2024年01月22日更新

監修記事

住宅を任意売却する場合の適正価格はいくら?

ローンの残債がある住宅が売買?!任意売却について

住宅 ローン 任意 売却 残 債

住宅ローンの支払いが滞っていて今後もローンの返済が見込めず、自宅を売却してローンを一括返済したい。

けれど、売却価格がローンの残債よりも低すぎて自宅を売ってもローンの返済ができなくて困っている…。

そんな時の不動産売買法が「任意売却」です。

「任意売却」とは、住宅ローンが残っている状態で行われる不動産売買の方法のひとつで、債権者である金融機関の合意を得て不動産を任意で売却します。

住宅ローンは不動産売却後も残りますが、無理をせずに返済していくという方法です。

任意売却のタイミングは債権者から一括返済を求められたとき

不動産の任意売却が行われるケースは、債権者が住宅ローンの残債を一括返済求めてきた場合です。

住宅ローンを滞納したり延滞すると、ローンを組んでいる債務者にローンの返済能力がないとみなされて、お金を貸している側である債権者が一括返済を求めてきます。

このようなケースで任意売却が行われます。

住宅ローン残債物件を任意売却する際の流れ

住宅ローン残債物件を任意売却する場合、どのような流れとなるのでしょうか?

1.相談先の選定

物件の売却や債権者との交渉等を代行してもらえる業者を選びます。

複数の業者に見積もりや相談を行い、できるだけ信頼できる会社を探しましょう。

2.任意売却が可能かどうか調査を行う

債務の状況を確認し、債権者や保証人と交渉を行い、任意売却での処理が可能かどうか調査を行います。

3.任意売却する物件の査定

書類や現地調査などを行い、売却する物件がどれぐらいの価格で売却できるかについて査定を行っていきます。

4.任意売却を依頼する媒介契約を締結

物件の査定が終わったら業者と媒介契約を締結し、任意売却の手続きを実施していきます。

5.債権者または抵当権者と保証人に交渉する

意思確認は任意売却前に行いますが、この段階で正式に任意売却についての同意を得ます。

6.任意売却の開始

こちらは通常の不動産売却と同じ手続きとなり、広告などで物件について宣伝を行います。

7.購入者の選定

購入希望者が見つかったら売却の手続きに入りますが、任意売却の場合は通常の不動産取引とは違い、債権者の同意を得る手続きを挟む必要があります。

8.債権者の同意を得る

購入希望者が見つかったら、債権者に相談し、同意を得ます。

9.任意売却契約の締結

買主と売買契約を結び、物件を売却します。

10.引っ越しもしくはリースバックの契約を締結する

物件を手放す場合は引っ越し、リースバックの場合は賃貸契約を締結します。

11.任意売却契約の完了と残債の精算

売買手続きが完了し、代金が入金されたら残債の精算や抵当権の抹消手続き、物件の引き渡し、引っ越し代金の補填の処理などの残務を処理していきます。

12.新しい生活へ

手続きが全て完了すれば、新しい生活のはじまりです。

任意売却では、購入希望者が見つかるまで時間がかかる場合もあり、年単位での対応が必要となることもあります。

購入者が見つかっても、契約や引っ越し、引き渡しまでには2カ月程度かかりますので、債権者としっかりコミュニケーションを取り、スケジュールについての同意を得るようにしましょう。

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任意売却物件の価格はどうやって決まる?

住宅を任意売却する場合の適正価格はいくら?

