外壁塗装はフッ素が最適?30年間でかかる費用をシリコンと徹底比較!

「フッ素塗料を使った外壁塗装でメンテナンスの手間を減らしたい」と考えていませんか?フッ素塗料は耐用年数が長く、耐候性にも優れた塗料です。しかし、「初期費用が高い」「塗り替えが難しい」など、いくつかの懸念点もあります。
そこでこの記事では、フッ素塗料を使った外壁塗装のメリット・デメリットや費用相場、シリコン塗料との比較などを詳しく解説します。30年間のライフサイクルコストやフッ素塗装で後悔しないための注意点も踏まえた上で、ご自身の建物に最適な塗料を選びましょう。

2025年09月24日更新

監修記事
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外壁塗装に使われる「フッ素塗料」とは

外壁塗装に用いられるフッ素塗料とは、フッ素樹脂を主成分とした塗料のことで、一般的なシリコン塗料と比べて格段に高い耐久性を誇ります。これは、塗料の分子構造に含まれる「フッ素(F)」と「炭素(C)」の結合が非常に強固なためで、紫外線などの外部環境から建物を長期間保護することが可能です。

一方、フッ素塗料には塗膜が硬いという特性があるため、モルタル壁などのひび割れやすい下地には不向きとされてきました。しかし、近年ではこの弱点を克服した「弾性フッ素塗料」も登場しています。

また、フッ素塗料を超える耐用年数を謳う「無機ハイブリッド塗料」も選択肢のひとつとして注目されており、外壁塗装における塗料の選択肢は多様化しています。

「3F/4Fフッ素の違い」について

フッ素塗料には、「3Fフッ素」と「4Fフッ素」の2種類があり、その違いは化学的な分子構造にあります。

「3Fフッ素」と「4Fフッ素」の違い

「3Fフッ素」は、フッ素と炭素の結合に加えて、結合の一部に紫外線に弱い「塩素(Cl)」が含まれています。この塩素結合は紫外線によって切断されやすいため、塗膜の劣化につながります。
一方、「4Fフッ素」は結合が「フッ素(F)」のみで構成されていて、弱点となる塩素結合がありません。そのため、3Fフッ素よりもさらに高い耐久性を発揮します。

つまり、製品を選ぶ際には、この「F」の数を確認することが重要な指標となります。

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フッ素塗料とシリコン塗料の比較

外壁塗装で最も一般的な「シリコン塗料」と、耐久性の高い「フッ素塗料」。ここでは、それぞれの特徴を比較し、耐用年数や性能の違いを見ていきましょう。

フッ素塗料とシリコン塗料の特徴
項目フッ素塗料シリコン塗料
耐用年数15〜20年10〜15年
初期費用高い標準
耐久性
防汚性
光沢性

初期費用だけで判断すると、フッ素塗料は高価に感じられますが、耐久性や防汚性の高さは群を抜いています。

では、長期的な視点で見るとどちらがお得なのでしょうか。以下は、それぞれの塗料において、30年間のライフサイクルコストを検証したものです。

フッ素塗料とシリコン塗料のライフサイクルコスト(30年間)
経過年数フッ素塗料シリコン塗料
0年約120万円約90万円
12年約90万円
18年約120万円
24年約90万円
30年
トータルコスト
(30年間)
約240万円約270万円
※ フッ素塗料の耐用年数を18年、シリコン塗料の耐用年数を12年として計算しています

この試算から、フッ素塗料は初期費用こそ高いものの、塗り替え回数を減らせるため、30年間で約30万円もお得になる可能性があります。

トータルコストを抑えた賢い外壁塗装を実現するためにも、ご自身の予算やライフプランを考慮し、最適な塗料を選びましょう。

>>シリコン塗装について詳しく比較する

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フッ素塗料による外壁塗装の費用相場

フッ素塗料による外壁塗装の費用は、塗料代だけでなく、足場代や人件費などさまざまな項目から構成されています。

ここでは、30坪の住宅を想定した費用の内訳と相場を、1平方メートルあたりの単価で解説します。

フッ素塗料による外壁塗装の費用相場
項目費用相場
(1平方メートルあたり)
フッ素塗料代4,000〜4,500円
足場代800〜1,200円
高圧洗浄200〜300円
養生300〜500円
下地処理500〜1,000円
人件費3,000〜5,000円
その他諸経費300〜500円

