目次
- 1 介護リフォームの見積もりをとるには介護認定が必要なの?
- 2 介護リフォームの助成金を利用するための条件とは
- 3 見積もりをとる前に知っておきたい給付対象工事と費用相場とは
- 4 介護リフォームの見積もりから支給を受けるまでの流れ
- 5 バリアフリーリフォームにかかる費用の相場
- 6 バリアフリーリフォームの見積もりを取る際のポイント
- 7 バリアフリーリフォームを行う際のポイント
- 8 バリアフリーリフォームを行う際の最適な業者の選び方
- 9 キッチンのバリアフリーリフォームのポイントは?
- 10 バリアフリーキッチンのリフォーム費用は?
- 11 バリアフリーリノベーションとは?
- 12 マンションでできるバリアフリーリノベーション
- 13 マンション・一戸建てでリノベーションできない箇所とは?
- 14 バリアフリーリノベーションは古民家でもできる?
- 15 理想的なマンションリノベーションならスケルトンリノベーションを
- 16 バリアフリーリノベーションへの補助制度
- 17 バリアフリーリノベーションをおこなった施工事例をご紹介
- 18 トイレの介護リフォームにかかる費用の相場
- 19 浴室の介護リフォームにかかる費用の相場
- 20 助成金の受給要項
介護リフォームの見積もりをとるには介護認定が必要なの?
介護リフォームは介護保険制度を利用したリフォームのことで、介護が必要な人の介護認定を受けなければ利用することができません。この章では、介護認定について詳しく解説していきます。
介護リフォームをするための準備 ~介護認定~
介護認定とは、介護が必要な人に対して「どのくらいの介護が必要か」を判定するための基準となるものです。
介護保険被保険者証が交付された65歳以上の人でも、市町村に申し込んで介護認定を受けなければ介護保険に関わる様々なサービスを利用することができない仕組みになっています。
介護認定では、身体機能や認知機能などを1次検査と2次検査の2段階で検査。最終的な介護度を5段階で診断します。
介護リフォームにおいては、介護度で補助金の額が変わることはありませんが、補助金を申請するためには「認定を受けた」という事実が必要です。
介護リフォームは介護保険制度の「住宅改修費」を利用して行う
介護リフォームという通称で呼ばれることが多いのですが、介護保険制度では、介護リフォームの正式名称は「住宅改修費」です。要介護者が快適かつ安全に生活を送るための住宅改修が助成の対象となっています。
介護リフォームでは信頼できるケアマネージャー、介護リフォームの実績のある業者を選ぶ
ケアマネージャーの仕事は要介護者に最適な介護サービスが受けられるように、介護のプロ目線で介護計画を立てることです。
介護リフォームを検討するときは、事前にケアマネージャーへ相談してリフォームの内容についてアドバイスを受けましょう。
要介護者に本当に必要なリフォームかどうかをしっかりと見極めることができ、要介護者はもちろん、家族全員が信頼できるケアマネージャーにお願いすることをおすすめします。
実際に施工をするのは工事業者ですが、見積書や請求書の作成などケアマネージャーとの連携で進めていくリフォームになりますので、介護リフォームの経験がある業者を選ぶようにしてください。
福祉住環境コーディネーターの有資格者がいるリフォーム業者もおすすめ
「福祉住環境コーディネーター」とは、高齢者や障害者が快適な生活を送れるような住環境を提案するアドバイザーの資格です。
工事業者を選ぶときには、この資格の有無を確かめることで、介護リフォームに深い知識を持つ業者かどうかを見極める材料になります。
介護リフォームの助成金を利用するための条件とは
介護保険の助成金を受けてリフォームを行うには、一定の条件を満たす必要があります。
要介護及び要支援と認定されている
介護保険の保険証が手元にあっても、実際に介護保険を利用するためには「介護認定」を受けなければいけません。介護リフォームの助成金も、要介護・要支援と認定されなければ利用できないのです。
なお、介護認定には要介護者の状態によって1~5の段階がありますが、介護リフォームの助成金に段階は関係ありません。要介護1であっても、要介護5であっても助成金の金額は同じです。
要介護・要支援の違い
【要支援】
すぐに介護の必要はないが、将来要介護の状態になる可能性が高く、ある程度の生活支援が必要である状態。介護予防サービスを受けることができる。
【要介護】
他者の介護がなければ生活に支障をきたす状態。介護サービスを受けることができる。
自宅介護である
要介護者が自宅で生活をしていることも条件の一つです。デイサービスやショートステイなど、一時的な介護施設の利用はできますが、介護施設に入所していたり、病院に入院している場合は介護リフォームの対象外となります。
介護リフォーム助成金の金額と制約
介護リフォームの助成金は、介護保険法の規定により工事金額20万円までの工事が対象となっています。
20万円の工事費のうち、介護保険利用者負担割合(以下、負担割合)が1割の人は18万円、2割の人は16万円、3割の人には14万円の支給です。20万円を超えた工事費は自己負担になります。
利用できるのは原則として、1回のみ。ただし、要介護度が3段階以上重くなったときと、転居に伴い再リフォームの必要性があるときにのみ再度の利用が可能です。
また、要介護者が複数人同居しているとき(ご夫婦など)は、それぞれ各1回ずつ支給を受けることができます。
見積もりをとる前に知っておきたい給付対象工事と費用相場とは
介護リフォームは介護のためのリフォームです。部屋の美化を目的としたリフォームは支給対象外となります。対象となる工事と工事費の相場を詳しくみていきましょう。
介護リフォームの対象 <手すりの取りつけ>
廊下やトイレ、寝室などに転倒防止のための手すりを取りつける工事は助成対象です。屋外の玄関アプローチの手すりも介護リフォームに含まれます。
※便器と一体に取りつける手すりや浴槽またぎのための手すりは、「福祉用具貸与」または「福祉用具購入費の支給」という介護保険の制度を利用して取りつけることも可能です。
【具体例】
- 玄関アプローチのスロープに手すりを取りつける
- トイレの壁に立ち上がりやすいように手すりを取りつける
【費用相場】
- 玄関スロープに手すりを取りつける:約8万円~
- トイレに手すりを取りつける:約3万円~
福祉用具の貸与・購入費の支給とは?
