
フローリング床が変色する原因
フローリングの床が変色する原因には、日焼けや液体、化学薬品、湿気のほか、皮脂汚れやワックスの劣化、タバコのやに、ホットカーペットの熱などがあります。主な原因をそれぞれ見ていきましょう。

日焼けによる変色
フローリングは、日光の影響で色があせたり、濃くなったりすることがあります。変化の仕方は樹種や表面仕上げによって異なり、必ず白っぽくなるわけではありません。光が当たる場所と家具などで覆われた場所で、色合いに差が出ることもあります。
液体による変色
コーヒーや調味料、ペットの尿なども、フローリングの変色の原因になります。こぼした水分を放置すると、変色だけでなく、膨張やひび割れにつながる恐れもあります。
化学薬品による変色
フローリングは中性以外の液体に弱く、変色する可能性があります。特に酸性やアルカリ性の液体が長時間触れると、塗膜などを傷める恐れがあります。殺虫剤も、種類や床の表面仕上げによっては、シミや変色の原因になります。床に付着した場合の処置は、使った製品の注意表示を確認しましょう。変色が残る場合は、使用した殺虫剤の製品名を伝え、床材メーカーに補修方法を相談してください。
湿気による変色
フローリングは湿気に弱く、湿気がたまる場所では黒ずんだり、グレーに変色したりする可能性があります。布団を直に敷いている場所や、窓際、水回りなどで起こりやすくなります。
湿気や結露により発生したカビ
湿気や結露が原因でカビが発生し、フローリングが黒く変色することがあります。カビは湿気が多く、気温約20~30度の環境で繁殖しやすいと言われています。夜間や雨の日に窓を開けたままにするなどして床に湿気が残ると、カビが繁殖しやすくなります。浴室や洗面所付近も、カビが発生しやすい場所です。見つけたら早めに対処し、結露や水漏れなどの原因も取り除きましょう。広がりや床材の傷みに応じて清掃や補修、部分的な張り替えを検討し、広範囲に発生している場合や繰り返す場合は専門業者に相談してください。
足の裏の皮脂汚れ
裸足でフローリングを歩くと、足の裏の皮脂が床に付着します。皮脂汚れが床にたまると、黒ずみやベタつきが目立つことがあります。
ワックスの劣化
ワックスを塗っている床では、歩行などでワックスが摩耗したり、塗り重ねた層の間に汚れが入り込んだりして、つやの低下や黒ずみが目立つことがあります。ただし、すべてのフローリングにワックスが塗られているわけではなく、ワックス不要の製品や、ワックスが適合しにくい製品もあります。お手入れの際は床材の種類と表面仕上げを確認しましょう。
タバコのやに
タバコの「やに」と呼ばれるタールは、煙に含まれる粒子状成分の総体です。壁や床に付着すると黄ばみや汚れの原因になり、独特の強い臭いを不快に感じる人もいます。やにによる変色は主に壁に表れますが、喫煙量が多い場合や、灰を落とした場合などにはフローリングにも生じることがあります。
ホットカーペットの直敷きによる変色
ホットカーペットの熱は、床の変色やひび割れ、反り、すき間の原因になることがあります。温度や床への影響は機種、使い方、床材によって異なります。複合フローリングでも熱や乾燥の影響を受けるため、塗装されていれば収縮しないとは限りません。白木や、クッションフロアなどの塩化ビニール製床材では、特に熱の影響に注意が必要です。使用前に、床材とホットカーペットの両方の取扱説明書を確認しましょう。茶色などに変色した床も、色だけで原因を決めつけず、ホットカーペットを使っていた場所かどうかなど、使用状況と床の状態を確認しましょう。
変色したフローリングの床の補修方法
変色したフローリングの補修方法は、原因と床材の種類によって異なります。紫外線による変色、黒ずみやシミ、白化に分けて確認しましょう。
紫外線による変色の補修方法
紫外線で変色した床の補修方法は、単層フローリング(無垢フローリング)か複合フローリングかによって異なります。
単層フローリング(無垢フローリング)
単層フローリングは、ひき板を基材とし、厚さ方向の木の構成が1層のフローリングです。無垢フローリングとも呼ばれます。複合フローリングより価格が高くなる傾向にあり、高級感があるのが特徴です。変色部分は、表面仕上げや傷みの状態によって研磨・再塗装で補修できる場合があります。
※ 参考:農林水産省「フローリングの日本農林規格 JAS 1073:2026」
複合フローリング
複合フローリングは、合板や木質繊維板などを基材に、天然木や化粧シートなどで表面を仕上げた床材です。多くの住宅で使われており、価格が安く、デザインも豊富なのが特徴です。表面のつやが低下した場合は、適合するワックスで見た目が改善することもありますが、床材自体の変色や剥がれを直せるわけではありません。傷みの程度に応じて、専門業者による補修や部分交換などを検討しましょう。
フローリングの床の黒い変色・シミの補修方法
フローリングの黒い変色やシミは、カビや油汚れなど、原因に応じた方法で対処します。