上記の単価をもとに計算すると、フッ素塗料による外壁塗装の費用相場は、1平方メートルあたり9,100〜13,000円、30坪(約99平方メートル)の住宅全体では約90万〜128万円が目安となります。

ただし、上記の費用相場は建物の状況や立地環境、依頼する業者などのさまざまな要因によって変動します。正確な費用を知るには、信頼できる専門業者から見積もりを依頼するのが確実です。

>>外壁塗装の相場を詳しく見る

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外壁塗装にフッ素塗料を採用するメリット

フッ素塗料は初期費用こそ高価ですが、その優れた性能から多くのメリットがあります。ここでは、長期的な視点で見た際のコストパフォーマンスの高さや、建物の美観を維持する上で役立つさまざまなメリットを解説します。

【メリット1】耐用年数が長い

フッ素塗料の最大のメリットは、圧倒的な耐用年数の長さです。一般的に、シリコン塗料の耐用年数が10~15年であるのに対し、フッ素塗料は15~20年とされています。これは、塗料の分子構造に含まれるフッ素と炭素の結合が非常に強固なため、紫外線などの外部環境の影響を受けにくく、劣化しづらいからです。

初期費用はシリコン塗料の約1.5倍と高価ですが、耐用年数が長いため、塗り替え回数を減らすことができます。結果として、30年間のライフサイクルコストで見ると、シリコン塗料よりもフッ素塗料のほうが安くなる可能性があり、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。

【メリット2】日差しや温度変化など外部環境の影響を受けにくい

フッ素塗料の大きな強みは、極めて高い耐候性です。これにより、強い日差しや厳しい温度変化といった過酷な外部環境から建物を長期間保護します。これほどの高い耐候性を保てる理由は、塗料の主成分であるフッ素樹脂が持つ、フッ素と炭素の結合エネルギーの強さにあります。

この結合エネルギーは、紫外線のエネルギーよりも強いため、紫外線によって分子の結合が破壊されにくいのが大きな特徴です。したがって、塗膜の劣化や色褪せが起こりにくく、塗りたての美しい光沢を長く保つことが可能となります。

【メリット3】汚れが付きにくい

フッ素塗料には、低汚染性という優れた特性があります。これは、塗膜の表面が非常に滑らかで、汚れが付着しにくい性質を指します。仮に汚れが付着したとしても、雨が降ることで汚れが洗い流される「自浄作用」が働くため、建物の美観を長期間きれいに保つことが可能です。

また、製品によっては、太陽光の力で汚れを分解し、雨で洗い流す「光触媒機能」を持つものもあります。特に、交通量の多い道路沿いや、工場などが近くにあるような汚れやすい環境にある建物では、頻繁に洗浄する必要がなく、メンテナンスの手間を軽減できるでしょう。

【メリット4】防カビ性や防藻性が高い

フッ素塗料の塗膜は、カビや藻、コケなどの微生物の発生を抑制する効果も持っています。カビや藻、コケは見た目を損なうだけでなく、放置すると塗膜の劣化を早める原因にもなりかねません。そのため、フッ素塗装を施すことでカビや藻の発生を防ぎ、建物の美観と耐久性の維持に役立ちます。

特に、湿気の多い地域や、日当たりが悪い場所の外壁は、カビや藻が繁殖しやすい環境にあるため、フッ素塗料が適しているといえるでしょう。

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外壁塗装にフッ素塗料を採用するデメリットと対策

フッ素塗料はメリットの多い塗料ですが、いくつかのデメリットも存在します。ただし、その多くは適切な対策を講じることで回避できます。ここでは、フッ素塗料のデメリットと、それぞれの対策について解説します。

【デメリット1】初期費用がかかる

フッ素塗料の最大のデメリットは、初期費用の高さです。一般的に、シリコン塗料の約1.5倍の費用がかかるとされています。しかし、フッ素塗料は耐用年数が15〜20年と長く、塗り替えの頻度を大幅に減らせることから、長期的なトータルコストを抑えられるケースも少なくありません。

