2024年07月13日更新

監修記事

窓を塞ぐリフォームの方法とは?DIYや費用を抑えるポイントを解説

近隣の視線が気になる場合や、冬場の窓からくる冷気にうんざりしている人には、窓を塞ぐリフォームがおすすめです。窓を塞げば、自分だけの快適な空間を手に入れられます。そこでこの記事では、窓を塞ぐ具体的なリフォームの方法や費用などについて解説します。DIYで簡単に窓を塞ぐ方法も紹介するので、快適なお部屋づくりにチャレンジしましょう!

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窓を塞ぐ具体的なリフォームの方法

窓を塞ぐ方法について、それぞれ特徴を解説していきます。

【方法1】窓を撤去し、開口部を塞ぐ

これは既存の窓を枠ごと撤去し、開口部に下地を組んだあと、屋内外を外壁や石膏ボードなどで塞ぐリフォームの方法です。

ほかの方法と比べて、もっとも大がかりな窓の塞ぎ方になります。この方法のメリット・デメリットは以下の通りです。

  • メリット:きれいに仕上がる
  • デメリット:既存の外壁や内装材を手配する必要がある

このようにきれいに仕上がる一方で、撤去後の開口部を塞ぐために「既存の外壁や内装材を手配する必要がある」という点に注意しなければいけません。

専門業者でなければ、既存と同じ外壁や内装材を購入するのは難しいので、リフォームの際には新築を担当してくれた工務店やハウスメーカーに相談しましょう。

【方法2】シャッターを新設する

外壁側のリフォームで、塞ぎたい窓を覆うようにシャッターを設置する方法です。
既存の窓は撤去せずにそのまま残すため、工期が比較的かからず、費用が抑えやすい方法になります。
シャッターを新設する場合は、リフォーム業者などに施工依頼をします。その際、既存のシャッターとメーカーや色がそろえられると、外観の仕上がりが良くなるので、商品名や品番を確かめて専門業者に伝えましょう。

【方法3】外付けルーバーや格子の新設

外付けルーバーや格子を新設すれば、窓を見えない状態にできます。YKK APなどのメーカーで販売しており、リフォームのプロに依頼すれば数時間で取り付けが可能です。(2階以上の場合は数日かかる場合もあります)

また、外付けルーバーや格子をつけても、引き違い窓であれば換気ができるのが魅力。たとえば、浴室の窓を塞ぎたいという場合、外からの視線は気にならなくなるのがメリットですが、換気ができないのがデメリットです。

しかし、外付けルーバーや格子なら、完全に窓を塞ぐわけではないので換気ができます。なかには、羽の角度を調整できる「可動式ルーバー」という商品もあるので、新設したい窓にあわせて商品を選びましょう。

【方法4】室内側に木製の扉を取り付ける

木製の扉で窓を覆い、室内側から見えない状態にする方法もあります。幅・高さともに2m以上あるような大きい窓では対応が難しいですが、小窓であれば対応が可能です。

上記写真のような、上に引き上げて開けるタイプや、観音開きにできるタイプなど、さまざまな扉が販売されています。

ネットショップでも多く販売されているので、壁に下地が入っていれば、DIYでも設置ができます。ただし湿気がたまって結露を起こすおそれもあるので、リフォームのプロに相談した後で設置するのがおすすめです。

【方法5】室内側をボードなどで塞ぐ

窓はそのまま残し、室内側をボードなどで塞ぐ方法もあります。

これは、窓ガラスからの結露対策として、断熱処理をした後に、ボードで壁を作り、内装仕上げをする方法です。

窓枠を隠すように大きなボードを使うと、床から天井まで継ぎ目なしの壁に仕上げることができます

ただし適切な断熱処理をしないと、逆に結露を起こしやすくなるので注意しなければいけません。DIYでできる方法ではありますが、専門業者に相談してみることをおすすめします。

