目次
- 1 天井からの雨漏りによる二次被害について
- 2 雨漏りにより天井に発生したカビを取り除く方法
- 3 雨漏りにより天井にカビが発生した場合は早めの対処が大切
- 4 天井の雨漏りとカビの修理を依頼する業者の選び方
- 5 雨漏りが起きる原因とは?
- 6 天井の雨漏りを修理する費用
- 7 火災保険で天井の雨漏りは修理できる?
- 8 天井からの雨漏りは屋根が原因じゃない場合もある?
- 9 天井からの雨漏り原因を特定する方法はあるの?
- 10 天井からの雨漏りにはどのような応急処置をすればいいの?
- 11 天井からの雨漏り対策はどこに依頼すればいいの?
- 12 天井から雨漏りする原因について
- 13 天井から雨漏りしているときの症状について
- 14 天井からの雨漏りを放置することで起こりうる症状
- 15 天井からの雨漏りの調査方法について
- 16 天井からの雨漏りのパターン別修理方法
- 17 天井からの雨漏りの修理費用を抑える方法について
- 18 天井からの雨漏りの修理を依頼する業者の選び方について
天井からの雨漏りによる二次被害について
雨漏りは、建物に深刻な二次被害を発生させます。
雨漏りにすぐに気が付けば、早急に対処することができますが、わかりにくい雨漏りもあります。
長く放置してしまった雨漏りは、二次被害が大きくなるので注意が必要です。
天井にしみやカビが発生する
水は、高いところか低いところに流れていきます。雨が漏った場合、雨が入ったところから色々な所を通り、一番低いところにたまります。
雨水がたまった場所は常に湿った状態とななるため、カビが発生してしまうでしょう。
雨水が貯まった天井には、シミができ、乾きづらいため内部(天井裏)からカビが発生し、室内表面にでてきます。
ケースによっては、天井裏だけでカビが広がってしまうこともあります。
少量の雨漏りでもカビは発生する
雨漏りするけれど、大した量ではないし、風向きによっては雨漏りしないときもあるからと雨漏りを軽く考えてしまうケースがあります。
しかし、少量の雨漏りでもカビは発生します。
カビは、栄養と適度な水分・温度があれば発生し増殖します。
雨漏りした場所や雨水が貯まった場所は、雨が止んでも湿った状態であるため、カビが発生しやすい場所となります。
また、雨漏りをしている場所は、室内表面が乾いていても、天井裏や壁内は湿っています。
雨が止んだから、少量の雨だったからと安心しているとカビが発生してしまうでしょう。
雨漏りにより発生したカビを放置していると起こりうる事態
小さな雨漏りを「雨が止んで晴れれば乾くから」と放置していると、天井裏や壁内・クロスの下でカビが発生・拡大しているケースがあります。
このような状態になっていると、まず人への健康被害が考えられます。
咳や頭痛・カビによるアレルギー症状などを引き起こす可能性もあります。
天井のカビは、天井の雨漏りシミを拡大させます。
天井の材質によっては、湿った状態が続くと天井が落ちてしまう場合もあるようです。
壁体内のカビは、断熱材を常に湿らせ、正しい位置を保てなくなり、断熱材を落ち込ませます。
また、常に湿った状態であるため、外壁表面にカビや藻が発生してしまうことも考えられます。
床下のカビは、白蟻被害を発生、拡大させる原因にもなります。
木造住宅の場合、白蟻被害は柱や土台に被害がおよぶため(白蟻による食害)、住宅の構造強度に問題がおきて、深刻な被害になるでしょう。
雨漏りによる電気関係の被害
天井裏や壁内のカビの発生は、電気関係にも被害が及ぶケースがあります。
家電製品の被害や漏電・感電などの被害です。
また、ほこりのある場所での雨漏りは、コンセントなどのほこりに雨水がかかることで電気ショートを起こし、火災の発生の原因になります。
雨漏りにより天井に発生したカビを取り除く方法
雨漏りで発生した天井のカビを取り除くには、発生の原因になっている雨漏りをとめることと、発生しているカビを完全に除去する必要があります。
業者に雨漏りの原因となっている屋根の修理を依頼する
天井に発生したカビは、屋根からの雨漏りが原因です。カビを取り除きながら、まず雨漏りをとめなくてはなりません。
屋根にのぼり、瓦はずれていないか、割れていないかなどチェックして、雨漏りの原因を調べます。
素人では、屋根にのぼって屋根を隅々までチェックするのはむずかしい作業です。
屋根業者に調査をしてもらいましょう。
屋根業者は調査をした時にできる修理なら、その場で修理を行います。
しかし、道具や修理する資材が必要な場合はあらためて修理します。
業者に屋根の中のカビを除去してもらう
カビが発生している場合は、屋根の修理をしながら、カビを除去する必要があります。
雨漏りの修理だけでは、カビはなくならないからです。
屋根を修理しながら、カビを取り除き、今後の発生を防ぎましょう。
カビは、屋根の中と天井裏に発生しています。
屋根の中のカビは、屋根材と屋根防水シートの間や防水シート上の木材(瓦棒など)・屋根下地の合板・垂木に発生していることがあります。
雨漏りの場所がわかったら、周辺の屋根材を外して、カビの状況をみてもらい、撤去をお願いしましょう。
