防火窓の設置基準と費用相場は?種類や補助金制度も解説

リフォーム記事「防火窓の設置基準と費用相場は?種類や補助金制度も解説」のアイキャッチ画像。防火窓のカタログを持つ女性と、補助金決定通知書を持つ男性のイラスト。緑と黄色を基調としたデザインで、「補助金でお得に設置!?」というメリットを強調している。

うちの地域は防火窓が必要?
防火地域・準防火地域にお住まいの方、延焼ラインの確認方法がわからない方へ。
設置義務の判定基準、網入りと耐熱強化ガラスの選び方、20〜40万円の費用相場、活用できる補助金制度まで、初めての方でも理解できるよう丁寧に解説します。

2026年02月13日更新

監修記事
リフォーム費用すぐわかる!

防火窓とは?

防火窓とは、火災時に延焼を防ぐために一定以上の性能(遮炎性能)をもつ窓のことをいいます。防火窓は建築基準法に基づく防火設備として認定されており、火災時の熱によってガラス面が高温になった場合でも、一般的な窓よりも割れにくいのが特徴です。

国が決めている技術的な基準を満たし、国土交通大臣の認定を受けた商品などが「防火窓」「防火サッシ」として認定されています。この防火認定を受けた窓は、防火窓の設置義務がある建物や遮炎性能を向上させたい建物に採用されています。

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防火窓の種類

防火窓は、採用するガラスの種類によって大きく2種類に分けられます。

網入りガラスと耐熱強化ガラスの比較インフォグラフィック。左側に「網入りガラス」、右側に「耐熱強化ガラス」の見出しと、それぞれのガラスの立体的なイラスト、特徴を示すピクトグラムと説明文が並んでいる。
網入りガラスの特徴:ガラス板の中に格子状の金網が描かれている。説明は、格子状の金網入り(格子のピクトグラム)、破片飛散防止◎(割れたガラスとチェックマークのピクトグラム)、直射日光で割れるリスクあり(太陽と割れたガラス、×印のピクトグラム)、見た目に金網が見える(格子の窓のピクトグラム)。
耐熱強化ガラスの特徴:透明なガラス板が描かれている。説明は、金網なし(透明な窓のピクトグラム)、破片が細かく割れる(細かく砕けたガラスのピクトグラム)、結露しにくい(窓と温度計のピクトグラム)、建物の美観を保てる(ビルのピクトグラム)。
全体は影のないフラットなアイソタイプデザインで、背景色は薄いグレー、文字は濃いグレー、アクセントカラーは緑色。
網入りガラスと耐熱強化ガラスの比較

それぞれの特徴を理解して、建物に最適な防火ガラスの種類を検討してみましょう。

【種類1】網入りガラス

網入りガラスの防火窓は、ガラス内側に格子状の金網が封入されているのが特徴があります。ガラスの内側に金網が入っていることで、火災時に割れたガラスの破片が飛散しにくく、破片でケガを負うなどの二次被害が起きるリスクを軽減できます。

ただし、夏の直射日光などが原因で窓ガラス内側の金網が高温となり、窓ガラスが自然に割れてしまう場合もある点に注意が必要です。網入りガラスのメリットは破片飛散防止効果ですが、デメリットとして熱割れリスクがある点を理解しておきましょう。

網入りガラスの防火窓を設置する際は、直射日光などで窓ガラスが割れるおそれはないかなど、設置場所などについて業者に相談しておくのがおすすめです。

【種類2】耐熱強化ガラス

耐熱強化ガラスの防火窓は、遮熱性や耐熱性にすぐれたガラスが採用されているという特徴があります。耐熱ガラスの性能は、網入りガラスと同等以上の防火性を持ちながら、見た目がすっきりしているため、建物の美観を保ちたい場合に適しています。

また、耐熱強化ガラスには、火災や窓に衝撃が加わった際に細かくひび割れるという特徴もあります。そのため、窓ガラスが割れてしまった場合でも、によるケガのリスクを低減できます。

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防火窓の設置基準

防火窓の設置が必要なのは、防火地域・準防火地域に建物があるなどの基準に当てはまる場合です。

「防火窓が必要な4つのチェックポイント」と題したインフォグラフィック。防火窓の設置が必要となる4つの条件が、ピクトグラムとテキストで分かりやすく解説されている。内容は以下の通り。1. 防火地域・準防火地域にある、2. 耐火建築物・準耐火建築物に該当、3. 隣地境界線から規定距離内に窓がある(1階は3m以内、2階以上は5m以内)、4. 自治体独自の条件に該当。それぞれの項目にチェックマークと確認の質問が添えられている。全体は白背景に黒と緑のアクセントカラーを用いたフラットなデザイン。
防火窓が必要な4つのチェックポイント

