

殺虫剤で壁が変色するのはなぜ?
殺虫剤の溶剤や添加成分がシミの原因になる
スプレータイプの殺虫剤には、殺虫成分に加えて溶剤や噴射剤が含まれます。なかには灯油系の溶剤を使った製品もあり、壁紙や塗装面に付着すると油ジミや変色が残ることがあります。粉末成分を含むタイプでは、乾燥後に白い跡が残るケースもあります。壁や床、家具、建具への付着を避けるよう案内されている製品も多いため、使用前にラベルを確認し、周囲を養生してから噴射してください。

ふすまなどの紙製品はシミが残りやすい
ふすまや障子紙は液体を吸収しやすく、殺虫剤が付着するとシミが残りやすい素材です。木製家具や塗装面、カーテン、プラスチックも、成分によっては変色・変質するおそれがあります。虫に噴射するときは周囲の家具や建具を避け、必要に応じて新聞紙やシートで保護しましょう。付着した場合は、溶剤や強い洗剤を自己判断で使わず、殺虫剤と対象素材のメーカーが示す対処法に従ってください。

賃貸住宅では契約書を確認し、管理会社へ相談する
賃貸住宅で殺虫剤の使用が一律に禁止されているわけではありません。ただし、使用方法や害虫駆除に関する特約が設けられている場合があるため、まず賃貸借契約書や入居時の注意事項を確認しましょう。殺虫剤によるシミや変色は、使い方によっては借主の過失による損傷と判断される可能性があります。害虫が繰り返し発生する場合や専門業者への依頼を検討する場合は、先に管理会社や大家さんへ状況を伝え、駆除方法や費用負担を相談しておくと安心です。
※ 参考1:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
※ 参考2:国土交通省「賃貸住宅標準契約書」
壁が殺虫剤で変色したときの落とし方
ビニールクロスは素材を確認して掃除する
一般的なビニールクロスなら、付着直後の汚れは水拭きや薄めた中性洗剤で目立ちにくくなることがあります。ただし、殺虫剤が表面や下地まで染み込むと、完全には落とせません。作業前に壁紙の種類とメーカーのお手入れ方法を確認し、目立たない場所で変色や傷みが起きないか試してください。
窓ガラスに殺虫剤の跡が付いた場合も、まず製品ラベルとガラスメーカーのお手入れ方法を確認し、乾いた布で薬剤を吸い取ります。使用できる場合は薄めた中性洗剤でやさしく拭き、水拭きと乾拭きで仕上げてください。コーティングガラスや樹脂製の窓は、目立たない場所で試してから作業しましょう。
薄めた中性洗剤と柔らかい布でやさしく拭く
ビニールクロスに殺虫剤が付いたら、まず乾いた布やキッチンペーパーを押し当て、薬剤を広げないよう吸い取ります。次に、表示どおりに薄めた中性洗剤を布やスポンジに含ませ、固く絞ってから、目立たない場所を軽くたたくように拭きます。最後に、水拭きで洗剤分を取り除き、乾いた布で水分を拭き取ってください。メラミンスポンジや硬いブラシは、壁紙の凹凸や表面コートを削り、色やつやを変えるおそれがあるため使用を避けましょう。

ふすまはこすらず、乾いた布で吸い取る
ふすま紙は水分を吸いやすく、中性洗剤やお湯で拭くとシミが広がったり、紙がよれたりします。殺虫剤が付いた直後は、乾いた白い布やティッシュを上から押し当て、こすらずに薬剤を吸い取ってください。ドライヤーの温風は変形や色むらを招くおそれがあるため使わず、シミが残ったらふすま店や内装業者へ相談しましょう。
中性洗剤で落ちない場合は作業を中止する
中性洗剤で拭いてもシミが残る場合は、殺虫剤が壁紙の表面加工や下地まで浸透している可能性があります。重曹、酢、漂白剤、アルコール、シンナーなどを重ねて使わず、それ以上強くこするのも避けてください。壁紙や塗膜を傷めるおそれがあるため、作業を中止して壁紙メーカー、住宅メーカー、内装業者に相談しましょう。
落ちないときは部分補修や張り替えを検討する
やさしく拭いても変色が残る場合は、部分補修や壁紙の張り替えを検討します。紙壁紙や織物壁紙は水分や摩擦に弱く、付着直後なら乾いた布で吸い取ることで軽減できる場合もありますが、染み込んだ汚れを元に戻すのは困難です。賃貸住宅では自分で張り替えず、損傷箇所を撮影したうえで管理会社や大家さんに相談してください。補修範囲や費用負担は、契約内容、壁紙の経過年数、損傷範囲などを踏まえて判断されます。