業者に天井裏と天井のカビを除去してもらう
室内の天井に雨漏りや雨漏りの痕跡があったら、その場所の天井裏もカビが発生していないか、調査してもらいましょう。
調査する方法は、天井裏にはいる点検口から天井裏にはいって調査する方法と天井を貼り替える時に天井をあけて調査する方法があります。
天井にカビが発生してシミになっている場合は、材質により対応が違います。
石膏ボード下地クロス貼の天井は、石膏ボードにもカビが発生しているケースがあります。
カビが発生している場合は、石膏ボードも張替えてからクロスを貼替えします。
木製の天井の場合は、カビを拭いて除去することもできますが、しみやカビの被害の状況によっては張替えになります。
天井のカビの原因が雨漏りなのか判断しかねる場合の対処法
カビは湿度60%以上になると発生し、増殖しやすくなります。
室内の湿度が高く、室内の換気が悪いとカビが天井付近に発生することがあります。
また、雨漏り以外にも天井裏の給排水管の水漏れやエアコンドレイン菅の水漏れなどで天井にカビが発生するケースもあります。
天井裏の結露が原因でも、カビが発生することがあります。
これは、天井裏の断熱材の施工不良によるものです。
雨漏りが原因かわからない場合、天井のカビを除去して、またカビが発生しないか確認してみましょう。
また、晴れが続いた日に天井が湿っていないかを確認し湿っていたら、天井裏のどこかで雨漏り以外の水漏れが発生しているということになります。
このように、天井裏の結露でカビが発生するケースは、原因の特定と修理がむずかしい作業です。
専門家に調査を依頼しましょう。
雨漏りにより天井にカビが発生した場合は早めの対処が大切
カビが発生した原因が雨漏りだった場合、一日でも早い対処が必要です。
理由は、カビに気づいた時点ですでにカビが広がっていることが多く、雨漏りが進行するほど修理費用がかかるからです。
天井の雨漏りに気づいたときには症状がかなり進行している場合が多い
台風や強風で大きな被害にあって雨漏りをした場合は直ぐに気が付きます。
しかし、気が付いたら天井にシミやカビが発生していた場合、長期間雨漏りしていたと考えられます。
このような雨漏りは、小さな雨漏りからはじまり、繰り返すことで被害が大きくなり、天井にシミをつくり、カビを発生させます。
雨漏りに気づいた時には、雨漏りは長期間にわたり、症状が進行しています。
シミだけではなく、天井裏や近くの壁内が濡れていたり、カビが広く発生していることが考えられるでしょう。
早めに対処することで修理費用を抑えられる
雨漏りは長期間となり、拡大することで、修理費用が高くなっていきます。
雨漏りに早く気が付けば、雨漏りした場所を直しカビを拭き取るぐらいの修理で終わります。
しかし、長期間雨漏りをしていた場合、どこまで被害がでているか調べなくてはなりません。
屋根の中や天井裏、クロスと石膏ボードの間、近くの壁内なども調べることになります。
この場合、屋根業者や建築会社だけでは調査も修理もできません。
大工さん、内装業者、防水業者、白蟻業者(害虫駆除・カビ除去も行っている業者もあります)など他業種の職人が必要になるでしょう。
そのため、費用が想像以上にかかります。
また、修理する工事期間も長くなり、家族の負担も大きくなります。
天井の雨漏りとカビの修理を依頼する業者の選び方
雨漏り修理は、とても難しい工事です。雨漏りの原因を特定するのがむずかしく、原因が一つでない場合も多くあります。
雨漏りを修理したけど、半年したらまた雨漏りがはじまったという事例もあります。
雨漏りの修理を確実に行い、再発しない、良い業者を選ぶポイントを見てみましょう。
雨漏りの事例が多いのが再発によるトラブル
雨漏りは、建築工事全体のこと、流れがわかっていて、知識と経験がないとできないとても難しい工事です。
知識や経験が少ない業者が修理するとトラブルが起こりやすくなります。
「雨漏りがしているけど、雨の日に調査しても雨漏り場所が特定できない」「屋根の雨漏りはしなくなったのに、違う箇所でまた雨漏りがおきた」「雨漏りは止まったけど、雨の日に天井裏で水滴の音がする」など、よくある事例です。
雨漏りが再発する理由は、いろいろあります。
「雨漏り場所が特定できず、予測で修理した場合」「雨漏りしている場所が複数だった場合」「雨漏りの修理業者が専門外の業者だった場合」「雨漏りの修理が不完全だった場合」などです。
雨漏り修理を得意とする業者に修理依頼することが大切
雨漏り修理は、雨漏りしている場所の修理を行う専門業者に修理を依頼することが第一です。
屋根で雨漏りをしている場合は、屋根業者。屋根と外壁の間にある鈑金金物で雨漏りをしていれば板金業者。
外壁のシーリング部分から雨漏りをしている場合は外壁業者又は防水業者です。
雨漏り被害に状況によっては、大工工事も必要になります。
屋根からの雨漏りが確実なら、屋根業者に調査からお願いして、状況確認と修理見積もりをお願いしましょう。
雨漏りの原因がわからない場合は、建築した建築会社に頼むか、頼もうと思う業者をよく調べてから依頼しましょう。
それぞれ、雨漏りの修理をする場所の専門業者に依頼することが大切です。
雨漏りが起きる原因とは?