防火窓の設置基準を理解して、建物や部屋の安全性を防火窓で確保しましょう。

【基準1】防火地域・準防火地域に建物がある

建築基準法の第61条で、防火地域・準防火地域内にある建物は、防火窓の設置などで延焼を防止することと定められています。防火地域・準防火地域とは、火災の発生や被害の拡大を防ぐために、都市計画法で一定の建築基準などが定められている地域のことをいいます。

自治体の都市計画課問い合わせるなどして、リフォームを計画している建物が防火窓の設置の必要な防火地域・準防火地域であるかを確かめてみましょう。

防火地域・準防火地域を確認する方法
  • 自治体の都市計画課や建築指導課で聞く
  • 自治体のホームページで確認する

参考元:防火地域及び準防火地域内の建築物(e-Gov法令検索)

【基準2】耐火建築物または準耐火建築物に該当する

リフォームなどを検討している建物が、耐火建築物または準耐火建築物に該当する場合、防火窓の設置が必要です。耐火建築物や準耐火建築物とは、火災による倒壊や延焼を防ぐ一定以上の基準が満たされている建物のことをいい、建築基準法で守るべき基準が決められています。

「耐火建築物・準耐火建築物の判定基準」と題したフローチャート形式のインフォグラフィック。左から右へ情報が流れる構成で、上段は「防火地域内」、下段は「準防火地域内」の判定基準を示している。

上段:左端の「防火地域内」ボックス(炎と街並みのピクトグラム)から矢印が右へ伸び、「条件判定」と書かれた六角形のボックスに繋がる。六角形の中には、「3階以上」(3階建てビルのピクトグラム)または「延べ面積100㎡以上」(L字型の平面図ピクトグラム)という条件が記載されている。この条件に「該当」する場合の矢印が右へ伸び、右端の「耐火建築物」ボックス(盾と炎とビルのピクトグラム)に至る。

下段:左端の「準防火地域内」ボックス(炎と街並みのピクトグラム)から矢印が右へ伸び、「条件判定」六角形ボックスに繋がる。六角形の中には、「4階以上」(4階建てビルのピクトグラム)または「延べ床面積1,500㎡以上」(大きなL字型平面図ピクトグラム)という条件が記載されている。この条件に「該当」する場合の矢印が右へ伸び、上段と同じ右端の「耐火建築物」ボックスに至る。

さらに、左端の「防火地域内」「準防火地域内」の両ボックスから下方向へ分岐する矢印があり、「それ以外の規模」というラベルを経て、最下部の「準耐火建築物の可能性」ボックス(盾とビルのピクトグラム)に繋がっている。

全体は白背景に黒と黄緑色のアクセントカラーを用いた、影のないフラットなデザインで、文字にはサンセリフ体が使用されている。
耐火建築物・準耐火建築物の判定基準

防火地域内にある建物で、耐火建築物としなければならないのは、階数が3階以上、または延べ面積が100平方メートル以上の建物です。一方、準防火地域内で耐火建築物とすべきなのは、階数が4階以上、または延べ床面積が1,500平方メートル以上の建物です。

耐火建築物・準耐火建築物は、どちらも防火窓の設置が必要となるため、建築基準法の基準にそった商品を選びましょう。

【基準3】隣地境界線などから規定の距離に窓がある

隣地境界線や道路の中心線から、規定の距離内(延焼ライン)に建物の窓がある場合、防火窓の設置が必要です。

隣地境界線および道路中心線からの距離に基づき、建物の1階と2階以上における延焼ラインの範囲を図示したインフォグラフィック。1階では境界線から3m以内、2階以上では5m以内が延焼ライン(薄緑色の領域)となり、この範囲内にある窓には防火窓が必要であることが火のアイコンと共に示されている。範囲外の窓には「防火窓は不要(※他の条件による)」と記されている。下部には「結論:この範囲内(延焼ライン)に窓がある場合は防火窓が必要」というまとめのテキストとチェックマークがある。背景は薄いグレーで、全体的にフラットなデザイン。
延焼ライン

