2024年01月14日更新

監修記事

媒介契約とは何か?3種類ある媒介契約の違いについて

媒介契約とはどのようなものなのか?

媒介契約とは何か?3種類ある媒介契約の違いについて

それでは、まず媒介契約とはどのようなものなのかについて見ていきましょう。

媒介契約とは?

媒介契約とは、所有する不動産を売却する際に、不動産会社と結ぶ仲介契約のことです。

この契約では、どのような条件で不動産の売却を行っていくのか、売却が成立した際の報酬はどうするのかなどについて取り決めます。

もちろん、売主側が自分で購入希望者を見つけられるのなら媒介契約を結ぶ必要はありません。

しかし、不動産会社に依頼すれば、広告や独自のネットワークなどを用いて購入希望者を探してもらえるため、個人で希望者を探すのに比べて、より短期間で高く物件を売却できる可能性が高くなるでしょう。

媒介契約の種類

媒介契約には、「一般媒介契約」と「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類があります。

それぞれの媒介契約では、売主が不動産会社と媒介契約を複数結べるか、自力で買い手を探すことができるか、不動産流通機構(レインズ)への登録の有無や期限、依頼者への報告義務などに違いがあります。

そのため、媒介契約を結ぶ際には、売主や物件に合わせてどの契約を結ぶかを考えなければなりません。

専属専任媒介契約とは

専任媒介契約は、3種類の中で最も制限が厳しい媒介契約です。専任媒介契約と違い、例え自分で買い手を見つけたとしても、必ず不動産会社を仲介しなければなりません。

また一社のみに依頼することで販売活動が活発になり、レインズへの登録義務が契約から5日以内となるため専任媒介契約より早く登録でき、レインズの掲載期間が長くなります。

専属専任媒介契約は、不動産会社に販売活動などを全てお任せしたい場合に向いている媒介契約と言えるでしょう。

【不動産会社の契約社数】

  • 一社のみと契約

【媒介契約の有効期限】

  • 最長3カ月

【レインズ(不動産流通機構)の登録義務】

  • 〇(契約から5日以内に登録)

【状況報告の頻度】

  • 1週間に1回以上

【買い手との直接交渉及び契約】

  • 不動産会社を仲介しなければならない

専任媒介契約とは

3種類の中で制限の程度が中間にある専任媒介契約は、1社の不動産のみに依頼する契約です。2週間に一度販売状況などの報告を受けることができるなどメリットがあります。

また自分で買い手を見つけた場合、不動産会社の媒介なしで契約を結ぶことができます。

【不動産会社の契約社数】

  • 一社のみと契約

【媒介契約の有効期限】

  • 最長3カ月

【レインズ(不動産流通機構)の登録義務】

  • 〇(契約から7日以内に登録)

【状況報告の頻度】

  • 2週間に1回以上

【買い手との直接交渉及び契約】

  • 不動産会社を仲介しなくても販売可能

一般媒介契約とは

一般媒介契約とは、媒介契約の中で唯一複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約です。制限が少なく、比較的自由に不動産の販売活動ができます。

また、一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」があります。どちらを選択しても、不動産の売却が成約した際にどの不動産会社と契約したのかを報告しなければなりません。

  • 明示型:仲介を契約している不動産会社が他にもいることを知らせる方法です。そのときにどこの不動産会社と契約をしているのかも知らせます。
  • 非明示型:依頼主が複数の不動産会社と契約しているのか、契約している場合はどこの不動産会社なのかを知らせない方法です。

【不動産会社の契約社数】

  • 複数社と同時に契約可能

【媒介契約の有効期限】

  • 法令上の制限はない(3カ月が一般的)

【レインズ(不動産流通機構)の登録義務】

  • ×(登録義務はなし)

【状況報告の頻度】

  • 特に規定はなし

【買い手との直接交渉及び契約】

  • 不動産会社を仲介しなくても販売可能

自分に合った媒介契約の選び方

不動産の売却を行う際には、どうやって媒介契約の種類を決めれば良いのでしょうか?

おすすめの媒介契約をケース別にご紹介していきます。

一般媒介契約が向いているケース

一般媒介契約は複数の不動産会社と契約ができますが、複数の不動産会社に売却依頼を行うことで、内覧日程調整や価格改定などのやりとりが非常に煩雑になり、全体のお問合せ状況なども見えにくいため複数社への依頼は避けた方がいいでしょう。

まずは、一般媒介契約を用いて不動産会社と契約を結び、販売戦略や対応などから専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ぶ方法がおすすめです。

一般媒介契約は、他の媒介契約に比べて縛りは緩い契約形態ですので、初めての不動産売却活動をする際や、売主側がある程度自由に動きたい場合などに結ぶと良いでしょう。

専任媒介契約が向いているケース

1社としか契約ができませんが、レインズへの登録や売主への報告義務が付随しているのが専任媒介契約です。

そのため、対外的な広告を不動産会社に任せつつ、売主が購入希望者を探したい場合、信頼できる企業や担当者とやりとりができている場合などに向いています。

専属専任媒介契約が向いているケース

専属専任媒介契約は、不動産売却に関するほぼ全てを不動産会社に委任する形の契約です。

そのため、不動産物件の売却について全て任せてしまいたいという方に向いた契約形態と言えます。

また、専任媒介契約と同様に、媒介契約から売買契約まで窓口を一元化できるため、余計な手間をかけたくないという方にもおすすめです。

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媒介契約はいつ?売却の流れ

媒介契約は、不動産会社に査定を依頼し、査定価格に納得した後、正式に仲介を依頼する時に初めて交わします。売却募集依頼をする不動産会社の担当者が、どの種類の媒介契約をすすめてくるかなど、契約締結前に確認しましょう。