【福祉用具の貸与】
こちらも介護保険で利用できる助成制度で、要介護者に必要と認められた福祉用具を少ない自己負担でレンタルできる制度です。
レンタルできる福祉用具は車いすや手すりなど定められた13種類。要支援・要介護の認定を受けた人なら誰でも利用できます。
【福祉用具の購入費の支給】
腰掛け便座や入浴補助具など、5種類の福祉用具を購入した際に、1年間で10万円を限度に介護保険から購入費の1割~3割を控除した金額が支給される制度です。こちらも要支援・要介護の認定を受けた人が利用できます。
介護リフォームの対象 <床段差の解消>
要介護者がつまずいて怪我をしないように、部屋と部屋、廊下の段差や玄関アプローチの段差を解消するためのスロープ設置や、床を上げたりするリフォームも助成金の対象です。
工事を伴わないスロープの設置は福祉用具の貸与や購入費の支給を利用することになります。なお、階段昇降機やエレベーターの設置は助成の対象となりません。
【具体例】
- 和室と廊下の段差をなくすために廊下に床材を重ね貼りして高さを上げる
- 段差のある入口の敷居を撤去する
- 玄関ポーチの階段をスロープに替える
【費用相場】
- 敷居の撤去:約2万円~
- 玄関にスロープをつくる:約15万円~
- 廊下の高さを上げる:約10万円~
介護リフォームの対象 <床や通路面の材料の変更>
部屋や廊下の床材を滑りにくい材料に替える工事も助成金の対象となる工事です。屋外でも、道路に出るためのアプローチなどを滑りにくくする工事は助成金の対象となります。
【具体例】
- フローリングの床をクッションフロアやタイルカーペットに替える
- アプローチの仕上げを滑りにくいコンクリート刷毛引き仕上げにする
介護リフォームの対象 <扉の取替え>
開き戸や折れ戸を引き戸に変更する工事です。従来、ドアの交換は枠ごと撤去していましたので、壁や床を傷つけてしまい大掛かりな工事になっていました。
しかし、最近では開き戸の開口を利用して扉だけを取りつける「アウトセット引き戸」の登場で、短時間、低価格でのリフォームが可能になっています。
【具体例】
- 部屋のドアを引き戸に替える
- 玄関ドアを引き戸タイプに交換する
【費用相場】
- 開き戸をアウトセット引き戸に替える:約7万円~
介護リフォームの対象 <洋式便器等への便器の取替え>
和式便器から洋式便器へ取り替える工事です。使いやすいように洋式便器の向きを変える工事も対象となります。
対象にならないのは「洋式便器から洋式便器への交換」です。暖房便座や洗浄機能のついた洋式便器にグレードアップしても助成の対象にはなりません。
【具体例】
- 和式便器を洋式便器に替える
- 広く使えるように洋式便器の位置を変える
【費用相場】
- 和式便器から洋式便器への取り換え:約20万円~
リフォーム内容の選定は介護のプロに相談
どのリフォームが最適なのかは、要介護者の生活の仕方や体の状態によって変わります。基本的には1度しか使えない助成金。介護のプロであるケアマネージャーに相談し、リフォームの内容を吟味することが大切です。
介護リフォームの見積もりから支給を受けるまでの流れ
介護保険の住宅改修費支給(助成金の受け取り)は、工事業者に支払いを済ませてから。一旦支払いを済ませ、領収書をもって助成金の請求手続きをすることを「償還支払い」と呼んでいます。
介護リフォームの助成金がおりるまでの流れ
1.介護認定を受ける
介護認定を受けていないときは、市役所に相談して介護認定を受けましょう。
2.ケアマネージャー等に相談し業者選定
ケアマネージャーとリフォームの内容を決め、業者を選びます。ケアマネージャーに業者を紹介してもらうこともできますが、自分で選ぶことも可能です。
3.ケアマネージャーも同席のもと業者と打ち合わせ
現場調査にはケアマネージャーと要介護者はもちろん、家族も立ち会います。リフォームの詳しい内容は主にケアマネージャーから業者に伝えられますが、家族や要介護者本人の要望もしっかりと伝えてください。
4.業者から見積書の提示と確認
現場調査をもとに工事業者が見積書を提示します。リフォーム内容と金額のバランスをしっかりチェックしましょう。自治体によっては、介護保険を利用するために見積書のひな型が決まっていることもあります。
5.契約
見積書に同意したのちに工事契約を交わします。契約書の有無は介護保険の利用に関係がありませんが、リフォームトラブルを防ぐため金額の大小に関わらず契約を結んでおくことをおすすめします。
6.事前申請書類提出
住宅改修費の助成金の申請書類を工事前に提出しておきます。この書類によって助成金がおりるかどうかの審査となります。
少なくとも工事の14日前までに申請を行います。
7.事前申請の審査結果後着工
審査で助成金の支払いが決定したら工事着工です。決定前の工事着工は助成の対象外となりますので注意が必要です。
8.業者へ支払い
工事が完了したら請求書を発行してもらい、支払いを行います。領収書は工事完了報告の手続きに必要ですから、失くさないように保管しておきましょう。