30坪の住宅を例にすると、シリコン塗料が30年間で3回の塗り替えが必要なのに対し、フッ素塗料は2回で済みます。つまり、足場代を含む工事1回分の費用を削減できるため、結果的に30年間の総コストで30万円以上お得になる可能性があります。

このように、フッ素塗料は初期費用が高くても、長期的なトータルコストを考慮すれば、優れたコストパフォーマンスを発揮する賢い選択肢といえるでしょう。

【デメリット2】塗膜が固くひび割れやすい

フッ素塗料の塗膜は非常に硬いという特性があり、この点がデメリットとなる場合があります。特に、経年劣化でひび割れが起こりやすいモルタル外壁などの場合、塗膜が追従できずにひび割れてしまうリスクがあります。塗膜にひび割れが生じると、そこから雨水が浸入し、建物の内部構造を傷める原因にもなりかねません。

なお、塗膜のひび割れが生じるリスクは、「弾性フッ素塗料」を選ぶことで軽減されます。

弾性フッ素塗料とは

弾性フッ素塗料とは、柔軟性に優れた特殊なフッ素樹脂を使用した塗料のこと。下地の動きに追従してひび割れを抑制する効果があります。

特に、ひび割れが心配なモルタル外壁や、建物の揺れが気になる場合は、業者に相談して弾性フッ素塗料の採用を検討しましょう。

【デメリット3】マットな仕上がりになりにくい

フッ素塗料は、光沢のある「艶あり」の仕上がりが一般的です。これは、フッ素樹脂が持つ滑らかな表面特性に由来しており、汚れがつきにくいというメリットにもつながっています。しかし、落ち着いた雰囲気のマットな仕上がりを好む方にとっては、選択肢が限られてしまうというデメリットがあります。

なお、近年ではメーカー各社の技術開発により、艶を抑えたタイプのフッ素塗料も販売されています。特に、建材の風合いを活かしたい場合や、光沢感を抑えたモダンな外観を希望する場合には、これらの艶消しタイプがおすすめです。

ただし、艶ありに比べると製品の種類が少ないため、事前に施工業者に希望する仕上がりについて相談しておくとよいでしょう。

【デメリット4】塗り替えが難しい

フッ素塗料の塗膜は、非常に滑らかで硬質であるため、次に塗り替えをする際、新しい塗料が密着しにくいというデメリットがあります。そのため、新しい塗料が剥がれてしまわないように、丁寧な下地処理を実施するほか、密着性の高い適切な下塗り塗料を選ぶ必要があります。

フッ素塗装の実績が豊富で、塗料の知識に精通した業者であれば、適切な下地処理や塗料選びを行い、建物を長期的に守るための質の高い施工を提供してくれるでしょう。

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フッ素塗料による塗り替えがおすすめの部位

フッ素塗料は、特に紫外線や雨風の影響を強く受ける部位への塗装がおすすめです。これらの部位にフッ素塗料を使用することで、塗り替えの頻度を減らし、メンテナンスコストを抑えることができます。

ここでは、フッ素塗料の性能を最大限に活かせる部位について解説します。

【部位1】屋根

屋根は、外壁よりも常に強い日差しや雨風、温度変化にさらされるため、家の中でも特に劣化しやすい部位です。フッ素塗料の最大の強みである耐候性の高さは、この屋根の塗装にこそ最も真価を発揮します。

外壁よりも屋根の劣化が先に進み、部分的に補修や塗り替えが必要になるケースも多いですが、フッ素塗料による塗装であれば、メンテナンスの手間とコストを長期的に抑えることが可能です。これにより、家の美観を長く保つだけでなく、将来的な修繕費用を抑えることにもつながります。

【部位2】外壁

外壁は、家の印象を大きく左右する「顔」とも言える部分です。フッ素塗料を外壁に使用することで、美観を長期間維持できるという大きなメリットがあります。フッ素塗料の高い耐候性により、塗膜の劣化や色褪せが起こりにくく、塗りたての美しい光沢を長く保つことができるでしょう。

また、フッ素塗料の持つ低汚染性は、外壁の汚れ対策としても非常に有効です。車の排気ガスやホコリ、砂ぼこりなど、日常生活で外壁に付着する汚れを雨水で洗い流す自浄作用が働くため、建物の美観をきれいに保つことができます。これにより、頻繁に外壁を掃除する手間を省き、日々のメンテナンスを楽にすることも可能です。