カビが原因の場合
床にカビが発生した場合は、お酢やクエン酸を自己判断で使わず、床材メーカーに適した除去方法を確認しましょう。酸性の液体やアルコール、カビ取り剤によって、塗装やワックスが変色する場合があります。カビのある部分に掃除機をかけたり、乾いたブラシでこすったりせず、換気をしながら対処してください。広範囲に発生している場合や、拭き取っても繰り返す場合は、専門業者に相談しましょう。
油汚れが原因の場合
油汚れは、床材に使用できる中性洗剤を表示どおりに薄め、布に含ませて固く絞ってからやさしく拭き取りましょう。続いて、別の固く絞った布で洗剤分を拭き取り、乾拭きします。オレンジ成分の有無だけでは、床材に使える洗剤かどうかは判断できません。仕上げのワックスがけも一律に行わず、床材に適したお手入れ方法に従ってください。
白く変色している場合の補修方法
床が白くなった場合は、まず水分を拭き取り、十分に乾燥させて様子を見ましょう。ワックスに水分が入り込んだ白化であれば、乾くと目立たなくなることがあります。白さが残る場合も、床材そのものの傷みか、ワックスの白化かによって対処方法が異なります。床材メーカーやワックスメーカーに確認し、塗り直しが必要な場合は、指定された方法と製品で行いましょう。

化学反応によるフローリングの変色原因と対処法
金属との反応やゴム製品からの色移りが原因
フローリングは、金属との反応やゴム製品からの色移りによって変色することがあります。木材に含まれるタンニンなどの成分が鉄イオンと反応すると、黒く変色する場合があります。また、ゴム製品やマットの裏面に含まれる成分が床に移り、跡が残ることもあります。金属やゴムが床に直接触れ続けないようにし、下に敷く保護材も床材に適したものを選びましょう。

変色の状態に応じた補修方法
ゴムや金属による床の変色は、表面の汚れか、塗装や床材内部まで及ぶ変色かによって対処方法が変わります。まず床材メーカーや補修業者に相談し、清掃や補修、部分交換のどの方法が適しているかを確認しましょう。特に複合フローリングは表面の化粧材が薄いものがあり、紙やすりで削ると木目や表面仕上げを傷めてしまいます。無垢材でも研磨・再塗装ができるかは仕上げや傷みの状態によるため、自己判断で削って変色の深さを調べるのは避けてください。
水分吸収による変色の対処法
コーヒー・紅茶・調味料による変色
コーヒーや紅茶、調味料などを床にこぼしたら、すぐにティッシュや乾いた布で吸い取りましょう。無塗装の無垢材は液体が染み込みやすく、シミが残る場合があります。複合フローリングも、表面仕上げがあるからといって放置してよいわけではありません。水や色の付いた液体を放置するとシミや膨れが生じることがあるため、床材に合った方法で汚れと水分を取り除いてください。シミが残る場合は、変色の深さや床の状態に応じて、専門業者による研磨・再塗装や着色補修、部分交換などを検討しましょう。シミを目立たなくするために塗装で床全体の色を変えたい場合も、床材と既存の塗装に適した方法か、補修業者に相談しましょう。DIYで塗装する場合は、作業前に使える塗料と施工方法を床材メーカーへ確認してください。
ペットの尿・トイレによる変色
ペットの尿などが床に付くと、水分や尿の成分によって、塗装やワックス、床材が変色することがあります。見つけたらすぐに吸い取り、床材に水拭きができる場合は、固く絞った布で拭いたあとに乾拭きしましょう。ペット用クリーナーも、フローリングの材質や表面仕上げに使える製品を選んでください。すでに変色や臭いが残っている場合は、床材や塗装の状態に合わせた補修が必要です。剥離剤で塗装を取り除いたり、クエン酸や重曹でこすったりせず、床材メーカーや補修業者に相談しましょう。

