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1,000万円でどこまでリノベーションできる?
一般的に、全面リフォーム・リノベーションにかかる費用はマンションで200〜900万円、戸建てで500〜2,000万円と言われています。
このため、予算を1,000万円としたリノベーションでは、全面的な工事をできない可能性があり、工事範囲を絞る必要があるでしょう。
住宅の広さや工事範囲、依頼する施工業者によってリノベーション費用は大きく異なります。
予算1,000万円のリノベーション内容を理解し、どこまで工事できるかシミュレーションしてみましょう。
>>1,000万円のスケルトンリフォームについて詳しくはコチラ
リフォームとリノベーションに、明確な定義はありません。しかし、一般的には「老朽化による改修工事」をリフォーム、リノベーションは「価値向上工事」を指します。
1,000万円のリノベーションでできること
予算1,000万円のリノベーションでは、マンション・一戸建ともに25坪(約82㎡)程度の内装を一新できるほか、キッチンや浴室などの水回り設備を入れ替えられます。
下記に、25坪の住宅のリノベーションにかかる工事費用をまとめました。
工事内容 | 費用 |
---|---|
キッチンの交換 | 100〜120万円 |
浴室の交換 | 80〜100万円 |
トイレの交換 | 15〜30万円 |
洗面所の交換 | 10〜50万円 |
クロスの張り替え | 40〜80万円 |
フローリングの張り替え | 80〜240万円 |
リビングの拡張 | 50〜300万円 |
間仕切り壁の撤去 | 10〜25万円/1箇所 |
合計 | 385〜945万円 |
上記のリノベーションでは、居室や水回り設備が一新されるため、内装部分は新築のように快適で住みやすくなるイメージです。
また、部分的な間取り変更も可能で、リビングと隣接する和室の壁を撤去し、大きなリビングに拡張する工事も行えます。
1,000万円のリノベーションでできないこと
広さのある一戸建住宅で外装工事と内装工事の双方を実施する場合、予算1,000万円に収まらない可能性があります。
40坪(約132㎡)の一戸建住宅で上記と同様のリノベーションを施した場合、費用は下記のとおりです。
工事内容 | 費用 |
---|---|
キッチンの交換 | 100〜120万円 |
浴室の交換 | 80〜100万円 |
トイレの交換 | 15〜30万円 |
洗面所の交換 | 10〜50万円 |
クロスの張り替え | 65〜130万円 |
フローリングの張り替え | 130〜390万円 |
リビングの拡張 | 50〜300万円 |
間仕切り壁の撤去 | 10〜25万円/1箇所 |
外壁塗装 | 80〜130万円 |
屋根塗装 | 60〜100万円 |
合計 | 600〜1,375万円 |
上記のとおり、外壁や屋根の塗装まで行う場合では、予算1,000万円をはるかに超えてしまうでしょう。
また、築年数が40〜50年経過している一戸建住宅も、予算1,000万円に収まらない可能性があります。
築年数が経過した一戸建住宅では、基礎や骨組み部分に問題を抱えているケースがあります。
予算1,000万円で一戸建住宅をリノベーションする場合、工事範囲を絞る必要があるでしょう。
旧耐震基準で建築された一戸建住宅は、耐震補強耐措置も必要となります。耐震診断や耐震補強については、下記の記事を参考にしましょう。
予算1,000万円でリノベーションする際のポイント
予算を抑えて1,000万円でリノベーションする場合、以下のポイントを押さえましょう。
- 設備のグレードを抑える
- 補助金や助成金を活用する
- 工事の優先順位を考える
- 相見積もりを行う
ポイント1 設備のグレードを抑える
リノベーション費用を抑えたい場合、設備のグレードを抑えましょう。
満足のいくリノベーションのために、すべての設備をハイグレードにする必要はありません。
こだわりたい設備のグレードを抑える必要はありませんが、標準グレードで満足できる設備があれば大幅にコストカットできます。
なお、設備のグレードを抑えてコストカットする際には、材料費だけでなく施工費も加味できる施工業者へ相談してみましょう。
ポイント2 補助金や助成金を活用する
リノベーション工事では、要件を満たすことで使える補助金や助成金制度があります。
2025年現在では、耐震や省エネ、バリアフリーなどの改修リフォーム工事が対象です。
補助金や助成金制度について、詳しくは当記事「リノベーションに活用できる補助金・助成金制度」で解説しています。
ポイント3 工事の優先順位を考える
リノベーション費用を抑えたい場合、工事の優先順位を考えましょう。
工事内容をリストアップし、優先順位をつけると費用のかける必要がある部分とそうでない部分が可視化されます。
キッチンにグレードの高さを求める場合、浴室やトイレは通常グレードのもの、クロスは量産壁紙を使うなどし、予算の帳尻を合わせましょう。
優先順位に沿ったリノベーション工事の実施で、費用以上の満足度が得られます。
ポイント4 相見積もりを行う
リノベーション工事を実施する場合、必ず施工業者の相見積もりを行いましょう。
相見積もりとは、複数の業者に見積りを依頼し、価格や内容を比較検討することです。
価格の透明性やサービスの質を確保できるため、工事内容の相場が理解できるメリットもあります。
相見積もりでリノベーション費用を抑えたい人は「ハピすむ見積り比較」を活用してみましょう。
一戸建て住宅における1,000万円台のリノベーション事例
一戸建住宅における、予算1,000万円前後のリノベーション事例をまとめました。
費用や期間、リノベーションに至った理由など詳しくまとめているので参考にしてみましょう。
築30年超え戸建住宅を新築同様にリノベーション
こちらの事例では、築30〜40年の中古一戸建住宅を購入しフルリノベーションしました。


