2024年04月24日更新

監修記事

外構駐車場に屋根を後付けしてカーポートに!建ぺい率はオーバーしない?

車の所有者なら外構駐車場の設置を検討するでしょう。当記事では外構駐車場の種類や屋根をつけてカーポートにするメリット、建ぺい率との関係、建築確認申請の要否などについて解説します。外構駐車場に屋根をつけるカーポート工事を考えている人は必見です。

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外構駐車場に屋根を後付けしてカーポートにするメリットとは

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車が必須である地方をはじめ、車を所有する家庭は多くいます。

家を建築する際に外構駐車場まで考えることは珍しくありません。

外構駐車場は外からも見えますし、敷地の一角を占めるので家のイメージに少なからず影響を与えます。

デザインにこだわりたいという人もいるかもしれませんが、安全性や駐車のしやすさなども考慮に入れなければなりません。

外構駐車場にはオープン駐車場とカーポート、ガレージの3つの種類があります。

オープン駐車場とは名前の通り開けた駐車場で、屋根や壁など車を覆う物は一切ありません。

カーポートは、屋根と柱のみで組み立てられた駐車場のことで、ガレージよりも簡易的な作りになっています。

ガレージは日本語で車庫といわれる駐車場のタイプで、壁や屋根、天井などで構成されており、まるで一つの部屋のようにしっかりと建設されています。

それぞれの駐車場は種類によって値段も異なり、メリットやデメリットも違います。

外構駐車場に屋根をつける工事を施してカーポートにした場合、照り付ける強い陽射しや雨、雪、鳥の糞から車を保護することができるというメリットがあります。

また、カーポートはガレージと比較して工事費用を安く抑えることができるという点も魅力的です。

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外構駐車場に屋根を付けたカーポートに種類はあるの?