リフォームで窓を塞ぐメリット

リフォームで窓を塞ぐ4つのメリットをご紹介します。

【メリット1】断熱性・防音性が向上する

窓を塞いで外壁にすると、熱が出入りする量を減らせるため、断熱性が向上します。外壁の方が窓よりも熱を通しにくいからです。

上の画像でわかるように、暖房してあたためた空気のうち、58%は窓から逃げていきます。その一方、夏の暑い空気は、73%が窓から入ってくるものです。

窓に比べると、壁の場合は気密性が高く、冬は外の冷気、夏は暑い日差しを遮断する効果が、圧倒的に高くなります。これにより、冷暖房費の節約にも期待できます。

また、気密性が増すことにより防音にも効果的です。具体的には、外からの騒音は聞こえにくくなり、建物内の音も外に漏れにくくなります。

【メリット2】プライバシーを確保できる

外からの視線が遮断されるので、プライバシーを確保した生活がおくれるようになります。

たとえば、以下のような場合に「外からの視線が気になる」と不安を抱える方が多いです。

  • 隣の家と同じ位置に窓がある
  • 窓が人通りの多い道路に向いている
  • 近隣の建て替えで視線が気になるようになった

このような状態で生活していると、窓が開けられないなど不満を抱え続けることになります。

しかし、窓を塞げばプライバシーを確保できるので、不満を抱えて生活する必要がありません。

【メリット3】防犯面の対策

泥棒の侵入経路になりやすい窓を防ぐことで、防犯面の対策にもなります。

令和5年に起きた「住宅へ侵入された事件」のうち、侵入経路としてもっとも多かったのが窓。全体の55.2%が、窓からの侵入で起きた事件でした。

特に人通りから見えにくい場所にある窓、植栽やバルコニーなどで、人がいることに気付きにくい窓は狙われやすく、窓を塞ぐリフォームを検討してみても良いでしょう。

また、防犯面で不安があるなら、防犯カメラを設置するなど「防犯リフォーム」を検討するのもおすすめです。

>>防犯リフォームの方法はこちらでチェック!

【メリット4】自由に家具をレイアウトできる

窓があることで置けなかった大きな家具や、紫外線からの日焼けが心配で、窓の近くに置けなかった本棚はありませんか?

窓がある場所を壁にすれば、自由に家具をレイアウトできるので、もっとインテリアを楽しめます。

「季節にあわせて模様替えをしたい」など、自分らしいお部屋作りを楽しみたいなら、窓を塞ぐリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

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リフォームで窓を塞ぐデメリット

リフォームで窓を塞ぐデメリットには、どのようなことがあるのでしょうか?
窓を塞ぐリフォームを検討する前に確認をおすすめします。

【デメリット1】部屋が暗くなる

一番わかりやすいデメリットは、部屋が暗くなることです。これは、窓からの採光がなくなってしまうためです。

トイレや水回りなどは、窓がない場合でも、照明を付けて使用することに比較的慣れていますが、居室やホールなどの場合は、部屋が暗いと不便に感じます。

窓を塞いだ空間に、ほかに明かりとりがない場合は、照明器具での明かりが必要になります。

【デメリット2】風通しが悪くなる

窓がなくなり、風通しが悪くなります。

風は向かい合う窓や、窓から対面のドアに向かって流れますが、一方が塞がれると、風の通り道がなくなるためです。

もともと窓のない空間の場合は、建築基準法で換気システムが義務付けられています。

窓を塞ぐ場所に、他に窓がない場合は、部屋の換気をどうするか検討する必要があります。

【デメリット3】部屋に臭いが残りやすくなる

窓を塞ぐと、部屋に臭いが残りやすくなります。これは、窓を塞いで風通しが悪くなり、換気機能が低下するためです。

キッチンやトイレなどは、換気扇を付けていても、臭いがなかなか消えない、臭いがつきやすい場合もあります。

特に、窓がないと空気が循環しないため、同じ空気が部屋の中に残り、空気がこもりがちになるかもしれません。

【デメリット4】結露やカビが発生しやすくなる

窓を塞ぐ際、適切な断熱処理を行わないと、結露やカビが発生しやすくなります。それは、窓を塞ぐと、風の通り道がなくなり、湿気がこもってしまうためです。

ただ、結露やカビは、対策をしておけば発生を防ぐことが可能。具体的な対策は「壁の断熱性を上げること」です。

たとえば、断熱効果のあるスタイロフォームを使うことで、断熱性の向上が期待できます。断熱性が向上すれば、結露が発生する原因となる「温度差」をなくせるので、結露の発生を防げます。

結露を防げればカビの発生も抑制できるので、カビ対策にも有効です。窓を塞いだ後に「塞がなければよかった」と後悔しないように、結露・カビへの対策をしっかり検討しておきましょう。

窓を塞ぐリフォームの費用相場

窓を塞ぐリフォームの費用相場を、解説します。
ここでは、先に挙げた5種類の工程ごとにわけていますので、リフォームの参考にしてください。

工事内容費用相場
(1階)
※1箇所あたりの費用
費用相場
(2階)
※1箇所あたりの費用
窓を撤去し、開口部を塞ぐ10~20万20〜30万円
※部分足場の費用を含む
シャッターを新設
(既存窓はそのまま)
10万〜20万円〜
※部分足場の費用を含む
外付けルーバーや格子の新設10万〜20万円〜
※部分足場の費用を含む
室内側に木製の扉を取り付ける10万〜10万円〜
室内側をボードなどで塞ぐ
(既存窓はそのまま)
5〜10万円5〜10万円

窓を塞ぐリフォームでは、上記の費用以外に「既存窓の処分費」別途費用がかかる場合がある点に注意しましょう!

