地下室を増築する費用は?リフォームの注意点も解説!

明るいリビングで庭を眺めながら考え込む30代後半の女性。タイトル「地下室を増築する 相場と注意点を解説」を表示したハピすむのサムネイル画像。
庭など建物のない敷地に地下室を増築する費用は、広さ10畳で600万円台~が目安です。地盤改良や止水対策、防水・換気設備の仕様によっては1,000万円を超えるケースもあります。費用の内訳と工期、DIYでどこまでできるか、容積率の緩和や固定資産税まで、地下室づくりの判断に必要な情報を順に確認していきましょう。
庭に10畳の地下室を増築する費用の目安が約600万円であることを示す図解。地盤改良や止水対策で100万円以上の追加もある。

リフォームで地下室を作ることはできる?

地下室の施工では土地を掘り抜いて部屋を作ることになるため、既に一軒家などの建物が建っている場合、あとから地下室を掘るのは難しいと言われています

一部の建築会社やリフォーム会社は、補強しながら既存住宅の下に地下室を作る工法を導入しています。ただし、地盤の強度や住宅の構造による制限が大きく、利用できるケースは限られます。

既存住宅の下に地下室を掘れない場合は、建物が建っていない部分、例えば庭などの空いた土地に地下室を作ることになります。

地下室の増築にかかる費用相場

地下室の増築は、工事条件が厳しく、費用や施工の可否が状況によって大きく左右されるリフォームです。

既存住宅の下に地下室を作る場合

すでに建っている住宅の真下に地下室を新設する場合、土地や建物の条件によって工事内容が大きく変わるため、明確な費用相場はありません

また、既存住宅の下への増築は建築確認申請が必要なうえ、施工面でも、

家の真下に地下室を増築する場合に求められる3つの条件(建物のリフトアップ・掘削の作業スペース・既存建物の強度)を示した図解。
家の下へ地下室の増築する際の条件
  • 建物を一時的に持ち上げる(リフトアップ)必要がある
  • 掘削や残土処理のための十分な作業スペースが必要
  • 既存建物の強度が十分であること

といった厳しい条件が求められます。これらを満たせないケースが多く、実際には施工が困難、または不可能と判断されることも少なくありません。

参考e-Gov法令検索「建築基準法」第6条

庭などの空いた敷地に地下室を作る場合

庭など、建物のない場所に地下室を新設する場合は、比較的相場がわかりやすくなります。

庭に10畳の地下室を増築する費用の目安が約600万円であることを示す図解。地盤改良や止水対策で100万円以上の追加もある。
庭に10畳の地下室を作る際の費用相場
  • 広さ約10畳の場合:600万~1,000万円超

ただし、地盤の状態によっては追加工事が必要になり、費用が増える可能性もあります。そのため、事前にリフォーム会社へ依頼し、地盤調査と見積もりを取ることが重要です。

同じ10畳でも金額が上下するのは、地盤の硬さと地下水位で工事内容が変わるためです。軟弱地盤なら地盤改良、地下水位が高い土地なら止水対策が加わり、同じ広さでも数百万円単位の差が出ます。敷地の条件は変えられないので、複数社の見積もりで「自分の土地ではいくらか」を確かめるのが現実的な進め方です。

費用の内訳

庭に10畳の地下室を作る場合の600万円台~という目安は、おおまかに次のような工事の積み上げです。どの項目も地盤条件と仕様で上下するため、見積書と照らし合わせる目安として使ってください。

地下室の増築費用の内訳を示す図解。地盤調査・設計、掘削・残土処分、躯体工事、防水・断熱、設備・内装の5項目の目安を表示。
地下室の増築費用の内訳
工事項目費用の目安内容
地盤調査・設計20万〜50万円ボーリング調査、構造計算、確認申請の書類作成
掘削・残土処分100万〜150万円重機での掘削と、掘り出した土の運搬・処分
躯体工事250万〜300万円鉄筋コンクリートの床・壁・天井の構築
防水・断熱50万〜100万円外防水と、結露を防ぐ断熱材の施工
換気・電気設備50万〜100万円機械換気、除湿機、照明、コンセント
内装仕上げ30万〜80万円床・壁・天井の仕上げ、建具

