2024年08月18日更新

監修記事

【フラット 35】リノベでリフォーム費用はどうなる?気になる金利も

中古住宅購入時に一定の要件を満たしたリフォームを実施すると、フラット35の金利引き下げ制度である【フラット35】リノベが利用できます。
この記事では【フラット35】リノベのリフォーム一体型プランにスポットをあてて、制度の特徴や利用条件、申し込み手順などをくわしく解説します。中古住宅の購入にともなうリフォームを検討している人は、ぜひ参考にしてください。

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【フラット35】リノベの特徴

【フラット35】リノベとは、以下のような制度のことをいいます。

一定の要件を満たし中古住宅の購入後にリフォームを実施する(リフォーム一体型タイプ)もしくは、住宅事業者がリフォームをした中古住宅を購入する(買取再販タイプ)場合でフラット35の金利を引き下げられる制度

そもそもフラット35とは?

住宅金融公庫が民間金融機関をバックアップし、利用者に低利で最大35年の長期固定の住宅ローンを提供することを目的に設定されたローン商品のこと

ここでは【フラット35】リノベの「リフォーム一体型プラン」にスポットをあてて、その特徴についてくわしく解説します。

【特徴1】フラット35より金利を抑えられる

【フラット35】リノベは、当初5年間の金利がフラット35の金利より最大1.0%引き下げられます。

金利プラン金利Aプラン金利Bプラン
工事費用の要件300万円以上200万円以上
金利引き下げ期間当初5年間当初5年間
金利引き下げ幅年1.0%年0.5%
住宅の要件金利Aプランの申し込み条件にて解説金利Bプランの申し込み条件にて解説
参考:【フラット35】リノベの住宅の条件
金利引き下げの期限に注意!

金利の引き下げは、2025年3月31日までの申し込み受付分までが対象なので注意しましょう。

金利Aプランの場合、当初5年間の金利が1.0%引き下げられるので、月々の返済額を大幅に抑えられます。

【特徴2】金利上昇のリスクに備えられる

【フラット35】リノベをはじめとしたフラット35のローン商品は、金利上昇のリスクに備えられる固定金利型を採用しています。

ローン商品の金利タイプには大きく分けると「固定金利型」と「変動金利型」の2種類があります。

固定金利型と変動金利型の違い

固定金利型と変動金利型の違いは、以下のとおりです。

固定金利型

市場金利の動きに関わらず、決められた期間もしくは全期間で借入時の金利が採用される

変動金利型

市場金利の動きによって金利が変動し、金利は半年ごとに見直される

固定金利型は、市場金利の動きに金利が左右されず返済額が変動するリスクがありません。

【フラット35】リノベの条件を満たすリフォームを実施すれば、金利の引き下げがおこなわれるだけではなく、安定した資金計画が可能となります。

【特徴3】フラット35(リフォーム一体型)の代わりとして利用できる

【フラット35】リノベは、2020年12月末をもって借り入れの申し込み受付を終了したフラット35(リフォーム一体型)の代わりとして利用できます。

フラット35(リフォーム一体型)とは

住宅の購入資金と、リフォーム資金をあわせて借入可能な制度。

工事内容に制限はなく、リフォーム後にフラット35の技術基準を満たすことを要件としている

工事内容に制限のないフラット35(リフォーム一体型)に対して、【フラット35】リノベは性能向上リフォームをおこなうことが要件になります。

性能向上のリフォーム要件を満たしたリフォーム工事を実施し、フラット35(リフォーム一体型)の代わりとしての利用を検討してみましょう。

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【フラット35】リノベの申し込み条件

【フラット35】リノベの申し込み条件は、大きく分けると以下のふたつに分けられます。

【フラット35】リノベの申し込み条件
  1. フラット35で定められている技術基準を満たすこと
  2. 性能向上リフォームをおこなうこと
性能向上リフォームとは

「性能向上リフォーム」とは、建物の性能を一定以上向上させるリフォーム工事のことを指します。なお、以下のような建物の性能がこれに該当します。

  • 省エネ性
  • 耐震性
  • バリアフリー
  • 耐久性

なお、これらの申し込み条件は金利プランに応じて異なるため、ここでは金利プランごとに申し込み条件を見ていきましょう。

金利Aプランの申し込み条件

金利Aプランを申し込むには、以下の条件をどちらも満たさなければなりません。

  • リフォーム工事費:300万円以上
  • 以下の要件を満たした住宅へのリフォーム
金利Aプランのリフォーム要件
省エネルギー性

(1)断熱等性能等級4の住宅で、かつ、一次エネルギー消費量等級6の住宅
(2)断熱等性能等級5以上の住宅で、かつ、一次エネルギー消費量等級4以上の住宅

耐震性

(3)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅
(4)免震建築物

バリアフリー性

(5)高齢者等配慮対策等級3以上の住宅

【耐久性・可変性】

(6)長期優良住宅(維持保全計画認定※2も含む。)
(7)劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅(共同建て住宅などについては、一定の更新対策が必要)