9.工事完了後再度支給申請
工事が完了して領収書が発行されたら支給申請を行います。このとき、工事がきちんと行われたかどうか、写真を求められることもありますので、工事前と工事中、完了後の写真撮影を忘れずに行ってください。
10.住宅改修費支給
申請からおよそ2週間後までには、指定した口座に助成金が振り込まれます。
バリアフリーリフォームにかかる費用の相場
バリアフリーとは、日常生活において障壁となる設備やシステムを取り払うことを指します。バリアフリーリフォームは、問題がある箇所を改修・改善していくリフォームです。
バリアフリーリフォームにはたくさんの種類があります。必要な工事は住む人によって異なり、リフォームにかかる費用も様々です。主なバリアフリーリフォームの内容とリフォームにかかる費用の相場について紹介します。
手すりを付けるリフォームの場合
移動の際に支えが必要な場合、廊下などに手すりを付けるリフォームが有効です。手すりを使用することで、家族の手を借りることなく安全で自立した生活を送ることができるようになる場合もあります。
廊下だけでなく、トイレや浴室、玄関などにも手すりを取り付けることが可能です。比較的費用をかけずに、大きな効果が期待できます。
手すりを設置する場所や高さなどは、使う人に合わせて決める必要があり、握りやすい素材や形状の手すりを選ぶことが大切です。また、設置する場所の下地を確認し、必要に応じて補強工事を行う必要があります。
手すりを取り付けるには、設置費用や下地の補強のほか、手すり本体の価格が必要です。下地の補強と手すり設置にかかる費用の相場は15,000円~3万円で、手すり本体価格の相場は約5000円〜3万円となります。
開き戸から引き戸に交換するリフォームの場合
開き戸は車椅子では通りにくく開閉が難しいため、引き戸に交換するリフォームがおすすめです。最小限の動作で開閉が可能な引き戸は、高齢者や小さな子どもにも使いやすいというメリットがあります。
既存の開き戸を撤去するのにかかる費用の相場は約1〜2万円で、引き戸を設置するのにかかる費用の相場は約5〜10万円となります。壁を壊す必要がある場合には別途約10〜20万円が必要です。
控え壁の工事が不要な外付けタイプの引き戸(アウトセット引き戸)を使用すれば、材料費と工事費を併せて10万円前後でリフォームすることも可能です。
引き戸本体の価格は素材や大きさなどによって異なります。
段差をなくすリフォームの場合
少しの段差でも、高齢者や小さい子ども、車椅子を使用する人にとっては危険を伴う場合があります。つまずきによる転倒を防止したり車椅子移動の容易にしたりするために、段差をなくすリフォームを行うことが有効です。
段差の原因となる部材そのものを取り除いたり、段差を傾斜に変えるスロープを付けるなどのリフォーム方法があります。傾斜があると滑りやすくなるため、滑り止めの溝がついたスロープを使用すると良いでしょう。
ドアや引き戸の敷居を取り除いて段差をなくすリフォームにかかる費用の相場は約2万円〜15万円です。既存のドアをそのまま使うことができず、高さ調整などが必要な場合には費用が高額になります。
段差のある場所にスロープを付けて段差をなくすリフォームは、比較的費用を抑えることが可能です。すりつけ板を設けるリフォームにかかる費用は1箇所につき約2000円〜が目安となります。
また、家全体に段差があり、段差そのものを解消する場合には、低い床に床材を重ね張りして高い方の床に高さを合わせる工事方法がおすすめです。床の重ね張り工事にかかる費用の目安は、6帖につき約10万円~となります。
水回りをリフォームする場合
昔ながらのトイレや浴室は、高齢者にとっては使いにくいことが多く、不便に感じている人が多いようです。水回りを新しいものに交換するリフォームによって、身体への負担を軽減することができます。
和式トイレを洋式トイレに交換するリフォームにかかる費用の相場
和式トイレは足腰に負担がかかりやすいため、洋式トイレへの交換がおすすめです。和式トイレから洋式トイレに交換するリフォームにかかる費用の相場は、約30万円〜50万円となります。
既存のトイレの撤去・処分費、電気工事費、給排水衛生設備工事費のほかに、床や壁の復旧費用、トイレの本体価格などが必要です。本体価格はグレードや仕様によって異なります。
また、トイレに座ったり立ち上がったりする際に使用する手すりの設置にかかる費用は約3万円〜6万円です。壁の下地補強が必要かどうかで値段が変わります。
在来工法のお風呂をユニットバスに交換するリフォームにかかる費用の相場
在来工法のお風呂と比べて現在のユニットバスは段差が少なく、バリアフリー化するのに適しています。また、ユニットバスは断熱性能が高いため、浴室でのヒートショックを防ぐ効果が期待できるという点でもおすすめです。
在来工法のお風呂をユニットバスに交換するリフォームにかかる費用は約80万円~160万円が目安となります。費用はユニットバスのグレードによって大きく異なります。