任意売却における物件の売却価格は、一般の不動産売却の相場よりも低くなる傾向にあります。売却価格の決まり方も、通常の物件売却と異なっており、どのようにして任意売却物件の価格は決められるのかをご紹介します。

任意売却での価格は一般の不動産価格と同様には決められない

任意売却は、資金不足などで住宅ローンが支払えなくなった物件を、競売にかけられる前に不動産会社に売却する方法のことです。裁判所が介入する競売と異なり、取引に債権者の意思や判断が反映できる、というメリットがあります。

一方で、次のような特徴があるため、注意が必要です。

  • 任意売却で売却できなかった場合、強制的に競売にかけられ、価格次第で売却を取りやめることはできない
  • 任意売却の期間が決まっており、時間的な余裕は少ない
  • 物件を現状のまま売却することになり、リフォームやクリーニングはできない
  • 瑕疵担保責任は免責になる
  • 物件に欠陥が見つかった場合、売主は補填費用を負担しなくて良い

任意売却にて一度、売却価格が取り決められた後は、価格が低いからなどの理由で、再び売りに出すことや、売却自体を取りやめることはできません。

また、任意売却は、債権者が借金返済にあてる資金を、捻出するための売却です。そのため、債権者が必要とする金額に近い価格での取引が前提となります。最低金額を設けたり、金額を交渉したりすることは難しくなります。

さらに、通常の不動産売却の場合には、広告などを出し、時間をかけて行う「仲介売却」や、リフォームやクリーニングなどをしてから不動産に売却する「買取売却」といった方法が選べますが、これらも対象外です。

瑕疵担保責任が免除されるため、売却後に欠陥が見つかっても、売り主が負担する必要はありません。ただし、床の傷などを修復しないままの状態で、物件を売却する必要があります。

以上のような条件下で売却をしていくため、任意売却では一般的な不動産売却と同じような査定をして、価格を決定することができないのです。

任意売却物件の適正価格

任意売却を行う場合の、物件の適正価格を具体的に見ていきましょう。また、物件を競売にかける場合と比較すると、どのくらい金額に差が出てくるのでしょうか。

任意売却物件の価格は市場価格よりやや低い

任意売却物件の価格は、市場価格の約8〜9割に落ち着くことが多い、と言われています。競売での売却価格よりは高くなりますが、市場価格よりは安いというのが一般的です。

そもそも、物件の債権者は、競売よりも安い価格では、売却契約を承諾しないでしょう。

だからといって、市場価格よりも高い金額に設定した場合、なかなか買い手が見つからなくて売れない、という状況に陥りかねません。価格が高すぎても、任意売却は成立しなくなってしまいます。

実際には、売却できる期限があるため、いつまでも売りに出せるわけではありません。早めに買い手を見つけなければならならない点も、価格が安くなりやすい要因となっています。

売買が成立しないと、最終的には物件を競売に出さなければなりません。結果として、物件の売却価格は、さらに下がることになります。

任意売却と競売の価格差

任意売却と競売の価格の差は、どのくらいになるのでしょうか。

任意売却の方が、競売よりも高額で売却されるのが一般的です。任意売却物件の価格は、市場価格の約8〜9割、競売の場合、市場価格の約6〜7割と言われていますので、両者の差は市場価格の約1〜2割といったところでしょう。

例えば、市場価格が約2,000万円の物件の場合、任意売却なら約1,600〜1,800万円、競売なら約1,200〜1,400万円という計算になります。

競売で価格が安くなりやすい理由は、競売物件は価格的に法律に守られておらず、比較的自由に価格を決めやすいからです。

また、競売物件は内覧が不可だったりするために、物件の正確な情報が入手しにくく、物件のメリットを利用して価格を上げることが難しくなります。

さらに、設備などに欠陥が見つかったとしても、物件の債権者に責任を追及することができません。そのため、修理などをせず、現状のままで売りに出すことになり、その時点での物件の価値としては、やはり下がりやすい傾向にあります。

こうした背景から、競売にかけられた物件の価格は、市場価格よりも安くなりやすいのです。少しでも物件を高額で売却したいのであれば、任意売却へ早めに切り替える必要があります。

任意売却へと切り替える際に、信頼できる仲介業者と出会えるかどうかも、価格の設定やスムーズな売却処理の進行に影響してきますので、覚えておきましょう。

競売での売却物件は、その価格の安さゆえに、売却後も借金が残ってしまうケースが少なくありません。任意売却が可能な場合は、競売で成約される前の段階で、査定を出してもらうなど、不動産会社に相談することが大切だと言えます。