地下水位が高い土地では止水工事、軟弱地盤では地盤改良が加わり、ここからさらに100万円以上上乗せされることもあります。

シェルターとして地下室を作る場合の費用

地下室を部屋としてではなく、災害時のシェルターとして利用する場合は、追加の設備が必要になります。

地下室をシェルターとして増築する場合の費用の図解。ユニット式シェルターは約700万円、空気ろ過装置の追加は150万〜300万円。
シェルターとして地下室を作る場合の費用相場

一般的な地下室にシェルター機能を追加する場合

孤立した状況でも生活できるようにするため、以下の設備を追加します。

  • 発電設備
  • 空気のろ過システム
  • 防護性能の高い頑丈なドア

これらを導入すると、追加費用は数百万円規模になるのが一般的です。例えば、空気ろ過装置だけでも設置工事込みで150万〜300万円程度かかります。

ユニット式地下シェルターの場合

近年は防災意識の高まりから、ユニット式の地下シェルターも人気です。

  • 施工費込みの費用相場:約700万円

ただし、ユニット式は一般的な地下室に比べてスペースが狭いものが多いため、「普段は部屋として使いたい」という場合は、通常の地下室にシェルター機能を追加する方法のほうが適しています。

地下室の増築工事の流れと工期

庭に地下室を増築する工事は、次の順序で進みます。

庭に地下室を増築する工事の流れの図解。地盤調査・確認申請から掘削・残土処分、躯体工事、防水・断熱、設備・内装までの5ステップ。
地下室増築工事の流れ
  1. 地盤調査・設計・建築確認申請
  2. 掘削・残土処分
  3. 躯体工事(鉄筋コンクリートの床・壁・天井)
  4. 防水・断熱工事
  5. 設備・内装仕上げ

着工前の地盤調査と確認申請に1〜2か月かかる点が、地上の増築との大きな違いです。掘削が始まってから地盤の問題が見つかると手戻りが大きいため、この準備段階を省かない会社を選んでください。

工期の目安は3〜6か月

地盤調査から引き渡しまでの工期は、3〜6か月程度を見込んでください。掘削とコンクリート打設に時間がかかるうえ、コンクリートの養生期間は短縮できません。雨が続くと掘削工事が止まるため、梅雨や台風の時期をまたぐ計画では日程に余裕を持たせておくと安心です。

庭の地下室はDIYで自作できる?

結論からいうと、人が過ごす部屋としての地下室をDIYで作るのは現実的ではありません。土の重さ(土圧)と地下水に耐える構造計算が必要で、コンクリートの打設や防水を素人施工で行うと、崩落や浸水につながります。

ハードルは技術面だけではありません。

地下室の増築をDIYで行うのが現実的でない理由の図解。建築確認申請の必要性、崩落・酸欠の危険、防水失敗のリスクの3点を示す。
庭の地下室増築のDIYが現実的でない理由
  • 増築面積が10平方メートルを超える場合や防火・準防火地域では建築確認申請が必要
  • 掘削中の崩落や酸欠など、作業そのものに命に関わる危険がある
  • 防水に失敗すると、地下室だけでなく建物まわりの地盤を傷めるおそれがある

深さ1メートル未満の食品貯蔵庫のような穴蔵であればDIYの事例もありますが、居室として使う地下室は地盤調査からプロに任せましょう。費用を抑えたい場合は、内装仕上げだけを自分で行う方法を施工会社に相談する手があります。

地下室を増築するメリットとデメリット

地下室には、防音性や容積率の緩和といった地上の増築にはない強みがあります。一方で、建築コストや湿気対策など、地下ならではの弱点もあわせて確認しておきましょう。

地下室を増築するメリット(防音性や容積率の緩和など)とデメリット(建築コストや湿気対策など)を左右で比較した図解。
地下室増築のメリット・デメリット

地下室のメリットとは

  • 防音性に優れている
    地下室は周囲を土やコンクリートで覆われているため、音や振動が外に伝わりにくく、楽器演奏やシアタールームに適しています。
  • 防音室を効率よく作れる
    地上に防音室を作るよりも、広さを確保しやすく、防音工事の手間や費用を抑えやすいです。
  • 容積率の緩和が受けられる
    地下室は延べ床面積の最大3分の1まで容積率に含まれないため、限られた敷地でも床面積を増やせます。
  • 敷地に余裕がなくても部屋を増やせる
    地上に増築できない場合の有効な選択肢になります。