柱や土台などに腐食や傷みなどがあった場合には、補修にかかる費用が約10万円〜必要です。
バリアフリーリフォームの見積もりを取る際のポイント
バリアフリーリフォームの工事内容が決まり、リフォーム会社に見積もりを取る際に注意しなければいけないポイントについて紹介します。
複数の会社から相見積もりを取る
バリアフリーリフォームの見積もりを取る際には、複数の会社から相見積もりをとるとよいでしょう。価格やプランの内容を比較して、見積もりの価格が適正かどうかを判断することができます。
施工費が一番安い会社が一番良いとは、一概には言えません。提案内容を検討して不必要なリフォームは回避し、自分が希望している内容のリフォームを行ってくれるリフォーム会社を選ぶことが大切です。
リフォーム会社の雰囲気や打ち合わせのスタイルなど、自分に合った会社を見つけるためにも、複数の会社から見積もりを取ることをおすすめします。
助成金に詳しくバリアフリーリフォームが得意な会社に依頼
リフォーム会社はそれぞれ得意とする分野が異なるため、バリアフリーリフォームの実績が豊富な会社に見積もり依頼をするようにしましょう。工事の実績については会社のホームページや口コミなどで調べることができます。
福祉住環境コーディネーターなどの有資格者がいるかどうかということも、判断材料となります。それぞれの状況に合わせたプランを作成してもらうためには、豊富な知識と実績が必要です。
また、バリアフリーリフォームが対象となる補助金や助成金もあるため、助成金に詳しいリフォーム会社に依頼することをおすすめします。住んでいる自治体の助成金について詳しい、地域の会社を選ぶとよいでしょう。
バリアフリーリフォームを行う際のポイント
バリアフリーリフォームとひと口で言っても、実に様々な工事内容があります。必要性を感じていても、具体的にどのようなリフォームを行ったらよいのかわからないという方も少なくはないのではないでしょうか。
バリアフリーリフォームを行う際のポイントについて紹介します。
段差をなくす
わずかな段差であっても、車椅子や杖を使用している人にとっては大きな障害となります。できるだけ段差がないようにリフォームすることがバリアフリーリフォームの基本です。
段差が少ない住宅は、高齢者だけでなく妊婦や小さい子どもなど、全ての人にとって家庭内で安全に生活するための大切な要素となります。段差をなくす方法としては、スロープの設置や床のかさ上げなどの方法があります。
段差をなくすリフォームは家の中での事故を未然に防ぐことにつながるため、必要と感じる箇所がある場合には、早めの工事をおすすめします。家の現状や住む人の状況に合った、適切なリフォーム方法を取ることが大切です。
ケアマネージャーに相談
バリアフリーリフォームは、介護保険の住宅改修助成制度を利用できる場合があります。リフォーム費用のうち介護保険の対象となる工事にかかった費用に対して、20万円を限度に9割の還付が行われます。
「要支援」または「要介護」の認定を受けており、バリアフリーリフォームを行う住宅の住所が被保険者証の住所と同一で、本人が実際に居住していることという受給条件があります。
対象となるバリアフリーリフォームは、手すりの取り付け、段差の解消、滑り止め防止のための床材変更、引き戸などの使いやすい扉への交換、和式トイレから洋式トイレへの交換です。
要支援、要介護の認定を受けた方が家族にいる場合には、ケアマネージャーに相談して、介護に適したリフォームプランを含めたケアプラン(介護計画書)を作成してもらうようにしましょう。
介護が必要になってから行うバリアフリーリフォームには、多額の費用がかかることが多いため、助成制度を上手に利用したリフォーム計画を立てることをおすすめします。
ケアマネージャーはバリアフリーリフォームについての知識が豊富であることが多いため、バリアフリーリフォームの実績があるリフォーム会社を紹介してもらえる場合もあります。
バリアフリーリフォームを行う際の最適な業者の選び方
バリアフリーリフォームといっても、手すりの取り付けから増改築を伴う工事まで様々な工事があります。工事内容によって、それぞれの分野でバリアフリーリフォームの実績が豊富な業者を選ぶとよいでしょう。
実際に工事をしてもらった人の口コミも参考になります。知人から話を聞いたり、ホームページなどに記載されている口コミを調べてみることもおすすめです。
キッチンリフォームの場合には、キッチンスペシャリストなどの有資格者がいるかどうかなども参考になります。バリアフリーリフォームのコーディネートを行う福祉住環境コーディネーターが在籍しているとなお安心です。
また、バリアフリーリフォームについてリフォーム会社から的確な提案をもらうためには、あらかじめリフォーム箇所や予算を明確にしておくことが重要です。今の家で困っていることをまとめておくとよいでしょう。
後悔がないように業者選びを慎重に行い、綿密なリフォームプランを立てた上で、バリアフリーリフォームを行うことをおすすめします。
キッチンのバリアフリーリフォームのポイントは?