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任意売却における物件の査定について

任意 売却 査定

住宅ローンの残債があり、住宅を任意売却する場合、物件の査定金額によりその後の売却の流れや状況が変わります。

任意売却の成功を左右する物件の査定

住宅を任意売却する際にはまず、住宅の査定を行い、住宅ローンを借りている金融機関から住宅ローンの残高がいくらあるのか、正確な金額を知るために「残高証明」を取り寄せます。

任意売却では、住宅の売却価格が住宅ローン残高を上回るかどうかで、任意売却の成功が決まるほど、査定は重要だといっていいでしょう。

住宅ローンの残高が住宅の売却額より多い場合はオーバーローンといい、住宅ローンの残高が住宅の売却額より少ない場合はアンダーローンといいます。

任意売却の物件を査定したら、オーバーローンになるかアンダーローンになるか判断します。このオーバーローンかアンダーローンかで、任意売却の手続きが変わりますので、注意しましょう。

物件の査定額がアンダーローンになった場合の流れ

住宅ローンの残高が、住宅の査定額より低いアンダーローンとなれば、任意売却はスムーズに行われ、任意売却成功と言えます。

アンダーローンの場合、住宅を売却したお金で残りの住宅ローンを返済しますので、任意売却は不要となるケースもあります。

また、アンダーローンであれば、債権者へ任意売却を申し出ても抵抗されることはほぼありません。

債権者との協力のもと、任意売却を進めるとよいでしょう。アンダーローンとなった際は、少しでも高く売却して、手元に現金が残るようにすると、その後の住宅の購入や生活に影響が少なくなります。

任意売却による物件の査定額がオーバーローンになった場合の流れ

住宅を査定してオーバーローンになった場合、住宅を売却し住宅ローンを返済しても、住宅ローンが残ります。

住宅ローンの残債を返済できる目処が立たなければ、自己破産もあり得るでしょう。

もしオーバーローンとなった場合には、まず金融機関と相談し、どのように住宅ローンの残債を返済するか返済スケジュールを立てなおします。
(リスケジュールといいます)

任意売却の合意と住宅ローン残債の返済スケジュールを債権者である金融機関が合意できれば、住宅の売却へと入ります。

住宅の買い手が決まり、住宅ローンを返済すると、住宅についていた抵当権が抹消され、買い手に住宅を引き渡すことができます。

ここで注意したいのが、住宅ローンの残債がどうなるかです。

住宅を売却後、残った住宅ローンを計画通り返済できなければ、自己破産もあり得ますし、連帯保証人がいる場合、自己破産後は連帯保証人に住宅ローンの残債を返済する義務が生じます。

住宅ローンの残債がどうしても支払えない場合、任意売却後に自己破産を選択することも可能です。逆に任意売却ができなかった場合、住宅は競売にかけられます。

競売が終了するまでの1年間ほどは住宅に住み続けることができますので、その間に次の住居をさがし、引越すことになるでしょう。

任意売却による物件の査定は専門業者に依頼した方が良い

任意 売却 査定

任意売却は、住宅ローンの残債より高く売れることが重要です。また、手続きには期限がありますので、どんな業者に依頼したら良いのか、また気を付けたい業者の特徴を知っておきましょう。

任意売却による物件の査定を専門家に依頼した方が良い理由について

任意売却の専門家に、住宅の査定を依頼するのが良い理由は、4つあります。

<一つ目>

任意売却は、一定期間の間に買い手を見つける必要があるからです。

任意売却の経験がない業者は、短期間で売却をする任意売却の査定が甘い傾向にあります。
(販売活動できる期間が短いと売りにくいため、査定金額を低くだす)

