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2021年02月12日更新
自宅に介護用の昇降機(エレベーター)を設置することはできる?設置の費用と特徴を紹介!
高齢者や足の不自由な方の階段の登り降りを補助するために介護用昇降機を設置する場合、施工費用はどれぐらいかかるのでしょうか?階段に設置できるいす式昇降機や車椅子型昇降機、階段昇降機、ホームエレベーターの特徴と費用についてご紹介します。
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- 監修者坂田理恵子
目次
介護用に自宅に昇降機を設置することはできる?
車椅子を利用している家族がいる場合や、足が不自由な家族がいる場合には、昇降機の設置がおすすめです。
昇降機には階段に設置してエスカレーターのように利用することができる階段昇降機と、小型のエレベーターと同じものの2種類があります。
設置後の利便性は、乗り降りが行いやすく、階段のスペースを圧迫しないホームエレベーターが良いと言われていますが、施工費用や施工期間の問題から、設置が簡単で比較的安価に施工できる階段昇降機を利用される方が多いようです。
今回は介護リフォームで人気となっている階段昇降機について、種類と施工費用、その他設置の際に注意することなどについてご説明していきます。

階段昇降機の特徴と種類
階段昇降機とは、既存の階段部分にガイドレールを設置し、レールに沿って駆動する椅子を利用して階段を登り降りする装置です。
椅子に腰掛けて利用するいす式昇降機と、椅子の代わりに台座を設置することで車椅子を乗せることができる車椅子型昇降機とがあります。
平地での歩行に問題がなく、階段の登り降りのみが難しいという場合はいす式昇降機を、車椅子がないと移動が難しい場合には車椅子型昇降機を使用すると良いでしょう。
また、屋外の階段を登り降りする際に利用できる屋外用階段昇降機もありますので、自宅の入り口に階段があるという方でも安心です。
自宅に介護用昇降機を設置する前に確認しておきたいポイント
自宅に介護用昇降機を設置する前に確認しておかなければならないポイントがいくつかあります。
具体的にどのようなことなのか見ていきましょう。
介護用階段昇降機を設置できる有効幅は?
まず、介護用階段昇降機を設置したい場合は、階段の幅が十分なのかを確認する必要があります。
直線階段と曲がり階段では昇降機のレールの形状や椅子がそれぞれ異なるため、必要な有効幅も異なります。
階段の有効幅は、直線階段の場合は約70cm程度、曲がり階段の場合は約75cm程度確保する必要があります。
一般的な住宅の階段では75cmの有効幅が確保されているため、介護用階段昇降機を設置することに問題はありません。
しかし、築年数が古い住宅の場合は一般的な住宅の階段よりも階段幅が狭く作られている可能性があるため、昇降機の設置が困難なケースもあります。
介護用階段昇降機の停止場所を確保しておく
介護用階段昇降機は膝掛け・足台・座面が開いた状態で利用するため、停止場所ではある程度の広さが必要となります。
椅子は折りたたむこともできますが、その場合でも壁から約35cm程度は必要なため、停止場所にはそれらを考慮したスペースが必要となるでしょう。
階段下に十分なスペースがない場合は、少し離れたところで停止できるようなレール設計も可能です。
スペースが確保できない場合は、業者と相談して停止場所を決めていきましょう。
階段の近くにコンセントを確保しておく
介護用階段昇降機は本体に搭載されているバッテリーで動作します。
搭載バッテリーは充電する必要があるため、階段の近くに電圧100Vのコンセントが必要となります。
電圧100Vのコンセントは、普段使用しているコンセントと同じであるため階段の近くにあれば増設の必要はありません。
もし、階段付近にコンセントがない場合は、新たにコンセントを増設する必要があります。
階段昇降機の設置費用と施工期間について
リフォームで階段昇降機を自宅に設置する場合、費用はどれぐらいかかるのでしょうか?
いす式昇降機を一般的な直線の階段に設置する場合、費用は約50万円が相場です。
途中で折り返しがあるタイプの階段に設置する場合や、曲がっている階段に設置する場合は工事の難易度が上がるため、施工価格の相場は約150万円となります。
車椅子型昇降機の設置については、本体価格が約50万円、施工価格については階段の形状にもよりますが、直線の階段の場合、約30万円が相場です。
工事にかかる日数については、既存の階段にガイドレールを設置し、必要ならコンセント等の電気配線工事を行うだけですので、約1日が目安となります。
階段昇降機のメンテナンス費用やランニングコストについて
階段昇降機を利用する場合、月々のコストやメンテナンスの費用についても考えておく必要があります。
昇降機の動作は電気を利用して行いますが、電気代は月々約200円が目安のようです。
メンテナンス費用については、年単位の保守契約を結ぶことが多く、階段昇降機の場合は約30,000円が相場です。
この費用には、年一回の無料点検と故障時の出張費無料サービスなどが含まれているため、故障時の対応についても任せることができるでしょう。
ただ、故障対応については業者によって対応状況が大きく変わり、24時間365日対応している業者もあれば、営業時間のみの対応となっている業者もあります。
24時間対応の業者と営業時間のみの業者では年間の費用も大きく変わるため、コストや故障時の緊急性、利用される方の状況等をよく考えてからメンテナンス契約を結ぶようにしましょう。
昇降機を選ぶポイントは?
住宅へ昇降機を設置する場合、昇降機を選ぶ際のポイントがいくつかあります。住宅用の昇降機と言っても商品はいくつもあります。それぞれに特徴が違いますので、設置する際のポイントをきちんと抑えておきましょう。
まず大切なことが、利用者の体格に合ったものを選ぶということです。体格に合っていないと、転落や故障などのリスクも考えられます。また、利用する際に身体への負担もありますので、なるべく体格に合ったものを設置するようにしましょう。
また、住宅用の昇降機には「いす式」と「車椅子用」があります。いす式は、車椅子での利用はできず、利用者自身が昇降機に座り利用するタイプになります。車椅子用は車椅子のままで昇降機に乗り、利用することができるタイプです。
