居心地のいい空間に住むこと。帰ってきた時に「この家が好き」って思える自宅を作っています
インタビュー前編では、数々のスーパーポジティブな言葉を持つアン ミカさんに、人生のターニングポイントになった言葉とそのエピソードをたっぷり伺いました。
今回のインタビュー後編では、スーパーポジティブに過ごすためのライフスタイルやお住いへのこだわり、ミドルエイジの転機となったエピソードやアン ミカさんがいま考える「元気な老後」についてもお話いただきます。
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【インタビュー前編はこちら】「『自分を知る』ことが“スーパーポジティブ”に生きる上では大事」人生の転機と最高のライフスタイルを語る
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アン ミカ流スーパーポジティブなこだわりライフスタイル
――アン ミカさんはご自身のライフスタイルの中で、「ポジティブに生きるためのこだわりや、気をつけていること」はありますか
アン ミカ 自分の機嫌を自分で上手にとりながら、「忙しい」自分の生活をあえて選んでいます。
忙しいのが大好きなんです。それでスケジュールを詰め込んじゃうんですけど、自分が好きで忙しさを選んでいるからこそ、前向きにでいるために、自宅の生活動線をすごく工夫しています。
たとえば、ハサミ。家の各場所に色と形が違うものをたくさん置いてあります。玄関には玄関用のピンクのハサミ、洗面所にはブルーのハサミ、台所には白のハサミ…という風に各場所に置いて、そこで使ったものはそこでしまっておくというような動線にしています。
家で使うハサミを1個か2個で済まそうとして、1回使ったハサミがどこにあるか「ハサミ、ハサミ」とウロウロ探すのは時間がもったいない。
忙しさを選んでいながら、ハサミ1個探すのに時間を使ってイライラするのが私は嫌なんです。
美容については、旦那さんと自宅で映画を観る時に、シックスパッドをつけて全身合計50か所ぐらい鍛えられるようにしています。
そう、やってエステに行けないとか、ジムに行かなきゃってストレスに思う時間を短縮している上に、やりたいことを効率よく実現もして、満足感高い生活にしているんです。
お風呂に入ったあとは、風呂場で体に痩せるクリームを塗って、そのあとリビングに行き、顔のパックをしながら足の裏をローラーでゴロゴロしつつテレビを見たり。
疲れはその日のうちに取りたいんです。疲れが取れないと毎日機嫌良くなれないですから。(笑)
「忙しいから何々しなかった、何々できない」っていう言い訳を全部排除するライフスタイル
――あえて忙しくするからこそ、時間を有効活用していらっしゃると。しかし、これはかなり工夫が必要ですね
アン ミカ 実は、私は要領がスーパー悪くて(笑)、時間を短縮できないで「うーっ」と唸っているのを見たMr.効率男の旦那さんが、笑いながら「こうしたら解消できるよ」とアドバイスをくれたんです。
クリームはずっと洗面所に置いてあったんですけど、旦那さんが「君の動線を見ていると、お風呂に入る時に、クリームを入れた箱を風呂場に持って入って、化粧水とクリームを塗ってから髪を乾かしたら一発で済む。それから僕と一緒にソファーに座った瞬間に、ソファーの下から足裏と顔のローラーを出したら、わざわざ直しに行かなくてもよい」と助言をしてくれました。
普通だったらリビングに美容グッズは置かないんですけど、ソファーの下にローラーを置く引き出しを旦那さんが作ってくれたので、そこに置いておけば、時間を短縮して生活習慣の一部にできるといった動線にしているんです。
「忙しいから何々をしなかった、何々できない」っていう言い訳を全部排除するライフスタイルになっています。動線命の夫のおかげで、私はストレスなく生きられるんですね。
「自宅は、魂の箱である体をリラックスさせることが大事。だから好きなものに囲まれよう」
――アン ミカさんならではの、お住いへのこだわりがあれば教えて下さい
