目次
内装リフォームの養生費とは
内装リフォームの「養生費」とは、工事の際に床や壁、家具などを養生(保護)するためにかかる費用をいいます。
リフォームでは、かぎられた空間でさまざまな工具や資材などを扱うため、室内の建具や家具などを傷つけるリスクが伴います。
「養生」は、住まいのあらゆる箇所を工事による損傷から保護し、リフォーム後の美しさを保つために必要な作業です。
したがって養生費は、内装リフォームの総工費に含まれる、重要な項目といえるでしょう。
内装リフォームにおける養生の重要性
内装リフォームでは、工事を始める前に必要な資材を使用して養生をします。
養生するリスクと重要性を、代表的な場面ごとに解説しますので、知識として押さえておきましょう。
【1】家具や家電を保護する
住みながらのリフォームでは、家具の養生が必要になる場合があります。
とくにリフォーム箇所に近い家具や家電には、しっかりとした養生が必要です。
養生を怠ると、家具に木くずや粉じんが付着し、汚れが取れず掃除が困難になるかもしれません。
また、家電に大量の粉じんが入ると修理や買い替えが必要になり、かえって費用が高くつく可能性があります。
大切な家具や家電を守るために、丁寧な養生は欠かせないでしょう。
【2】リフォーム済の箇所を保護する
新しく仕上げたリフォーム済みの箇所の養生は、美しく生まれ変わった空間を、汚れや傷から保護するために重要です。
リフォーム後、他の箇所をリフォームする場合や、家具や資材の搬入などリフォーム済みの箇所に負荷がかかる可能性があります。
たとえば、貼り替えたばかりのクロス部分に、脚立が当たって傷がつくかもしれません。
また、塗装したドアに手が触れて塗料が剥がれる恐れもあるため、触れないよう丁寧な養生が必要です。
リフォームの前だけでなく、リフォーム済みの箇所を養生するのは、リフォーム全体の仕上がりに影響を与えます。
【3】共有部分を保護する(マンションの場合)
マンションで、自宅の内装をリフォームする際、共有部分の養生は非常に重要です。
共有部分とは、エントランス、廊下、エレベーター、階段など、マンションの住民が利用するスペースを指します。
共有部分の養生が不十分だと、資材の運搬の際に傷や汚れが付着し、他の住人とのトラブルに繋がる可能性があります。
マンションごとに共有部分の扱いは異なるため、事前に管理会社に確認し、養生範囲を明確にしておくと安心です。
内装リフォームにかかる養生費の相場
内装リフォームにおける養生費の相場は、1㎡あたり300円から500円です。
ただしリフォーム内容に応じて、使用される資材が異なるため、費用は変動します。
たとえば、全面リフォームでは、広範囲の養生が必要となり、使用される資材も多くなるため費用は高くなる傾向にあります。
一方、部分リフォームでは、養生範囲が狭く決まった資材で済むため、比較的安価な費用に抑えられるケースもあるでしょう。
一般的に養生費は面積によって計算されるため、部分リフォームであっても、養生範囲が広いと費用は上がる可能性があります。
マンションの場合、資材を積んでいる車から、リフォーム場所が遠い場合などは共有部分の養生が広範囲に必要です。
リフォーム計画の際に、養生範囲もしっかり確認しておきましょう。
内装リフォームにおける養生費の内訳
内装リフォームにかかる養生費には、大きく分けて3つの内訳があります。
・資材費
・残材処分費
・人件費
資材費は、養生テープやシート、クッション材などの保護資材に必要な費用です。
保護に使用した資材は、普通ゴミとして捨てられず、別の場所に廃棄するため、残材処分費として費用がかかります。
また、養生の設置から取り外し作業までの、人件費も養生費の内訳に含まれます。
養生費の内訳を把握しておくと、リフォーム全体の費用を見直しやすくなるでしょう。
内装リフォームの養生費は、リフォームの進行状況により、養生に必要な資材の量が変更になることが少なくありません。
内訳に「一式」と記載するのは、状況に応じて養生費の変動があり、事前に面積を算定するのが難しいケースがあるためです。
もし、養生費の内訳について詳しく知りたい方は、リフォーム業者に直接説明を求めるとよいでしょう。
内装リフォームで養生が必要な箇所
ここでは、内装をリフォームする際に、養生が必要な箇所について見ていきます。
【1】床