観葉植物による変色
観葉植物の鉢の下は、水やりの水や湿気がたまり、フローリングにシミや変色が生じることがあります。鉢は水受けと通気を確保できる台などを使い、床が濡れていないか定期的に確認しましょう。マットを敷く場合も、床材に使える素材を選び、敷きっぱなしにせず水分を拭き取ることが大切です。変色が残っている場合は、床の傷みに応じて清掃や補修、部分交換などを検討してください。
紫外線による変色の対処法
紫外線で日焼けしたフローリングは、床材の種類や表面仕上げに応じて、研磨・再塗装や着色補修、部分交換などを検討します。

無垢材フローリングの場合
無垢材フローリングの日焼けやシミは、床の状態によって研磨・再塗装で目立ちにくくできる場合があります。ただし、部分的に削ると色やつやの差が目立つこともあるため、仕上がりをそろえたい場合は補修業者に相談しましょう。塗料は、もともとの塗装や床材に適したものを選びます。無垢材にはオイル仕上げだけでなくウレタン塗装の製品もあるため、浸透塗料に限る必要はありません。
複合材フローリングの場合
複合フローリングの日焼けによる色の差は、状態に応じて専門業者による着色補修や部分交換などを検討します。表面の化粧材が薄い製品では、紙やすりで削ると木目や表面仕上げを傷めるため、自己判断での研磨は避けましょう。ワックスでつやを補える場合もありますが、床材そのものの日焼けが元に戻るとは限りません。ニスや着色ワックスを使う場合も、床材の表面仕上げに適合するか事前に確認してください。
タバコのヤニや焦げ跡がついた床の補修方法
ヤニ汚れは床材に使える洗剤で拭き取る
タバコのヤニが床に付いた場合は、床材に使える洗剤を確認し、目立たない場所で試してから拭き取りましょう。アルコールなどでワックスが落ちる場合もあります。汚れが残っても、汎用の剥離剤で自己判断ではがすことは避け、床材メーカーや補修業者に相談してください。
焦げ跡は床の状態に応じて研磨や部分交換で補修する
焦げによる変色は、拭き掃除では元に戻りません。無垢材では研磨・再塗装で補修できる場合もありますが、床の状態と表面仕上げの確認が必要です。深い焦げや複合材フローリングでは研磨による対処が難しく、一部交換や補修材による対処が必要です。

補修材は傷の状態と床材に合ったものを選ぶ
フローリング補修材には、補修用のペンやクレヨン、パテなどがあります。傷や凹みの状態と床材に合ったものを使い、色や表面を整えて目立ちにくくします。フローリングの色がわからず補修材を選べない場合は、床材のメーカー名や品番を調べ、補修材の色対応表が公開されているか確認しましょう。対応表がない場合や色選びに迷う場合は、補修業者に相談してください。ただし、大きな傷は補修材できれいに仕上げるのが難しく、失敗するとかえって目立つため、補修業者に依頼するとよいでしょう。
フローリングの床を補修するときの費用相場
フローリングの補修費用は、施工方法や傷みの程度によって異なります。

| 補修方法 | 費用相場 | 条件・注意点 |
|---|---|---|
| 業者による部分補修 | 2万~3万円 | 補修面積が広い場合や傷みが深い場合は高くなる |
| フロアコーティング | 5万~25万円/30㎡ | 施工条件によっては25万円を超える。ワックスの剥離や変色部分の補修、家具の移動などは別料金の場合がある |
| フローリングの張り替え | 10万~40万円/6畳 | 一般的な複合フローリングで既存の下地を使える場合は10万~20万円が目安 |
| DIYによる補修 | 道具・材料代で数千円程度 | 必要なものは補修方法によって異なる。床材に適合する製品を選ぶ |
フロアコーティングは床の表面を保護する施工です。変色部分の補修が別途必要になる場合があり、床材によっては施工が推奨されていないため、事前にメーカーへ確認してください。業者に依頼する場合は、複数社から見積もりを取り、補修範囲や消費税、追加作業を含めた総額を比較しましょう。


賃貸物件で床が変色した場合の費用負担
日照による通常の色落ちや、建物の不具合による雨漏りで床が変色した場合、退去時の原状回復費用は原則として大家さんなどの賃貸人が負担します。一方、入居者の不注意による雨の吹き込みや、水漏れ・結露を放置して被害を広げた場合は、入居者の負担になることがあります。雨漏りや変色に気づいたら、速やかに管理会社や大家さんへ連絡しましょう。実際の費用負担は、変色の原因や対応の経緯、契約の特約を確認して判断します。

※ 参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」参考資料・原状回復条件の例
フローリング掃除の手順