アン ミカ 子どもの頃が貧しい家だったってこともあったんですけど、私は小さいころから、漫画を立ち読みするより、インテリア雑誌を立ち読みする子だったんです。
インテリアに興味があって、<いつか年を重ねたら美しい家に住みたい>と思っていました。小さいころからブルーアンドホワイトの陶器が好きだったから、シノワズリのインテリアやプラナカン建
築のような、アジアと西洋のデザインをミックスした家に住みたいと思って、『エル・デコ』のような雑誌や本ばかり読んでいたんです。
パリコレなどでヨーロッパやアメリカに行った時にはすごく素敵な天使の燭台とか、台湾では景徳鎮の壺とかいろんなアンティークをいっぱい買ってきてはダンボールに入れて、いつか一人暮らしをした時に部屋に置けるようにしていました。東京出てきて初めて置けたんですよ。
旦那さんと一緒に住んでからは、居心地のいい空間に住むっていうことが、魂の箱である体を休めるのはすごく健康的って事に気づきました。
書斎は深めの赤色で、寝室はブルーと白に統一して、といったテーマを旦那さんと決めて、帰ってきた時に「この家が好き」って思える家を作っています。
いかに自分が心地よくて好きなものに囲まれるかが大切
――「魂の箱である体を休める」すごくいい言葉です。リラックスするための工夫って、たとえばどんなことがあるでしょうか
アン ミカ 自宅はリッチな家でも、めちゃくちゃ広いわけでもないです。小さいスペースを、いかに自分が心地よくて好きなものに囲まれるかを大切にしています。
私は、特に五感に訴える花が好きだから花を飾るし、アートも気持ちや季節によって変えたりしています。あとは、高いものじゃなくていいから触り心地が好きな寝巻きにするとか。
香りも大切ですね。アロマが何種類かあって、好きな香りは体調によって変わるので、その時にいいと思うアロマを炊くとか。食事でも体が喜ぶ旬の美味しいものをいただくのもそうですね。
自分の五感が喜ぶもの、心地良いものを知って、それを身の回りに置くとストレス解消になります。この<自分を知る>というのが、スーパーポジティブに生きる上では大事かなと思っています。
喜怒哀楽の「喜」と「楽」も大事なので、自分は何をしたら心が喜ぶかっていう好きと心地いいことっていうのを紙に書き出して、それを日常生活に散りばめるというのも幸せになれると思いますよ。
アン ミカさん流の『ポジティブ思考』への第一歩は「7つの光の木」
――これからミドルエイジを迎えられる方へのアドバイスなど、ご経験からヒントを伺えればと思います
アン ミカ インタビュー前編で、喜怒哀楽の「怒」と「哀」はちゃんと自分で分かっておいたほうがいいとお伝えしました。
どういう時に自分が怒ったり、ネガティブな感情になったり、悲しみやすくなったり、「なんで私ばっかり」と被害妄想を持ったり、不満が出やすいのかというのを、私は小さいころから書き出すようにしています。
書き出してみると、見えてくるものがあるんですね。私はこれを『7つの光の木』と言っています。
私が過去に出版させていただいた本の中でも、ラストの方にこの『7つの光の木』に触れて、「みんな書き込んでみてください」とご紹介しています。
方法としては、まず最初に、①今の悩み、もしくはこうなりたいというものを書く。②その上に、なぜそれをやりたいかの目的を書く。
③次に、自分で感じる心当たりですね、なぜ今そう思ってるかを書く。④次にこれが叶った時、もしくは解消された時に起こり得る喜びを書く。⑤その次に、自分がそれを頑張る時に味方になってくれそうな物や人を書く。自分の特技でもOKです。
⑥そして、次に自分がそれを邪魔してるなと感じる心癖や邪魔してると感じる人、物、事を書く。⑦そして最後に、実現への計画を書くと7つになります。
『7つの光の木』を書くことで、各項目から自分が思い込んでいることや、癖、心のパターンが見えてくるんですよ。人のせいにしてるな、時代のせいにしてるな、自分を責めすぎてるなとか、書いてる時に自分の心癖が見えてくるから不思議です。