<二つ目>

スケジュールが短期間なので、物件を客観的に分析し、債権者との調整ができる専門業者に依頼した方がスムーズ且つ有利に任意売却を進めることができるからです。

<三つ目>

任意売却の専門業者は、リースバックを提案してくれる場合があるからです。

リースバックとは、住んでいる住宅を一度売却し、住宅の買主が大家となり、売主は家賃を払い、借りて住み続けることができる売却方法です。

<四つ目>

専門業者の中には、任意売却市場が得意な投資家のネットワークを持っているなど、物件を高値で売却できるからです。

物件を売却するだけでなく、リースバックなど売却者の手元に現金が残る方法を熟知している専門業者に依頼すると任意売却が成功するでしょう。

任意売却において業者に物件査定を依頼する場合の注意点

物件査定を依頼する業者で注意したい点は2つあります。

<一つ目>

任意売却の説明やどのように売却するのか、売主に何の相談もせず早期売却を勧めてくる業者は注意が必要です。

仲介手数料が入る売買物件が必要なため、早期売却を勧めてくるようです。

任意売却には、高く売るための手順やタイミングがあります。売主にとって任意売却は考える時間や決断が必要なことなので、早期売却を勧める業者は注意しましょう。

<二つ目>

自己破産を安易に勧めてくる業者にも注意が必要です。自己破産は、できれば避けたいものです。

状況が厳しい場合は、いくつかの選択肢を提案してくれる業者を選びましょう。

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住宅ローン残債物件を任意売却するメリットとは

任意売却を行うことで、債務者にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

競売に比べて売却価格が高くなる

任意売却は一般的な不動産売買取引と同じ流れで不動産を売却するため、一般的に市場価格の約7割が相場となる競売に比べて多くの売却益を得ることができます。

また、経費についても裁判所での手続き費用を抑えることができるのも魅力です。

任意売却なら引っ越し費用が捻出できる場合も

任意売却の場合、債務者が物件から立ち退かなければ売買契約が完了しないため、代金を受け取ることができません。

しかし、住宅ローンの支払いができなくなっている状態の債権者にとっては、新しい住まいへの引っ越し費用や、契約費用は大きな負担となりますし、場合によっては費用が捻出できない可能性もあります。

債権者としては、できるだけ早く債権を回収したいと考えているため、このような引っ越しが難しい場合に、引っ越し費用を経費として確保してもらえる場合があるのです。

引っ越し費用として確保されるのは最大30万円まで、新居の契約費用は対象とならず、引っ越しにかかる費用について、見積もりや領収書を提出して補填してもらうという形が一般的です。

任意売却なら物件に住みつづけられる可能性も

任意売却は、あくまで通常の商取引のため、買主と契約して売却した物件を賃貸化してもらうことができれば、そのまま住みつづけることができます。

この手法は「リースバック」といい、対応している不動産会社もありますので、引っ越しの手間を省きたいという方はこのような会社に相談してみると良いでしょう。

また、両親や子、親族などに物件を購入してもらい、月々の賃料を払って住むという方法もあります。

しかし、親族によるリースバックについては、親族の資産状況などによって物件を手放さざるをえなくなった場合などにトラブルとなってしまう可能性が高いため、将来的な禍根を残さないよう、専門の業者に相談した方が安心できるでしょう。

任意売却では情報が公にならない

競売の対象となると、新聞やインターネットなどで競売情報が出回るため、ローンが支払えなくなって差し押さえられたということが公になってしまいます。

任意売却なら通常の商取引のため、実情を周囲に知られずに不動産を売却することができるため、プライバシーを守ることができるのです。

住宅ローン残債物件を任意売却するデメリットとは

競売に比べて良いことばかりに思える任意売却ですが、何かデメリットはあるのでしょうか?