天井から雨がしみ出してくる雨漏り、水漏れについては外装に問題が無ければほとんど発生することはありません。
二階など上の階に水回りがあり、給排水の問題により一階の天井、壁にしみが出る場合もありますので、それは考慮してください。
もし天井からの雨漏りや水漏れが起こっているのなら、屋根や外壁などの外装部分に何らかのトラブルが発生していることが考えられます。
外壁の亀裂による雨漏り
外壁に亀裂ができ、雨がそこから侵入してくると壁から水がしみ出してくるのですが、もしこの外壁のヒビが天井に近い部分だった場合、建物の内部を伝って天井から雨漏りとして出てくることもあります。
このような原因によって雨漏りが起こっている場合、屋根をいくら調査しても原因がわからず、高い費用を払って屋根をリフォームしたにもかかわらず、雨漏りが治らないこともあり得るでしょう。
もし雨漏りや水漏れが起こっているなら、外壁の調査も同時に行ってください。
手馴れた業者なら、先ず天井裏や壁内側の水道(みずみち)を調査します。水が浸入した形跡です。
水道が見つかれば漏水経路が分り雨漏りの原因がほぼ特定できます。
屋根の劣化による雨漏り
屋根材の劣化や隙間を埋めているシーリング剤などの劣化によって雨漏りが起こります。
通常、屋根材の下地には防水シートを施工することが多いのですが、古い住宅の場合は防水シートが無かったり、防水シートが劣化したりして雨水の浸入が防げないこともあるのです。
このような場合には屋根の全体的なリフォームが必要ですので、修繕費用は高くなります。
屋根からの雨漏りの原因の多くは、瓦の割れやズレ、シール切れ、水切り板金の腐食や変形などが考えられます。
セメント瓦やカラーベストは陶器瓦に比べ寸法精度は高いけど強度は弱いので注意が必要です。
屋根材のズレや破損による雨漏り
台風や強風、地震などの自然災害による屋根材のずれ、破損も雨漏りの原因です。
破損による雨漏りの場合は、破損部分だけの交換とシーリングで対応し、ずれがある場合は位置を修正するだけで補修できることもあります。
屋根材のずれについてはある程度補修で対応できるのですが、破損については大がかりな交換、リフォームが必要となることもありますので、一度業者に見て貰い、修理内容と費用について相談すると良いでしょう。
天井の雨漏りを修理する費用
雨漏りの修理については、原因によって費用が大きく変わります。
屋根瓦のずれを補修するなら約3万円で修繕できますが、全葺き替えとなると約200万円が相場です。
ただ、全体的に状態が悪化していないなら部分補修で対応できるため、この場合は約30万円が相場となります。
雨漏りの原因は見つけにくい事が多く、風向きによって漏れてきたり、複数箇所が絡んでいる事もあります。
すき間をコーキングで埋めても漏れが続いて何度も作業するようになることもありますのできちんと調査をし、説明してくれる会社を見つける事が大切です。
屋根の修理工事費用の内訳は?
ずれの修正やサッシや下地のひび割れにコーキング剤を充填するだけなら職人を1人雇うだけで対処できるため、一人分の工賃だけとなります。
部分補修工事の場合は補修する面積にもよりますが、交換する部材の価格、工賃、状況によっては足場代が必要です。
足場代は100平米程度の屋根なら約15万円が相場ですので、もし足場が必要となったらその分の費用が加わると考えておきましょう。
葺き替え工事の場合は、元々あった屋根材の撤去費用や処分費用、下地の修正、新しい屋根材の費用、足場代などが必要となり、施工期間も長くなるため、工賃も他の修理に比べて高くなります。
外壁の修理工事費用の内訳は?
外壁からの雨漏りの場合、ひび割れやサッシの隙間などが原因ならコーキング剤で隙間を埋める作業だけになるため、約10万円が工事の相場です。
もし外壁の防水が限界で、再塗装が必要な場合はコーキング及び再塗装で約70万円が相場となります。
外壁には建具や換気口など多くの取り合い部分があります。
水切り板金やコーキングによって水の浸入を防いでいますが、特にサッシ回りなど目に付かない部分での切れや割れなどに注意が必要です。
塗装で補修することはできる?
外壁、屋根からの雨漏りの場合、ごく小さな亀裂やひびが原因なら該当箇所にコーキング剤で隙間を埋めるシーリング作業を施し、塗装を施すことで雨漏りを抑えることができます。
劣化によるひび割れなどの場合、同じ面(太陽の当たる時間が同じであったり、風の抜ける条件などが同じ環境である面)は同様にひび割れしている可能性が高いので周囲もチェックした方がよいでしょう。
この場合の費用は、高圧洗浄、下地処理、養生、足場代などを含めて約60万円が相場です。
ただ、使用する塗料によってこの費用は上下しますので、耐用年数や断熱性、汚れにくさなどを鑑み、費用の折り合いが付く塗料を選んでください。
外装用塗料の耐用年数と相場
屋根の塗装では、ウレタン塗料とフッ素塗料が主に使われます。
ウレタン塗料の耐用年数は約6年〜約10年で、平米あたりの単価は約2,000円です。
フッ素塗料は単価が約4,000円と一見割高に感じますが、汚れにくく、耐用年数も10~20年と長持ちするため、コストパフォーマンスを考えるとそれほど高いというわけではありません。
ただ、塗料の耐久性が高くても、屋根材そのものが傷んでしまえば結局交換することになってしまいますので、屋根材の耐用年数建て替えの時期などとあわせて塗料を選ぶことも大切です。
外壁塗装の場合はウレタン塗料やフッ素塗料の他にアクリル塗料やシリコン塗料も使われており、アクリル塗料の耐用年数は約6年、平米単価は約1,000円となります。
シリコン塗料の場合は耐用年数が約10~15年、平米単価は約3,000円です。
外壁部分の再塗装についても壁材の寿命や建て替えの予定をよく考え、塗装の寿命が壁材の寿命を必要以上に超えて無駄な出費にならないように注意しましょう。
フッ素塗料やシリコン塗料、断熱塗料などの長寿命、高性能な塗料を使用する場合は、葺き替えや重ね張り、外壁の塗り替えなどの大がかりなリフォームと同時に施工することをおすすめします。
足場が1度ですむので節約になりますし、やっていないところが古ぼけて見えたり建物全体の寿命がアンバランスになるのを防げます。
火災保険で天井の雨漏りは修理できる?