内装をリフォームする床だけでなく、通路となる床への養生は非常に重要です。
リフォーム工事中は、業者や職人が資材を運ぶなどの作業で、頻繁に出入りをします。
作業中に脚立を使用したり、床に工具を置いたりする際に、床に傷をつけないよう床への養生は不可欠です。
工事中、最も傷つくリスクのある床への養生は、厚手の養生シートやクッション材を使用し、床へのダメージを最小限に抑えます。
【2】壁
内装リフォームでは廊下や通路の壁を、しっかり養生することが重要です。
とくにクロスはデリケートで、少しの衝撃でも傷がつきやすいため、作業中のダメージから保護します。
また、クロスの貼り替えや塗装作業をする際にも、養生シートやテープを使用して接着剤や塗料の付着を防ぎます。
壁の養生を隙間なくしっかり行うと、リフォーム後の美しい仕上がりを保てるでしょう。
【3】家具
住みながらのリフォームでは、大切な家具の養生が必要です。
移動が可能な家具は、できるだけリフォーム箇所から遠ざけてまとめます。
移動が難しい家具は、家具の大きさや形に合わせて、養生シートで覆いテープで隙間ができないように固定します。
家具の素材によっては、衝撃に強いシートや布製のカバーが必要になるかもしれません。
【4】ドア・窓
ドアや、建具は使用頻度が高く、作業中に資材や工具が接触するリスクが高いため、しっかりとした養生が必要です。
とくに木目調のドアは、少しの衝撃でも目立つ傷ができるかもしれません。
窓ガラスに強度があるとはいえ、強い衝撃が加わると簡単にヒビが入り、割れてしまう恐れがあります。
また、ドアや建具、窓枠やガラスに接着剤や塗料が付着すると、汚れが取れにくいため、隙間なく丁寧に養生します。
【5】廊下・エレベーター
マンションやビルでの内装リフォームの際は、共有部分の養生がとくに重要です。
運搬経路である廊下やエレベーターは、他の住民も利用するため、十分な配慮が必要です。
エレベーターの壁や床は、重い資材や工具がぶつかって損傷しないよう、クッション性の高い養生パネルで丁寧に養生します。
廊下や階段の回り角は、資材の運搬の際に最も接触しやすく、塗装が剥がれやすい場所です。
共有部分の養生を怠ると、他の住民からのクレームや、違約金が発生する可能性があるため、慎重な養生が必要です。
内装リフォームの養生に用いる資材
ここでは、内装リフォームの養生で、一般的に使用する資材をいくつか見ていきましょう。
【資材1】養生テープ
養生テープは、シートの貼り付けや養生材の固定など、さまざまな場面で使用されます。
比較的粘着力が弱く手で切れるため、スムーズに作業するのに適した資材です。
紙製の「マスキングテープ」は塗装での境界線を作る場面や、細かい作業に適しており、水に弱い特性があります。
ポリエチレン製の「養生テープ」は、幅や粘着力の種類があるため、さまざまな場面での使用が可能です。
【資材2】養生シート
養生シートは、物を保護するためのシートで、多くの種類があり用途によって使用されるシートは異なります。
養生シートは、主にポリエチレン製や、塩化ビニル樹脂製の素材が多く、厚さもさまざまです。
薄い透明なタイプは、光を取り込めるうえに作業の様子を確認できます。
また、エンボス加工が施された、衝撃を吸収するタイプのシートもあります。
【資材3】養生パネル
養生パネルは、ポリプロピレン製で耐久性に優れた、厚みのある板状のパネルです。
養生ボードや、プラダン(ブラスチック段ボール)と呼ばれることもあります。
プラダンは、断面に段ボールに似た空洞があり、クッション性に優れているため、エレベーターなど垂直の壁に適しています。
軽量で耐久性に優れているため、何度でも使用できるのが特徴です。
【資材4】マスカー
マスカーとは、養生テープとシートが一体になったテープ付きの養生シートです。
養生テープは紙や布タイプがあり、シートはポリエチレン製で、広範囲の養生に適しています。
たとえば、塗装作業やクロスを貼る際に、周囲の壁を汚さないように素早く養生できます。
テープの素材やシートの幅など、さまざまなタイプを用途に合わせて使用すると、作業がスムーズに進むでしょう。
【資材5】ブルーシート
ブルーシートとは、名前の通りブルーの色をした、養生シートです。
ブルーシートはポリエチレンを織り込んで、ラミネート加工が施されています。
とくに、広範囲にわたる共有部分の養生や、通路の養生に適しています。