この5つの工事はすべて、窓が大きければ工事面積が広がるため、費用が増えます。

また、各工事で窓を塞ぐために、どのような材料や部品を使うのかによっても見積もり金額が変わるため、見積内容をしっかり確認しましょう。

とくに、以下に当てはまる場合は、費用が相場よりも高くなるおそれがあるので注意しなければいけません。

  • 外壁材にタイルなど高価な素材を使っている
  • 壁の内側に断熱材を入れる

リフォームのプロに見積もりを依頼し、これらの内容をチェックしてもらった後で、窓を塞ぐ方法を検討しましょう。

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窓を塞ぐリフォームの費用を抑えるポイント

窓を塞ぐリフォームの費用を抑えるためにはどのようなポイントがあるでしょうか。
ここでは、3つのポイントをご紹介します。

【ポイント1】複数の業者から相見積もりをとる

複数の業者から見積もりをとることを、おすすめします。これは、窓を塞ぐリフォームは、選べる工事の種類が多いという理由からです。

さらに、同じ工事でも、使う部品や工事工程で見積もりが異なる場合があります。

「見積もりをとってみたが、何が正解かわからない」というお悩みを聞くこともあります。

見積もりの不明点が解消できる業者の中で、費用の比較ができると、納得した工事内容で費用を抑えることが可能です。

【ポイント2】外壁塗装の時期に検討する

窓を塞ぐリフォームの費用は?

外装塗装の時期にあわせて、窓を塞ぐリフォームを検討すると、費用が抑えやすくなります。
これは、外壁塗装のための足場があるため、2階の窓を撤去したり、複数の窓を塞いだり、1回の工事の度に足場を組むよりも、費用が抑えられるためです。

足場代は10万円前後が相場とされており、費用の違いは大きくなります。

また、窓を塞いだ開口部に外壁を埋める場合、全体に外壁塗装をするタイミングを選ぶことで、色褪せなどの差がわかりにくくなるメリットもあります。

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【ポイント3】DIYで窓を塞ぐ

DIYで窓を塞ぐと、費用を抑えることができます。これは、主に業者への見積もりや支払いが不要なためです。

DIYは自分で材料をそろえたり、慣れない作業での大変さはありますが、自由度の高いところがメリットです。

また、簡易的なDIYであれば、取り外しが可能たなめ、冬のあいだの寒さ対策として、窓を塞いでみて、温かい季節になったら外せるメリットもあります。

このように、DIYで窓を塞ぐことで、費用を材料代だけに抑えることができます。

DIYで簡単に窓を塞ぐ方法

DIYで窓を塞ぐ方法はあるのでしょうか?

窓を撤去するなど大がかりな工事はできませんが、お部屋の中から、簡単にできる方法を2つご紹介します。

ただし、窓を塞ぐデメリットをすべて回避するためには、業者に依頼をして窓を撤去するリフォームが最適です。

これは、窓を塞ぐ際に、正しい断熱処理を行わないと結露やカビの原因になるためです。

また、塞ぎ方によっては窓ガラスが割れてしまうリスクもあり、十分な注意が必要になります。

DIYで窓を塞ぐ前に、まずは見積もりを取得することをおすすめします。

>>窓を塞ぐリフォームのお見積もりはこちらから

【方法1】窓枠に発泡スチロールをはめ込む

窓枠に発泡スチロールをはめ込んで、窓を塞ぐことができます。

具体的には、ホームセンターなどで厚み1cm程度の、板状の発泡スチロールや、スタイロフォームを購入します。窓の木枠と同じ大きさにカットして、はめ込むことで窓を塞ぐことが可能です。

特に寒い季節の断熱対策に有効で、簡単に取り外しができるメリットもあります。

【方法2】ガラス面に断熱シートを貼る

窓のガラス面に断熱シートを貼ると、窓を塞ぐ効果が得られます。

断熱シートにはさまざまな種類があり、遮熱の他に、遮光、防音、UV、目隠しの効果がある商品もあります。

たとえば、窓を塞ぎたい理由が「窓からの紫外線での家具の日焼け防止」であれば、UV効果のある断熱シートを貼るDIYで、簡単に解決することも可能です。

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リフォームで窓を塞ぐ際の注意点

リフォームで窓を塞ぐ場合は、どのようなことに注意したらよいのでしょうか?
ここでは、4つの注意点をご紹介します。

【注意点1】既存外壁を手配できない場合がある

窓を撤去するリフォームの場合、既存の外壁と同じものを手配できない場合があります。

手配できない主な理由は「外壁メーカーで外壁の販売が終了となっているため」です。定期的に商品をリニューアルするため、年数が経っていると、同じ外壁が入手できない可能性があります。