料理をする人が高齢になったり、体が不自由になったときでも快適にキッチンを利用できるように、キッチンのバリアフリー化は重要です。
では高齢者や体が不自由な人でも快適に過ごせるようにするためには、どのようなバリアフリーリフォームが必要なのでしょうか。キッチンのバリアフリーリフォームのポイントについて具体的に見ていきましょう。
レイアウトのポイント
バリアフリーキッチンのレイアウトのポイントは、使う人の安全性や使いやすさを重視して設備や収納を配置することです。
車椅子の人が収納を利用する場合、高い所の吊り戸棚に手が届きにくく使いづらくなる可能性が高くなります。
そのため、バリアフリーキッチンでは頭上に昇降収納を取り入れることで、頭上のスペースを上手に使い使いやすい収納にすることが大切です。
また、調理台や水回りなどよく使う設備は、最低限の動作で利用できるようにコンパクトにまとめたレイアウトが理想的でしょう。
内装上のポイント
バリアフリーキッチンの内装上のポイントは、万が一に備えた内装材を選ぶことです。高齢になるとつまずいたり転倒したりしやすくなるため、滑りにくく怪我をしにくいクッション性のある床材を選ぶことが大切です。
また、キッチンを利用する人が車椅子の場合、方向転換や走行がしやすい床材を選ぶことでスムーズに作業することができます。
そして、壁には調理中に火が燃え移ってしまうなどの万が一に備え、防火性の高い壁紙などを選ぶといいでしょう。
調理器具や水回り設備の選び方におけるポイント
コンロなどの火を扱う設備の場合、火の消し忘れや燃え移りなどに備えて安全装置がついた調理器具を選ぶのがポイントです。万が一に備えられるようにと、近年はコンロにガスではなく安全装置がついたIHを選ぶ人が増えています。
また、水回り設備では水栓にレバータイプを選ぶことで、水温調節や水道の利用が容易にできるでしょう。
座ったまま使用できるキッチンにする際のポイント
最新のシステムキッチンでは、車椅子など座ったままで調理できるような仕様になっているキッチンが販売されています。
一般的なキッチンの場合、シンクの下が収納になっていたりワークトップが立ったまま作業することを想定されています。
一方、バリアフリーキッチンの場合はワークトップが低めに設定されていて、シンクの下に膝が入るスペースが確保されているため、座ったままの作業が可能になり車椅子利用者でも快適にキッチンで作業することができます。
その他にも、バリアフリーキッチンでは座ったままで移動しやすいようにワークトップ下に手すりを設置します。また、小さな段差はつまずきや転倒の恐れがあるため、段差の解消は必須です。
車椅子を利用していても、作業がしやすいように動線がスムーズになるような設計が好ましいでしょう。
高齢者が使いやすいキッチンにするポイント
高齢者が使いやすいキッチンにするポイントは、やはり調理器具に安全装置をつけることでしょう。高齢になるとついうっかり忘れてしまうということが多くなり、火災などの危険性が高まるからです。
調理器具や水回りの設備のポイントと同様、基本的には安全装置のついた調理器具を選ぶようにしましょう。
また、高齢になると腰が曲がってしまうなど目線が低くなる傾向にあるため、ワークトップは低めに設定するのもポイントです。ワークトップの高さは、誰が主にキッチンを利用するのかを想定した上で決めるといいでしょう。
また、収納は高い位置に設置すると、無理な体勢になり転倒する可能性があることから取り出す際に大変危険です。
収納を設置する場合は低めの位置に多くしまえるようにするなど、無理をせず楽な姿勢で取り出しやすい収納を選ぶといいでしょう。
バリアフリーキッチンのリフォーム費用は?
バリアフリーリフォームの活性化に伴い、各メーカーからバリアフリータイプのシステムキッチンが販売されるようになりました。バリアフリーキッチンとは、車椅子でも届く高さのキッチンカウンターや、車椅子分の空間がカウンター下などが設けられたキッチンの事です。リフォーム費用は主にキッチン自体の費用と工事費があります。
キッチン取り付けの附随工事
キッチンの位置を変える場合は、上記のほかに以下の附随工事費用が発生します。
・壁クロス張り…約3000円(平方メートルあたり)
・床材張り…約5000円(平方メートルあたり)
電気配線工事や給排水管工事も、場所を大きく変えると料金が高くなりますので、注意しましょう。
キッチンへ手すりの取り付け費用
車椅子で移動する時や、急に転倒した時などのために、キッチンカウンターの手前やキッチン横の壁に、手すりを取り付けるバリアフリーリフォームもあります。
・手すり取り付け費用…約3万円(500mmあたり)
昇降機能付きキッチンの価格相場
車椅子の時と立っている時では、キッチンを使う時に必要な高さが異なります。そのため、どちらの場合でも使えるように、電動昇降機能付きの収納やカウンターが付いている物もあります。
・電動昇降機器:約5万円
・専用収納:約5000円
・取り付け費用:約2万円
バリアフリーリノベーションとは?
