目次
エコジョーズとエコキュートの違いとは?
エコジョーズとエコキュートの最も大きな違いは、お湯を作るための熱源です。
- エコジョーズ:ガス
- エコキュート:電気
エコジョーズは、給湯するその瞬間にお湯を作る仕組みになっています。お風呂や洗い物でお湯を使う時は、お湯が出てくるまで待たなければなりません。
それに対してエコキュートは深夜のうちにお湯を沸かして、屋外にある貯湯タンクにお湯をためておく方式です。そのため、お湯を使いたい時はすぐにお湯が出てきます。
エコジョーズとエコキュートを徹底比較
エコジョーズとエコキュートの違いを徹底比較して解説します。
エコジョーズ | エコキュート | |
---|---|---|
燃料 | ガス | 電気 |
導入費用 | 〇 約20万円~ | △ 約60万円~ |
ランニングコスト | × 比較的高い | 〇 安い |
安全性 | △ 不完全燃焼のリスクあり | 〇 高い |
飲用 | 〇 可能 | △ 可能 (煮沸:要) |
設置スペース | 〇 省スペースで設置可能 | △ 広いスペースが必要 |
耐用年数 | △ 8~10年 | 〇 10~15年 |
使用可能な湯量 | 〇 制限なし | △ 制限あり |
水圧 | 〇 標準 | △ やや低い |
災害時の活用 | × なし | 〇 非常用水として使用可 |
近隣への騒音 | 〇 使用時のみ音が出る | △ 深夜に音が出る |
これらのなかでも、特に気になる以下の点についてくわしく解説します。
安全性
エコジョーズには不完全燃焼の発生するリスクがあるため、その点ではエコキュートの方が安全性が高いといえるでしょう。
給湯器でガスを燃やす際に適切量の酸素を取り込めず、人体に有害な一酸化炭素が発生する現象のこと。
しかし、不完全燃焼はエコジョーズ特有の現象ではなく、ガス給湯器すべてに共通する現象です。これらの原因は、おもに以下のようなものが考えられます。
- 給湯器の経年劣化や給湯器
- 水漏れを放置した
- 給気口や排気口がものやゴミでふさがれている
安全装置がついているため、万が一不完全燃焼が起こっても正しく対処すれば問題ありません。
また、定期点検を受けたり給気口や排気口をふさがないよう注意したりすれば、未然に防げる現象です。
設置スペース
エコキュートはエコジョーズよりもより広い設置スペースが必要です。エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプの2つを設置することが理由です。
たとえば三菱エコキュートには、貯湯ユニットとヒートポンプを並べて置く場合、以下の設置スペースが必要だと記載があります。
- 貯湯ユニット上部:200mm以上
- ヒートポンプと貯湯ユニットの間:300mm以上
- ヒートポンプの全面:600mm以上
一方、エコジョーズは従来のガス給湯器と同様にコンパクトで、壁への取り付けもできるため設置スペースの制約がありません。
メーカーによって多少サイズは変わりますが、エコキュートはエコジョーズに比べると広いスペースが必要です。
使える湯量
エコジョーズは使える湯量に制限がありませんが、エコキュートには湯量に制限があります。
エコジョーズは、給湯を使用する際にお湯を作るため、使用量に制限はありません。
しかし一方のエコキュートは、沸かしたお湯をタンクにためておくため、タンクのお湯が切れてしまうとそれ以上お湯を使えなくなってしまいます。
ほとんどのエコキュートには「沸き増し機能」が採用されています。
湯切れが起きた場合は、沸き増しをすることで追加でお湯を使えるので安心です。
災害時のお役立ち度
災害時のお役立ち度は、エコジョーズよりもエコキュートに軍配が上がります。
エコキュートはタンクにお湯をためておくため、災害時に非常用水として使用できます。
タンク内の汚れが混入する恐れがあるため飲用は推奨されていませんが、トイレや洗い物などの生活用水として十分に活用が可能です。
エコジョーズ・エコキュートの価格(導入費用)は?