任意売却には債権者と保証人の同意が必要

ローン残債のある不動産を売却する場合には、抵当権を解除しなければならないため、債権者や連帯保証人の同意が必要です。

債権者からすると任意売却の方がより債権を回収できる量が増えるため、同意が得られる可能性は高いのですが、それでも場合によっては同意が得られないことがあるのは留意しておきましょう。

手続きを代行する業者は自分で選ぶ必要がある

任意売却はあくまで通常の不動産取引となりますので、売買を仲介する業者は債権者が自分で探す必要があります。

任意売却の際には債権者との交渉等も必要となりますので、任意売却を多く手掛けている不動産会社を探して契約すると良いでしょう。

内覧の立ち会いが必要となる

競売の場合は立ち退き後オークションにかけられるため、内覧に立ち会う必要はありませんが、任意売却の場合は購入希望者が内覧を行う場合、売主として内覧に立ち会わなければなりません。

住みつづけている状態で物件を売りに出している場合などは、内覧に向けて室内の清掃なども行っておいた方が望ましいため、多少手間がかかるでしょう。

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任意売却でデメリットとして誤解されている情報とは?

住宅 ローン 任意 売却 デメリット

任意売却は自己破産ではない

自己破産とは、債務の支払いが不可能になった場合に債権を放棄する手続きのことです。

任意売却とは違い、自己破産を行うと、資産を売却して返済に充てたり、ローン契約が一定期間不可能になったりという制限があります。

任意売却の場合は、あくまで不動産を手放して債務を返済する手続きですので、無理のない範囲で返済を継続することができ、ローン契約が不可能となるなどの制限もかかりません。

任意売却をしても職場を解雇されることはない

住宅ローンを滞納すると信用情報に記載されてしまいますが、この情報はあくまで専門機関しか閲覧できないため、金融機関系以外の業種で問題となることはありません。

また、自己破産の場合は一部業種で資格停止となりますが、任意売却はあくまで通常の商取引の範疇となるため、この資格停止の対象ともならず、仕事をそのまま継続することができます。

自己破産や任意売却を理由として解雇することは法律上不可能です。

つまり、これらの手続きを行うことで職を失う心配はなく、もしこの理由で解雇された場合は、雇用側の責任を問うことができ、再雇用や損害賠償を請求することができます。

任意売却の実施については、原則として周囲に知られないこともメリットです。
自己破産の場合は官報で公表されますが、任意売却なら周囲に知られることはありません。

住宅を任意売却した後の住宅ローン残債はどうなるのか

それでは住宅を任意売却した後に残ってしまった住宅ローンは、どうなるのでしょうか。

返済を継続して続けていくのか、それとも住宅ローン残債がなくなってしまうのでしょうか。

もしも住宅ローンが残るとしたら、どのように返済していくことになるのでしょうか。

こうした疑問を解消するために、残債となった住宅ローンが任意売却後にどうなるのかを順を追って解説していきます。

ローン残債の返済義務は残る

不動産の任意売却でポイントとなるのが、不動産売却後もローンの残債は残るということです。

任意売却とは、あくまでも住宅ローンの返済方法のひとつであり、住宅が売却されたからといって住宅ローンの残債も一緒になくなってしまうわけではありません。

住宅売却後も、住宅ローンの残債は債務者の責任として返済する義務があります。

しかし任意売却なら、住宅は市場価格またはそれに近い価格で売却が行えるというメリットがあります。

一方、強制的に不動産が売買される競売では、売買価格は任意売却に比べれば安価になることが一般的で、物件の売価価格が低ければローンの残債も多くなります。

そのためローン残債を少なくするためにも、競売にかけられるよりも任意売却で住宅を売った方が債務者の負担が軽くなります。

ローン残債の返済金額は返済交渉可能

また任意売却の大きなメリットとして、ローン残債が残っているものの、それを債権者と債務者の間で、債務者が無理のなく返済できるようにと返済額の交渉ができるということです。