昔ながらの壁向きキッチンは、人気のカウンターキッチンに生まれ変わり、木目調の下り天井を新設しモダンな雰囲気となっています。


費用 | 約1,000万円 |
工事期間 | 50日 |
面積 | 125㎡ |
施工範囲 | 水回り・内装・外構・屋根塗装・外壁塗装 |
浴室やキッチンなど経年劣化の目立つ設備を一新し、新築のように住みやすい住宅に生まれ変わりました。
アクセントクロスを上手く活用し、費用を抑えながらもお洒落な空間を実現しています。
全体的に設備のグレードを抑える代わりに、全面的なリフォームを実施し、新築同様な内装としています。
築40年の平屋をカフェ風にリノベーション


費用 | 約536万円 |
工事期間 | 40日 |
面積 | 120㎡ |
施工範囲 | 水回り・リビング・ダイニング |
上記の事例では、空き家となっていた築40年の平屋をリフォームしました。
120㎡の平屋すべてをリフォームする予算がなかったため、トイレ・キッチン・浴室など経年劣化の目立つ箇所とリビングダイニングを中心にリフォームしています。
腐蝕していた床下地(根太)も補強し、長く住み続けられる素敵な住宅となりました。
リノベーション範囲を絞り、優先順位を決めて工事しています。床下地の補強も行い、長く住み続けられる配慮もなされています。
生活動線・家事動線を意識したリノベーション
生活動線を意識した事例では、築20〜30年経過した住宅を使いやすくリノベーションしました。


施工前は壁に向いたキッチンでしたが、カウンターキッチンに交換し家族団欒を楽しめる間取りになっています。


費用 | 約1,360万円 |
工事期間 | 90日 |
面積 | 80㎡ |
施工範囲 | 水回り・内装・玄関 |
キッチンの裏にある洗面所はランドリールームに改修し、洗濯から畳むまで一括化できる空間となりました。
家事動線を一本化できる間取りに変更しています。ブラウン調の暗い内装を無垢材に変更し、明るい居室となりました。
マンションにおける1,000万円台のリノベーション事例
予算1,000万円前後でマンションをリノベーションした場合、全面的な改修が可能です。
費用や期間、リノベーションに至った理由など詳しくまとめました。
夫婦で住んでいたマンションを二世帯住宅へフルリノベーション