火災保険の契約内容によっては、雨漏りの修理費用を保険でまかなうことができます。
火災保険の契約には風災をカバーするものもあり、台風などの強い風によって屋根材が破損した際に保険金が支払われるのですが、契約に風災が入っていない場合は保険金が支払われません。
また、風による破損ではなく、経年劣化が原因だった場合も保険金は支払われないので注意してください。
雨漏りの修理・リフォーム工事は火災保険の対象になるかどうかは、こちらの記事でも解説しています
リフォーム業者の営業に注意
台風などの自然災害の後は火災保険で屋根の修理が無料でできるという業者が営業をかけてくることがありますが、これは保険会社とは何も関係が無い業者ですので注意してください。
火災保険による補償は、加入者が申請して保険会社が現地調査を行い、契約内容に沿った原因で災害によるものと認められてはじめて補償を受けられるようになっています。
業者によっては申請を代行すると言われる場合もありますが、申請費用が余分に請求されますし、保険で支払われるのを見越して相場より高い額で見積もりが作られる危険もあります。
もし保険が下りなければその費用を自分で支払うことになってしまいますので、まず保険会社に調査を依頼し、保険の対象となることを確認してから改めて業者に修理を依頼してください。
火災保険でリフォームはできない
似たような悪徳業者の例として、屋根の修理では無くリフォームが火災保険でできると宣伝している業者もあります。
基本的に災害による被害がよほど酷い状態でも無い限り火災保険で屋根の全体的な葺き替えは難しいですし、経年劣化を風災と言い張っても保険会社の調査員の目は誤魔化せません。
天井からの雨漏りは屋根が原因じゃない場合もある?
天井から雨漏りをしている場合、原因が屋根にあるのではと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、屋根以外に問題があり、雨漏りを引き起こしているケースも実は多いのです。
天井にシミができると屋根に問題があると考えて、すぐに屋根の修理業者に依頼するのではなく、まずシミの状態や天候との関係性、配管の有無などを調べ、適切な処置を行いましょう。
屋根や屋上、外壁からの雨漏り
雨天時に天井にシミなどが現れ、広がったり濃くなったりしている場合には、雨漏りの可能性が高いでしょう。
しかし、雨漏りの原因は屋根の不具合だけではなく、外壁やサッシ、エアコンの配管や換気口部分などが原因になっているケースもあるため、専門業者に依頼して雨漏り箇所を特定し、対策を施すことが大切です。
配管からの水漏れ
天井にシミができている場合、シミのある箇所の上に水道やトイレなどの配管がないかどうかをまず確認しましょう。
そして天候に関係なくそのしみが大きくなっているのであれば、配管からの水漏れの要因が大きいと考えられます。
この場合は、早急に水回りの専門業者に調査や修理を依頼しましょう。
害獣の糞尿の可能性も
天井にシミがまばらにあり、さらに何か物音がするという場合は、ネズミやコウモリなどの小さな動物が屋根裏に住み着いており、シミは糞尿の跡であるケースもあります。
また、もう少し大きいハクビシンの巣になっているケースもあります。
そのままでは不衛生でシミも広がってしまうため、クロスの貼り替えと同時に駆除をする必要があります。専門業者に連絡し処置を依頼しましょう。
天井からの雨漏り原因を特定する方法はあるの?
天井から雨漏りがあった場合は、まず、その場所の屋根裏などを確かめてみましょう。
屋根裏を確かめてみても雨漏りの原因が分からなかったという場合には、業者調査を依頼します。
プロは、次のような方法を用いて雨漏りの原因を特定します。
屋根裏の目視調査
代表的な調査方法は目視による調査です。現地に赴いてカメラなどで屋根裏を撮影し、それを見ながら原因の特定を行います。
原因が特定できた場合には詳しい説明が行われるでしょう。
その後、雨漏り修理のプランの提案や相談などが行われます。
目視調査だけの場合は、無料で行っている業者もあるようです。
散水検査
散水検査とは、晴れている日にシャワーを用いて雨漏りの要因であると予想される場所などで散水し、水の流れをみて原因を特定する方法です。
また、シミができている箇所の周辺を赤外線サーモグラフィーなどで見て温度変化も調べます。
赤外線サーモグラフィーで調べることで水の流れなども特定できますので、雨漏りの原因となる雨水の流れを予想できます。
この調査は、雨漏り診断士という資格をもった業者が対応します。
業者によっては1名の調査であれば無料という場合もありますが、2名以上で実施する場合は、有料になることが多いため、価格についてはあらかじめ確認してから実施するようにしましょう。
ただ赤外線サーモグラフィーでは調べにくい場所などもありますので、調査方法の説明をしっかりと受け、納得した上で依頼しましょう。
費用としては約10万円から25万程度が目安です。
紫外線投射発光調査
紫外線投射発光調査では、雨水の発生箇所だと予想される屋外の箇所に紫外線に青白く反応する液体をかけます。
雨漏りしている箇所には液体が室内まで浸みこみ、室内で紫外線を当てると、青白く発光するため、場所を特定できるというものです。
比較的軽度の雨漏りでも反応するため、大規模な雨漏りにも効果的です。
また使用する液体は無色で、紫外線にだけ反応します。
人体にも無害なものですので安心して調査を受けられるでしょう。
この方法は、建物がどのような種類の構造であっても使用することができ、天候に関わらず調査できます。
かなり正確に雨水の侵入する経路が判明しますので、補修もピンポイントで行うことができ、結果的には修理費用をおさえることにもつながるでしょう。
調査費用の相場は、約5万円から約20万円ほどです。
赤外線サーモグラフィー調査
赤外線サーモグラフィー調査は、散水検査の項目でも述べましたが、高感度の赤外線カメラで雨漏りをしている箇所を特定する方法です。
雨水を含んでいるかどうかの温度の差はわずか1℃ほどです。
しかし、サーモグラフィーカメラを使用すると、その温度の違いが色の違いとなってあらわれるため、雨漏りの箇所をはっきりととらえることができます。
費用としては、約10万円から約40万円程度が目安です。
天井からの雨漏りにはどのような応急処置をすればいいの?