この残ったローン残債を「残債務」と言いますが、残債務の返済は債務者は毎月定額で支返済していきます。

一般的には月々1万円~5万円程度だと言われていますが、その月々の返済額を債権者と話し合って決められます。

そうなれば経済的、さらに精神的な負担も軽くなるので、返済も進めやすくなるでしょう。

住宅金融支援機構の場合は元金の減額交渉はほぼ不可能

住宅金融支援機構は、返済が滞りがちになると、任意売却の制度を説明して、任意売却を促すことがあるようです。

一方で、債権を債権回収会社に譲渡しないため、残債の減額交渉はほぼ不可能と考えていいでしょう。

それでは、残債はどうなるのでしょうか。住宅金融支援機構との交渉により、無理のない返済方法がとられることになります。債務者は自宅を失い、家賃の支払いもありますから、高額の返済ができないのは明らかです。

このため、一般的に月額5,000円~30,000円程度の返済になることが多いのです。

その後、長期間にわたって、いつまでも終わりの見えない返済が続くことになります。当然、利息も支払うことになりますから、残債額が多い場合は、利息だけでも相当な額になってしまいます。

多少の無理をしてでも、早い時期に返済をした方がいいのか、あるいは月々の生活をしのぐためには無理のない返済がいいのか、慎重に考える必要があります。

いずれにしても、住宅金融支援機構の場合は残債の減額はあり得ませんから、分割和解契約を結ぶことは必須です。

もし、何の手続きもせずに残債を放置したままだと、突然、財産を差し押さえられることがありますから、何よりも真摯な対応が求められます。

住宅金融支援機構においても、信用情報機関を活用しています。残債を返済しないままだと、信用情報機関に登録されたままになってしまいます。そうなると、住宅ローンはもとより、クレジットカードも作れない状態が続きます。

一度登録をされると5年間は情報が削除されませんから、再び住宅ローンでマイホームを購入をしたいと考えている人は、できる限り、残債処理を急いだ方がいいでしょう。

民間金融機関の場合はサービサーを通して残債の減額交渉が可能

住宅ローンは、「期限の利益」という権利により、分割返済が認められています。一方、契約の中では、一度でも返済が滞ると、期限の利益は喪失すると定められています。

実際には、一度の延滞で一括返済を求められることはありませんが、三カ月も滞納すると、一括返済が返済が求められます。民間の金融機関は住宅金融支援機構のように、任意売却を勧めることはありません。

それでもいよいよ競売しかないという時期になると、任意売却に同意してくれる金融機関もあります。ただし、中には任意売却を認めない金融機関もありますから、注意が必要です。

任意売却したにもかかわらず、残債が解消できなかった場合は、金融機関と返済計画を交渉することになりますが、いずれかの時点で金融機関は、債権を債権回収会社(サービサー)へ譲渡します。

ところで、サービサーとはなんでしょうか。

サービサーというのは、金融機関から委託、または債権を譲り受けて債権の管理回収を行う、法務大臣から許可された民間の債権回収会社のことです。取締役に弁護士が含まれいることが大きな特徴です。

住宅ローンには保証会社がついていることが多いですが、その場合は、滞納が生じれば、保証会社が金融機関に一括返済をすることになります。そして保証会社がサービサーに債権を譲渡するという流れになります。

住宅金融支援機構も、債権は譲渡しないものの、残債の回収業務をサービサーに委託します。したがって、残債に関する交渉相手は、同じようにサービサーということになります。

サービサーは、保証会社や金融機関から、元金より相当安い値で債権を買い取っているため、理屈上は、全額が返済されなくても、利益が出ることになります。

そのあたりを念頭において、サービサーと交渉をすると、残債よりも安い金額で解決することもあります。

毎月きちんと返済していくことは当然ですが、ある時期に一括返済を申し出て、その額が債権を買い取った額を上回っていれば、債務を免除してもらえる可能性があります。

一括請求と分割請求

サービサーに買い取られた債権については、原則として一括で返済する必要があります。

しかし、ローン支払いが滞っているような債権者の場合、一括での返済が難しい場合が多いため、「分割和解」という形で落ち着くことが多いようです。

分割和解とは、本来一括で請求するはずの債権をできるだけ回収できるよう、債権者が分割払いでの返済を認めるというもののため、債権者の同意が不可欠です。

分割和解によって分割での返済が認められた場合でも、返済が滞ってしまうと、一括返済に切り替わってしまったり、遅延損害金を請求されたりしてしまいますので、注意しておきましょう。