費用 | 約1,200万円 |
工事期間 | 60日 |
面積 | 80㎡ |
施工範囲 | フルリノベーション |
上記の事例では、夫婦で住んでいた築30〜40年のRCマンションを二世帯住宅へリノベーションしました。
独立したキッチンやそれぞれの居室を大幅改修し、二世帯住宅でも家族団欒とプライバシーのそれぞれを大切にできる空間が実現しました。
既存の間取りを解体し、新たに居室やWIC(ウォークインクローゼット)を作りました。限られたスペースでも二世帯が快適に暮らせる住宅となっています。
高級感のある内装へフルリノベーション


費用 | 約1,000万円 |
工事期間 | 45日 |
面積 | 70㎡ |
施工範囲 | トイレ・キッチン・お風呂・浴室・洗面台・壁紙・床・フローリング・洋室・階段・廊下・リビング・ダイニング |
高級感のある内装にしたいとの要望で、フルリノベーションを実施しました。
ステンレスのキッチンや、石壁タイルなど高級感のある素材を採用しています。
他にも間接照明を採用し、まるでレストランやバーのような雰囲気となりました。
高級感のある設備や素材を採用し、高級感ある内装へフルリノベーションしています。
ローン返済額は月々いくら?1,000万円の返済シミュレーション
リノベーション工事がどうしても予算1,000万円で収まらない場合、リフォームローンの利用を視野に入れてみましょう。
リフォームローンは住宅ローンと比較すると借入期間が短く、金利は高い特徴があります。
しかし、審査は比較的緩く、借入のハードルは高くありません。
下記に、500万円借入した場合の返済シミュレーションをまとめたので、確認しましょう。
借入金額 | 500万円 |
ボーナス返済 | なし |
借入期間 | 10年 |
金利 | 2.875%(変動) |
総返済額 | 5,759,040円 |
月々の返済額 | 47,992円 |
上記は借入期間10年、金利は2025年3月時点の変動金利2.875%で算出しています。
また、現在返済中の住宅ローンにリフォームローンを組み込む方法も選択肢としてあります。
リフォームローンと住宅ローンについて、詳しくは下記の記事を確認しましょう。
>>フルリフォームで使えるリフォームローンについて詳しくはコチラ
【工事部位別】リノベーション費用相場
続いて、リノベーション費用の相場を工事部位別に解説します。
予算1,000万円で工事費用が収まらない場合には、どの工事を削るべきか確認できます。
工事箇所 | 費用 |
---|---|
キッチン | 50〜150万円 |
浴室 | 50〜140万円 |
トイレ | 15〜50万円 |
洗面所 | 20〜50万円 |
リビング | 50〜300万円 |
居室 | 20〜50万円 |
和室を洋室に変更 | 35〜70万円 |
間取り変更 | 100〜300万円 |
廊下 | 20〜70万円 |
玄関 | 20〜50万円 |
断熱リフォーム(床) | 0.7〜1.8万円(㎡) |
断熱リフォーム(天井) | 0.6〜1.0万円(㎡) |
断熱リフォーム(壁) | 0.8〜2.5万円(㎡) |
外壁 | 60〜300万円 |
屋根 | 40〜230万円 |
耐震リフォーム | 30〜100万円 |
外構・エクステリア | 15〜300万円 |
予算に余裕があり、追加工事したい人も上記の費用を参考にしてみましょう。
リノベーションに活用できる補助金・助成金制度
住宅をリノベーションする際、補助金や助成金制度の活用で工事費用を抑えられるケースがあります。
補助金・助成金制度を受け取るためには、一定の要件を満たした上で申請する必要があります。
補助対象の工事や金額をまとめたので、参考にしてみましょう。
制度 | 補助金(最大) | 対象 |
---|---|---|
子育てグリーン住宅支援事業 | 60万円 | 子育て環境に配慮したリフォーム |
先進的窓リノベ2025事業 | 200万円 | 断熱性能の高い窓 |
給湯省エネ2025事業 | 20万円 | 給湯器 |
上記の補助金・助成金制度における交付申請受付期間は、遅くとも2025年11月14日としています。
予算に達し次第受付は終了となるため、活用できそうな制度はないか施工業者と相談してみましょう。
>>リフォームに活用できるその他の補助金・助成金制度はコチラ
リノベーションにおける注意点
リノベーションでは、いくつか気をつけておきたい注意点があります。
- 仮住まいが必要になる
- 築年数によって建て替えが適しているケースもある
- 追加費用も考慮しておく
注意点1 仮住まいが必要になる
リノベーション範囲が広く工期も長い場合、仮住まいが必要となるケースもあります。
仮住まいの候補として、賃貸マンションや実家、知人宅などが挙げられます。
賃貸マンションに住む場合には、家賃・敷金・礼金、仲介手数料込みでリノベーション費用とは別に数十万円の費用を見込んでおく必要があるでしょう。
注意点2 築年数によって建て替えが適しているケースもある
リノベーションしたい住宅の築年数によっては、建て替えが適しているケースもあります。
具体的には、現行の耐震基準をクリアしていないケースや、基礎における大幅な改修が必要であるケースです。
一般財団法人日本建築防災協会が発表する「おしえて!地震に強い住まいづくり」によると、耐震改修を実施した世帯の多くが100〜150万円で改修工事を行なっています。
ほかにも、日本木造住宅耐震補強事業者協同組の「木耐協 耐震診断結果調査データ」では、昭和36〜40年に建てられた住宅の耐震補強にかかった費用平均は234万円としています。
このように、築年数の経過した住宅では、耐震補強費用や改修費用がかさみ、建て替えより高額となるケースもあるでしょう。
建て替えとリノベーションの判断基準は、素人では判断が難しいため、施工業者への相談がおすすめです。
注意点3 追加費用も考慮しておく
リノベーションを行う場合、必ず追加費用がかかる可能性を考慮しておきましょう。
前述した仮住まい費用のように、リノベーションは工事費用以外の追加費用があります。
建物の状態によっては、予期せぬ改修費用が必要となる可能性もあるため、予算には余裕を持ちましょう。
【Q&A】1,000万円のリノベーションに関するよくある質問

