DIYでできる?天井の解体
様々なリフォームをDIYで実現する方も増えています。
天井を張り替える際は、既存の壁紙や天井板を取り外す必要がありますが、天井の解体は自分でできるのでしょうか。
天井の解体作業は業者に依頼した方がいいのか、自分でもできるのか
天井の解体を行う場合、小屋裏の配管や配線処理、高所作業に伴う危険、廃材処理なども伴うものの、DIYで行うことも可能です。
ただし、DIYに向かないケースや、資格が必要な作業もあることに注意が必要です。
なお、「小屋裏」とは、屋根裏や天井裏と同じ意味合いで、総称として広く使用されている名称です。
一般的に、天井を解体する作業は、業者が大人数で行うような大掛かりな工事が想像されます。
しかしながら、小屋裏がシンプルな構造の場合は、手順や注意すべきポイントを押さえておけばDIY解体も可能です。
一方、天井を撤去すると配線や配管、断熱材に影響するケースなどでは、DIYによる天井の解体には慎重になる必要があります。
配線や配管、断熱材に損傷を与えれば、余分な工事や作業が発生することにつながります。
天井の構造
天井の解体を検討する際は、天井と小屋裏(天井裏)の構造がどうなっているかを確かめて、DIYが可能かどうかを判断しなければなりません。
そのためには、基本的な構造を理解しておくことが大切です。
天井板は、一般的に石膏ボードやプリント板など、比較的軽量なものが使用されていることが多く、「野縁」と呼ばれる格子状に組んだ木材に、隠し釘やネジで取り付けられています。
なお、プリント板は薄いベニヤ板が使われていることが多く、石膏ボードなら厚さは10mm程度が一般的です。
木造住宅では、天井板を取り付けた野縁は、小屋裏の梁に取り付けた「吊木」と呼ばれる板に固定され、吊るすような形状で設置されています。
鉄筋コンクリート(RC)造の場合も、基本的には木造住宅同様、天井板を取り付けた野縁が、上部の床スラブや梁から下がる吊ボルトなどで固定され、吊るされる形状で設置されています。
大雑把に表現すれば、天井板と野縁、吊木などを撤去するとスケルトン天井が現れることになります。
なお、天井と壁の接合部分には、「廻り縁」と呼ばれる板などが取り付けられ、つなぎ目を隠す役割を果たしていることが一般的です。
このように造られている家の天井には、小屋裏を点検できるよう、木造でもRC造でも、天井にいくつかの小さな開口部が点検口として設置されています。
小屋裏
天井上部の小屋裏には、屋根あるいは上階の床との間にスペースがあり、遮音や断熱効果をもたらすとともに、電気などの配線や上下水の配管などの敷設に利用されています。
配線としては、電気や空調、テレビ、電話、インターネット回線などが、配管としては水道管や温水器からの給水、洗面所の排水、トイレの下水などがあり、これらが天井を解体する際に障害になることもあります。
天井の解体では、特に、このような配管や配線に損傷を与えないように注意しなければなりません。
なぜなら、水漏れや電気火災、通信設備が利用できないなどの事故やトラブルにつながる恐れがあるからです。
解体作業の手順は、どの様に進められるのか
天井を解体する前に、まず、解体可能かどうか小屋裏を確認することが重要です。
1 小屋裏の確認
解体に着手する前に、点検口から、または、小さく穴を開けて確認します。
解体部分に点検口がない場合は、電動式のこぎりなどを使って30cm四方程度に穴を開け、小屋裏の状況を確認します。
照明器具等を取り外す事で確認できる場合もありす。
柱や梁、コンクリート躯体の状態、配線や配管の有無や配置、断熱材の有無などを確かめ、解体に問題がなければ、手順に沿って解体を進めます。
2 事前準備
解体を始める前には照明を取り外します。廃材や天井裏のホコリが上から落ちてくるため、荷物などを撤去したうえで養生シートなどを敷いておくと、壁や床の損傷防止になります。
住んでいる家の天井を解体する場合は、部屋の物を全部移動させてから、中古住宅を購入して改修工事する場合は、荷物を入れる前に作業を開始するよう、配慮が必要です。
3 天井の壁紙や天井板を剝がす
洋室の場合は天井の壁紙を剝がし、和室の場合はプリント天板を剝がします。
なお、石膏ボードが使われている洋室の場合は、取り付け用のネジをはずした上で取り外していきます。
また、板張りになっている和室の場合は、一枚ずつ板を取り外していきます。
基本的に、ドライバやバールなどを使いながら、手作業で進めていくことになります。
ちなみに、スケルトン天井にする場合は、野縁や吊木など梁以外の部分も取り外します。
4 廃材処理
解体作業で出た廃材やホコリなどは、法律や市区町村で定められている分別処理の方法に従って処分します。
板材や石膏ボードなどは、一般の家庭ごみでは処分できない自治体が多いでしょう。
天井の解体を業者に依頼した場合の費用は?
業者に依頼して天井を解体する費用は、小屋裏の状態や天井材の種類、解体面積などによって異なります。
このため、実際の費用は、複数の業者から見積もってもらうことをおすすめします。
しかしながら、あらかじめ目安となる費用を把握しておけば、依頼前に業者からもらう見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
目安となる1平方メートル当たりの金額
天井材の種類によっても異なるものの、1平方メートル当たり1,000~1,500円程度(8畳間で16,000円〜は安すぎ?廃棄物運搬および処理費込みですか?