引用【フラット35】リノベ( 金利Aプラン)の住宅の要件

金利Bプランの申し込み条件

一方、金利Bプランを申し込むには、以下の条件をどちらも満たさなければなりません。

  • リフォーム工事費:200万円以上
  • 以下の要件を満たした住宅へのリフォーム
金利Bプランのリフォーム要件
省エネルギー性

断熱材の追加工事/断熱性の高い開口部への交換工事/
高効率空調機・高効率給湯器・太陽光発電設備等の設置工事など

耐震性

壁・筋かい等の設置工事など

バリアフリー性

手すりの設置工事/通路または出入口の幅員拡幅工事/バリアフリートイレまたは浴室への交換工事など

耐久性・可変性

床材の交換工事/屋根・外壁の塗装・防水工事/天井・内壁等の壁紙等の交換工事など

引用元:【フラット35】リノベ(金利Bプラン)の住宅の要件

このように【フラット35】リノベに申し込むためには、さまざまな要件を満たす必要があります。

そのため、【フラット35】リノベをスムーズに利用したい場合には、リフォームの専門業者に相談するのがおすすめです。

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【フラット35】リノベの利用条件

リフォーム ローン フラット 35

【フラット35】リノベの融資を受けられる人の条件は、以下のとおりです。

【フラット35】リノベの利用条件
  • 申し込み時の年齢が満70歳未満の方
  • 日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方
  • 借入対象となる住宅またはその敷地を共有する場合は、申し込みご本人が共有持分を持つなどの要件があります
  • すべての借り入れに関して、年収に占める年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が、次表の基準を満たす方
年収基準
400万円未満30%以下
400万円以上35%以下
引用元:【フラット35】リノベ|申込要件

なお、申し込みの年齢制限は上限が70歳未満と定められていますが、「親子リレー返済」を利用する場合は70歳以上でも申し込みが可能です。

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【フラット35】リノベにおける手続きの流れ

【フラット35】リノベの手続きの流れは、一般的な住宅ローンの手続きの流れと異なります。

【フラット35】リノベにおける手続きの流れは、以下のとおりです。

STEP
【フラット35】リノベの申し込み

【フラット35】リノベの取り扱いがある金融機関に、借り入れを申し込みます。

STEP
審査結果の通知

審査結果の通知後、住宅事業者が【フラット35】リノベの技術適合状況の調査・確認をします。

STEP
住宅費用の決済

技術適合状況の調査が完了したら住宅費用の決済にすすみます。

【フラット35】リノベを利用する場合、住宅費用の決済を先におこないます。

住宅費用として利用できる資金がない場合には、つなぎ融資の手続きをしておきましょう。

STEP
リフォーム工事の実施

施工業者によるリフォーム工事を実施します。

リフォームの工事内容は【フラット35】リノベの性能向上リフォームに該当する必要があるので、リフォーム業者との綿密な打ち合わせをしておきましょう。

STEP
適合照明検査

リフォーム完了後【フラット35】リノベの技術基準に適合しているか適合証明検査機関による調査がおこなわれます。

問題がなければ、適合証明書が発行・交付されます。

STEP
【フラット35】リノベの借入契約・融資実行

【フラット35】リノベの融資実行は適合証明書の発行・交付後(リフォーム完了後)となります。

つなぎ融資を利用した場合には、このタイミングで返済をおこないましょう。

【フラット35】リノベは融資実行までに時間を要する

金融機関以外に施工事業者や適合証明検査期間が関わる【フラット35】リノベは融資実行までに時間を要します。

そのため、入居時期が迫っている場合には、早めの申し込みやリフォームの相談を心がけましょう。

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【フラット35】リノベの必要書類

【フラット35】リノベの申し込みに必要な書類は、融資を受ける金融機関によって異なります。

ここでは、すべての金融機関で共通する【フラット35】リノベの必要書類を見ていきましょう。

【フラット35】リノベの必要書類
  • 借入申込書
  • 金利引き下げ制度利用申込書
  • リフォーム工事費用の確認ができる書類
  • 所得を証明する書類
  • 売買金額の確認書類
  • 住宅の登記事項証明書
  • 土地の登記事項証明書