とくに「築年数が30年以上経っている」という場合は、同じ外壁を購入できるかを、新築時のハウスメーカーや工務店に聞いてみましょう。

同じ外壁が購入できない場合は、他のリフォーム手段を考える必要があります。

【注意点2】窓を塞ぐ以外にも費用がかかる

窓を塞ぐ際には、隙間を塞ぐなどの「補修」にも費用がかかります。

外壁では、既存壁と新しい壁のあいだに、雨漏りを防ぐための「雨仕舞い」が必要です。

また、室内では開口部を埋めた壁と、既存壁との色の違いをなくすために、壁全体の再塗装や、クロスの張り替えをすることもあります。

壁全体の再塗装や、クロスの張り替えにかかる費用の目安は、以下の通りです。

費用相場(6畳を想定)
※諸経費は含まない
漆喰の再塗装8万円〜
クロスの張り替え4万円〜

このように、窓を塞ぐ以外にも、補修に費用がかかります。見積もりの際に、どの項目に費用がかかっているかを確認しましょう。

>>リビングのリフォーム費用はこちら!

【注意点3】窓ガラスが割れる可能性がある

窓に断熱シートを貼る場合、種類にあわせた適切な選択をしないと窓ガラスが割れる可能性があります。

これは「熱われ」といって、温度差によりガラスの中にあるワイヤーや空気が膨張して、割れることがあるためです。

窓ガラスの種類によっては、断熱シートが向かないものもあるため、窓ガラスの種類を確認し、ガラスに適した断熱シートを選びましょう。

【注意点4】法律違反になるおそれがある

建築基準法で、居室の場合「床面積に対して、1/20の有効な開口を確保する」という決まりがあるため、窓を塞ぐと法律違反になるおそれがあります。

また、居室ではない部屋にも、壁や天井に使うべき建材が法律で決められています。たとえば「窓がない場合は、不燃性の建材を使う」など、内装や構造に関する内容です。

法律に違反するリフォーム内容であるかは、建築士などの資格をもつプロの判断が必須です。リフォームの検討段階で、プロに相談して、法律違反とならないように注意しましょう。

【Q&A】窓を塞ぐリフォームに関するよくある質問

「窓を塞ぐ」と「窓を埋める」って何がちがうの?

一般的に「窓を塞ぐ」はDIYを含め、あらゆる方法で、窓があるデメリットを解決することをいいます。

一方「窓を埋める」は、窓を撤去して壁にすることをいいます。

実際はどっちでもいい?

業者によっては「窓を塞ぐ」と「窓を埋める」を同義語として使っているケースもあるため、明確な使い分けはないと考えてよいでしょう。

窓の「埋め殺し」や「はめ殺し」ってどういう意味?

どちらも「開閉しない採光用の窓」を意味しています。

昨今、窓メーカーから販売されている開閉しない採光用の窓は、「埋め殺し」や「はめ殺し」ではなく、「FIX窓」と表現されています。

賃貸で窓を塞ぐにはどうしたらいいの?

大がかりなリフォームをしたい場合は大家さんに確認をしましょう。賃貸の場合、退去時に原状回復を求められることが多いためです。

大家さんの許可が下りない場合は、取り外し可能なパネルを使ったり、断熱シートを貼ったり、原状回復の可能なDIYにとどめておきましょう。

窓を塞いでおしゃれな部屋にするポイントは?

クロスや塗装に、アクセントになるような素材や色を選んでみてはどうでしょうか。

あえて木の板を貼ってクロスとの違いを演出したり、窓枠をいかしてニッチや飾り棚にしている事例もあります。

また、壁が増えるため、間接照明もポイントです。壁面に間接照明をあてると部屋全体がおしゃれな雰囲気になります。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社フレッシュハウス 樋田明夫

株式会社フレッシュハウス

樋田明夫

フレッシュハウスでリフォームの営業担当を長年経験し、数々のリフォームコンテストでの受賞実績を持つ。現在はフレッシュハウス本社における営業戦略室の室長として、大規模リフォームから通常のリフォーム物件まで幅広く対応中。

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