

外構工事における耐用年数の考え方
外構工事では、税務上の耐用年数と、設備の実際の寿命を区別して考えます。法定耐用年数は減価償却の計算に使う年数で、その期間を過ぎたら設備が使えなくなるという意味ではありません。

減価償却に使う法定耐用年数
法定耐用年数は、財務省令で定められた減価償却の計算に使う年数です。賃貸住宅や貸駐車場などの事業用の外構設備では、構造や用途に応じた年数を用います。また、固定資産税の償却資産の評価にも用いられます。設備の安全性を保証する期間や、実際の資産価値がなくなるまでの期間ではないため、リフォーム時期とは分けて考える必要があります。
※ 参考1:国税庁|No.2100 減価償却のあらまし(令和8年4月1日現在)
※ 参考2:e-Gov|減価償却資産の耐用年数等に関する省令・別表第一
メーカーの案内と設備の劣化状況を確認する
外構設備の実際の寿命は、素材や設置環境、お手入れの状況によって変わります。メーカーが使用期間の目安や点検時期を示している場合は、それを参考にしましょう。リフォームやメンテナンスの前には、製品の取扱説明書を確認し、ひび割れやぐらつきなどがないか点検してください。
外構工事で設置する設備の法定耐用年数と寿命
外構工事で設置する塀やフェンスなどは、減価償却資産の「構築物」に該当する場合があります。構築物の法定耐用年数は用途や構造によって異なるため、該当する分類を確認しましょう。ここでは塀やフェンスの法定耐用年数と、ウッドデッキの実際の寿命の目安を解説します。
塀
一般的な用途の塀の法定耐用年数は、以下の通りです。税務上の分類による年数であり、安全に使える期間や交換時期を示すものではありません。

| 塀の構造 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 石造 | 35年 |
| れんが造 | 25年 |
| コンクリート造・コンクリートブロック造 | 15年 |
| 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 | 30年 |
| 木造 | 10年 |
なお、れんが造の塀でも、著しい腐食性のある気体の影響を受けるものは7年です。実際の構造や用途に応じて分類を確認しましょう。
※ 参考:e-Gov|減価償却資産の耐用年数等に関する省令・別表第一
フェンス
フェンスも、構造や用途に応じて法定耐用年数を判断します。スチール製のメッシュフェンスやアルミ製フェンスなど、一般的な用途で金属製の「へい」に分類されるものは10年です。
| フェンスの税務上の分類 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 金属造のへい | 10年 |
この年数は設備の実際の寿命とは異なります。リフォームの時期は、支柱の腐食やぐらつきなど、設備の状態も見て判断しましょう。
※ 参考:e-Gov|減価償却資産の耐用年数等に関する省令・別表第一
ウッドデッキ
ウッドデッキの寿命の目安は、天然木のソフトウッドで5~10年、ハードウッドで15~30年、人工木で20年前後です。天然木は樹種によって耐久性が大きく異なります。

| ウッドデッキの種類 | 寿命の目安 |
|---|---|
| 天然木(ソフトウッド:杉・ヒノキ・レッドシダーなど) | 5~10年 |
| 天然木(ハードウッド:ウリン・イペなど) | 15~30年 |
| 人工木 | 20年前後 |
これらは法定耐用年数ではなく、実際に使用できる期間の目安です。樹種や製品、防腐処理、設置環境、メンテナンスの状況によっては、この範囲より短くなったり長くなったりします。床板の割れや腐朽、ぐらつきが見られたら、目安の年数に達していなくても施工業者に点検を依頼しましょう。
外構設備の劣化を放置するリスク
外構設備は、法定耐用年数を過ぎたかどうかにかかわらず、定期的な点検・メンテナンスが必要です。「まだ壊れていないから大丈夫」と劣化を放置すると、損傷が広がったり、倒壊によって人にケガをさせたりするおそれがあります。

修繕コストがかさむ
外構設備のメンテナンスを怠ると、損傷が広がり、部分的な補修では対応できず、全面的な修理や交換が必要になることがあります。定期的な点検で不具合を早めに見つけ、適切に補修しましょう。
台風や地震などで倒壊するおそれがある
外構設備のメンテナンスを怠ると、台風や地震などで倒壊するリスクが高まります。ひび割れやぐらつきのあるブロック塀・フェンスが倒壊すると、通行人にケガをさせるおそれがあります。いつ起こるかわからない自然災害に備え、定期的な点検とメンテナンスで劣化を見つけ、補修につなげましょう。
外構設備を長く使うためのメンテナンス
外構設備を長く使うには、素材や製品に合ったメンテナンスが大切です。設備ごとにお手入れ方法や点検箇所が異なるため、取扱説明書を確認しましょう。
門扉
門扉は、素材に合った方法で汚れを落とし、破損や金具の緩みがないか確認しましょう。アルミ製などは、やわらかい布やスポンジを使い、汚れがひどい場合は薄めた中性洗剤で洗います。サビの補修や金具への注油は、取扱説明書に従って行いましょう。なお、鍵穴には一般的な潤滑油を使用せず、指定された鍵穴用の潤滑剤を使ってください。
玄関アプローチ
玄関アプローチは、砂や泥などを取り除き、舗装材に合った方法で汚れを落としましょう。白華が水洗いで落ちない場合は、施工業者に対処方法を確認してください。自然石へのワックスの使用は、石の種類や表面仕上げ、屋外での使用に適しているかを確認してから判断しましょう。清掃時には、ひび割れや浮きなどがないかも点検してください。
カーポート
カーポートは、屋根材や柱の素材に合った方法で汚れを落としましょう。アルミ部分は年2~3回程度の清掃を目安にし、海岸近くなど汚れが付きやすい場所では、こまめにお手入れしてください。屋根材は、取扱説明書に従い、散水ややわらかいモップなどで清掃します。柱・梁のネジやボルトの緩み、部材の破損も定期的に点検しましょう。積雪時には、製品の雪下ろしの目安を超える前に対応してください。屋根の上には乗らず、雪に水をかけて溶かすことも避けましょう。高所での作業が難しい場合は、専門業者に依頼してください。

