目次
玄関屋根の延長と庇後付けの費用相場
工事内容 | 費用相場 |
玄関屋根の延長 | 5万円〜20万円 |
庇の後付け | 3万円〜5万円 |
玄関屋根の延長と庇後付け工事の費用相場は10万円〜35万円です。設置方法や庇の素材によって費用が大きく異なります。
テラス屋根や庇など選択する屋根の種類によって費用が変わり、屋根の面積が大きくなるほど、あるいは複雑な形状になるほど費用は増加します。
玄関屋根を延長するメリット
玄関屋根を延長することで得られるメリットは以下の3つです。
- 雨天時の出入りが快適になる
- 日差しを遮断できる
- 美観が向上する
それぞれ詳しく説明していきましょう。
雨天時の出入りが快適になる
玄関屋根を延長することで、雨の日の外出や帰宅がより快適になります。
玄関屋根が小さいと、風が強い日などの雨天時に、濡れてしまうことがあるでしょう。
屋根を延長することで、傘を広げたり畳んだりする際の余裕スペースが確保できます。また宅配便の受け取りや、自転車やベビーカーの出し入れもスムーズに行えるようになり、ストレスフリーになります。
このように悪天候時の出入りがスムーズになるので、生活の質が高まることでしょう。
日差しを遮断する
玄関屋根の延長は、強い日差しから玄関周りを守る効果があります。
夏場の直射日光を遮ることで、玄関ドアや周辺の建材の劣化を防げます。
玄関周りの温度上昇を抑制する効果もあるため、室内への熱の侵入を軽減することが可能です。
とくに西日が強い場合、この日差し対策は住まいの快適性を高める重要なポイントとなります。
美観が向上する
玄関屋根の延長は、住まいの外観の印象をガラッと変えます。
玄関は家の顔となる部分であり、適切な大きさの屋根を設置することで、バランスの取れた外観になります。
素材や色を家全体の雰囲気に合わせることで、統一感のある仕上がりを演出することが可能です。
最近では、デザイン性の高い屋根材も多く登場しており、住まいの価値向上にもつながります。
玄関屋根を延長するデメリット
玄関屋根を延長することで得られる利便性は大きいですが、以下のようなデメリットもあります。
- 室内が暗くなる
- 強風時に屋根があおられやすくなる
では、それぞれのデメリットについて詳しくみていきましょう。
室内が暗くなる
玄関屋根を延長すると、玄関周りに日差しが届きにくくなり、室内が暗くなります。
とくに南向きや東向きの玄関の場合、屋根が日光を遮ることで、玄関ホールや廊下が薄暗くなりやすいのです。
このため、屋根延長の際には、自然光を採り入れる工夫が必要です。
たとえば、ポリカーボネートやガラス製の屋根材を使うことで、光を通しつつ雨や風を防げます。
玄関周りに間接照明を設置することで、夕方や曇りの日でも明るさを確保でき、屋根延長による暗さの影響を緩和することもできます。
生活の快適性を高めるためにも、光の採り入れ方を工夫することが重要です。
強風時に屋根があおられやすくなる
屋根の延長により、強風時に屋根があおられるリスクが増えることもデメリットです。
延長部分が長くなると、風圧を受けやすくなり、台風や突風の際に屋根材が破損する恐れもあります。
強度が不十分な材料や取り付け方法では、風でぐらついたり、最悪の場合飛ばされてしまう可能性もあるでしょう。
対策として、「ガルバニウム鋼板」など、強度が高く耐風性に優れた素材を選ぶことが重要です。
しっかりとした構造設計や強風に耐えられる固定方法を採用することで、風による影響を最小限に抑えられるでしょう。
玄関屋根の延長に使用する素材の種類とその特徴
玄関屋根(庇)の延長に使用する主な素材には以下の4種類があります。
素材 | 特徴 |
木材 | 伝統的で温かみのある |
アルミニウム | 現代的で扱いやすい |
ガルバリウム鋼板 | 高耐久で実用的 |
ポリカーボネート | 軽量で採光性に優れる |
それぞれの素材の特徴を詳しくみてみましょう。