天井から雨漏りをしているとすぐに対処しなければと焦ってしまうでしょう。
しかし雨漏りが天井からしていても必ず屋根が原因となって雨漏りをしているとは限りません。
焦った気持ちで、強い雨の中で屋根に上ってシートをかけようと行動するのはとても危険です。
特に2階以上の屋根などは、ご自分でするのではなく業者に依頼した方が賢明でしょう。
またご自身で応急処置をする場合、天井から室内の壁などに雨漏りが広がらないように注意しなければなりません。
ここでは応急処置の方法や手順についてご説明します。
自分でできる応急処置
天井からの雨漏りがある場合、雨水で室内が濡れないようにバケツで水を受ける方法が一般的です。
この際、バケツの下にはレジャーシートや防水シートなどを敷き、その上に新聞紙や雑巾を敷いてバケツを置くと水はねを軽減できるでしょう。
屋根裏部分を見ることができる場合には、雨水が落ちている部分にブルーシートや防水シートを置いて、天井部分に負担のない程度の重さの水受けになるものを置きます。
こうすることで天井が傷むのをある程度防ぐことができます。
雨漏りの場所がはっきりと特定できない時には、できるだけ広範囲を覆うことができるブルーシートなどを利用して応急処置をした方が安心です。
屋根に上って原因と思われる箇所にブルーシートなどを被せて固定しましょう。
この場合、一部分だけではなく、広めに覆うことがポイントです。
また、ブルーシートが風などで飛ばされないように砂利などを入れた土嚢袋などでの固定が必要です。ロープなどで固定するのは、他の場所を傷めてしまうこともあるため、おすすめできません。
この作業は、大変危険ですので一人では行なわず、晴れた日にヘルメットや安全ベルトなどの安全対策を万全にした状態で行うようにしてください。
業者が行う応急処置とは
ご自分での処置はあくまでも応急処置とし、本格的な修理や処置は専門業者に依頼しましょう。
特に雨漏りをしている場所が特定できない場合やだんだんと被害が広がっている場合には、早めの対処が必要です。
また屋根に上る場合はかなりの危険を伴うため、プロに依頼した方が安心です。
専門業者は、雨漏りを特定するための検査などをして原因となっている箇所を特定して根本的に雨漏りに対する対策を施します。
原因を特定できていれば、雨漏りの箇所にコーキング材などを充填するなどして対処することができます。
雨の振り方や風の強さによって屋根にある程度の雨水が入ることは認知されています。
それでも水の流れる道、水道を確保するためにその出口にはコーキング材を打ちません。
その見極めは専門業者に任せるべきでしょう。
このとき、スレートの瓦自体や漆喰などの劣化が原因で雨漏りしている場合には、屋根材を新しい物に交換したり塗料などを塗布したりすることで対応します。
応急処置だけの場合には、人件費や処置費で約3万円程度が目安ですが、その後の本格的な費用などは、状況や規模によって大きく異なるため、見積もりを依頼し確認すると良いでしょう。
天井からの雨漏り対策はどこに依頼すればいいの?
雨漏りの原因によって、依頼する業者は異なります、まず何が原因となって雨漏りをしているのかの特定が大切です。その原因に応じて依頼する業者を決めましょう
屋根が原因の雨漏りの場合
屋根が原因の雨漏りの場合は、屋根屋や瓦屋などの業者がいいでしょう。
雨漏りしている場所が、2階の天井の場合には直接に風雨を受けて雨漏りをしていることが多いので屋根の部分からの雨漏りの可能性が高いと言えます。
できれば、地元で長い間仕事をしている屋根屋か全瓦連という団体に登録されている屋根屋など信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
費用の相場は、雨漏りの状況にもよりますが約10万円から約30万円ほどです。
ただ屋根の勾配などにより足場を設置しないといけない場合は、足場費用がかかるため、費用はさらに高くなります。
外壁が原因の雨漏り
外壁からの雨漏りの場合には、雨漏り補修業者やリフォ-ム業者に依頼するといいでしょう。
雨水が外壁から浸入する場合は、サッシの枠の隙間などから雨水が入り、外壁内の防水シートの内側に浸み込んでいくことがあります。
また外壁に入ったひびから雨水が侵入して雨漏りのシミになることも多いでしょう。
ヒビの原因は主には経年劣化などですが、施工時の不良や外壁塗装などが剥がれた場合なども考えられます。
特に防水シートに雨水が浸み込むと、木材などの主要部分が腐食してシロアリなどの被害につながる可能性もありますので、早めの対応が必要です。
費用の相場としては、約5万円から約45万円程度です。
屋根裏の結露が原因の雨漏りは
屋根裏が結露して天井などに雨漏りをしている場合には、リフォ-ム業者に修理を依頼すると良いでしょう。
屋根裏部分が結露する場合は、断熱材などがうまく敷かれていないという可能性があります。
また換気の問題も考えられます。
結露の原因をしっかりと特定した上で、断熱材の補充や交換、通風に関する施工を適切に行う必要があります。
かなり広範囲の修理や施工になりますので費用は約30万円から約100万円程度が目安になるでしょう。
動物の尿が原因の雨漏り
動物の糞尿がしみとなっている場合は、動物の種類によっては簡単に駆除できない場合があります。
例えばハクビシンの場合には、野生鳥獣の獣保護法などによって駆除や捕獲をしてはいけないことになっています。