いす式を設置して、後で車椅子用に変更することは可能ですが、また新たに取り替え工事費用が負担となります。ですので、現在の生活状況だけではなく、将来的なライフスタイルの変化を考慮した上で、設置する昇降機を選ぶことが大切です。
階段には直線式の階段と直線、踊り場があり折り返すタイプの階段があります。ここで注意が必要なのが、国産の昇降機は直線階段に設置することを想定して製造しているという点です。途中で踊り場があるような階段には適していないものが多いです。
昇降機の設置には国への申請が必要?
家庭用の階段昇降機を設置する際には、国への確認申請が必要となる場合があります。昇降機の確認申請が必要かどうかについては、新築住宅への設置や既存住宅への設置、階層により指定されている建築物の区分などの条件により異なります。
建築物の種類は、建築基準法第六条第一項「建築物の建築等に関する申請及び確認」で定められていて「第一号」「第二号」「第三号」「第四号」の4つの種類に区分されています。
それぞれに用途や床面積、階層、高さなどにより区分されていますが、一般的に住宅として該当する可能性があるのは「第三号」もしくは「第四号」となります。その中でも大部分は「第四号」に該当すると言えます。
住宅へ昇降機を設置する場合、第四号の木造住宅以外は基本的に国への確認申請が必要となります。これは新築で設置する際の条件となります。
例えば既存の住宅へ昇降機を設置する場合、第四号の木造住宅では一般的に国への確認申請は必要ありません。しかし、一部の特定行政庁では報告を求められる場合がありますので、その点だけ注意が必要となります。
申請が必要かどうかは、業者を選定する際に確認することをお勧めします。専門業者として適正なアドバイスをもらうことができます。また、業者によっては確認申請手続きを無償で代行してくれる場合もありますので、相談してみましょう。
介護用昇降機はレンタルすることもできる
住宅をバリアフリーリフォームする場合、介護保険の適用を受けることができますが、階段昇降機については介護保険の適用外です。
そのため、リフォームで階段昇降機を設置する際には高額の費用がかかってしまうのですが、一部の業者では階段昇降機のレンタルサービスを行っており、月額約10,000円で階段昇降機を利用することができます。
長期間利用する場合は購入した方がコストは安くなりますが、レンタルなら不要になった場合に返却することができるため、後々のことを考えるならレンタルで利用した方が良い場合もあるでしょう。
レンタルで階段昇降機を設置する場合の費用については、月々の料金に設置費用が含まれている場合と、初期費用として設置費用が別途必要となる場合とがあります。
月額費用に設置費用が含まれている場合、長期間利用するとやや割高になってしまいますが、初期費用を抑えることができるため、予算が厳しいという方におすすめです。
介護用階段昇降機の設置に国の介護保険制度は適用されない
「介護に使用する階段昇降機だから、介護保険制度が適用になるのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、介護用階段昇降機の設置については、2019年7月時点では介護保険制度は適用されません。
その代わり、一部の自治体では介護用階段昇降機の設置に対して、補助金が支給されるケースがあります。
そのため、お住いの自治体で介護用階段昇降機の設置に補助金が支給されるのか確認してみるといいでしょう。
一部自治体では介護用昇降機の設置に助成金が支給される
一部の自治体では、介護用昇降機の設置について助成金を支給する制度が実施されています。
一例として、東京都中央区の場合では、要支援、要介護認定を受け、階段昇降機が必要と認められた場合、最大で1,854,000円の給付を受けることが可能です。
階段昇降機の設置をお考えの方で、費用を少しでも安くしたいという方は、設置費用の助成制度があるかどうかお住まいの地域の役所に問い合わせてみると良いでしょう。
※2021年1月時点での情報です。
昇降機を購入した場合の価格相場は?
昇降機をレンタルではなく購入して設置する場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。昇降機にはいす式や車椅子式があり、レールも直線タイプや曲がり角のあるタイプがあります。それぞれのタイプの価格相場について紹介していきます。
まずは、製品価格について紹介していきます。しかし、昇降機には国産の製品から外国産の製品まで幅広くあります。ですので、今回はあくまでも相場として紹介していきますので、参考までにして下さい。
いす式昇降機の本体価格:約30万円~約50万円
車椅子式昇降機の本体価格:約50万円~約70万円
昇降機を設置する際にはレールを取り付ける必要があります。これは、階段が一直線か踊り場などによる曲がり角があるかにより異なります。また、階段の折り返しの回数などにより異なりますが、一般的な相場を紹介していきます。
一直線のレールを敷く場合:約50万円
曲がり角が必要な場合:約100万円
※曲がり角が1つの場合であり、複数になる場合は変動します。
昇降機の製品価格にこの設置工事費用が必要となります。ご自宅の状態や利用者の状況から費用の相場を参考にして下さい。
また、費用を抑えるという点だけ考えると、中古品を購入するという方法もあります。この場合はより慎重に進める必要があります。
昇降機を購入する場合の価格相場は、他にもサイズや設置する住宅の環境などの影響も受けます。ですので、価格の詳細を知りたい場合には専門業者へ相談することをお勧めします。
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ここまで説明してきた介護・バリアフリーリフォームは、あくまで一例となっています。
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この記事の監修者プロフィール

株式会社KURODA一級建築士事務所
坂田理恵子一級建築士、一級施工管理技士。和歌山市で設計事務所に勤務。住宅のリフォームや新築を中心に携わり、女性目線で、家事や掃除、片付けがしやすく暮らしやすい家の提案を行う。

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