媒介契約のルール自体はどの不動産会社と契約しても同じですが、物件の査定方法や契約時のサービスや特典などは選んだ不動産会社によって異なります。

媒介契約の内容を知っておくと、不動産会社独自のサービスが何なのかを区別でき、ご自身の希望に近い方法で売却してくれる不動産会社を見つけやすくなるでしょう。

媒介契約を結ぶメリットとデメリット

媒介契約を結ぶと、購入希望者捜しを不動産会社に任せられるのが一番のメリットですが、契約形態によってこれ以外にどのようなメリットやデメリットが考えられるのでしょうか?

それぞれの契約形態ごとのメリットとデメリットについて見てみましょう。

一般媒介契約のメリットとデメリット

一般媒介契約は、他の媒介契約と比べ縛りが緩い契約のため、不動産会社や担当者のうごきを見極めることにむいているといえます。

信頼関係が気づけたのちに、専任媒介契約へと移行することでより担当者に売却活動に集中して動いてもらえます。

一般媒介契約の特徴の複数の不動産会社に依頼できる点をメリットと捉えがちですが、複数の不動産会社に依頼をすることで販売活動の積極性の軽減、事務連絡の煩雑さ、複数募集窓口があることにより売り急いでいるように募集情報が見える点などから、避けた方がいいでしょう。

専任媒介契約を選ぶメリットとデメリット

専任媒介契約の場合、売買契約締結時の手数料が確実に不動産会社の利益となるため、一般媒介契約に比べて宣伝などにコストをかけやすくなります。

そのため、より購入希望者が見つかる確率が高くなることが考えられるでしょう。

しかしながら、不動産会社が持っている顧客の方向性と、売りたい物件とがかみ合っていなければ、物件がなかなか売却できないという事態が起こる可能性もあるため注意が必要です。

ただ、専任媒介契約の場合、契約期間経過後に不動産会社が物件を買い取るといった契約を結べる場合もあるため、一定期間内に物件を売却したいという方は、このような契約を結べる会社を探してみると良いでしょう。

専属専任媒介契約を選ぶメリットとデメリット

専属専任媒介契約の場合も、専任媒介契約と同様に不動産会社に手数料が入る可能性が高くなるため、広告塔にコストをかけやすくなり、売却しやすくなる点がメリットです。

また、法律によって毎週売主に販売戦略などについて報告する義務があるため、どのような広告を出しているか、問い合わせ状況はどうなっているかなどについてすぐに知ることができるでしょう。

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媒介契約を結ぶ前に確認しておきたいことは?

媒介契約を結ぶ前に、どのようなことを確認しておくと良いのでしょうか?

不動産会社が行う宣伝業務の内容

物件の価格査定の時に、買い手のイメージがわくか、査定価格の根拠など説明をうけて納得できる内容かなどをヒアリングし、その後の販売活動戦略を聞くことが大切です。

また、所有不動産の売却希望額の想定が自分でイメージできている場合、その売却希望額を伝えたうえで、どんな宣伝を行うかを知っておくことで、どの媒介契約を結ぶべきかを判断することができるでしょう。

仲介手数料について

媒介契約の仲介手数料については、法律で上限が定められていますが、実際の契約時にどの程度の額になるかを確認しておきましょう。

媒介契約書の内容確認と発行有無

法律上、契約書の発行は必須となっていますので、どのような契約書となるのか、不動産会社が使用している契約書を見せてもらうといいでしょう。

この時、契約期間と中途解約に関する条文についても確認しておきます。

信頼できる不動産会社かどうか

不動産の売却を行う際には、査定を依頼しますが、この時の対応などから信頼できるかどうかを判断していきます。

もちろん、不動産会社と長年の付き合いがあるような場合には、その会社に任せるのも良いでしょう。

不動産の売却を成功させるためには?

不動産売却を成功させるコツは、信頼できる不動産会社を探すことです。不動産会社のホームページなどで売却実績や売却に強いかなどを調査しておくことをおすすめします。

不動産会社は物件の近くにある会社を選ぶことで、近隣の相場や売却事例などがつかみやすくなるでしょう。

また不動産会社と契約する前に掃除やちょっとしたリフォームを済ませておくと査定額が良くなる可能性があります。

しかし、リフォームは高額になると売却価格に影響が出てしまうため、不動産会社と相談しながらリフォーム範囲を決める必要があります。大掛かりなリフォームやリノベーションでなくとも、クリーニングだけでも検討者の物件に対する印象はかわってきます。

その他の売却を成功させるコツは、同じマンション内や近隣で価格が安い売却物件がある場合、可能であれば売却時期をずらして販売することです。

同時期に近隣で良い物件が売り出されていた場合、売却予定の物件に目が留まらなくなりなかなか売却できなくなってしまう可能性があります。

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不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?

ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。

正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。

そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!

「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」

「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」

そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。

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一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!

この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社worth style home 濵田昭平

株式会社worth style home

濵田昭平

2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。

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