なお、書式などについてくわしく知りたい場合は、フラット35公式サイトを確認しましょう。

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【フラット35】リノベ取り扱い金融機関

ここでは【フラット35】リノベを取り扱う金融機関を見ていきましょう。

金融機関によってフラット35の取り扱いがあっても【フラット35】リノベの取り扱いがないケースもあるため、くれぐれも注意してください。

【フラット35】リノベの取り扱いがある金融機関
  • SBIアルヒ株式会社
  • イオン銀行
  • りそな銀行
  • 埼玉りそな銀行
  • 三井住友信託銀行
  • 株式会社クレディセゾン
  • オリックス・クレジット株式会社
  • 日本モーゲージサービス株式会社
  • 青森銀行
  • 山形銀行
  • 足利銀行
  • 関西みらい銀行
  • 富山銀行
  • 百五銀行
  • 但馬銀行
  • 広島銀行
  • 山口銀行

参考:【フラット35】リノベ取扱金融機関一覧

なお、上記の金融機関はごく一部に過ぎないため、検討の際は【フラット35】リノベ取扱金融機関一覧を確認しましょう。

【フラット35】リノベには予算がある

【フラット35】リノベには予算金額があり、予算に達した時点で受付が終了となります。

受付終了日については、終了する三週間前までにフラット35の公式サイトで案内が出るので、利用前に必ず確認しておきましょう。

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【フラット35】リノベはすでに住んでいる住宅のリフォーム資金として利用できない

【フラット35】リノベは元々住んでいる住宅のリフォームには利用できません。

なぜなら【フラット35】リノベを利用するためには、下記のいずれかの条件を満たす必要があるからです。

【フラット35】リノベの利用条件(一部抜粋)
  • 中古住宅を購入後にみずから性能向上リフォームをする(リフォーム一体タイプ)
  • 性能向上リフォーム済みの中古住宅を購入する(買取再販タイプ)

元々住んでいる住宅のリフォームは上記のどちらにも該当せず、残念ですが【フラット35】リノベは利用できません。

さらに、住宅の建設や新築住宅の購入および借換えの際にも利用できないため、くれぐれも注意しましょう。

住宅ローンにリフォームローンを組み込みたい人は、下記の記事を参考にしてください。

>>住宅ローンにリフォーム費用を組み込む方法はこちら

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【フラット35】リノベの対象となるリフォーム事例

ここでは【フラット35】リノベの対象となるリフォーム事例を紹介します。

【リフォーム事例1】省エネ性向上リフォーム

Before
After
住宅の種類一戸建て
リフォーム費用532万円
工事期間3週間
リフォーム箇所キッチン
浴室
洗面
施工場所滋賀県草津市
テーマ断熱リフォーム
収納リフォーム
設備交換リフォーム
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【リフォーム事例2】耐久性・可変性リフォーム

住宅の種類一戸建て
リフォーム費用250万円
工事期間2.5か月
リフォーム箇所屋根
外壁
施工場所埼玉県上尾市
テーマ断熱リフォーム
省エネリフォーム
部分リフォーム
最強の外壁!樹脂サイディングでリフォーム!

【リフォーム事例3】耐久性・可変性リフォーム

住宅の種類一戸建て
工事期間2日間
リフォーム箇所窓サッシ
施工場所長崎県長崎市
テーマ防音リフォーム
省エネリフォーム
設備交換リフォーム
防音&断熱性に優れた内窓
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【フラット35】リノベに関するよくある質問

【フラット35】リノベに問題点はありますか?

【フラット35】リノベには、これといって大きな問題点はありません。

しかし不動産会社などに工事を依頼した場合は、クロスやフローリングの張り替えといった表面的なリフォームのみの提案となります。

そのため【フラット35】リノベの利用が難しくなるケースもあります。

【フラット35】リノベを検討されている場合、早い段階でリフォーム会社へ相談しておきましょう。

【フラット35】リノベはどのような人に適していますか?

【フラット35】リノベは、以下のような人におすすめです。

  • 中古住宅にともない性能向上リフォームをしたい人
  • 性能向上リフォームが実施された中古住宅の購入を検討している人

また【フラット35】リノベは、通常のフラット35の金利が一定期間引き下げられる制度です。

通常のよりも金利が抑えられるため、中古住宅の購入にあわせてリフォームを検討している人にもおすすめの制度といえるでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】小川愛

二級建築士、宅地建物取引士。愛知県名古屋市にて高級分譲住宅設計・施工会社に勤務。土地取得からプランニング、施工、販売、お客様のお引っ越し、アフターサービスまでの、住宅に関わる全ての業務に従事。

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