残債務は不良債権として債権回収業者に売却される場合が多い

債権者と交渉して取り決められる返済額ですが、それでも支払うことのできない債務者もいます。

そのような場合は、不良債権としてその残債務が債権回収業者に売られます。

本来、住宅を売却して残ったローンを一括返済しないと、その物件の抵当権は解除されません。

しかし任意売却によって住宅を売却すると、債権者は残債務が残っていても抵当権を外します。

つまり、任意売却後の残債務は無担保債権となります。ただそうなると、債権者は全額返済を見込めなくなるのがほとんどなので困ります。

また債務者からの月々の返済額は少なく、さらに時間もかかるとあって回収効率が悪いことから、残債務の多くは債権者がその債権を債権回収業者、別称「サービサー」へ売却しされます。

そうすることで債権者は、一括でその残債分を整理することができるからです。

ローン残債の返済額を減額してもらえる可能性も

しかし債権者から債権回収業者への債権の売却は、ほとんどのケースが残債の請求額よりも低い金額で売買されています。そのため元の債権者は損益が出てしまいます。

しかしローンを返済しなくてはならない債務者からすれば、債券回収業者から請求される返済額は少なくなりますので、結果的に、最初の債権者との残債返済金額よりも減額されることがあります。

ただし債権回収業者に住宅ローンの残債を返済するようになったからといって、その返済額が減額される保証はありません。

そういうケースもあるという例にすぎないからです。

ですから債権が債権回収業者に移ったからといって、必ず残債が減額されるとは思わないようにしてください。

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住宅の任意売却後に残った住宅ローンの対処方法

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支払い終わっていない住宅ローンは、その住宅を任意売却した後でもその返済の義務があることが分かりましたが、ではその残債務にどのように対処していけばいいのでしょうか。

支払い義務があることが分かっていても支払えないケースがほとんどかと思いますので、その場合の対処法を紹介します。

債権回収業者から残債放棄の提案で返済を放棄する

借りたお金ですから返すのが債務者の義務です。債権者が債権回収業者に移ったとしても、その前提は変わりません。

債権回収業者も債務者から全額返済してもらいたいと思っていますが、債権回収業者は残債放棄の提案を債務者にしてくる場合があります。

そのようにして返済を放棄する方法もあります。

サービサーと交渉して債権を減らすポイント

サービサーが債権を購入する金額と、額面上の残債には差異があります。

この差異を利用して、返済額を減らしてもらうにはどのような交渉を行えば良いのでしょうか?

無理のない範囲で分割できるよう交渉する

サービサー側から考えた場合、買い取った債権には抵当権などが設定されていないため、担保のない融資として扱われます。

そのため、無理な回収を行おうとしても、不動産を差し押さえたりすることができません。

つまり、債務者の払える範囲で分割して返済してもらうのが、サービサーにとっても最善の形だと言えます。

ただし、債務者側が自由に月々の返済額を決めるのは難しいのが現状です。

家計簿や預金通帳のコピーなどを用意し、財政状況をサービサー側に開示した上で、生活に支障がない範囲の返済額となるよう交渉しなければなりません。

もちろん、返済によって生活が厳しくなり、返済が滞ってしまうのはサービサーとしても損ですから、月々の返済額にはある程度の余裕が与えられるのが一般的です。

支払額の減額や遅延損害金の免除はできる?