【部位3】軒天や雨樋などの付帯部

外壁や屋根だけでなく、「付帯部」と呼ばれる部分にもフッ素塗料の塗装はおすすめです。

付帯部とは

住宅の外壁や屋根以外の部分のことで、軒天や雨樋、破風板、雨戸などを指します。

これらの付帯部は、家全体の中でも劣化が目立ちやすい部分であり、特に雨樋は紫外線の影響で変色したり、割れたりすることもあります。

フッ素塗料の高い耐久性は、これらの付帯部の劣化を防ぎ、塗り替え回数を減らすのに有効です。付帯部と外壁・屋根の塗り替え時期を合わせることで、工事にかかる足場代を一度で済ませることができ、トータルコストの削減にもつながります。家全体のメンテナンスを効率的に行いたい場合は、付帯部も含めたフッ素塗装を検討しましょう。

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フッ素塗料による外壁塗装がおすすめなケース

フッ素塗料は、初期費用が高いため、どのような建物や状況でも最善の選択肢となるわけではありません。しかし、特定のニーズを持つ場合や、特定の条件に当てはまる建物には、フッ素塗料の採用が推奨されます。

ここでは、フッ素塗装が特におすすめな2つのケースを紹介します。

【ケース1】建物を塗り替える回数を減らしたい

フッ素塗料による外壁塗装は、塗り替えの回数を減らしたいと考える方に適しています。フッ素塗料の耐用年数は15〜20年と非常に長いため、一般的なシリコン塗料(10〜15年)に比べて塗り替えのサイクルを大幅に延ばすことが可能です。

実際に、30坪の住宅の場合、30年間のライフサイクルコストで見ると、シリコン塗料が3回の塗り替えを必要とするのに対し、フッ素塗料は2回で済みます。そのため、総費用で最大30万円以上お得になる可能性があります。

長期的な視点でコストパフォーマンスを重視し、メンテナンスの手間を軽減したい方には、フッ素塗装が最も有効な選択肢といえるでしょう。

【ケース2】艶のある仕上がりにしたい

フッ素塗料は、艶のある美しい仕上がりを長期間維持したいと考える方に最適です。ほかの塗料に比べて光沢性が非常に高く、塗りたての美しい艶を長く保つことができます。

フッ素塗料は耐候性に優れていて、紫外線による塗膜の劣化や色褪せが起こりにくいため、家の外観をいつまでも新築のような美しい状態で保つことが可能です。特に、家の顔となる外壁に艶のある仕上がりを求める場合は、フッ素塗料の高い光沢性が大きなメリットとなるでしょう。

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フッ素塗料による外壁塗装で後悔しないための注意点

フッ素塗料は優れた塗料ですが、いくつかの注意点を事前に把握しておかないと、後悔につながる可能性があります。ここでは、フッ素塗装で失敗しないために、知っておくべき3つの注意点とその対策を解説します。

【注意点1】弾性の低い塗料はひび割れしやすくなる

フッ素塗料の塗膜は硬く、柔軟性が低いという特性があります。そのため、モルタル外壁など、建物の動きや経年劣化によってひび割れしやすい下地に使用すると、塗膜も一緒にひび割れてしまうリスクがあります。ひび割れから雨水が浸入すると、建物の構造体を傷める原因にもなりかねません。

このようなリスクを避けるために、ひび割れが心配な外壁には、下地の動きに追従できる柔軟性のある塗料を選ぶことが重要です。最近では、フッ素塗料の弱点である塗膜の硬さを克服した「弾性フッ素塗料」も登場しています。

弾性フッ素塗料とは

柔軟性に優れた特殊なフッ素樹脂を使用した塗料のこと。

建物の状態や外壁材の種類を業者に正確に診断してもらい、適切な塗料を選びましょう。

【注意点2】下地との相性によって塗料の密着性が低くなる

フッ素塗料は、塗膜の耐久性が非常に高い反面、下地との相性によっては密着性が低くなることもあります。特に、木部への塗装は、木材が持つ油分やヤニ成分がフッ素塗料の定着を妨げることがあるため、密着性が悪くなり塗膜が剥がれやすい傾向にあります。