木材
木材は日本の住宅にもっともなじみ深い伝統的な素材です。杉やヒノキなどの国産材から、チーク材などの輸入材まで、幅広い選択肢があります。
自然素材ならではの風合いと、時間とともに深まる味わいが特徴的です。
耐久性を確保するためには、防腐処理や防虫処理を施した材料を使用する必要があります。
定期的な塗装や補修などのメンテナンスが欠かせないため、維持費用や手間も考慮しながら選びましょう。
アルミニウム
メンテナンス性と耐久性を兼ね備えた現代的な素材です。
重量が軽く、錆びにくい特性を持つため、施工や維持管理に手間がかかりません。
デザイン性が高く、豊富なカラーバリエーションから選べるため、住宅の外観に合わせやすい人気の材料です。
価格は木材と比べてやや高めですが、長期的な維持費用を考えると経済的な選択肢といえるでしょう。
ただし、夏場は熱くなりやすいため、断熱材との併用を検討する必要があります。
ガルバリウム鋼板
耐久性と経済性のバランスに優れた実用的な素材です。亜鉛とアルミニウムの合金でコーティングされているため、一般的な鉄板よりも錆びにくい特徴があります。
強度が高いため台風などの強風にも強く、安全性の高い屋根材です。
メンテナンス頻度も少なくて済むため、コストパフォーマンスに優れています。
金属素材特有のモダンな印象は、現代的な住宅との相性が良いでしょう。
ポリカーボネート
光を通す特性がある樹脂素材です。
通常の屋根材と比べて圧倒的に軽量なため、既存の建物への負担が少なく済みます。
採光性が高く、玄関周りを明るく保てる利点があります。耐衝撃性にも優れており、割れにくいといった特徴も持ち合わせる利便性の高い材質です。
ただし、経年劣化による黄ばみや傷つきやすさには注意が必要です。
玄関庇をおしゃれにするための工夫
玄関庇は以下のような工夫をすることで、住まいの印象を大きく変えられます。
- 素材の組み合わせによる演出
- 照明との連携
- 植物との調和
では、一つずつ紹介します。
素材の組み合わせによる演出
玄関庇に使用する素材の選び方と組み合わせにより、住まいの雰囲気も変わります。
たとえば、木材と金属を組み合わせれば、ナチュラルでモダンな印象を与えることが可能です。
このように素材の選択と組み合わせを工夫することで、個性のある庇が仕上がるのです。
照明との連携
玄関庇に照明を取り入れることで、夜間の安全性と共におしゃれな雰囲気が演出できます。
たとえば、ダウンライトや間接照明を庇の下に配置することで、やわらかな光で玄関全体を照らすことが可能です。
LEDライトを使用することで省エネ効果も期待できます。
暖色系の光を用いると温かみのある玄関を演出でき、寒色系を用いるとスタイリッシュな印象を強調できます。
このように照明の配置や色の工夫で、夜間でも魅力的な玄関を作れるのです。
植物との調和
鉢植えの観葉植物やハンギングバスケットを庇の下に飾ると、玄関周りが華やかになります。
ツタやアイビーなどの蔓植物を選ぶと、庇に自然な緑のアクセントが加わり、心地よい空間演出が可能です。
季節ごとに植物を入れ替えれば、訪れる人に季節感を伝える工夫もできます。
植物を効果的に取り入れて、居心地の良い玄関を目指しましょう。
玄関庇の後付け方法
後付けの作業の流れは以下の通りです。
- 現地調査を行い、建物の構造や周辺環境を確認する
- 庇の形状や素材を決定し、必要に応じて建築確認申請を行う
- 取り付け工事、既存の壁に補強金具を設置し、庇本体を固定する
- 雨漏りを防ぐための防水処理をする
工事期間は通常1~2日程度で完了するため、比較的短時間で取り付けは可能です。
玄関庇の後付けする際には外壁に穴をあける工程があるため、適切な雨仕舞い(防水)が必要です。
この作業を誤ると壁の裏側に雨水が入り込んで劣化したり、漏水したりするリスクが高まります。
DIYで玄関屋根を延長する方法
DIYで玄関屋根の延長はおすすめしません。
