2024年02月15日更新

監修記事

ローン残債がある住宅を建て替える場合に新たなローンは組めるのか?

住宅ローンの残債がある場合は買い替えより建て替えの方が良い

住宅 ローン 残 債 建て替え

住宅の売却時にはローン残債を完済し抵当権を外す必要がある

住宅ローンを組んで購入した家には、住宅ローンの返済が難しくなった場合に家や土地を担保として確保できるよう、金融機関による抵当権が設定されています。

抵当権が残っている住宅については、売却や賃貸を行うことができますが、債権者による返済が滞ってしまうと、購入者の意思に関係なく物件が競売にかけられてしまうかもしれません。

このようなリスクがあることから、住宅や土地の売却では、前もって住宅ローン残債を返済し、抵当権を抹消しておかなければ相場通りの価格で売ることはできないでしょう。

買い替えローンは月々の支払が高額になる場合が多い

「買い替えローン」とは、以前の家の住宅ローン残債と新しい家の住宅ローン残債を合計して返済していく仕組みです。

そのため、融資額の総額は1軒分の場合に比べて大きくなり、必然的に返済期間や利息は新規住宅ローンに比べて増大します。

ローン返済については、定年退職時に完済できるよう組むことも多いため、買い替えローンの場合は必然的に月額の返済額が多くなる傾向があるのです。

建て替えの場合は返済中のローンと諸費用の借り換えが可能

建て替えの場合は買い替えローンと違い、ローン残債と新築費用を含めた金額で新しいローン契約を結びます。

そのため、建築費用などについてのつなぎ融資を受けることもできますし、ローン契約が結ばれた時点で新しい金利での返済に切り替えることも可能です。

また、建て替えの場合は買い替えと違い、家を売却する必要がないため、買い替えの場合に比べて合計融資額を少なく抑えられる可能性が高いのもメリットと言えるでしょう。

ローン残債がある住宅を建て替える際に新たにローンを組む方法

支払い中のローン残債を組み込めるローン商品があるか金融機関に確認する

住宅ローン残債がある住宅を建て替える場合には、まず金融機関でローン残債を新しい住宅ローンに組み込めるローン商品があるかどうかを確認しておきましょう。

住宅ローン残債が組み込めるローン商品がないと、新しい住宅ローンとは別に残債分の返済を行わなければならなくなるため、家計への負担が増します。

住宅ローン残債を組み込める住宅ローン商品については、多くの金融機関が販売しているため、借り換えローン商品が見つからないという可能性は低いのですが、金融機関によって金利に違いがある点には注意が必要です。

ローン商品を選ぶ際には、詳細な資料を入手してそれぞれのローン商品をチェックし、借り入れ条件や金利などを十分に比較してから契約を結ぶようにしましょう。

元々のローン契約や借入額にもよりますが、建て替えにともなう住宅ローンの借り換えにより、金利が引き下げられたり、月々の返済額が以前より少なくなったりする場合もあります。

住宅ローン以外のローンを完済しておく

住宅ローンなどで受けられる融資の額は、世帯収入などを元に返済が可能な額を想定して決まります。

そのため、住宅ローン以外に返済が必要なローン契約、例えば自動車ローンなどがあった場合、ローンの返済に利用できる収入が分散してしまうため、住宅ローンの限度額が下がってしまうのです。

例えば、世帯年収から計算した返済能力が合計で3,000万円だったとすると、自動車ローンなどの借入額が400万円あった場合、住宅ローンとして融資できるのは2,600万円までとなります。

住宅ローン残債の額や融資金額の上限にもよりますが、複数のローン返済がある状態では融資額がどうしても少なくなってしまうため、住宅ローン審査に通りにくくなったり、融資額が少なくなったりしてしまうのです。

建て替えローンを組む際には、できるだけ他のローンの返済を済ませておいた方がローン審査や融資額で問題が起こるのを防ぐことができるでしょう。

親子リレー返済を利用する

親子リレー返済とは、親子でローン返済を引き継ぐ仕組みです。

住宅ローンなどでは、返済期限を契約者の年齢で制限しており、一般的には満80歳までに完済しなければなりません。

しかし、満80歳までに完済するとなると、60歳で返済をはじめた場合、完済までの期間が20年となり、30年ローンを組んだ場合に比べて月額の返済額が大きくなってしまいます。

このような場合に用いることができるのが親子リレー返済で、親の完済までの期間が短い場合でも、子の年齢を合計して借入期間を延ばすことができるのです。

上の例なら、60歳でローン契約を結んだ場合、返済期間は最大20年となりますが、親子リレー返済で35歳の子が返済を引き継ぐ形にすれば、子が満80際になるまでの期間、45年を借入期間の上限にすることができます。

建て替えの場合、名義人がある程度の年齢になっていることも多いため、親子リレー返済を利用してローン返済を子に引き継ぐようにしておけば、返済期間を延ばすことができ月々の負担を抑えることができるでしょう。