※ 参考1:LIXIL|カーポート・テラスを掃除する方法
※ 参考2:LIXIL|カーポートやテラスにおける降雪時の注意事項
ウッドデッキ
ウッドデッキは、天然木と人工木でお手入れ方法が異なります。天然木は汚れを落として十分に乾燥させ、製品や塗料の説明に従って木材保護塗料を塗り直しましょう。塗り替えの時期は製品によって異なり、年1回を目安にするものもあります。人工木は、やわらかい布やスポンジなどで清掃し、必要に応じて薄めた中性洗剤を使います。塗装は天然木と同じ方法で一律に行わず、取扱説明書に従ってください。床板や下地、固定金具の傷みも点検しましょう。

舗装部分
駐車場などのアスファルト舗装は、車の通行量や地盤、気象条件によって傷み方が異なります。10年を一律の交換期限と考えず、ひび割れや穴、沈下などの状態に応じて補修や更新を検討しましょう。小さな損傷は早めに対処し、補修を繰り返しても再発するときや、広い範囲で傷んでいるときは、施工業者に相談してください。
※ 参考1:国土交通省・広島国道事務所|質問19 アスファルトの更新時期
※ 参考2:国土交通省|長寿命化修繕工法・目的と適用範囲
フェンス
フェンスは、素材に応じた清掃と点検が大切です。アルミ製は砂埃や塩分などが付いたままだと腐食の原因になるため、年1~2回程度を目安に清掃しましょう。海岸近くなどでは、さらにこまめなお手入れが必要です。樹脂製や木製は、それぞれの製品に合った方法でメンテナンスしてください。
アルミ・樹脂製
スポンジに薄めた中性洗剤を含ませ、フェンス表面の汚れをこすり落とした後、水ですすぎます。中性洗剤以外の洗剤は、変色・変形・腐食の原因になるおそれがあります。また、たわしやヤスリは表面を傷つけるおそれがあるため、スポンジなどやわらかいものを使いましょう。
木製
木製フェンスは、製品の説明に従って汚れを落とし、木材保護塗料を塗り直しましょう。水洗いした場合は、十分に乾燥させてから塗装してください。ささくれなどがある部分は、必要に応じてヤスリで整えます。腐朽やぐらつき、金具の緩みがある場合は、塗装だけで済ませず施工業者に相談してください。
塀
塀は、表面の仕上げや素材に合った方法で汚れを落としましょう。金属製の柵が付いている場合も、塗装の必要性や補修方法は素材と劣化状況に応じて判断します。ブロック塀にひび割れや欠け、傾きが見られる場合は、補修材で埋めるだけで済ませず、施工業者などの専門家に安全性の点検を依頼してください。内部の鉄筋や基礎の状態によっては、補強や撤去が必要になることもあります。
※ 参考1:国土交通省|ブロック塀等の点検のチェックポイント
※ 参考2:LIXIL|アルミ製品のお手入れ・お掃除方法
サンルーム
サンルームは、ガラスやフレーム、レールの汚れを、素材に合った方法で落としましょう。フレームの塗装や防腐・防サビ処理は、素材と製品の説明に応じて判断します。開閉が重い場合は、レールの清掃や部品の点検を行い、潤滑剤は指定された種類と箇所に使用してください。鍵穴には、一般的な潤滑油を使用しないでください。シーリングの傷みや雨漏りがある場合は、施工業者に原因の確認と補修を依頼しましょう。
テラス
テラス表面の埃や砂汚れをほうきで落とします。ひび割れや破損がないか確認し、雨漏りしている場合は早めに修理しましょう。外構設備を自分で点検しても、劣化や補修が必要な箇所を見落とすことがあります。補修作業中にケガをするおそれもあるため、定期的な点検やメンテナンスは専門業者への依頼を検討しましょう。
【Q&A】外構工事の耐用年数に関するよくある質問
耐用年数に達する前でも、外構工事を検討すべき場合は?
塀やフェンスのひび割れ・傾き・ぐらつき、ウッドデッキの腐朽などが見られたら、年数にかかわらず専門業者に点検を依頼しましょう。とくにブロック塀のひび割れや傾きは、安全性の確認が必要です。一方、天然木デッキの塗装の劣化は、点検のうえで塗り替えなどのメンテナンスで対応できる場合もあります。

※ 参考1:国土交通省|ブロック塀等の点検のチェックポイント
※ 参考2:タカショー|天然木製品のお手入れ
外構工事は減価償却できる?
事業や賃貸に使う塀・フェンス・舗装など、減価償却資産に当たる外構設備は減価償却できます。一方、通常の維持管理や原状回復に当たる工事は、修繕費として処理する場合があります。減価償却の年数は原則として法定耐用年数を使いますが、中古資産では一定の条件のもとで使用可能期間の見積りや簡便法による年数を使える場合もあります。メーカーの示す寿命の目安を、そのまま減価償却の年数として使うことはできません。
※ 参考1:国税庁|No.2100 減価償却のあらまし(令和8年4月1日現在)
※ 参考2:国税庁|No.1379 修繕費とならないものの判定(令和8年4月1日現在)