その場合には、自宅のある市町村の役所に駆除対策を行っているかまず相談しましょう。
市町村によっては、専門業者を派遣してくれることもあります。
また消臭や除菌などの作業を行う業者を紹介してもらうこともできるでしょう。
駆除した後は、侵入経路となっていた部分を補修する必要があるため、屋根が侵入口であれば屋根の業者に、外壁の部分が侵入口であればリフォ-ム業者などに依頼すると良いでしょう。
費用は、駆除の仕方や補修部分の程度によって異なり、駆除費用に加えて屋根や壁の補修費、消臭・除菌などの作業費も加わります。
給水管や排水管が原因の雨漏り
給水管や排水管が原因となって雨漏りしている場合は水回り専門業者やリフォ-ム業者に依頼して配管などを調査、補修してもらうと良いでしょう。
早めに対応しなければ他の壁や天井部分にまで広がってしまうので、なるべく早く状況を検査してもらい応急処置まで実施しましょう。
費用の相場としては、約3万円から約10万円程度ですが、壁や天井の修理が必要になる場合はさらに費用が高くなります。
天井から雨漏りする原因について
棟板金の劣化
瓦屋根などの構造では、屋根の三角形の頂点部分に棟という蓋のような構造の部位があります。
この部分は、棟板金という金属製の部品で覆われているのですが、この棟板金が経年劣化などによって劣化し、隙間や穴が開くとそこから雨水が浸入して雨漏りにつながってしまいます。
また、地震や台風などで屋根に力が加わると、棟板金が歪んでしまい、隙間ができて雨漏りの原因となる場合もあります。
屋根材の劣化や破損
屋根材にはスレートや瓦、ガルバリウム鋼板などさまざまな材質が用いられていますが、日本瓦以外の屋根材は、最長でも約20年が耐用年数の限界です。
この耐用年数に近づくと、屋根材の性能が低下して雨水を防げなくなったり、屋根材そのものが破損したりしてしまいます。
また、台風などで飛ばされたり、飛来物が当たったりすることによって屋根材が破損した場合についても、破損した屋根材の隙間から雨が入ってしまうため、雨漏りが起こるでしょう。
瓦のズレや破損
日本瓦はメンテナンス次第で約100年持つと言われている屋根材です。
しかし、衝撃にやや弱く、1枚1枚が重なるようにして施工しているため、飛来物によって破損してしまったり、台風や地震などでずれてしまったりした場合には、雨漏りが起こります。
また、瓦を支える下地部分が劣化し、瓦をきちんと固定できなくなった場合についても、瓦がずれて隙間が空いてしまうため、雨漏りが起こりやすくなるでしょう。
瓦屋根の漆喰の劣化
瓦屋根は1枚1枚の瓦を組み合わせて屋根を作っていきますが、屋根材の特性上どうしても端や棟との接合部分などに隙間ができてしまいます。
この隙間を塞ぎ、雨水の浸入を防ぐために用いられているのが漆喰です。
漆喰は消石灰を原料に水などを加えて作られる建材で、耐久性は比較的高めですが、衝撃に弱く、劣化によって脆くなってしまう特性があるため、経年劣化によって十分な防水性を発揮できなくなってしまいます。
瓦そのものに問題がなくても、漆喰の劣化によって雨漏りが発生することもありますので、定期的に漆喰の状態を確かめておくと良いでしょう。
金属屋根のサビ
屋根材には、ガルバリウム鋼板やトタンなどの金属製のものもあります。
これらの金属製屋根材は、表面にコーティングやメッキを施すことで、雨に濡れても錆が起こらないようにしていますが、このコーティングに傷が付いたり、劣化したりすると錆を防ぐことができません。
錆が発生したとしても金属そのものにある程度の厚みがあるため、すぐに雨漏りに繋がることはないですが、そのまま放置していると錆が拡大し、屋根材に穴が開いてしまうため、雨漏りが起こるようになるでしょう。
天窓からの雨漏り
屋根に設置されている天窓は、屋根と天窓の隙間にシーリング材やパッキンを用いて雨の侵入を防いでいます。
そのため、経年劣化や建物の揺れ、歪み等の理由でこの防水層が剥がれたり劣化したりしてしまうと、この部分から雨が入り、雨漏りを起こしてしまうのです。
また、開閉できるタイプの天窓の場合、窓に取り付けられているゴム製の防水パッキンの劣化によって雨漏りが起こることもあります。
外壁の亀裂
モルタル外壁や塗壁の外壁は、建物の歪みや経年劣化によって表面に亀裂が発生します。
亀裂が小さなうちは雨水が侵入を防ぐことができるのですが、この亀裂が大きくなったり、内部まで繋がったりしてしまうと、雨を防ぎきることができなくなってしまうのです。
外壁というとどうしても壁からの雨漏りをイメージしがちですが、屋根裏部分などの外壁の高い位置から雨が入ると、天井からの雨漏りが起こります。
外壁とバルコニーの継ぎ目からの雨漏り
外壁と金属製のバルコニーは、接合部分に隙間が生まれるため、コーキング材などを用いて雨の侵入を防止しています。
このコーキングが劣化したり、剥がれたりすると、雨の侵入が防げなくなってしまうのです。
作り付けで外壁の一部がそのままバルコニーとして作られている場合はこのような雨漏りは起こる可能性はあまりありません。
しかし、複数の材質を組み合わせて作られている場合は、経年劣化等によって雨漏りが起こるため、注意しておいた方が良いでしょう。
雨漏りではなく天井にシミがある場合の原因
雨漏り以外の原因で天井にシミができる場合はあるのでしょうか?