エコジョーズとエコキュートの価格(導入費用)を比較します。
導入費用の目安 | |
---|---|
エコジョーズ | 20万円〜 |
エコキュート | 60万円~ |
エコジョーズに比べてエコキュートは初期投資が高額となるため、導入費用を抑えたい場合はエコジョーズがおすすめです。
ただし、価格は業者や機種によって異なるため、複数の業者から見積もりを取るとより費用を抑えられます。
また、エコキュートやエコジョーズの導入には国や自治体の補助金が利用できる可能性もあります。購入前に確認してみるといいでしょう。
エコキュートやエコジョーズに使える補助金についてくわしくは、以下の記事もご覧ください。
エコジョーズ・エコキュートの ランニングコストは?
エコジョーズとエコキュートのランニングコストの違いを解説します。
ランニングコストの目安 (年間) | |
---|---|
エコジョーズ | およそ12万円 |
エコキュート | およそ2.5万円 |
ランニングコストを抑えたいなら、エコキュートがおすすめです。
エコキュートは電気料金が安い深夜にまとめて貯湯するため、給湯のたびにガス代がかかるエコジョーズよりもランニングコストを低く抑えられます。
給湯器の使用量やガスの契約内容にもよりますが、エコジョーズの方がランニングコストが高くなるケースが多く見られます。
エコジョーズとエコキュートどっちを選ぶべきか?
エコジョーズとエコキュートは、それぞれどのようなご家庭におすすめなのかを解説します。
自分の家にはエコジョーズとエコキュートどっちが合うのか、ぜひチェックしながらお読みください。
エコジョーズがおすすめな家庭
エコジョーズがおすすめな家庭は以下の通りです。
エコジョーズについてよりくわしく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
家族の人数が6人以上
家族が6人以上なら、使える湯量に制限のないエコジョーズがおすすめです。
エコキュートは使用できる湯量が限られているため、大人数の家庭ではお湯切れが発生することがあります。
また、大人数用のエコキュートは設備が大きくなり、初期費用や設置スペースが増えるため、6人以上の家族にはエコジョーズの方が使いやすいでしょう。
初期費用を抑えたい
初期費用をできるだけ抑えて給湯器を買い替えたい場合は、エコジョーズがおすすめです。
エコジョーズにおける初期費用の相場が20万円からに対し、エコキュートにおける初期費用の相場は60万円から。40万円の差は、軽視できる額ではありません。
初期費用の予算に余裕が内場合はエコジョーズを選べば、初期費用を大幅に抑えられます。
毎日湯船につかる
毎日湯船につかる家庭は、ガスの使用量が多くなるため、エコキュートよりもエコジョーズのほうがおすすめです。
また、エコジョーズはガスの使用量に比例して、節約効果が高くなるという特徴があります。
そのため、毎日湯船につかる家庭の場合、エコジョーズのメリットをより強く実感できるでしょう。
床暖房を使用する
冬に床暖房を利用する家庭なら、エコジョーズがおすすめです。
床暖房は床の下にお湯を流して温めるため、それだけ使う湯量も増えます。
エコジョーズには湯量の制限がありませんが、一方のエコキュートは1日で使用できるお湯の量に制限があります。そのため、床暖房を併用すると湯切れを起こす可能性があります。
床暖房を利用するなら、エコジョーズを選びましょう。
昼間も家に人がいることが多い
昼間も家に人がいることが多い場合は、エコジョーズがおすすめです。
エコキュートを使う場合、昼間の電気代が高く夜間の電気代が安いプランで節約するのが主流です。
昼間に人がいることが多いと、昼間の光熱費がかさんでエコキュートの節約効果が思ったほど感じられないことがあります。
昼間に家に人がいる時間が長い場合は、エコジョーズを選ぶとランニングコストが抑えられるでしょう。
エコキュートがおすすめな家庭
エコキュートがおすすめな家庭は、以下の通りです。
エコキュートについてくわしく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