規定の距離内とは、隣地境界線や道路の中心線から1階は3メートル以下、2階以上は5メートル以下の部分をいいます。隣家や道路との距離が近い場合、火災の被害が拡大するリスクも高いため、防火窓の設置で安全性を向上させましょう。

【基準4】自治体が独自に定める条件に該当する

都市計画法で定められている防火地域・準防火地域など以外にも、自治体が独自に定める条件に該当する場合は、防火窓の設置が必要になるかもしれません。準防火地域でのリフォームを計画する際は、自治体の窓の制限事項を事前に確認しておくことが重要です。

たとえば、東京都では、知事が指定する災害時の危険性の高い地域について、建物の耐火性を強化することと定められています。また、東京都知事が指定する区域では、原則として準耐火建築物以上の仕様が求められます。

このような自治体ごとに定められている規定に当てはまる場合は、防火窓の設置が必要となるでしょう。

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防火窓の設置にかかる費用

防火窓の設置にかかる費用は、20万〜40万円が目安です。防火窓の価格は、一般的な窓に比べて1.5〜2倍程度高くなりますが、防火性能という付加価値を考えると妥当な価格差といえるでしょう。

ただし、防火窓のサイズや開き勝手などによって、商品価格が大きく変動します。たとえば、YKK APの「防火窓Gシリーズ」では、窓の大きさによって約14万円の差が生じています。

YKK AP防火窓Gシリーズの窓サイズ別価格比較を示すインフォグラフィック。背景は薄いグレーの方眼紙模様。左上から右下に向かって階段状に、小窓、中窓、大窓の情報が配置されている。

左上の「小窓 (600×700mm)」のセクションには、小さな正方形の窓のピクトグラムがあり、その下に緑色のタグアイコンとともに「約15.8万円」、「YKK AP 防火窓Gシリーズ」と記載されている。
そこから右下の「中窓 (1,650×1,300mm)」のセクションへ矢印が伸び、中くらいの引き違い窓のピクトグラムと、緑色のタグアイコン、「約19万円」、「YKK AP 防火窓Gシリーズ」の文字がある。
さらに右下の「大窓 (1,650×2,200mm)」のセクションへ矢印が伸び、大きな掃き出し窓のピクトグラムと、緑色のタグアイコン、「約29.4万円」、「YKK AP 防火窓Gシリーズ」と記載されている。
窓の枠とタグ、矢印はアクセントカラーの黄緑色で統一されている。
窓サイズ別の防火窓価格(YKK AP防火窓Gシリーズ

小窓から大窓まで、窓サイズによって価格が約15.8万円から約29.4万円まで変動します。

また、防火窓の設置にかかる具体的な金額は、工事を依頼する業者によって変動します。おおまかなリフォーム予算を把握するためにも、早い段階で専門業者に現地調査を依頼しましょう。

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防火窓を設置する際に活用できる補助金・助成金制度

防火窓を設置する際には、先進的窓リノベ事業などの補助金・助成金制度が活用できる場合もあります。防火窓の補助金は、省エネ性能を併せ持つ商品を選ぶことで対象となるケースが多いため、事前に確認しておきましょう。

主な補助金・助成金制度としては、以下のようなものがあります。

防火窓を設置する際に活用できる補助金・助成金制度

ただし、補助金・助成金制度によって交付条件や対象となるリフォームの内容などが決められています。そのため、防火窓の設置で補助金・助成金制度を活用したい場合は、あらかじめ制度ごとの交付条件などを確かめておきましょう。

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防火窓を設置する際の注意点

防火窓選びで失敗しないための4つのチェックポイントを、番号付きのパネルで解説したインフォグラフィック。
左上の「1. 国の基準を満たしているか」には、認定証とビルのイラスト、そして「国土交通大臣認定品を選びましょう。」というテキストがある。
右上の「2. 断熱性は十分か」には、結露した窓にバツ印、断熱性の高い窓にチェック印と温度計のイラスト、「結露対策も考慮して快適に。」というテキストがある。
左下の「3. 建物の美観を損ねないか」には、網入りガラスと透明な耐熱強化ガラスの比較イラスト、「網入り?耐熱強化ガラス?選択肢を検討。」というテキストがある。
右下の「4. 防火シャッターの方が適していないか」には、防火シャッターと窓のイラスト、「大きい窓の場合はシャッターも検討。」というテキストがある。
全体は白背景に黒と緑のアクセントカラーを用いた、フラットなデザイン。
防火窓選びで失敗しない4つのチェックポイント