天井材の変色は、水分が染みて起こることが多く、雨漏りがなければほとんど変色することはありません。
しかし、屋根裏の換気が悪く、湿気がこもりやすい構造だった場合、時期によっては結露を起こし、雨漏りのようなシミができてしまうこともあります。
天井から雨漏りしているときの症状について
天井にシミがある
雨漏りの症状として多いのが、天井材のシミです。
クロスや板張りの一部が変色し、紙に絵の具を染みこませたような模様が出てきたら、高い確率で雨漏りが起こっていると考えられます。
雨が降ったときにぽたぽたと音がする
天井にシミができていない場合でも、屋根裏から水滴が落ちるような音がした場合には雨漏りが起きているかもしれません。
天井の構造は、骨組みに化粧板等を張って塞ぐだけの構造のものもありますが、木造建築では厚みのある板を張り、その上に化粧板やクロスを貼って仕上げる構造も多く用いられています。
このような構造の場合、下地板によって天井表面まで雨が届かないため、雨漏りが起きていてもなかなか染みができないのです。
雨が降っている間は雨の音で判断しにくいのですが、雨が止んでしばらくしても水滴が落ちる音が聞こえる場合には、雨漏りが起きている可能性があります。
湿気が発生しやすくなる
雨漏りが起きていると、壁や天井に雨が染みこんだ状態となるため、室内の湿度が高くなることがあります。
窓などの結露が激しくなった、布団が湿っぽくなってきた、壁紙を触るとしっとりするなどの症状が現れた場合には、雨漏りが起きていないか調査を行った方が良いでしょう。
ただ、湿気の上昇は気候や天候によっても大きく左右されますし、空調の状態によっても変わるため、ちょっとした湿気の上昇でナーバスになる必要はありません。
今までの生活環境と比較し、以前より湿度が高くなったと感じられたら、雨漏りの可能性を疑うと良いでしょう。
壁が剥がれる
壁紙は接着剤で貼り付けられているのですが、この接着剤は水分が多く付着すると接着力が低下し、剥がれてまくれ上がったり、しわができたりします。
また、板張りの壁の場合は湿気によって歪みが生じ、壁が剥がれることがありますし、塗壁も材質によって下地との接合が弱まったり、下地が歪んで剥がれたりすることがあります。
このような内壁の剥がれや傷みは、雨漏りによって起こる可能性がありますが、結露も原因として考えられます。
雨漏りかどうかは他の症状と合わせて判断したほうが良いでしょう。
大きなシミがあったり、一部分だけ大きく濡れていたりする場合は雨漏りが考えられるため、外壁等の確認をおすすめします。
天井からの雨漏りを放置することで起こりうる症状
建物の構造部分が腐敗する
建物の躯体内部には、鉄骨や木材などが使われています。
これらの材料は水分に晒されることで腐食を起こす性質を持っていますが、ある程度の水分には耐えられます。
外壁や屋根によって壁内部への水分の侵入が防がれていれば、腐食することはほぼありません。
しかし、雨漏りによって大量の水分が壁内部に侵入してしまうと、水分量が素材の耐食性の限界を超えてしまい、腐食が始まってしまうのです。
もし構造材に用いられている木材や金属が腐食すると、強度そのものが低下するため、建物が倒壊しやすくなってしまうでしょう。
カビなどが原因となり健康被害が発生する
雨漏りによって構造が腐食していなくても、染みこんだ水分によって湿度が高い状態が続くため、カビが生えやすくなってしまいます。
カビは繁殖のために胞子を発生させるのですが、この胞子が空気中に飛散し、呼吸で体内に取り込まれた場合、アレルギー症状等の原因となり得るのです。
また、空気中の胞子が増えることで、食品や衣類などにカビが生える可能性も高くなるでしょう。
白アリによる被害が発生しやすくなる
白アリは木材を食べて繁殖する昆虫ですが、特に濡れた木材や腐った木材を好むという性質があります。
そのため、雨漏りによって構造内部の木材が濡れたり、腐ったりした場合、白アリが引き寄せられ、被害が発生する可能性が高くなるのです。
白アリ予防薬等を散布することで白アリ被害を防止することはできますが、家そのものが白アリを呼び寄せやすい環境となっているため、薬剤が切れるとすぐに白アリが増えてしまうでしょう。
大規模工事を行わなければいけなくなる
雨漏りによって壁内部の建材が腐ったり、白アリに食い荒らされてしまったりすると、建物の状態を回復させるために、大規模な工事が必要となる可能性があります。
特に柱や梁が傷んだ場合、ジャッキ等を用いて建物を持ち上げ、これらの部材を取り除いて新しいものに交換する工事となるため、修繕には長期間の作業と多額の費用がかかるでしょう。
天井からの雨漏りの調査方法について
散水調査について
散水調査とは、雨漏りの原因と予想される部位に実際に水をかけ、雨漏りを再現する調査方法です。
雨漏りは大きなものの場合、目視でもある程度原因箇所を判別することができますが、水をかけて実際に雨漏りを発生させることにより、さらに高い精度で雨漏りの原因箇所を調べることができます。
ただし、散水調査は室内に水が入り込むことを確認する調査ですので、屋根材や断熱材等で水分が吸収されてしまい、室内で水が確認できない場合については雨漏りかどうかを判断することができません。
雨漏りが予想されるにもかかわらず、散水調査で雨漏りが確認できなかった場合は、紫外線等を用いた検査を並行して行います。
紫外線投射発光調査について
紫外線投射発光調査とは、紫外線を照射すると発光する液体を建物の上から流して雨漏りの部位を確認する調査方法です。
調査に用いられる液体は、細かな亀裂にも侵入し、紫外線によって発光するため、目視で発見しにくい雨漏り箇所でも高い精度で発見することができます。
また、紫外線投射発光調査では、雨漏りで侵入した水分がどう流れているかもひと目で判別することができるため、侵入した水分の後を辿って雨漏り箇所を調べる際にも、比較的容易に追跡が可能です。
使用する液体も、人体及び建材に影響がないものが使われているため、安全性も十分確保されています。
天井からの雨漏りのパターン別修理方法
戸建て住宅の2階から雨漏りしている場合の修理
戸建て住宅の2階部分から雨漏りが発生している場合、修理費用は足場が必要かどうかで大きく変わります。
棟などの部位で足場が必要ない場合は、足場費用がかからないため、約5万円から施工可能です。