フッ素塗料を塗装する際は、事前に下地の種類をしっかりと確認し、その下地に合わせた適切な下塗り材を選ぶことが欠かせません。木部への塗装を検討している場合は、木部専用の下塗り材を塗布することで、フッ素塗料の密着性を高めることができます。

【注意点3】建物の状態によっては塗料の効果を十分に発揮できないこともある

フッ素塗料は、塗膜自体の耐久性は高いものの、あくまで建物の表面を保護するための塗料であり、建物自体の耐久性を根本的に伸ばすことはできません。そのため、建物の劣化が広範囲に及んでいるほか、構造的な問題がある場合は、フッ素塗料を塗っても本来の耐用年数を全うできない可能性があります。

たとえば、築年数が相当経過しており、数年後の建て替えをすでに検討しているようなケースでは、フッ素塗料の高い耐久性が無駄になってしまうこともあります。高価なフッ素塗料を選ぶ前に、建物の現在の状態や、将来的なライフプランを考慮して、本当にフッ素塗装が最適なのかを検討することが重要です。

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信頼できるフッ素塗装の業者を見つけるポイント

フッ素塗料の性能を最大限に引き出すには、塗料選びだけでなく、信頼できる業者に施工を依頼することが必要不可欠です。フッ素塗料は専門的な知識や高い技術力を必要とするため、業者選びを間違えると、塗膜の剥がれやひび割れといった施工不良につながる可能性があります。

ここでは、後悔しない業者選びのためのポイントを解説します。

【ポイント1】フッ素塗装に精通しているか

フッ素塗料の性能を最大限に引き出すためには、塗料の特性を深く理解し、適切に施工できる業者を選ぶことが欠かせません。

たとえば、3Fフッ素と4Fフッ素の違いなど、専門的な知識を持っているか確認することが重要です。また、下地に合わせて適切な下地処理や下塗り材を提案してくれるかどうかも、業者を見極める重要なポイントとなります。

信頼できる業者を見極めるためにも、これらの条件をクリアするかどうかあらかじめチェックしましょう。

【ポイント2】フッ素塗装の施工実績が豊富であるか

フッ素塗装の施工には、専門的な知識や高い技術力が必要です。施工不良を防ぎ、フッ素塗料の性能を最大限に引き出すためには、フッ素塗装の施工実績が豊富な業者を選ぶことが非常に重要です。

施工実績が豊富かどうか見極めるには、以下の方法があります。

施工実績が豊富か見極める方法
  • 業者のホームページをチェックする
  • Googleなどのレビューサイトを活用する
  • 直接問い合わせる

ほとんどの業者は、ホームページに施工事例を掲載しているため、「フッ素塗装」といったキーワードで絞り込んで検索し、具体的な施工事例を確認しましょう。

また、レビューサイトの活用や直接問い合わせるといった方法で、具体的な事例やお客様の声を聞き、リアルな情報を得ることも有効な手段です。

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フッ素塗料による外壁塗装の価格を抑えるコツ

フッ素塗料は高価ですが、いくつかの工夫をすることで費用を抑えることが可能です。

ここでは、フッ素塗装のコストを賢く削減するための3つのコツを紹介します。これらのコツを実践することで、予算内で高品質なフッ素塗装を実現できるでしょう。

【コツ1】補助金制度を活用する

フッ素塗料による外壁塗装において、単なる塗り替え工事の場合は、補助金の対象外となるケースがほとんどです。

なお、フッ素塗装は単に建物の美観を維持するだけでなく、建物の断熱性向上にもつながることがあります。そのため、「断熱改修」とセットで工事を行う場合、国の補助金制度や地方自治体の助成金の対象となる可能性があります。たとえば、断熱塗料を併用したり、窓の改修などと組み合わせて断熱改修したりすることで、費用の一部が補助されるかもしれません。