ランニングコストを抑えたい
ランニングコストを抑えたいなら、エコキュートが向いています。
エコキュートは、深夜の電気料金が安い時間帯にお湯を作るため、ガスよりも安くなる傾向があります。
初期費用は高いですが年間の4〜7万円目安で節約できるので、仮に設置に60万円かかった場合、9年~15年ほどで初期費用が回収できます。
ランニングコストを抑えるなら、エコキュートがおすすめです。
IHクッキングヒーターを使っている
IHクッキングヒーターを使っているなら、エコキュートを選んでオール電化にしましょう。
オール電化にするとガスを解約できるので、基本料金を支払う必要がなくなり、光熱費が節約できます。
一般的に都市ガスの基本料金は月に1,000円から1,500円ほどかかるため、エコキュートにすれば年間で12,000円から18,000円の節約が見込めます。
プロパンガスを契約している
プロパンガスを使っているなら、エコキュートがおすすめです。
プロパンガスはランニングコストが高いため、エコキュートを選べば大幅にコスト削減できます。
実際、プロパンガスを使用している給湯器からエコキュートに買い替えると、ランニングコストが4分の1にまで下がることもあります。
災害時に備えておきたい
災害に備えておきたい方には、エコキュートを使いましょう。
エコキュートは貯湯タンクに水をためておくシステムなので、災害に向けた水の備えができます。
貯湯タンクの水は飲み水にはできませんが、トイレや手洗いなどの生活用水として使用可能です。
安全性を重視している
安全性を最優先に考えるなら、エコジョーズよりもエコキュートがおすすめです。
エコジョーズはガスを利用してお湯を作るため、不完全燃焼のリスクがあります。
一方、エコキュートは電気で動くので、不完全燃焼の心配はありません。
安心して給湯器を使いたい方には、エコキュートが適しています。
ドレン配管工事ができない
ドレン配管工事ができない場合、エコジョーズは使えないのでエコキュートにしましょう。
エコジョーズを使用するにはドレン管を取り付けなければならず、マンションだと工事ができない可能性があります。
【後悔しない?】エコジョーズとエコキュートの口コミ紹介
エコジョーズやエコキュートに買い替えた人の口コミを紹介します。
実際に買い替えた人の口コミを見ると使った時の想像ができるため、ぜひ参考にしてください。
エコジョーズの口コミ
このように、エコジョーズに買い替えてガス使用量の減りを感じ、満足している人の口コミが多くありました。
初期設定が少しややこしい、という声はありますが、マニュアルを見れば問題なくできるでしょう。
エコキュートの口コミ
エコキュートに買い替えた人の口コミを紹介します。
(前略)いろいろネットで調べた結果、この機種が価格の点や信頼性などで良いと思ったので購入を決めました。2年ほど使っていますが、気に入って使用しています。また電気代が随分お得になりましたので、併せてよい買い物をしたと思っています。
引用:価格.com
(前略)風呂が2階にあるので、水圧がもう少し強ければ良いな、と感じます。あと、お湯張りの時だけでなく、追い焚きでも湯船の温度を一定にキープし続けてくれる機能があったら良いのに、とおもいます。まあ、その機能は他メーカーもないのですが。
引用:価格.com
エコキュートの口コミは電気代が安くなったという口コミが多くありました。
水圧の弱さが気になるという声もありました。上階にお風呂があると下の貯湯タンクから上にお湯を汲み上げるので、水圧が弱くなるのは物理的にしかたない部分もあります。
エコジョーズとエコキュートが「やめとけ」といわれる理由
エコジョーズやエコキュートに対して、ネット上で「やめとけ」という意見がある理由は、デメリットが存在するためです。
購入前にデメリットを知らないでエコジョーズ・エコキュートを購入すると、使い始めてからデメリットに気付くため、「やめとけ」という意見に繋がります。
購入してから後悔しないためにも、エコジョーズとエコキュートのデメリットを把握しておきましょう。
エコジョーズのデメリット
エコジョーズのデメリットは3つあります。