外壁などの亀裂が原因の雨漏りの場合は、足場を設置して作業を行う必要があるため、足場費用が1平方メートルあたり約1300円~1500円程度かかります。
工期については、工事の内容によって変わりますが、小規模なものなら約1日、大規模な修繕なら約1週間が目安です。
戸建て住宅の1階から雨漏りしている場合の修理
戸建て住宅の1階部分から雨漏りが発生している場合も、2階部分からの雨漏りを修理する場合とあまり違いはありません。
屋根に近い部分からの雨漏りなら足場を用意する必要がありますし、低い位置なら脚立等で対応する場合もあります。
施工費用は雨漏りの原因によって変わりますが、コーキング材の劣化が原因なら約1万円から、外壁の亀裂が原因なら約7,000円からが相場です。
工期は小規模なもので約1日、大規模な工事なら約1週間を目安と考えるのが良いでしょう。
棟板金の劣化が原因となる雨漏りの修理
屋根の棟板金が劣化して雨漏りが起きた場合、既存の棟板金を取り外し、新しい棟板金を取り付ける工事を行います。
この時、内部の劣化が少なく、板金の交換だけで対応できるなら、約3万円から施工が可能です。
もし、棟内部に侵入した雨水によって下地が劣化し、修繕が必要な場合は、約10万円からが修理費用の目安とされています。
工期は約1日が目安ですが、下地の修繕が必要な場合は約2日以上かかる場合もあります。
屋根材の劣化や破損が原因となる雨漏りの修理
屋根材が劣化したり、破損したりして雨漏りが起きている場合は、屋根の葺き替えまたは部分的な交換で対処します。
屋根材の葺き替えについては、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材を葺く工事が約120万円から、既存の屋根材に新しい屋根材を重ねる「重ね葺き」なら約90万円からが相場です。
部分的な修繕については、施工範囲によって変わりますが、屋根材の交換なら約1万円から施工を依頼することができます。
工期は屋根の葺き替えが約10日、重ね葺きなら約1週間、部分補修は約1日が目安です。
瓦のズレや破損が原因となる雨漏りの修理
日本瓦などの屋根材がズレたり、破損したりして雨漏りが起きている場合には、瓦の葺き直しや差し替えを行って対処します。
費用については、部分的なズレや破損の処理の場合約1万円から、屋根全体の基礎から補修して葺き直しを行う場合は、約80万円からが目安です。
工期については、補修が約1日、全体的な修繕の場合は約1週間を目安にすると良いでしょう。
外壁材が原因となる雨漏りの修理
外壁の雨漏り修理では、小規模な亀裂が原因の場合は防水塗装や亀裂への薬剤充填で対処し、大きな亀裂の場合は外壁材の交換や重ね葺きで対処します。
また、ベランダやバルコニーと外壁の接合部から雨漏りしている場合については、既存のシーリングを取り除き、新しいシーリングを打ち直す工事が必要です。
費用は外壁の塗り直しが約50万円から、亀裂への薬剤充填が1平方メートルあたり約2,000円から、外壁材の交換は約60万円からが目安とされています。
シーリングについては、打ち替えの場合1平方メートルあたり約1,000円から、既存のシーリングに追加でシーリングを打つ場合は、1平方メートルあたり約800円からが相場です。
工期はシーリングの打ち替えや亀裂の補修が約1日、塗装は約5日から、外壁材の交換については約1週間が目安とされています。
天井からの雨漏りの修理費用を抑える方法について
早期に修理することでトータルコストを抑えられる
雨漏りは初期段階で対処すれば、少ない範囲での工事で治すことができます。
もし、雨漏りがあるにもかかわらず修理を怠ってしまうと、建物内部が雨水によって劣化してしまい、柱や梁、内壁材や外壁材の交換といった大規模な工事が必要となるでしょう。
天井からの雨漏りの修理にかかる費用を抑えるためには、被害が拡大して修理範囲が広くならないうちに対応してしまうのが一番です。
天井からの雨漏りの修理を依頼する業者の選び方について
雨漏り修理の実績が豊富な業者に依頼する
雨漏りは原因箇所の調査や修繕に技術や知識、経験が必要なため、できるだけ雨漏り修理の実績が豊富な業者を選ぶようにしましょう。
もし、修理内容に不備があり、雨漏り箇所が残ってしまうと、建物に大きなダメージが発生し、多額の修繕費用がかかってしまいます。
迅速な対応をしてくれる業者に依頼する
雨漏りは続けば続くほど建物の傷みが大きくなるため、できるだけ早い段階で対処することが重要です。
業者に相談した際に、工事予定まで1カ月以上かかったり、調査などで延々待たされたりすると建物の傷みが進行してしまいますので、できるだけすぐに対応してくれる業者を探しましょう。
アフターサービスが充実している業者に依頼する
雨漏りは建物の老朽化が原因で起こる可能性が高いため、1カ所を修理しても別の箇所からまた雨漏りが起きてしまうこともあります。
雨漏りの修理業者によっては、施工後に定期検査などのアフターサービスを行っている場合もあり、このような業者に修理を依頼すれば、将来的な雨漏りのリスクを減らすことができるでしょう。
また、大がかりな修繕で、もし何らかの問題が起きたとしても、アフターサービスが充実している業者なら十分な補償を受けることができます。
複数の業者から相見積もりを取る
雨漏りの原因や修理方法、費用は建物によって大きく変わるため、見積りに記載されている内容が正しいのかどうかの判断は、未経験者には難易度が高いと言えます。
このような場合に、適切な見積りかどうかを判断するために効果的なのが、複数の業者に見積りを依頼する「相見積もり」です。
相見積もりを行い、複数の業者の見積りを比較すれば、工事の内容や工事にかかる費用、雨漏り箇所の数や場所などの違いが一目でわかり、業者の善し悪しを判断しやすくなるでしょう。
雨漏りの修理工事が得意な会社を探すには?
自分が住んでいる地域で雨漏りの修理工事が得意なリフォーム会社を知りたい場合は、リフォーム会社紹介サービスを使うと良いでしょう。
リフォームをすることはそこまで多くはありません。失敗しない後悔しないためにも、専門家にアドバイスをもらうことをおすすめします。
リフォーム会社紹介サービスの「ハピすむ」は、お住まいの地域やリフォームのニーズを詳しく聞いた上で、適切で優良なリフォーム会社を最大3社紹介してくれます。
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