この方法はカウンセリングを受ける時に必ず聞かれることで、これを自分で書き出すので、一人でカウンセリングができているんです。
私は小学校のころから書いています。お母さんがどっかで習ってきたのか「これを書きなさい」という人でした。
私も「7つの光の木」で、「また自分の心癖がまた出てる」とか「またやっちゃってる」と自分のパターンが発見できて助かっています。でも、なかなか治せない人なんです(笑)。
「自分の一生の味方って自分」ミドルエイジ以降で大切なのこと
――なかなか直せなくても、自分の心癖やついやってしまう行動は、知っているほうが絶対にいいですよね
アン ミカ 特にミドルエイジ以降は、自分を知っておくことが大切ですね。
一番わかってほしいのは、「自分の一生の味方は自分」だということです。それは孤独という意味ではなく、ミドルエイジ以降は「自分で自分を知っておく責任」が出てくるということ。
何かあった時に説明を求められる立場として、自分のことを説明できるというのはとても大事で、それが結果、自分を守ることにもなります。
「私は何をやったら楽しく気分転換ができるか」、「自分を甘やかしてあげられるものは何なのか」を知っておくことは、自分の最高の味方は自分になるために必要です。
人ってだいたい、幼少期についた傷を守るために、怒ったり悲しんだりしやすいので、そこを書き出して、<子供のころの傷ついた自分が怒る、悲しむ>ということを自分で知る。
これがミドルエイジからの生き方としてはとても大事だと思います。
アン ミカさんが考える元気な老後は「フットワーク軽く、好奇心に素直に」
――カレンダーの自己紹介で、「今の夢は元気な老後」とあります。アン ミカさんが考える、元気な老後とは?
アン ミカ やりたいことを見つけたら、フットワークは軽く、好奇心に素直になるような心を常に持っておくことがまず大事ですね。
年齢を重ねて、もう全部やった気分になってしまって心がときめかなくなるのはよくありません。いくつになってもワクワクのハードルは上げずに、色々な物事を面白がれる好奇心を持っておきたいです。
その好奇心に対して素直に動ける、体の健康も必要ですね。
美味しいものをおいしいと感じる心や、体のあちこちが痛くなっても、その痛みすらも「痛いわぁ」って言いながら、老いを笑えるぐらいの気持ちでいること。これが、私の考える『元気な老後』かなって気がします。
そもそも、いつからが『老後』かというボーダーラインも、昔だったら60歳とかでしょうけど、今の60歳ってとっても元気だし、仕事に関しても定年退職なんてまだまだという人もたくさんいる時代です。
それに私の仕事は定年がないので、世の中の人に求めていただく限り続けられるお仕事でもあります。
そこは年齢に合わせてスタイルを変えながら、求めていただける仕事を楽しみながら生きていけたらいいなと思ってます。
自分が好きな自分になれるお手伝いができたら嬉しい
――最後に、『スーパーポジティブ日めくりカレンダー 今日もアン ミカ』に込めた思いをぜひ教えて下さい
アン ミカ 今はSNS社会、情報化社会になってたくさんの情報が得られるようになりました。ですが、その中には人を傷つけるものもある。「目から入ってくる情報」がすごく強い時代だと思うんです。
だからこそ、朝一番に、私の『スーパーポジティブ日めくりカレンダー』をめくって、好きなページを見て、そこにある逆にポジティブな深い言葉を目に飛び込ませてほしくて!私にできる最高の笑顔の写真も載せました。
ポジティブな言葉と笑顔が脳に入ってくると、そこで幸せを満たせたり、気をつけることを意識したりできるのではないかと思っています。
ひと月31日、これが年に12ヶ月あって、日めくりなので同じ言葉を年に12回は目にする。それでも自分が持ってる『心癖』の方が勝つんです。
だから、ちょっとずつでもそこを和らげて、いつか皆さんが自分の心癖を手放せて気持ちが柔らかくなって、自分が好きな自分になれるお手伝いができたら嬉しいです。
(執筆・取材/牛島フミロウ)