サービサーが買い取った債権は、実際の残債より安い価格で取引されているため、ローン会社で設定された遅延損害金や金利を交渉によって減らせる可能性があります。

また、サービサーによっては、最初の交渉段階でどれだけ返済額を減額できるか提示してくれる場合もあり、スムーズに返済の交渉がまとまることもあるでしょう。

ただ、最初に提示されるものはあくまでサービサーにとっては十分な利益が出る金額とも想定できます。

財政上の問題で提示された金額でも返済が難しい場合には、その旨を伝えて粘り強く交渉していきましょう。

住宅ローンの残債を支払えない場合はその旨を債権者に伝える

債権者が債権回収業者へと債権が移り返済の督促を受けた時、それを無視すると後々、大変な問題になりますので、請求があればその都度対応するようにします。

請求には必ず対応する

債権回収業から督促を受けた場合にはすぐに対応しましょう。

また返済することができないのであれば、その点も正直に債権回収業者に伝えるべきです。

連帯保証人にも請求がいく

任意売却の申請をする前に、債権者から連帯保証人には住宅ローンの返済が滞っていることは通知されているはずです。

ですから保証人は住宅の任意売却以前に、債務者の経済状態は把握しているでしょう。

連帯保証人とは債務者と同じ立場になるため、債務者が残債の支払いが滞れば連帯保証人にもそれと相当額を請求されることになります。

ただし、債務者よりも柔和な態度を示す債権者が多く、連帯保証人の財産を指し押さえたり、連帯保証人の不動産に抵当権をつけるなどの強引な方法が取られないことが多いようです。

とはいえ、やはり一度は信用してもらって連帯保証人になった人に迷惑をかけることに変わりがありません。

そうならないためにも自己責任という観念を忘れずに、住宅ローンの残債を清算するようにしたいものです。

自己破産で債務整理をする方法も

残債務の返済が困難だとしても、債権回収業者からの督促を無視するのは得策ではありません。

残債の返済が無理ならば、債務整理の方法として自己破産も考えられます。

法的手続きを取り自己破産が認められれば、免責されて残債の支払いを免除されるか、残債額を大幅に減額することが期待できます。

しかし自己破産は債権者に迷惑がかかるだけでなく、破産手続き中は公的な資格を使った仕事や引っ越しはできなくなりますし、郵便物は破産管財人によって調査されます。

また自己破産と認定されれば、生活必需品以外のすべての財産は処分され、ブラックリストに10年間登録されるようになります。

そうなれば新しく金融機関から融資を受けたり、新しくクレジットカードを作るときなどでトラブルが生じやすくなるでしょう。

自己破産は債務整理に有効的な方法ですが、デメリットが多いことも承知しておきましょう。

住宅ローンの残債は任意売却前と後で相談する機関が異なる

住宅ローンが滞ってきた場合、誰に相談すればいいのでしょうか。相談先は、任意売却する前と後では異なってきます。

任意売却前は不動産専門業者へ相談し任意売却後は弁護士へ相談する

住宅ローンが滞ってきた場合、まず、ローンの債権者である銀行に相談にいって、返済を少し待ってもらえないかと相談することが考えられます。

たまたま何かのハプニングで、ひと月だけ遅れるというのであれば、それでいいのですが、この先ずっと返済するめどがたたないということであれば、銀行は相談相手にはなりません。

しかし、そのまま放置していたのでは、銀行は競売の手続きに入ってしまいますから、そうなる前に任意売却の決断をしなくてはいけません。任意売却の相談は、任意売却を専門としている不動産会社が最適です。

任意売却専門の不動産会社は、長年の経験により、様々なノウハウを蓄積していますから、銀行との交渉においても、頼りになる存在として活躍してくれます。

任意売却が完了したあとも残債があるということであれば、弁護士に依頼することになります。サービサーとの交渉において、代理人として動いてくれることになります。

知り合いの弁護士がいないという方も、任意売却専門の不動産会社は弁護士と提携していることが多いので、任意売却後の弁護士の専任についても、不動産会社にご相談してはいかがでしょうか。

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不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?

ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。

正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。

そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!

「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」

「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」

そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。

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一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。

後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!

この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社worth style home 濵田昭平

株式会社worth style home

濵田昭平

2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。

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