- フルリノベーションは平均してどのくらい費用がかかりますか?
-
一般的にマンションのフルリノベーション費用は200〜900万円、戸建ては500〜2,000万円程度と言われています。
広さや建物の種類、設備のグレードによって費用は大きく異なるため、一概に平均が出せるものではありません。
マンションにおけるフルリノベーションについては、下記の記事で詳しく解説しています。
- 40坪の家をフルリノベーションするといくらかかりますか?
-
40坪の一戸建住宅をフルリノベーションすると、内装だけであれば1,200〜2,000万円、外装を含めて1,600〜2,500万円程度かかります。
建物や土地の状態によって耐震補強や基礎の補強が必要であるため、費用は一概に言えません。
- 築40年の家をリノベーションしたら何年住み続けられますか?
-
住宅の状態によって一概に言えませんが、基本的な内装リフォームのみで、築40年の家をリノベーションした場合10〜15年住み続けられます。
基礎の補強や耐震補強など、大規模な改修を行った場合には20年以上住み続けられるケースもあるでしょう。
なお、築年数が経過した住宅の場合、家や土地の状態によっては建て替えた方が安いケースもあります。
リノベーションの目的や、あと何年住み続けるかを想定し、建て替えかリノベーションかを決めましょう。
リノベーション・フルリフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
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