養生費、消費税相当額等)が目安となります。
ただし、アスベストを含む天井の場合は、法律に基づく処理が必要なので、1平方メートル当たり数万円かかります。
なお、面積が小さいほど割高になる傾向があり、複数個所に分かれた部屋の天井を解体する場合には、単純に面積を乗じた金額よりも高めになることに注意が必要です。
また、小屋裏の配管や配線などが複雑な場合や、補修や改修が必要な場合などは、別途料金がかかるなど目安となる単価よりも割高になります。
小屋裏の状態に問題がない場合など、シンプルな解体では、目安に近い金額となります。
たとえば、玄関の天井2.7平方メートルの解体で2万5千円、歪んで落ち始めた1階8畳間の天井で12万円などです。
13畳のリビングと洗濯置き場、小さなクローゼットの天井解体では、総面積で25平方メートルですが、7万円かかった例があります。
これは、主に天井が3カ所に分かれていたため割高になった例です。
一方、スケルトン天井にするための天井の解体工事では、50平方メートルで30万円かかった例があります。
この解体では、小屋裏の配管などが複雑であったことに加え、スケルトン天井にするための改修が伴った例です。
天井の解体をする時の注意点
先にも述べましたが、天井の張替えをする際は、解体作業にとりかかる前に小屋裏を十分に確認してから始めることが大切です。
配線や配管、断熱材などに注意して解体することが重要であり、場合によっては部分的に業者に依頼することも必要です。
以下では、配線や配管などのように解体の障害となるようなものがない、シンプルな小屋裏の場合に、DIYで天井を解体する際の注意点を確認していきましょう。
高所作業の危険対策や粉じん対策
基本的に脚立の上での高所作業になるため、転倒や小屋裏からホコリや物が落下してくるなどの危険を伴います。
服装やマスク、ゴーグル着用などの注意が必要です。
ゴミ処理
天井を解体して出る廃材はかなりの量になることや、一般の家庭ごみとしては処分できないものもあることから、法律や市区町村のゴミの分別処理規則などに従って、ゴミの処理を行わなければなりません。
損傷防止
天井を解体する際には、部屋の家財などを片付けておいても、壁や床に損傷を与えてしまうことがあります。
このため、養生シートなどを設置して、損傷防止に配慮する必要があります。
作業用照明の準備
小屋裏には照明がなく、天井の解体に先立って部屋の照明は取り外すことになるため、内装工事などで使用されるクリップライトなどを準備しておきます。
補修の必要もある
経年劣化や失敗などもあるため、小屋裏の補修や改修が必要なケースもあります。
DIYでは対応できないような補修や改修は、プロに依頼することをお勧めします。
専門業者に依頼すべき作業
DIYだけでできる工事の範囲を理解して、安全に作業ができるように計画を立てることが大切です。
電気やガス、水道工事などは、資格を持っていない方が行うことは法律違反であるとともに、大変な危険をともないます。
天井を解体する前には、照明器具や冷暖房設備などの配線や配管を外しておくことになりますが、再設置は電気工事士に依頼することがおすすめです。
アスベスト製の天井は専門業者に依頼
天井に「アスベスト」が使われている場合は、DIYで解体すると危険です。
同居家族や周辺も含め、粉じんを吸い込むと呼吸困難になるなどの症状を引き起こす危険性があります。処理は、専門業者に依頼する必要があります。
マンションの場合は管理規約で制限されることも
マンションをDIYでリフォームする場合は、管理規約を確認して、制限事項ではないかどうか、理事会の承認が必要かどうかなどをチェックする必要があります。
なお、賃貸物件の場合は、事前に管理者や所有者に相談し、許可がなければ行うべきではありません。
天井の解体をDIYでするメリット・デメリット
DIYで天井を解体すれば、かかる費用を最低限に抑えることができるなどのメリットがあります。
DIYで解体するメリット・デメリットを確認しましょう。
DIYのメリット
最大のメリットは、天井の解体工事にかかる費用を最小限に抑えることができることです。
工事を依頼する場合にかかる費用は、人件費が最も大きい割合を占めることが一般的です。
このため、一部をDIYで解体する場合でも、費用を削減できることにつながります。
また、DIY好きな方には、DIYの魅力を楽しむことができるメリットもあるでしょう。
知識や経験を積み重ねることで、DIYの新たな魅力を発見することもあります。
さらに、業者に依頼する場合は、見積もりの相談から施工までに、多くの第三者が家に出入りすることになります。
DIYで解体するのであれば、このような他人の出入りを避けることができるというメリットもあります。
DIYのデメリット
デメリットとしては、小屋裏の配管や配線、断熱材などが設置されている場合に、損傷を与えてしまう恐れがあることが挙げられます。
損傷を与えてしまった場合は、補修や別の改修、取替えなどが必要になるケースも発生するため、作業が難しければ、部分的に業者に依頼することを検討する必要があります。
DIY解体に際しては、これらの設置物に注意して解体を進めなければならないほか、天井の隅に関しては、壁に傷をつけないように注意深く作業をしなければなりません。
これらの点に加え、工期や出来栄えに関するデメリットもあり、一人では難しい作業などがあることもデメリットと言えるでしょう。
DIYで解体する場合は、集中して作業できる日や時間帯などに制限があることや、準備作業や道具の準備などが必ずしもスムーズに進むとは限らないため、工期が長くなりがちです。
特に、居住しながら行う場合には、工期が長引けば、同居する家族への負担が大きくなってしまうリスクもあります。
また、知識や経験、技術力は人それぞれですから、解体した結果がすべて上手に仕上がるとは限りません。
壁や床のほか、梁や野縁、吊木などを傷つけてしまうような失敗がないとは言えません。
さらに、かなり重量のある天井や、厚みがあり幅の広い天井板を解体する場合などは、一人ではできない作業もあります。
重量が重い天井や、天井材が嵩張る場合などは、一人で解体することは危険でもあります。
このようなケースでは、ケガをするリスクもあり、DIYによる解体を途中で断念せざるを得なくなる可能性もあります。
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