【エコジョーズのデメリット1】ドレン配管が必要
エコジョーズは、お湯を作る過程で発生する「ドレン水」を処理するため、通常工事のほかにドレン配管が必要です。
ドレン水は下水道法に則って排水しなければならず、自治体によっても排水のルールが異なります。
特にマンションのへの取り付けの際にはドレン配管工事ができるのか事前にチェックが必要です。
【エコジョーズのデメリット2】酸性の排気ガスが出る
エコジョーズは燃焼時に酸性の排気ガスを放出します。
この排気ガスが金属製品やコンクリート壁などに当たると、腐食や変色の原因になります。
設置前に確認し、場合によっては排気カバーやアダプターを使用して排気方向を変える工夫が必要です。
【エコジョーズのデメリット3】不完全燃焼する可能性がある
エコジョーズはガスを燃やしてお湯を作るため、酸素不足による不完全燃焼を起こす場合があります。
鳥の巣やゴミなどでエコジョーズの酸素取り込みが妨げられてしまうと、不完全燃焼を起こしてしまいます。
定期的にエコジョーズの周辺や給排気口の周りを確認して、障害物がないようにしましょう。
エコキュートのデメリット
エコキュートのデメリットを解説します。
【エコキュートのデメリット1】深夜に音がうるさい
エコキュートは深夜にお湯を作るため、場合によっては音が気になることがあります。
特に、寝室の近くにヒートポンプを設置すると、エコキュートの音が眠りを妨げる可能性も考えらえます。
また、隣の家と距離が近い場合はエコキュートの音がトラブルに発展することおそれも。
エコキュートを設置する際は、稼働音の対策をしっかり考えましょう。
【エコキュートのデメリット2】お湯の沸き増しをおこなうと光熱費が高くなる
お湯の沸き増しをおこなうと、光熱費が高くなる可能性があります。
エコキュートでは、深夜にお湯をまとめて沸かして電気代を抑えるのが基本です。
しかし、お湯の量が足りなくなり日中に追加でお湯を作ると、その分電気代が上がります。たとえば、東京電力の「夜トク12」プランの場合、1回の湯沸かしにかかる電気代は以下の通りです。
電気代 (1回の湯沸かしあたり) | |
---|---|
日中 (9~21時) | 198円 |
夜間 (21~翌9時) | 149円 |
昼間と夜間では一度の湯沸かしに約50円の差があるため、頻繁に沸き増しをすると買い替え前より電気代が上がってしまうこともあります。
初期費用を抑えるために人数に見合っていないサイズのエコキュートを購入すると、日常的に沸き増しが必要になり電気代が余計にかかります。
家族の人数に合わせた貯湯タンクのサイズ目安は以下の通りです。
このように、たとえば4人家族なら460Lのエコキュートを選ぶのがおすすめです。
日常生活で湯切れを心配しないためにも、なるべく容量にゆとりのあるエコキュートを検討しましょう。
リフォームする際のポイント
もしリフォームを実際に行うとなった際には、ぜひお近くのリフォーム会社に一度ご相談することをおすすめします。
リフォーム会社に相談する時に一番気になるのは「いくらかかるのか」という金額の部分かと思います。
正確なリフォーム金額を知るためには、リフォーム前に「現地調査」を受ける必要があります。
その際に、損をしないリフォームを実現するために重要なことが一点あります。
それは、リフォーム会社1社のみに現地調査と見積もりをお願いするのではなく、複数社に依頼して、必ず「比較検討」をする!ということです。
複数の会社に依頼する時のポイントは「同じ条件」で依頼することです。バラバラの条件で依頼をすると、正しい比較ができません。
このポイントをきちんと押さえ、複数の会社の提案を受けることでご希望のリフォームの適正価格が見えてきます。
「色んな会社に何度も同じことを伝えるのがめんどくさい…。」という方はカンタンに複数社を比較検討できるサービスもございますので、ぜひご利用ください。
一生のうちにリフォームをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しないリフォームをするためにも、リフォーム会社選びは慎重に行いましょう!