まずは、お住まいの地域で利用できる補助金制度があるかを確認し、その上で工事を依頼する業者に相談してみましょう。

>>外壁塗装の補助金制度について詳しく見る

【コツ2】屋根や外壁の塗装はまとめて行う

外壁塗装で最もコストがかかる項目のひとつが、「足場代」です。建物の規模にもよりますが、足場代だけで15万〜25万円ほどかかるのが一般的です。この費用は、外壁を塗装する際にも屋根を塗装する際にも必要となります。

そこで、屋根と外壁の塗装を同じタイミングでまとめて行うことで、足場代を一度で済ませることができ、トータルコストを大幅に削減できます。屋根と外壁の劣化状況をチェックし、まとめての塗装を検討することで、費用対効果を高めることができるでしょう。

【コツ3】劣化・ひび割れが深刻化する前に塗装を依頼する

外壁塗装の費用を抑える最も重要なコツは、劣化やひび割れが深刻化する前に塗装を行うことです。建物の劣化が進んでしまうと、塗料を塗る前の下地処理や、ひび割れなどの補修に余分な費用がかかってしまいます。

特に、フッ素塗料の耐用年数の長さを最大限に活かすためには、建物が健全なうちに塗装を依頼することが重要です。早期に塗装を行うことで、無駄な修繕費用を抑えられるだけでなく、フッ素塗料本来の耐久性を活かしたメンテナンスが可能になります。建物の状態を定期的にチェックし、専門業者に早めの診断を依頼することで、計画的かつ費用を抑えた塗装を実現しましょう。

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フッ素塗料の代表的なメーカーと製品

フッ素塗料は、日本ペイントや関西ペイント、エスケー化研といった国内の主要な塗料メーカーから数多くの製品が販売されています。それぞれのメーカーが独自の技術を活かし、耐久性だけでなく、付加価値の高い機能を備えた塗料を開発しています。

ここでは、代表的な3つのメーカーと、そのおすすめの製品をいくつかご紹介します。

【メーカー1】日本ペイント

日本ペイントは、国内トップクラスのシェアを誇る大手塗料メーカーです。フッ素塗料の分野でも高い技術力を持ち、耐久性や防汚性に優れた製品を数多く展開しています。

特に代表的な製品が「ファイン4Fセラミック」です。4Fフッ素樹脂を使用しており、紫外線による劣化に非常に強く、驚異的な耐候性を発揮します。また、セラミック成分が配合されているため、雨水が汚れを洗い流す「超低汚染性」も定評です。

これにより、塗りたての美しい光沢を長期間維持することが可能なため、戸建て住宅の外壁から、公共施設や大型ビルの外壁まで、幅広い用途で採用されています。

【メーカー2】関西ペイント

関西ペイントは、自動車用塗料などで高いシェアを誇る大手メーカーです。住宅用塗料でも、機能性と耐久性を兼ね備えた高品質な製品を提供しています。

代表的なフッ素塗料のひとつに「セラMフッソ」があります。この塗料は、フッ素樹脂とセラミックを組み合わせた特殊な技術による、優れた耐久性と低汚染性が特徴です。雨水で汚れを洗い流す効果が高く、外壁を長期にわたって美しく保つことができます。また、幅広い色や艶のバリエーションが用意されており、多様なデザインのニーズに応えられるのも強みです。

【メーカー3】エスケー化研

エスケー化研は、独自技術で機能性の高い塗料を開発しているメーカーです。特に、環境に配慮した水性塗料や、耐候性の高い無機塗料の分野で知られています。

代表的なフッ素塗料のひとつが「クリーンマイルドフッソ」です。この製品は、耐候性に優れた弱溶剤タイプの塗料で、強溶剤タイプに比べて臭いが少なく、環境や人体への影響が少ないという特徴があります。また、特殊セラミックを配合することで、緻密な塗膜を形成し、汚れが付着しにくい超低汚染性を実現しています。

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フッ素塗料による外壁塗装の施工事例

ここでは、フッ素塗料で実際に外壁塗装を行った施工事例をいくつかご紹介します。色やデザインによって、建物の印象がどのように変わるか、具体的なイメージをつかむための参考にしてください。