地下室のデメリット

  • 建築コストが高くなりやすい
    単なる居室として使う場合は、地上に増築するより費用が割高になることがあります。
  • 結露や湿気の対策が必要
    温度差やコンクリートの水分により結露が発生しやすく、断熱・換気・除湿設備が欠かせません。
  • 設備費用がかさみやすい
    快適に使うためには換気設備などが必要となり、予算に余裕を持つ必要があります。
  • 税金がかかる場合がある
    容積率には含まれなくても、固定資産税の課税対象となります。未登記の増築部分も、自治体の家屋調査で把握されれば課税されます。

地下室の増築で必要な手続きと税金

地下室は作って終わりではなく、申請と税金の知識もセットで必要です。あとから「想定外だった」となりやすい3点を押さえておきましょう。

地下室の増築で必要な手続きと税金の図解。建築確認申請、容積率の緩和、固定資産税の課税という3つのポイントを示す。
手続きと税金のポイント

建築確認申請

増築面積が10平方メートルを超える場合は、建築確認申請が必要です。防火地域・準防火地域では、面積にかかわらず申請が求められます。地下室は構造計算を伴うため、手続きは設計事務所や施工会社に任せるのが一般的です。

容積率の緩和を受けられる条件

住宅の地下室は、次の条件を満たすと住宅部分の延べ床面積の3分の1を上限に、容積率の計算から除外されます

  • 住宅として使用する部分であること
  • 天井が地盤面からの高さ1メートル以下にあること

敷地いっぱいに建っている家でも床面積を増やせるのは、この緩和があるためです。

※ 参考:e-Gov法令検索「建築基準法」第52条第3項

固定資産税はかかる

容積率に算入されない地下室でも、固定資産税の課税対象となる床面積には含まれます※1「容積率はノーカウントだから税金もかからない」とはならない点に注意してください。増築後は、建物の登記内容の変更も必要です。※2

※1 参考:総務省「固定資産税の概要」
※2 参考:e-Gov法令検索「不動産登記法」第51条

地下室の増築費用に関するよくある質問

家が建ったままでも真下に地下室を作れる?

建物を一時的に持ち上げるリフトアップ工法などで施工した例はありますが、地盤の強度・作業スペース・建物の構造といった条件が厳しく、対応できる会社も限られます。多くの場合は、庭など建物のない場所への新設を提案されます。

庭に10畳の地下室を作るといくら?

600万円台~が目安です。地盤改良や止水工事が必要な土地ではさらに100万円以上かかり、仕様や地盤条件によっては1,000万円を超えることもあります。

新築で作る場合と比べて費用は高い?

あとから増築するほうが割高になりやすいです。新築なら基礎工事と一体で掘削できますが、増築では仮設や重機の搬入経路に制約があり、同じ広さでも手間が増えるためです。地下室が欲しいと決まっているなら、新築や建て替えのタイミングでまとめて計画するほうが効率的です。

工期はどのくらいかかる?

地盤調査から引き渡しまで3〜6か月程度が目安です。地盤改良や止水工事が加わると、さらに延びます。

地下室に固定資産税はかかる?

かかります。容積率の計算から除外される地下室でも、課税対象の床面積には含まれます。登記の有無にかかわらず課税される点に注意してください。

【まとめ】地下室の増築は地盤調査と見積もり比較から

庭への地下室の増築は10畳で600万円台~が目安、シェルター機能を足すなら数百万円規模の追加、ユニット式シェルターなら約700万円が相場感です。ただし地下室は地盤・地下水位・防水仕様で費用差が大きく1,000万円を超えるケースもあるため、必ず地盤調査と複数の業者から見積もりを取得しましょう。

家の真下への後付けは施工できないケースもあります。まずは複数のリフォーム会社に現地調査を依頼し、「自分の土地で、どの工法なら、いくらでできるか」を比べるところから始めましょう。

増改築・間取り変更リフォームの業者選びで後悔しないために

必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!

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