庭にスロープを設置する工事の費用は?
介護リフォームで玄関のアプローチにスロープを設置する場合、まず既存の階段や庭の舗装を撤去し、その後にスロープを施工します。
工事の手順は①外構に基礎を作る→②ブロックなどで外枠を組む→③コンクリートで傾斜を形成する→④石材やアスファルトなどで仕上げ、完成という手順です。
外構のリフォームの中では比較的シンプル工事ですが、基礎工事や左官作業が必要です。また、階段の撤去や廃材処分なども発生する場合があります。
スロープを設置する工事にかかる費用の内訳
工事費用は、スロープの材質・サイズ・傾斜によって変わります。
傾斜が急な場合は距離の長いスロープが必要になるため、費用も高くなる傾向があります。
スロープの材料にはコンクリート、レンガやタイル、石材などがあります。
リーズナブルなのはコンクリートで、平米単価は約2万円です。
主な材料はコンクリート、レンガ・タイル、石材などです。もっともリーズナブルなのはコンクリートで、平米単価は約2万円です。タイルやレンガ、石材で表面を仕上げる場合は、コンクリートの約2倍となり、平米あたり約4万円が相場です。素材ごとに耐久性やデザインが異なるため、予算や使い心地に合わせて選びましょう。
また、既存の階段などを撤去する場合は別途費用がかかります。撤去内容によって変動しますが、最低でも5万円程度は見込んでおく必要があります。
コンクリートでスロープを作る場合の費用
コンクリートのみで施工する場合、幅1m長さ5mのスロープを作ると約10万円です。
2万円/平米 × 5平米 = 10万円
これに加えて、状況に応じて撤去工事費用などが加算されます。
手すりを取り付ける場合は費用が高くなる

スロープには車椅子利用者だけでなく、足の不自由な方が庭を安心して歩けるようにするためにも、手すりを設置しておくと安心です。
手すりの相場は1mあたり約2万円、支柱は1本あたり約1.5万円です。
スロープ工事と同時に行う場合、スロープ本体に約10万円、手すり2mで約10万円かかり、合計でおよそ20万円が目安となります。
手すりがあれば、車椅子を押し上げる際の支えになるほか、途中で疲れたときに休むこともできます。また、下りでスピードが出すぎた場合でも、手すりを利用して安全に減速できます。そのため、介護リフォームでスロープを設置する際は、手すりもセットで取り付けるのがおすすめです。
設置箇所によって追加費用がかかることも
庭にスロープを設置する場合、舗装の状況や庭の形状などによっては追加費用が発生することがあります。
アプローチ部分にコンクリート舗装が施されている場合は、まずコンクリート舗装を撤去してから基礎を施工していきますので、撤去費用及び廃材の廃棄費用が約5万円程度上乗せになるでしょう。
化粧砂利が敷かれている場合は、砂利を取り除き、露出した部分に基礎工事を施すことになりますので、撤去費や処分費はまずかかりません。
ただ、スロープの設置面積や使用している化粧砂利の量次第では不要になった化粧砂利を廃棄しなければいけなくなるため、約1万円程度の撤去費用がかかることもあります。
芝生や土がむき出しの状態ならそのまま基礎工事が行えるため、追加費用はあまりかかりません。
スロープの形状で使いやすさは変わる
バリアフリー化目的でスロープを取り付ける工事を行っても、実際に車椅子で利用してみるとあまり使い勝手が良くないことがあります。
階段からスロープに変更するだけで車椅子が使いやすくなると思われることが多いのですが、実はスロープの傾斜や幅によっては1人で車椅子を利用することができません。
幅については車椅子の幅の1.5倍は最低でも用意してください。
スロープの幅が車椅子のサイズギリギリだと、スロープの途中で方向を修正しなければいけなくなり、余計に体力を消耗してしまいます。
スロープの傾斜の目安
スロープの傾斜は、角度にして「4.8度以下」、勾配にして「1/12以下」が望ましいです。
傾斜は車椅子の使い勝手に大きく影響します。
バリアフリー法や建築基準法施行令・国交省告示では、スロープの長さは段差の12倍以下が望ましいとされています。
(階段に代わり、又はこれに併設する傾斜路)
第六条 多数の者が利用する傾斜路(前条の規定により設けるものに限る。)は、次に掲げるものでなければならない。
二 勾こう配は、十二分の一を超えないこと。
出典:高齢者、障害者等が円滑に利用できるようにするために誘導すべき建築物特定施設の構造及び配置に関する基準を定める省令(平成十八年国土交通省令第百十四号)
30cmの段差解消のためにスロープを設置した場合、スロープの長さは12倍の360cm必要になります。
この場合の角度は約4.8度となり、多少腕の力に自信が無くてもほぼ問題無く車椅子で走行できるレベルの傾斜となります。
外構部分のスペースが足りず、長い距離のスロープが設置できない場合は、スロープを半分の長さにして10度にしても良いのですが、この場合は自力で昇ることが難しくなり、介護者による介助が必要です。
スロープの傾斜が大きければ登りにはより大きな力が必要となりますし、下りではスピードが出すぎてしまうため、危険性が増してしまいます。
電動車椅子なら多少の傾斜でも問題無く昇ることができますが、それでも限界はあります。
登り口や登りきった先でバランスを崩す可能性もありますし、下りでのコントロールは電動でも難しいため、スロープの傾斜はできる限り緩やかにしましょう。

玄関以外の場所にスロープを設置することもある
介護リフォームの場合、アプローチ部分ではなくリビングに向けてスロープを設置する場合もあります。
この方法の利点は、玄関内の段差を考慮する必要が無いこと、直接リビングに入ることができるため、廊下を車椅子で移動する手間がかからないことです。
また、敷地入り口からリビングまで距離を取れるため、玄関に直接スロープを繋げるより傾斜を緩く作れるため、車椅子でも1人で出入りしやすいのも利点です。
ただ、リビングまで距離がある場合や、庭があまり広くない場合は外構部分の大がかりなバリアフリー化が必要となってしまうため、費用が高く付く可能性も考えられます。
玄関からリビングまで約10mをスロープ化した場合の費用は、基礎工事などを含めて約30万円です。
これに廃材の撤去費用などの諸経費が追加で必要となります。
リビングまでのスロープは車椅子の方にとってはとても使いやすく、便利なものですが、設置費用が高くなる傾向がありますので、予算によっては玄関周りのリフォームと室内のリフォームを優先した方が良いでしょう。
介護以外にもスロープは活用できる

玄関先に段差がある場合、段差解消を目的としてスロープに作り替えることもあります。
子供が居る家庭では、ベビーカーを玄関まで持ち上げる手間がかかりますし、自転車を玄関内に駐輪している場合は重い自転車を持ち上げる手間がかかるためです。
特に子供乗せが付いた自転車の場合、通常の自転車より重いですし、重心も高いため、持ち上げとなると体力も力も使います。
スロープがあれば玄関内まで直接ベビーカーや自転車を押していくことができるため、余計な体力を使うこともありませんし、何より持ち上げる際にバランスを崩して怪我をしてしまう心配もありません。
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