また、親子リレー返済を利用する場合は、建物の名義を子の世帯にした方がスムーズに手続きを進めることができます。

つなぎ融資を利用する

住宅ローンは、建物が完成して登記が完了した段階で融資が行われるため、前もっての支払が必要な建築費などの諸費用を借り入れることができません。

そのため、住宅ローンの審査に通っても自己資金が足りずに建て替えができないということもありえるのですが、このような場合でも問題なく建て替えができるようにするために用意されているのが「つなぎ融資」です。

つなぎ融資がある住宅ローンを利用すると、契約後に融資が行われるまでの期間に必要な費用を前倒しで借り入れることができます。

これは、住宅ローンの融資とは別に扱われ、住宅ローンの融資を用いて返済するかたちになるため、住宅ローンとは別に手数料や利息がかかります。この点には注意しておきましょう。

また、手数料や利息については融資額から前もって引かれた状態で振込が行われるため、この部分については自己資金を用意しておく必要があります。

金融機関によっては融資額から手数料や利息を差し引くのではなく、後から支払うようになっている場合もありますので、自己資金などを考慮して利用するローン商品を選ぶと良いでしょう。

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ローン残債がある住宅を建て替える際に新たなローンを組めないケース

ローン残債があっても住宅の建て替えに住宅ローンを組むことができますが、状況によってはローン審査に通らないケースもあります。

どのような状況、条件ではローン契約を組むことができないのでしょうか?

土地の所有者ではない場合

建て替え、借り換えローンに限らず、住宅ローンでも担保は建物と土地の両方に設定されます。

特に融資金額が大きい場合は土地が担保になっていることが条件に含まれることが多いため、土地の所有者ではない場合、住宅ローンの審査に通らない、契約ができない可能性が高くなるでしょう。

ただ、土地の所有者ではなくとも、自己資金比率が多い場合など、借入額が少なければローン審査を通過できる場合もあります。

ローンの支払い能力がない場合

ローン契約では、債務者が期限までに滞りなく返済できるかどうかが重要視されます。

そのため、融資額については世帯年収や年齢などを元に返済可能かどうかが審査され、もし返済能力が融資希望額に対して不足していると判断された場合、ローン契約を結ぶことはできません。

上の項目でも触れていますが、年収などに問題がなくとも、他のローン契約などがあり、返済能力が足りていないと判断された場合についてもローン契約が断られることがあります。

不動産会社やハウスメーカーなどでは、収入などを考慮して融資可能な額の目安についても相談することができるサービスを実施していますので、不安な方はこのような会社に建て替えを依頼すると良いでしょう。

ブラックリストに載っている場合

住宅ローンに限らず、ローン契約や融資を受けた履歴は信用情報機関に情報が登録されます。

この情報には、ローン契約の申し込み履歴や借入額などの基本的な情報の他に、返済が滞った、自己破産したりしたなどのネガティブな情報についても登録されるのです。

このようなネガティブな情報については、「信用事故情報」と言いますが、一般的には「ブラックリスト」とも呼ばれています。

もし、今までローン返済が滞った経験があったり、自己破産したりしていた場合、金融機関はまた返済が滞ってしまう危険性が高いと判断するため、住宅ローンの審査に通る可能性はほとんどないでしょう。

このブラックリスト情報については、携帯電話の割賦契約やクレジットカードの返済も含まれるため、注意が必要です。

支払いが滞った経験があり、ブラックリストに登録されているか不安だという方は、各信用情報機関に問い合わせ、事故情報の記載があるかどうかを確認してみると良いでしょう。

ローン残債がある住宅を建て替える際に新たなローンを組みたいときのポイント

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住宅ローンに精通したハウスメーカーや工務店に依頼する

ローン残債がある住宅の建て替えで住宅ローンを利用する場合のポイントについて見てみましょう。

住宅ローン残債がある建物を建て替える際に重要なのは、住宅ローンに精通したハウスメーカーや工務店に工事を依頼することです。

上の項目でも触れていますが、ハウスメーカーや工務店では住宅ローンに関する相談なども行っており、借り換えを行う場合についてもアドバイスを受けることができます。

また、金融機関との交渉に協力してくれる場合もあり、このような会社に依頼すれば個人で金融機関に申し込む場合に比べてスムーズに契約を進めることができるでしょう。

もし、個人で住宅ローンを申し込む場合については、何度もローン申請を出して断られていると、問題があると判断されやすくなり、申請がさらに通りにくくなる点に注意してください。

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ここまで説明してきた不動産売却は、あくまで一例となっています。

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後悔しない、失敗しない売却をするためにも、不動産会社選びは慎重に行いましょう!

この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社worth style home 濵田昭平

株式会社worth style home

濵田昭平

2005年より東京急行電鉄株式会社財務戦略室主計部にて都市開発における多様な事業セグメントの業務を経験。2012年1月より都心部で高級マンション賃貸仲介業を展開する株式会社ModernStandardへ転職し、賃貸仲介営業職での最短トップ記録樹立。2014年1月より「株式会社worth style home」での総合不動産業をスタート。1,000万円~10億のマンション・土地等の売買仲介業務を行う。

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