薄手のビニールシートの上に、被せて使用することもあり、視線を遮れるのもブルーシートの特徴です。
養生費の適正価格を見分けるポイント
内装リフォームの際、養生費の見積もりが適正か、不安に思う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、養生費の適正価格を見分けるポイントを解説しますので、見積もりを依頼する際の参考にしましょう。
【ポイント1】養生費の内訳を確認する
養生費は、内装をリフォームする際に必ず発生する費用ですが、業者によって内訳は異なります。
内訳が記載されていない場合は、業者に直接確認を取りましょう。
たとえば、養生費を見積もりに記載しない、詳細に内訳を答えられない業者は、不適正な価格請求をするかもしれません。
使用する養生材や、どのような作業が必要かを把握するのは、適正価格を見分けるうえで重要です。
内訳の説明を求めることで、業者も不適正な請求をしにくくなります。
【ポイント2】養生費以外のリフォーム費用もチェックする
養生費の内訳を確認したら、養生費以外のリフォーム費用もチェックしましょう。
リフォーム全体の工事規模や使用する材料によって、養生費は変動するため、他の項目とのバランスをチェックするのが重要です。
他の項目は安く見積もっているのに、養生費が極端に高い場合は、不適正な価格請求をされているかもしれません。
少しでも、疑問や不自然な点があれば、業者に確認して説明を受けることをおすすめします。
【ポイント3】複数の業者に見積もりを依頼する
内装リフォームの見積もりは、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。
複数の業者から見積もりを取り、養生費や内訳を比較することは、適正価格を判断する材料になります。
極端に見積もりが安いと、養生が丁寧に行われなかったり、後で追加料金が発生したりするかもしれません。
同じような価格でも、業者によって経験や得意な工事は異なるため、価格以外の要素も考慮して見分けるのがポイントです。
養生が不十分な場合に発生しうるトラブル
内装をリフォームする際、養生が不十分だと思わぬトラブルが発生する場合があります。
ここでは、発生しうるトラブルについて解説しますので、頭に入れておきましょう。
【トラブル1】養生テープが剥がれて家具に粉じんが付着した
住みながらの内装リフォームでは、養生シートの隙間から、家具に粉じんが付着し汚れるケースがあります。
リフォーム中は、木材の切断やドリルで壁に穴を開ける際に、大量の粉じんが発生します。
粉じんが家具に付着すると、細かいキズとなり、取れにくくなるため注意が必要です。
家具の形に合わせて、養生シートをしっかり密着させ、粘着力のあるテープで隙間なく養生するのが重要です。
【トラブル2】養生していたのに床のタイルが割れた
床に養生シートを隙間なく敷いていたにもかかわらず、重い物を落として、床のタイルが割れるケースがあります。
とくに天然石のタイルは、見た目が美しい反面、衝撃には弱く割れやすいのが特徴です。
単に、養生シートを貼るだけでは十分な養生と言えません。
床の種類によっては、クッション性や厚みのある養生シートを敷いて、衝撃から守る対策が必要です。
【トラブル3】無垢材の床にテープの剥がし跡がついた
天然素材のフローリングにテープの剥がし跡がついてしまうケースも、養生が不十分で起こりうるトラブルです。
天然素材の無垢フローリングは、自然の風合いが魅力な反面、傷つきやすい素材もあります。
養生の際に、粘着力が強いテープを使用したり、勢いよく剥がしたりすると、表面に剥がし跡が残るかもしれません。
床に直接テープを貼らない、または粘着力の弱いマスキングテープを使用するなど、床素材の特性を理解した養生が必要です。
壁紙・内壁リフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。
そのような方こそハピすむの一括見積もり比較を活用しましょう!
大手ハウスメーカーから地場の工務店まで、審査を通過した1000社以上の中から、まとめて見積もりを依頼できます。
また、ハピすむでリフォームされた方には最大10万円分の「ハピすむ補助金」もご用意しています。
詳細はこちら>>>ハピすむ補助金プレゼントキャンペーンの流れ