「バリアフリーリノベーション」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、バリアフリーリノベーションとはいったいどのようなものでしょうか。
バリアフリー住宅とは、車椅子や松葉杖などを利用する方でも、物理的・精神的な障壁なく快適に安心して生活することができる住宅のことです。
既存の住宅をこのようなバリアフリー住宅に改修することをバリアフリーリノベーションと呼びます。
例えば、敷居や玄関の段差の解消や手すりの取り付け、ドアを車椅子でもスムーズに通り抜けられる引き戸にするなどの工事が代表的です。
そのほかにも、水回りを移動してバリアフリー仕様のものに入れ替えたり、ホームエレベーターを取り付けたりなどの大規模な工事も行われます。
工事費用はバリアフリーリノベーションの内容により、数千円から1,000万円単位までさまざまです。そのため予算に応じて必要な工事を検討し、計画的に実施することが重要です。
マンションでできるバリアフリーリノベーション
マンションにお住まいの場合、バリアフリーリノベーションはどの程度可能なのでしょうか。
マンションでは行うことが難しいリフォーム工事もありますが、ここではマンションでも可能なバリアフリーリフォームの具体的な例を費用面などもあわせてご説明します。
リノベーションで室内の段差解消
マンションの場合、廊下から洗面脱衣所につながる部分に段差が5cm以上ある場合は、段差を解消するリノベーションは難しいでしょう。それは、段差のある部分の下に配水管が通っていることがほとんどだからです。
もしそのような構造になっているようなら、床そのものを改修せずに段差に簡易的なスロープを取り付けると移動する場合の問題が解消されます。
これからマンションの購入を検討している場合は、洗面所への移動場所に段差がないかを確認するといいでしょう。
費用の一般的な相場は、1箇所あたり約3万円から約20万円です。導入するスロープの種類や材質などによって価格が異なります。
手すりのリノベーションで移動・動作のサポートを
廊下や階段などには歩行補助用の手すりを、玄関やトイレなどには立ち座りがしやすいようにそれ用の手すりを設置することをおすすめします。
費用の一般的な相場は、1箇所あたり約1万円から約5万円です。
キッチンのリノベーションで使いやすいものに
キッチン自体をバリアフリータイプの製品に変えられると一番理想的ですが、そのものを取り替えることが難しい場合には部分的にリノベーションをすることも可能です。
例えばキッチンの収納を開き戸から引き出し型タイプに変えるだけで食器も取り出しやすくなります。また壁面がタイルになっている場合には、パネル張りに替えると油汚れなどの手入れが楽になります。
費用の一般的な相場は、部分的な改修なら約10万円から約80万円です。
動線確保で動きやすくリノベーションする
バリアフリーにリノベーションする場合、導線をどう確保するかも重要なポイントです。
特に高齢者の場合には、夜間、寝室とトイレが近く動きやすくなっているかということが大切でしょう。また、車いすを利用される方ならスムーズに方向転換できるくらいの幅を確保することが大切になります。
そのため、廊下にも十分な広さを確保する必要があります。また家事の効率化という点では、キッチンから洗面所に直接行けるような動線を設けると、料理をしながら洗濯などがスムーズにできるようになるでしょう。
導線をしっかりと考えることですっきりと暮らしやすい空間にすることが可能です。
費用の一般的な相場は面積や施工内容も関係しますが、約200万円から約500万円程度です。
床のリノベーションで転倒事故を未然に防ぐ
各部屋ごとの床の高さや素材が違っていたり、ドアの下枠などの段差があると、どうしてもつまずきやすく、転倒のリスクが高くなります。
ドアを吊戸タイプに変更すれば床面をフラットにでき、転倒事故などを未然に防ぐことができるでしょう。どうしても床面をそろえることができない場合には、段差の前後にスロ-プを設置することをおすすめします。
費用の一般的な相場は、1箇所あたり約30万円から70万円です。
リノベーションで家中まるごと空調管理
温かいリビングから寒い洗面所や浴室に移動した際に、急に血圧が上下することによって起こるヒ-トショックが問題となっています。
これを防ぐためには、リビングだけではなく廊下や洗面所、浴室を含めて一定の温度に保てるように家中を空調管理できるようにリノベーションできると安心です。
費用の一般的な相場は、約200万円から約400万円です。
ドアのリノベーションは開き戸から引き戸へ
開き戸の場合、開け閉めするのに力が必要なため、年を重ねるにつれて開けづらく感じることがあります。
その場合はドアを引き戸に変えることでスム-ズにドアの開け閉ができるでしょう。また引き戸にできない場合には、ドアノブやドア本体を弱い力でも開けることができるタイプに替えることもできます。
費用の一般的な相場は、1箇所あたり約20万円から40万円/です。
洗面所のリノベーションは洗面台にも配慮を
洗面所のリノベーションの際には段差をなくして床面をフラットにするだけでなく、洗面台を車いす対応のものにすると良いでしょう。
バリアフリー仕様の洗面台は洗面ボールがやや低めになっていたり高さの調節が可能なタイプもあります。また、車いすでも洗面台の奥までアプローチできるよう、洗面台下の収納や配管のないオープンな洗面台へと変えることもできます。
また洗面所やお風呂場で、ヒ-トショックにならないように空調などの設置も検討すると良いでしょう。
洗面所には給湯・水、電気・照明などの設備関連が集約され、小さなスペースの割には以外に費用が掛かることを念頭に計画しましょう。
費用の一般的な相場は、約30万円から約50万円です。
浴槽のリノベーションは滑りにくく使いやすいものに
マンションの場合は、部分的に設備をより良くすることやユニットバスを新しいタイプへと入れ替えることが可能です。
高齢者の場合、深さのある浴槽やすべりやすい床などはバランスを崩しやすく転倒などの原因にもなります。
そこで浴室のバリアフリー化では、洗い場から浴槽に出入りしやすいように、浴槽またぎの浅いものにすることが重要です。また浴室の床材を滑りにくい加工がされたものに変更すると安全面でもより安心できるでしょう。
費用の一般的な相場は、約80万円から100万円程度です。
マンション・一戸建てでリノベーションできない箇所とは?