外構駐車場に屋根を付けてカーポートにするといっても、カーポートの種類は色々あって迷うかもしれません。

実は、カーポートは屋根の素材や屋根の形、屋根の支え方で種類分けされています。

適切なカーポートを選ぶためにもカーポートの種類を知っておく必要があります。

屋根の素材による種類分け

カーポートにするためにつける屋根ですが、屋根はいくつもの素材から選ぶことができます。

それぞれの素材に特徴があるので、特徴を知った上で選びましょう。

アクリル

透明素材で、紫外線特性によって紫外線カットの効果が期待できるものもあります。

太陽光や太陽熱による劣化を防ぎますが、衝撃に対して強くないという点がデメリットです。

ポリカーボネートより低価格で取り付けることができます。

現在では割れやすいアクリル板は、カーポートの屋根材に使用されることがほとんどなくなってきています。

ポリカーボネート

カーポートの屋根の素材で多くの家庭に選ばれているのがポリカーボネートで、半透明素材です。

選ばれる理由は、温度変化にも対応できる丈夫な素材であり、軽くて弾力性に優れているため設置が容易だからです。

熱線吸収ポリカーボネート、熱線遮断ポリカーボネートなどもあります。

比較的値段は高めで、1枚約8000円~5万円が相場となっています。

スチール折板

スチールは鉄のため頑丈です。

その耐荷重性や耐風性から、大雪に見舞われる豪雪地帯や台風の被害を受けやすい地域のカーポートの屋根として用いられることが多い素材です。

相場は1枚約5000円~2万円と考えておくと良いでしょう。

アルミ

スチール折板と同じようにアルミも頑丈な素材として知られています。

アルミの特徴としては、錆に強いという点が挙げられ、劣化防止に繋がります。

他にも、遮熱性や遮光性にも優れています。強い海風に晒されることの多い海に近い地域のカーポートの屋根にアルミが使われることがあります。

相場は約4000円~3万円です。

屋根の形による種類分け

カーポートを見る際、屋根の形まで気にならないかもしれませんが、実はよく見るとカーポートの屋根の形には大きく2種類あることに気が付くはずです。

アール屋根とフラット屋根です。

機能には特に差異は無いと言われており、デザインの選択は好みの問題となるでしょう。

アール屋根

アール屋根は、丸くなっている屋根です。

柔らかいイメージを醸し出すアール屋根は、今まで多くの家庭のカーポートの屋根として選ばれてきました。

量産されていることもあり、値段はフラット屋根に比べて安めの設定になっています。

雪が落下しやすいという点で積雪地域の家におすすめの屋根の形です。

フラット屋根

フラット屋根は真直ぐになっている屋根のことです。

最近は、シンプルかつスタイリッシュな住宅を好む人も多くなり、人気となっているタイプの屋根です。

また、狭い住宅であってもフラット屋根の場合は加工が容易である点も重宝されています。

屋根の支え方による種類分け

カーポートの種類は屋根の支え方によっても分けることができます。

カーポートの屋根の支え方には片流れタイプと両側指示タイプがあります。

片流れタイプ

片流れタイプは片側だけ柱で固定されているタイプです。

片流れタイプの方が材料費だけでなく工事費も安く済ませることができます。

柱がない分広くなるので使い勝手は良いかもしれませんが、強風が吹いた場合などは揺れが酷くなります。

自然災害が多くなっている昨今、片流れタイプでは心配だという場合はオプションのサポート柱で対応することも可能です。

両側支持タイプ

両側支持タイプはカーポートの屋根の両側に支えがあります。

両側から支えているだけあって揺れにくく、積雪への対応力は片流れタイプよりも優れています。

両側支持タイプは強度だけでなくデザイン性も好まれ、人気を得ています。

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外構駐車場に屋根を後付けするには建築確認申請が必要?

家を建てる際には様々な法律や条例が絡んできます。

知らなかったという言い訳は通じません。

家の建築に関連する情報を調べると、建築確認申請という言葉を必ず目にするはずです。

建築確認申請は住宅ばかりの話だと思い込む人は多く、意外に見落とされがちなのが外構駐車場に屋根をつける際の建築確認申請です。

都市計画区域内の駐車場に屋根がついていると建築物として扱われるので建築確認申請が必要となります。

ただし防火地域及び準防火地域外において後から建てるカーポートの床面積の合計が10㎡以内であれば建築確認申請不要です。

建築確認申請とは、工事着工前の建築予定物件が建築関連の法律や条例に適合しているかどうかを行政に審査してもらうよう依頼することです。

建築確認申請によって建築基準法や都市計画法をはじめとした関連する法律に適合していると確認されると確認済証が交付されます。

建築確認申請は設計知識が必要とされるため、素人には難しい部分もあります。

専門業者に依頼するとお金はかかりますが、たかがカーポートと思って自分で物事を進めてしまうと失敗してしまう可能性も考えられます。

カーポートは業者に相談や依頼して建築確認申請を作成してもらったり、カーポートの建築をしてもらうのが安全で確実です。

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屋根をつけた外構駐車場は建ぺい率に関係するのか?

外構駐車場に屋根をつけると建築確認申請だけでなく、他にも気にすべきことがあります。

建ぺい率です。

建築確認申請の時にも述べましたが、屋根をつけた外構駐車場は建築物扱いとなります。

建ぺい率とは、土地の面積に対して建物が占める面積の割合のことを指します。

防災のためだけでなく、風通しや日照、プライバシーを確保するなど快適な暮らしをするために設けられています。

思いのまま所有する土地いっぱいに建物を建てて良いというわけではありません。

屋根をつけた外構駐車場がある住宅の場合、建物と外構駐車場を合算して建ぺい率を算出します。

(建物+屋根をつけた外構駐車場の面積)÷敷地面積という計算式で建ぺい率を算出することができます。

建ぺい率の上限は全国で統一された値が用いられているのではなく、地域や場所によっても異なります。

都市計画法に基づいて行政が決めていますが、用途地域によって建ぺい率の限度に差があるため、市役所の担当課に問い合わせるなどして確認が必要です。

家を建てる際も屋根をつける外構駐車場の工事をする際も、建ぺい率の上限内に収まるようにしましょう。テラス屋根(ルーフテラス)を後付けする際等も同様の確認が必要です。

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屋根をつけた外構駐車場の建ぺい率緩和条件とは

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実は屋根をつけた外構駐車場には建ぺい率の緩和の条件があります。

建ぺい率の緩和とは、建築物の面積に含まなくても良い部分があるということで、屋根をつけた外構駐車場の場合はカーポートの先端から1m以内の部分は建築面積に算入しなくても良いという規定があります。

ただし、屋根をつけた外構駐車場の建ぺい率の緩和には条件があり、条件をすべて満たさなければなりません。

屋根をつけた外構駐車場の建ぺい率緩和の条件とは、柱の間隔が2m以上、天井の高さが2.1m以上、外壁のない部分が4m以上連続していること、地階をのぞいて階数が1になっているということです。

ガレージなら条件に該当せず建ぺい率の緩和は不可能ですが、カーポートなら多くの場合で緩和措置の対象となります。

建ぺい率的にカーポートの設置が厳かったとしても、4つの条件を満たせばカーポートを設置できる可能性があるのですぐに諦めることはありません。

ただ、自治体によって扱いが異なることがあるので、詳しくは自治体に確認しましょう。

また、屋根をつける外構駐車場の工事は建ぺい率の相談も含めて信頼できる業者に依頼できるよう、事前に情報を集めるなどして業者選びにも慎重になって下さい。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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