ドライワイパーと掃除機でホコリを取り除く
通常のホコリや汚れを掃除するときは、まずフローリング用のドライワイパーでホコリを取り、掃除機を床の溝に沿ってかけましょう。ただし、カビのある部分には掃除機をかけず、カビの対処方法に従ってください。
乾拭きで落ちない汚れは床材に合った方法で拭き取る
乾拭きで落ちない汚れは、床材に合った方法で拭き取ります。洗剤を使う場合は、表示どおりに薄めた液を布に含ませて固く絞り、清掃後は別の固く絞った布で洗剤分を拭き取ってから乾拭きしましょう。無塗装やオイル仕上げの無垢材など、水拭きや洗剤に制限のある床はメーカーの指定に従ってください。
ワックスが必要な床は指定に従って塗り直す
ワックスがけが必要な床は、床材とワックスの指定に従って塗り直しましょう。頻度は製品や使用状況によって異なり、ワックス不要の床もあります。使用するワックスがわからない場合は、建築会社や管理会社、フローリングメーカーに確認してください。相性の悪い製品を上塗りすると、ざらつきや汚れの原因になります。自分での作業が不安な場合は、業者にワックスの種類や汚れの状態を確認してもらい、適切な処置を依頼する方法もあります。
フローリングを長持ちさせるコツ
フローリングを長持ちさせるには、傷や汚れを防ぐ日頃の対策が大切です。家具に布製のテープを貼って移動時の傷を防いだり、液体をこぼしたらすぐに拭き取ったりしましょう。

毎日のお手入れが大切
普段はホコリやゴミを取り除き、乾いた布やモップでお手入れしましょう。日差しが強い場所はカーテンなどで直射日光をやわらげると、日焼け対策になります。ワックスやフロアコーティングは床材によって適否が異なるため、使用・施工する前にメーカーの指定を確認してください。
油汚れによるシミを防ぐにはフロアマットを敷く
床の油汚れには、足の裏の皮脂や調理中の油はねなどがあります。汚れやすい場所にフロアマットを敷くと、床に直接汚れが付くのを減らせます。ただし、裏面のゴムや滑り止め成分が床に色移りすることもあるため、床材に適したマットを選びましょう。定期的にめくって、床に湿気や汚れがたまっていないか確認することも大切です。床暖房のある場所では、敷物の使用条件も確認してください。
湿気・乾燥対策をする
木製のフローリングは湿気や乾燥の影響を受けやすいため、室内の湿度を一定に保つことが長持ちにつながります。
結露によるカビを防ぐには二重サッシが有効
既存の窓の内側に内窓を取り付けて二重窓にすると、窓の断熱性が高まり、結露の軽減に役立ちます。ただし、室内の温度や湿度によっては結露が発生し、外側の窓に水滴が付く場合もあります。内窓の設置だけに頼らず、換気や除湿を行い、結露が生じたら水分を拭き取りましょう。
変色を防ぐためホットカーペットに適した断熱シートを使う
ホットカーペットの熱による床の変色を防ぐには、床材とホットカーペットの両方の取扱説明書を確認し、指定された断熱シートなどを使いましょう。専用シート以外の市販品は使用できない機種もあります。断熱シートを敷いても床への影響を完全に防げるとは限らないため、ときどきめくって床の状態を確認してください。シーツや毛布、段ボール、発泡スチロールなどを自己判断で代用するのは避けましょう。
フローリングの変色を補修する際に気を付けたいポイント
賃貸の場合は管理会社や大家さんに確認を取る
賃貸物件で床の変色やカビを見つけたら、まず写真を撮り、管理会社や大家さんに状況を伝えて補修方法を相談しましょう。賃貸人は原則として住まいを使用するために必要な修繕を行いますが、入居者の不注意や手入れ不足が原因の場合は、入居者の負担になることがあります。また、見た目の変色だけで必ず修繕が行われるとは限りません。研磨や塗装、張り替えを自分で行う前に、作業内容と費用負担を確認してください。

補修後の掃除方法にも注意する
研磨や塗装、樹脂の充填などで補修した床は、掃除方法にも注意が必要です。アルコールや強力な洗剤で塗装が剥がれたり、スチームクリーナーで樹脂が変形したりする場合があります。業者に依頼した場合は、補修箇所を傷めない掃除方法を確認しておきましょう。
変色原因を確認して再発を予防する
変色の再発を防ぐには、原因に合った対策が必要です。水分によるシミには床材に適したマットを使い、ペットの粗相にはトイレの周囲にペットシートを敷いて備えましょう。マットは定期的にめくり、水分が残っていないか確認してください。湿気によるカビが原因なら、床に直接布団を敷かず、換気や除湿を行います。原因がわからない場合は、補修を依頼する際に業者へ相談し、予防方法も確認しましょう。