防火窓を設置する際には、断熱性とのバランスが最適かなどの点に注意しなければいけません。防火窓を設置する際の注意点について学び「断熱性が低くなり、結露が起きやすくなった」などのトラブルを回避しましょう。

【注意点1】国などが定める基準を満たしているか

建築基準法で決められている建物の耐火性などの基準をクリアするには、設置する防火窓が国や国土交通大臣の定める基準を満たしている必要があります。防火設備として認められるためには、以下の条件を満たす防火サッシを選ぶことが重要です。

採用すべき防火窓の仕様
  • 国が政令で定める技術的基準に適合している
  • 国土交通大臣の認定を受けている

なお、国などが定める基準を満たさない防火窓は、火災の拡大や延焼を防げないおそれもあります。また、建築確認申請などの自治体や検査機関の手続きの際に、建築基準法の基準を満たさないとして、工事の許可がおりないかもしれません。

そのため、建物に設置する防火窓を選ぶ際には、国などが定める基準を満たしているかについても確かめておきましょう。

【注意点2】断熱性とのバランスが最適か

防火窓を設置した後で「断熱性の低さで結露が発生しやすくなった」という失敗などが起きないように、断熱性とのバランスもチェックしておかなければいけません。

たとえば、YKK APの防火窓であるAPW430は、断熱性と防火性がどちらも高い商品です。

APW430は、断熱性の高い樹脂フレームとトリプルガラスを採用しているため、結露を防ぐ効果も期待できます。

このような断熱性能を持つ防火窓を選ぶことで、省エネ効果も得られ、光熱費の削減にもつながるでしょう。防火窓を設置する際は、このように商品ごとの断熱性についてもチェックして、結露などのトラブルを予防しましょう。

【注意点3】建物の美観を損ねないか

防火窓の網入りガラスは、建物の外観の印象を変えてしまうおそれもあるため、あらかじめ建物の美観を損ねないか検討しておくことが大切です。

防火窓には、窓ガラスの内側に金網が入っていない「耐熱強化ガラス」を使った商品もあります。このような網なしの防火ガラスは、建物の外観をすっきりと保てるため、デザイン性を重視する方に適しています。そのため、もし「建物のデザイン性を維持したい」という希望がある場合は、網なしタイプの耐熱強化ガラスを使った防火窓の採用も検討してみましょう。

【注意点4】防火シャッターの設置に適した場所か

ベランダなどのサイズが大きい窓には、防火シャッターの設置が適している場合もあるため、防火窓の設置とあわせて検討してみましょう。

防火シャッターは、遮炎性能が高く、一般的なシャッターよりも厚みがあるのも特徴です。そのため、防火シャッターを設置することで、火災時に炎を閉じ込め、火災の拡大や延焼を防ぐ効果が期待できます。

また、防火シャッターの費用はサイズや仕様によって異なりますが、大きな窓に防火窓を設置するよりもコストを抑えられる場合もあります。もし防火窓の設置を検討しているなら、建物の防火性などにくわしい業者に、防火窓と防火シャッターのどちらを設置すべきか相談してみましょう。

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【Q&A】防火窓の設置に関するよくある質問

防火窓を設置するメリット・デメリットは?

防火窓の設置にはさまざまなメリット・デメリットがあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

防火窓のメリットとデメリットをピクトグラムで比較したインフォグラフィック。
上段は「メリット」で、緑色の盾と家のアイコン。「延焼被害を軽減」は燃える家のピクトグラムとチェックマーク。「ガラス飛散を防止」は割れたガラスとハンマーのピクトグラムとチェックマーク。
下段は「デメリット」で、窓に×印と金袋のアイコン。「一般窓より費用が高い」は金袋と上昇矢印のピクトグラムと×印。「デザイン性が低下する場合あり」は網入りガラスと透明ガラスの比較ピクトグラムと×印。
全体は白背景で、メリットは緑色、デメリットはグレーと赤色で色分けされている。影のないフラットデザイン。
防火窓のメリット・デメリット一覧

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】ハピすむ編集部 編集長

株式会社エス・エム・エス

ハピすむ編集部 編集長

リフォーム営業18年。大手リフォーム会社出身のプロ。
数千件の住まいとお客様に出会い、現場を知り尽くした実務経験者。 ユーザー様が後悔しないよう、長年の経験に裏打ちされた「正確」で「損をしない」情報発信を徹底しています。

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