マンションや一戸建てをバリアフリーにリノベーションしたいと希望してもその構造上などの問題で、思うような場所がリノベーションできない場合があります。
マンションでリノベーションできない場合
マンションの場合には、基礎的な構造部分や配管が通っている場所などは、リノベーションなどの大規模な改修が難しい場合があります。具体的な例をご紹介します。
玄関の間口の変更
マンションの玄関部分は、基礎構造の関係で広げることはできません。またマンションでは、玄関ドアの外側は「共有部」にあたるため、管理規約などでドアの変更ができない場合もほとんどです。
浴室の移動
マンションの場合は、ユニットバス自体の交換は可能な場合がほとんどですが、気をつけたいのが浴室の位置を変えたい場合です。
浴室の排水管に十分な勾配がとれないと水がうまく流れず、つまりやトラブルの原因になることもあります。
また、築30年以上の場合には階下の天井裏などに排水管を通っていることがほとんどのため、浴室を移動させることは難しく注意が必要です。
下に配管がある箇所の段差
マンションの場合は、廊下と部屋の間にある段差の下に配管などが通っている場合があります。しかし、その場合は段差を撤去することはできませんのでリノベーションが難しくなります。
配管などに支障がない部分の段差の解消や、配管上の床などを高くする工事であれば可能です。
一戸建てでリノベーション出来ない場合
一戸建ての場合は、マンションよりもリノベーションの制限がかなり緩やかになります。ただ建築基準法や条例などによって工法などに制約がかかることがあります。具体的な例をご紹介します。
防火地域に立てられている場合
ご自宅がある場所が、防火地域や準防火地域に指定されているとリノベーションに制限があります。防火地域というのは、都市計画法市街地で指定された、火災を防ぐために特に厳しい規定が定められた地域となります。
例えば幹線道路が通っている場所や都市の中心地、また駅前などです。防火地域の家屋をリフォームする場合に、耐火建築物もしくは準耐火建築物に準じる建築にせねばならず、サッシなども防火性能のあるものを使用するように指定されます。
そのために使用する製品も費用面で割高になるでしょう。
建てられた工法によっては間取り変更が出来ない
一戸建ては、構造上の問題で間取りの変更などが難しくなることがあります。
従来の木造軸組工法という工法で建てられた家では、建物を柱と梁で支えています。そのために部屋を広くしたいと間仕切りの柱などを撤去すると、構造自体に支障が出る場合もあります。
壁が構造体になっている建物
建物自体の強度を保つために設えている壁を耐力壁といいます。その部分に新しく窓やドアなどを設えると地震などに耐えられなくなるため、リノベーションすることはできません。
バリアフリーリノベーションは古民家でもできる?
バリアフリーリノベーションはどのような住宅でも実施することができるのでしょうか。古民家のような古い木造住宅では、特に段差が多い傾向にあります。
結論から言うと、古民家でもバリアフリーリノベーションをすることは可能です。しかし、いくつか注意点があります。
まず、旧耐震基準の木造住宅や老朽化が著しい場合には、耐震補強工事が必要になる場合があります。
また、床の段差解消や水回りを移動させる工事をする場合、既存の基礎だけでは十分でないケースもあり、このような場合には、補強工事を行なった上でバリアフリー工事を行うことになるでしょう。さらには断熱工事などが必要になる場合もあります。
このように、古民家は特に現在の家の状態によって必要になる工事が異なります。そのため、きちんと専門業者と打ち合わせをして、どのような工事が必要になるかを確認することが大切です。
また、古民家のバリアフリーリノベーションは、施工費用が高くなる傾向にあります。
既存の住宅について細部までしっかりと調査をしてもらった上で、その家に合ったバリアフリーのためのリノベーションプランや見積もりを提出してもらうようにしましょう。
理想的なマンションリノベーションならスケルトンリノベーションを
マンションのリノベーションには、さまざまな支障があって思うようにリノベーションができない場合があります。その点、スケルトンリノベーションという方法であれば、部分的にはできにくかった場所でもリノベーションできる可能性が高くなります。
スケルトンというのは骨格や骨組みという意味ですが、スケルトンリノベーションではマンションの内の骨組みだけを残して全ての箇所をフルリノベーションします。
部屋の壁板やさまざまな配線、そして場合によっては配管までも撤去し、構造体だけにした段階からもう一度内部を新しく作っていくことになるため、理想的な室内へと造り上げていくことが可能でしょう。
例えば、細かく仕切られていた部屋を1つにつなげて空間を広げることも可能です。また段差の解消も一箇所だけではなく全ての箇所で行うことができるため、家全体をバリアフリ-化することが可能です。
スケルトンリノベーションを実施できるとさまざまな問題を一気に解消できるので、最近では、新築ではなく、はじめから中古物件を購入してスケルトンリノベーションを計画している方も増えています。