※ 参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
張り替えるなら高機能壁紙も選択肢
壁紙を張り替える場合は、お手入れしやすい高機能壁紙も選択肢です。高機能壁紙には、汚れが付きにくいラミネート加工タイプのほか、消臭や吸放湿などの機能を備えた製品があります。日常の困りごとに合う機能を選ぶと、張り替え後の手入れがしやすくなります。
壁紙の変色リスクを抑える害虫対策
冷却タイプのスプレーも壁や家具への付着に注意する
冷却効果で虫を駆除するスプレーには、殺虫成分を含まないタイプもあります。ただし、成分や対象害虫、使用方法は商品ごとに異なり、壁、床、家具、建具、網戸などにかかると変色やシミ、スプレー跡が残るおそれがあります。壁やふすま、網戸に向けて噴射せず、火気を避けて換気しながら、表示どおりに使用してください。網戸にスプレー跡が残った場合は、網の素材と製品表示を確認し、乾いた布で薬剤を吸い取ります。水拭きできる素材なら、薄めた中性洗剤を含ませた布でやさしく拭き、水分を残さないよう乾かしてください。
ゴキブリには用途が明記された駆除剤を使う
キッチン用のアルコール除菌スプレーを、ゴキブリ駆除に使うのは避けてください。アルコールは蒸発しやすく、コンロやストーブ、たばこなどの火気がある場所では引火するおそれがあります。壁紙や塗装面の種類によっては、色落ちやつやの変化も起こり得ます。ゴキブリには、対象害虫として表示されたベイト剤、粘着トラップ、殺虫スプレーなどを、表示に従って使用しましょう。
※ 参考:東京消防庁「消毒用アルコールは正しく取扱いましょう」
入ってきた虫は外に逃がす
蛾やクモなど、動きが遅く人を刺すおそれの低い虫は、コップと厚紙で覆って屋外へ逃がせます。ただし、ハチ、アブ、ムカデ、毒を持つ可能性のあるクモなどに近づいたり、捕まえたりするのは危険です。窓やドアを開けて自然に出ていくのを待ち、刺激せず距離を取りましょう。巣があるときや種類を判断できないときは、自治体の案内を確認するか、専門業者へ相談してください。
※ 参考:広島市「ハチの駆除について」
虫の侵入を防ぐ
虫の侵入を減らすには、網戸やサッシ、配管まわりの隙間を点検し、用途に合った隙間テープやパテでふさぎます。ゴキブリの幼虫はごく小さな隙間から侵入することがあるため、玄関、窓、シンク下の配管まわりも確認してください。エアコンのドレンホースには、排水を妨げない専用の防虫キャップを取り付け、目詰まりがないか定期的に点検します。ただし、排水口や換気口を完全にふさぐのは避けましょう。
室内では、食べこぼしや生ごみを放置せず、対象害虫が表示されたベイト剤や粘着シートを適切な場所に設置します。アロマオイルだけに頼らず、清掃と侵入口対策を組み合わせることが重要です。

壁紙を張り替えるリフォーム業者の選び方
住宅メーカーの物件ならそのメーカーに問い合わせる
住宅メーカーが建築・販売した住宅なら、まずはそのメーカーへ相談しましょう。大手メーカーには独自のメンテナンスやリフォーム窓口が設けられていることも多く、相談から施工までスムーズに進めやすくなります。
信頼できる業者を選ぶ
リフォーム専門業者や工務店は、会社の規模だけでなく、壁紙張り替えの実績や担当者の説明、見積書の内訳、保証・アフターサービスを見て選びます。現地調査で下地まで確認し、壁紙のメーカー名・品番、施工面積、既存壁紙の撤去、下地補修、家具移動、廃材処分などを具体的に示す業者なら比較しやすいでしょう。外注の有無だけで品質は決まらないため、実際の施工体制と責任の所在も確かめてください。
見積もりは同じ条件で比較する
複数の業者へ依頼するときは、施工範囲や壁紙のグレードなどの条件をそろえます。見積書では、施工面積、使用する壁紙、既存壁紙の撤去、下地補修、養生、家具移動、廃材処分、諸経費、消費税のうち、何が含まれているかを確認してください。「一式」など内訳が不明な項目は契約前に説明を求め、追加工事が発生した際の連絡方法と費用負担も書面で取り決めておくと安心です。
※ 参考:国土交通省「リフォーム見積相談制度」
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