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2018年12月27日更新
競売件数の推移から見る任意売却件数増加の理由!
最初に知っておきたい競売件数の推移
不動産の競売には「担保不動産競売」と「強制競売」の2種類があります。また競売件数を扱うデータとして「司法統計」が使用されますが、「司法統計」とはどのような資料のことなのでしょうか。
司法統計データから見る競売件数の推移
まず「司法統計」とは、裁判所が扱っている事件の統計のことで最高裁判所事務総局が集計結果を取りまとめています。集計結果は司法統計年報と司法統計月報として刊行されます。
刊行された司法統計は、裁判所のホームぺージにも記載されており自由に閲覧することができます。
先程競売には「担保不動産競売」と「強制競売」の2種類があるとご説明しましたが、それぞれの違いを見ていきましょう。
担保不動産競売
住宅ローンを利用して住宅購入費用を支払う時に銀行などの金融機関は該当する不動産を担保に、債務者にお金を貸します。これを「抵当権」と言います。
担保不動産競売とは、債務者が住宅ローンを支払えない場合、銀行などの債権者が「抵当権」を実行し該当する不動産を強制的に売却することを言います。そして、売却代金を住宅ローンの残債に充て債権回収を行います。
一般的な競売物件のほとんどはこの「担保不動産競売」のことです。通常不動産競売には事件番号が記載されますが、担保不動産競売の場合は事件番号の前に(ケ)と記載されています。
強制競売
強制競売とは、債権者の不正行為や契約違反などで加害者になり裁判で敗訴した場合、裁判所を通して債務者の該当する不動産を強制的に売却する手続きのことです。強制競売の場合は事件番号の前に(ヌ)と記載されています。
では、「担保不動産競売件数推移」と「強制競売件数の推移」を詳しく見ていきましょう。
担保不動産競売件数の推移
担保不動産競売件数は平成21年度に増加して以降減少傾向にあり、平成12年と平成26年を比べると約3分の1まで減少しています。
また債権者が競売の申し立てをした後に行う担保不動産競売の「取り下げ」の割合は全体の約20%になり、割合の変化はほとんどありません。
強制競売件数の推移
強制競売件数は年々減少傾向にあり、平成12年と平成26年を比べると約3分の1まで減少しています。強制競売を取り下げる割合は約50%で、担保不動産競売件数と同じく取り下げの割合は一定で変化はほとんどありません。
競売件数が減少し任意売却件数が増加している理由
競売物件が減少し任意売却件数が増加している理由はどのようなことがあるのでしょうか。競売物件が減少している原因と任意売却件数が増加している原因に分けて見ていきましょう。
競売件数が減少している原因
競売物件が減少している原因として、中小企業金融円滑化法による影響が大きいと言われています。
中小企業金融円滑化法(通称:モラトリアム法)とは、個人や中小企業が金融機関からの借金を返済しやすくするために施行された法案のことで、2年間のみの時限法でしたが二度の延長の末2013年3月末で終了しました。
2008年に起きたリーマンショック以降の経済危機で一時的に住宅ローンの破綻者が増加しましたが、この金融円滑化法によってその増加を防ぐことができました。
また金融庁から金融機関に金融円滑化法へ積極的に対応するように指導があったこともあり、競売件数の減少に繋がったと言われています。
中小企業金融円滑化法以前は任意売却が難しい場合、債権者が司法競売に任せるスタンスでした。
しかし、中小企業金融円滑化法案の施工後は金融機関がリスケジュールに柔軟に対応し、返済猶予を調整して個人や企業を延命させるスタンスに変わりました。
この法案の終了以降も、金融機関が住宅ローン滞納者に対して強制的に競売に任せるようなスタンスをとらないことで、現在も競売件数の減少が続いています。
任意売却件数が増加している原因
任意売却件数が増加している原因として、インターネットの普及などによって任意売却という方法を知る人が増えたことが考えられます。
任意売却とは住宅ローンの支払いが困難になった場合、任意売却専門業者が債務者と債権者の間に入り調整を行い、債権者の合意を得て該当不動産を売却し抵当権を抹消する取引のことです。
その他に任意売却件数が増加している原因として考えられるのは以下の通りです。
- 都市化一極集中化により地方の地価が下落しており、任意売却の場合競売より高値で売却できるため
- 担保割れの物件は競売にかけても相場程度にしかならないため、債権者が任意売却の交渉に同意しやすいため
- 空き家問題などで地価の下落を利用したい媒介業者が増え、任意売却市場が盛んになっているため
- 大手の不動産会社などの媒介業者が任意売却の専門アドバイザーなどを付けて対応しており、任意売却に積極的であるため
任意売却は競売の代わりとなる不動産流通方法ですが、競売と違い債権者と交渉することで受けられるメリットもあります。そのようなメリットも任意売却件数の増加理由になるのかもしれません。
不動産売却に対応する優良な不動産会社を見つけるには?
ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。
正確な売却金額を知るためには、売却前に「売却査定」を受ける必要があります。
そのとき大事なのが、複数社に査定依頼して必ず「比較検討」をするということ!
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一生のうちに不動産売却をする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール

株式会社worth style home
濵田昭平2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。
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