ただスケルトンリノベーションは大がかりな施工になるため費用面も高額になりがちです。また施工業者によって金額的にも差が出る場合がありますので、複数社に見積もりを取るなどして依頼する業者をしっかりと見極めることをおすすめします。
一度は会社を訪問しておくべきでしょう。資材置き場や工事車両などが小規模でもキチンと整備され、責任者が工事実績などをしっかり具体的に説明してくれるような業者であれば、ほぼ安心ですが、中にはデスクと電話だけで100%外注工事の営業専門会社もあるので要注意です。
バリアフリーリノベーションへの補助制度
住宅のリノベーションやリフォームには各種の減税や補助金の制度があり、一定の条件で支援を受けることができます。
バリアフリーや省エネ、耐震など、特定のリフォーム工事ではなく、リビングやダイニング、個室の一般的なリフォーム工事についても、自治体によっては補助策や所得税、固定資産税の減税、贈与税の非課税や登録免許税の減税などの制度を利用できる可能性可能性があります。
補助金については、各自治体により各種の制度が増えたり、内容が変化していますので最新の情報を確認しておきましょう。
バリアフリーリノベーションをおこなった施工事例をご紹介
バリアフリーリノベーションを検討する際には、必ず信頼できる専門業者に住宅の現状を把握してもらった上で、詳細な工事内容や見積もりの提案をしてもらうことが大切です。
依頼者側も事前に展示場などでどのような空間にしたいのかについて、きちんとイメージを固めておきましょう。
ここでは、実際にバリアフリーリノベーションをおこなった事例をいくつかご紹介します。
【ケース1】約10年の木造住宅のバリアフリーリノベーション
築年数:約10年
改修面積:約23平方メートル
施工費用:約441万円
車椅子用の玄関としてサンルームを設け、スロープや手すりの設置などのバリアフリーリノベーションを行った例です。水回りやリビングなど、室内の空調設備も整えることで温度のバリアフリー化も行っています。
【ケース2】築250年の古民家のバリアフリーリノベーション
築年数:約250年
改修面積:約140平方メートル
工事期間:約3ヵ月
施工費用:約2,500万円
築250年の古民家のバリアフリーリノベーションと断熱改修をした事例です。段差解消のために大規模な間取り変更を行い、水回り設備も場所を移動させています。また、床材は脚に優しい無垢材に張り替えています。
トイレの介護リフォームにかかる費用の相場
トイレを丸ごと交換した場合にかかる費用の相場は約50万~80万円です。トイレのランクによって総費用が大きく異なります。
ヒートショック現象の予防のためのリフォーム
暖かい場所から寒い場所へ移動したときに起こるヒートショック現象は高齢者が起こしやすく、心臓発作により死に至ることもあります。それを防ぐために暖房便座のトイレを導入しましょう。温水洗浄や全自動洗浄などがついていない暖房便座のトイレは約3万円~8万円で販売されています。
タンクレスや全自動洗浄、温水洗浄付きのものの価格相場は約18万円~30万円です。全自動洗浄がついていないものになると約10万円~17万円が価格相場になります。
手すりの設置リフォーム
トイレに手すりを設置しましょう。手すりの設置リフォームにかかる費用の相場は約3万円~5万円です。車椅子でトイレを利用できるようにリフォームする場合は、壁を一旦壊して拡張する必要があり、約30万円~60万円の費用がかかります。
トイレまでの移動距離を短縮するためのリフォーム
居室からトイレや浴室など水回りまでの移動距離を短くするためのリフォームにかかる費用の相場は、約50万円~200万円です。どれだけの壁を壊さなければならないのかは住宅の構造により決まるため、見積もりを出してもらうまでは大体の検討しかつきません。
浴室の介護リフォームにかかる費用の相場
浴室のバリアフリー化では、介護用の浴槽への交換や滑り止めマット、暖房器具の設置などが挙げられます。浴室でもヒートショック現象を起こす恐れがあるため、暖房器具の設置は必須でしょう。暖房器具の設置にかかる費用の相場は約40万円~60万円です。
滑り止めマットの設置は約3万円~6万円、介護用の浴槽への交換は約50万円~70万円が費用の相場になります。
助成金の受給要項
「要支援・要介護」と認定されており本人が居住している場合は、工賃の9割に相当する助成金が支給されます。ただし、最高支給額は18万円で、20万円までの介護リフォームに適応されます。
適応されるバリアフリー工事としては、手すりの取り付けや床の段差の解消、滑りの防止、洋式便器などへの取替え、引き戸への交換などが挙げられます。また、これらのバリアフリー化に伴い、必然的にリフォームが必要になった部分にも適応されます。
このような助成金の受給により、価格の相場よりも実際には安くなります。
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