築は、原則として申請の対象になります(都市計画区域外など、ごく一部の例外を除く)。なお、防火地域・準防火地域では10㎡以下の増築でも申請が必要です。
建築確認申請とは、増築の内容が建築基準法などに適合しているかを行政や指定確認検査機関に確認してもらう手続きです。設計図や構造関係の書類を提出する必要があります。
2025年4月の建築基準法改正で、小規模な木造住宅では構造関係の審査が省略されていた「4号特例」が縮小されました。木造2階建て住宅の増築では構造関係の図面の提出と審査が求められるようになり、改正前より申請の準備に時間がかかります。

建築確認申請にかかる費用の目安
申請手数料そのものは数万円ですが、図面の作成や構造計算には専門知識が必要なため、建築士やリフォーム会社に代行を依頼するのが一般的です。代行費を含めた費用は15万〜30万円が目安となります(2026年時点)。
設計から施工までを一括で依頼すると、申請費用が割り引かれるケースもあります。見積もりの際に施工会社へ確認してみてください。
既存不適格建築物は増築に制限がある
増築を検討する際は「既存不適格建築物」に注意が必要です。建築当時の基準では適法だったものの、その後の法改正で現在の建築基準法に適合しなくなった住宅を指します。
既存不適格建築物でも増築は可能ですが、増築の際には建物を現行基準に近づける工事を行うのが原則です。耐震補強などの追加工事が必要になれば、そのぶん費用も増えます。
耐震補強とあわせて増築できるケース
既存不適格建築物でも、次のような場合は増築が認められやすくなります。
- 離れなど、母屋と切り離して建てる場合
- 増築部分の面積が小さい場合
- 耐震補強工事を同時に行い、現行基準に適合させる場合
1981年5月以前に着工された旧耐震基準の住宅は、耐震補強工事に対して国や自治体の補助金を受けられる可能性があります。増築とあわせて耐震補強も検討してみてください。
12畳の増築費用を安く抑える方法
同じ12畳でも、工事の進め方しだいで数十万円単位の差が出ます。
複数のリフォーム会社から相見積もりを取る
増築は工事の規模が大きく、会社による金額差も出やすい工事です。複数のリフォーム会社から見積もりを取り、あわせて各社の増築事例も見せてもらうと、12畳前後の仕上がりや費用感の違いを比べやすくなります。
内装や設備のグレードを標準品にする
フローリングやクロス、建具を標準グレードにするだけで、相場より数十万円抑えられるケースがあります。こだわりたい部分と割り切る部分を分けるのがコツです。
離れやプレハブも選択肢に入れる
母屋とつなげる必要がなければ、坪単価20万〜50万円のプレハブの離れという選択肢もあります。12畳なら120万〜300万円が目安で、母屋への増築に比べて費用を抑えられます。ただし居住性や断熱性は母屋への増築に劣るため、使い方に合わせて選んでください。
12畳の増築でよくある質問
- 工事期間はどれくらいかかる?
-
1階への増築なら1〜2か月、2階への増築は1階の補強工事が加わるため2〜3か月が目安です。建築確認申請の審査期間(数週間〜1か月程度)が工事前に別途かかります。
- 増築すると固定資産税はどうなる?
-
床面積が増えるぶん固定資産税は増え、建物表題変更登記も必要です。確認申請が不要な10㎡以下の増築でも、課税対象になる点に注意してください。
- 増築に補助金制度は使える?
-
2026年6月現在、部屋を増やす増築工事そのものを対象にした国の補助金制度はありません。ただし、増築にあわせて断熱改修や省エネ設備の導入を行う場合は、国の「みらいエコ住宅2026事業」(子育てグリーン住宅支援事業の後継)の対象になる可能性があります。旧耐震住宅の耐震補強には自治体の補助制度もあります。
あわせて読みたいみらいエコ住宅2026事業とは?リフォームで補助金を賢くもらう条件とポイント
- 12畳を2部屋に分けて使える?
-
増築した12畳に間仕切り壁を入れて、6畳×2部屋として使うこともできます。間仕切り壁の設置費用は10万〜25万円が目安で、子ども部屋を2つ確保したい家庭でよく選ばれています。
あわせて読みたい部屋に間仕切りを設置したい!間仕切り壁・可動式・後付けの費用相場と選び方を解説
- 増築で後悔しやすいのはどんな点?
-
多いのは「既存部分とのつなぎ目からの雨漏り」「母屋との床の段差や動線の悪さ」「想定外の補強工事による費用の増加」です。増築の実績が豊富な会社を選び、見積もり段階で既存部分との取り合いの処理を確認しておくと防ぎやすくなります。
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