先に紹介した防水処理の難しさに加え、取り付け作業後に危険がともなうためです。
設置箇所の下地が十分な強度を持っているか、素人では判断がつきません。もし強度が不足していると、台風による強風や大雪の際に、庇が落下や飛散してしまうリスクがあります。
万が一、飛散した庇が隣家や近隣の人に被害を与えると、深刻なトラブルに発展する恐れもあります。
玄関屋根を延長するときに知っておきたい注意点
玄関屋根の延長工事を検討する際には、以下の5つに注意点しましょう。
- 建ぺい率を超える規模の庇は付けられない
- 取り付け部分からの雨漏りチェックをする
- 圧迫感を考慮して素材を選ぶ
- 雨の吹き込み想定しておく
- 外観のバランスが崩れる
では、一つずつ詳しくみてみましょう。
注意1 建ぺい率を超える規模の庇は付けられない
建物を建てる際、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)に関する法的制限があります。
建ぺい率を超える規模で玄関庇を延長すると、違法建築となり行政からの指導や指摘を受ける可能性があるため、必ず事前に確認しましょう。
庇のサイズを適切に設計し、建築基準法に違反しない範囲で施工することが大切です。計画段階で専門業者に相談することで、法的な問題を回避できることでしょう。
建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合のことで、地域ごとに50%、60%などと決まっています。
庇については、出幅が1mを超えると、建築面積に含めることが建築基準法で決まっています。
またそれとは別に、軒先から隣地までの距離も50cm以上離すことが民法で定められているため、庇を取り付ける際には確認が必要です。
注意2 取り付け部分からの雨漏り対策をする
玄関屋根を延長すると、新しい取り付け部分からの雨漏りが生じる可能性もあります。
とくに既存の屋根と接合する部分は防水処理が不十分だと、雨水が浸入しやすくなるため、施工時にしっかりと対策することが重要です。
取り付け部にキッチリとコーキングがされているかの確認は必ずしましょう。
定期的にメンテナンスを行い、防水処理の劣化や隙間の確認をすれば、長期間にわたり安心して使用できます。
施工後の定期的な点検を心がけ、雨漏りの予防に努めましょう。
注意3 圧迫感を考慮して素材を選ぶ
玄関庇を延長する際、屋根素材の選び方によっては、玄関周りに圧迫感を与えてしまうことがあります。
たとえば、重厚な素材や色合いの濃い素材を使用すると玄関が暗く感じるため、設置場所や周囲の景観とのバランスを考慮しなくてはなりません。
先述したように、ポリカーボネートなどの透明素材を選ぶと、光を通して開放的な印象を保てます。
素材を慎重に選定し、圧迫感のない庇を目指しましょう。
注意4 雨の吹き込みを想定しておく
玄関庇の延長は角度や位置が不適切だと、かえって雨が吹き込むこともあります。
風向きによっては雨水が庇を超えて玄関に到達するため、庇のデザインと角度を工夫することが大切です。
施工前に風向きや敷地の周辺環境を考慮し、雨の吹き込みを抑えられる設計になるよう、業者に相談しましょう。
適切な設計により、雨の日でもストレスなく、快適に玄関を利用できるようになります。
注意5 外観のバランスが崩れる
玄関庇の延長は、家全体の外観バランスにも影響します。
庇を延長すると、玄関部分が強調されるため、建物全体の見た目が不自然になる場合があります。庇の幅や素材が周囲のデザインと調和しないと、統一感が失われるため注意しましょう。
周囲の壁や玄関ドアの色、デザインに合わせた庇を選ぶことで、バランスの取れた外観が保てます。家の全体的なデザインに配慮して、統一感のある玄関を目指しましょう。
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