【事例1】落ち着いたブラウンでシックな仕上がり

before
after

優れた高耐候性のフッ素塗料

項目内容
住宅の種類一戸建て
リフォーム費用約140万円
施工期間20日
リフォーム箇所屋根
外壁

屋根・外壁部分の塗装に、フッ素塗料を使用した施工事例です。

もともとはアイボリーの外壁でしたが、落ち着いたダークカラーにすることで高級感のある外壁になりました。

【事例2】スタイリッシュなカラーかつ汚れが目立ちにくい仕上がり

before
after

屋根は高耐久遮熱フッ素塗料で塗装、外壁塗装は超低汚染塗料を使用

項目内容
住宅の種類一戸建て
リフォーム費用約97万円
施工期間14日
リフォーム箇所屋根
外壁

外壁にフッ素塗料2色を塗り分けた事例です。

汚れが目立っていた部分をブラックに、レンガ調の部分はベージュにして、オシャレな仕上がりになりました。

【事例3】メリハリのあるダークカラーで洗練された雰囲気の外壁

before
after

期待耐用年数20年超塗料での外壁、屋根塗装

項目内容
住宅の種類一戸建て
リフォーム費用約130万円
リフォーム箇所屋根
外壁
ベランダ

外壁の一部をベージュカラーからダークカラーに塗装した事例です。

部分的にダークカラーを使うことでメリハリが生まれ、スタイリッシュな仕上がりになりました。

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【Q&A】フッ素塗装に関するよくある質問

フッ素塗料はPFAS規制で禁止されない?安全性は?

外壁塗装に使用されるフッ素塗料は、「高分子フッ素」と呼ばれる安全性の高いPFASに分類されるため、PFAS規制の対象外とされています。

PFAS規制とは

有機フッ素化合物の総称である「PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)」の製造・使用・流通を抑制する国際的な取り組みを指します。
一部のPFASには、環境や人体への悪影響が指摘されており、国際的に規制の動きが強まっています。

現在、EUで進められているPFAS規制は、分解性が低く環境中に蓄積されやすい「低分子PFAS」が主な対象であり、外壁塗装用のフッ素塗料は規制対象外となる見通しです。
フッ素塗料は、塗装後に揮発する有害物質(VOC)が少なく、環境や人体への安全性は高いといえます。ただし、作業時の安全性を確保するため、換気を十分に行い、専門業者に施工を依頼することが重要です。

フッ素塗料の上に塗装できますか?

フッ素塗料を塗布した外壁は、再塗装が可能です。しかし、フッ素塗料は非常に硬く、表面が滑らかでツルツルしているため、次に塗る塗料の密着性が低くなる傾向があります。このため、適切な下地処理と下塗り塗料の選定が重要です。
再塗装を検討する際は、フッ素塗装の実績が豊富で、専門的な知識を持った業者に相談しましょう。

フッ素塗装で国の補助金は使えますか?

国の補助金制度は、単なる外壁の塗り替え工事は対象外となるケースがほとんどです。
しかし、フッ素塗料の中には、遮熱性や断熱性に優れた製品もあり、断熱改修と併せて工事を行うことで、補助金制度の対象となる可能性があります。
たとえば、窓のリフォームや断熱材の追加など、断熱性能を向上させる工事と同時にフッ素塗装を行う場合、費用の一部が補助されることもあります。

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【まとめ】長期的なトータルコストを抑えたいならフッ素塗装を検討しよう

この記事では、フッ素塗料の特徴や費用相場、シリコン塗料との比較などを詳しく解説しました。フッ素塗料は、初期費用こそ高価ですが、その圧倒的な耐久性により、長期的なトータルコストを大幅に削減できる可能性を秘めています。一般的なシリコン塗料と比べて塗り替え回数を減らせるため、記事中の試算でも示した通り、30年間のライフサイクルコストではシリコン塗料を下回ります。

ただし、塗膜が硬くひび割れやすい点や、下地との相性がある点など、いくつかのデメリットも存在します。これらの注意点を理解した上で、建物の状態やライフプランに合った塗料を選ぶことが重要です。

フッ素塗料の性能を最大限に引き出すためには、塗料の特性を理解し、適切な施工を行える信頼性の高い業者に依頼することが欠かせません。フッ素塗装の実績が豊富で、丁寧な説明をしてくれる業者を選び、後悔のない外壁塗装を実現しましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】久田麻里子

マザーハウス 石田工務店

久田麻里子

2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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