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目次
空き家を住めるようにするリフォームが注目される理由とは?

近年、空き家のリフォームが注目されている理由は、国が放置される空き家を適切に管理するように働きかけているためです。日本では空き家の数が、20年間で1.5倍に増え、現在849万戸となっています。
空き家を放置すると、倒壊のリスクや空き巣被害に遭うリスクなど、地域に悪影響を及ぼすおそれがあるため、政府は空き家の有効活用や取り壊し、積極的な建て替えを促しています。ちなみに、政府がおこなった法改正は以下のとおりです。
活用も管理もせずに放置する空き家について、税金を高くしたり、過料を設けるなど、空き家を放置させない動きが強まっています。そのため、空き家をリフォームして自分で住んだり、売却したりして有効活用しようとする人が増えているというわけです。
空き家のリフォームにかかる費用

空き家のリフォームにかかる費用の相場は、最低でも50万円からが目安になります。
| リフォーム箇所 | 費用相場 |
|---|---|
| 屋根 | 50〜200万円 |
| 外壁 | 100〜300万円 |
| 水まわり | 100〜500万円 |
| 内装 | 5,000〜8,000円 (1平方メートルあたり) |
| 断熱リフォーム | 100〜200万円 |
| 耐震リフォーム | 100〜200万円 |
| ecoリフォーム | 120万円〜 |
上記のリフォーム費用は、建物の大きさや築年数、立地条件などによって大きく変動します。
そのため、空き家のリフォームを検討する際は、早い段階から専門業者に相談することがポイント。プロのアドバイスに耳を傾ければ、打ち合わせ時の予算オーバーを回避できるでしょう。
空き家をリフォームするメリット・デメリット

ここでは、空き家をリフォームのメリット・デメリットについて解説します。メリットはもちろんデメリットも把握することで、自分にあったリフォームの範囲などが明確になるでしょう。
空き家をリフォームするメリット
空き家をリフォームすることで、家の見栄えや使い勝手がよくなり資産価値の向上が期待できます。
日頃から人の出入りが少ない空き家は、経年劣化を避けることはできません。しかし、専門業者による点検を実施し、適切なリフォーム・メンテナンスをすれば、将来自分で住む際にも快適に過ごせるはず。
また、建物の印象が良くなるため、借り手や買い手が見つかりやすくなるでしょう。

空き家を適切にリフォーム・メンテナンスすることで、建物が倒壊するリスクが軽減できます。
空き家は放置すると、柱などの構造部分の劣化が進み、倒壊するリスクが考えられます。万が一建物が倒壊してしまうと、建物だけでなく近隣住民にケガをさせてしまうかもしれません。
また、倒壊のリスクがあるまま空き家を放置すると「特定空き家」に認定され、固定資産税が最大6倍になる可能性もあります。

空き家のリフォームをおこない適切に管理することで、空き巣などの被害に会う確率が下がります。
長年放置された空き家は、明らかに人がいないことがわかるため、家具や家電などの家財道具を盗まれるリスクがあります。さらに盗難被害だけでなく、不審者が侵入して溜まり場として占拠したり、最悪の場合は放火されて建物を失ったり、近隣を巻き込んでしまうリスクまであるのです。
適切にリフォームすることで、管理されている家だと認識されるため、これらの被害に遭う確率が減らせます。
空き家をリフォームするデメリット
空き家をリフォームするデメリットは次のとおりです。
空き家のリフォームでは、当初予定していた予算をオーバーすることがあります。築年数が古かったり、放置された期間が長かったりする場合は、特に費用がかかりがちです。
当初、傷んだ箇所の修繕のみをおこなう予定でも、壁や柱の痛みがひどくフルリノベーションに近い工事が必要になってしまうなどの事態がよく起こります。

1981年より前に建築された建物の場合は、新耐震基準を満たしていない可能性が高いため、耐震工事が必要となる可能性があります。新耐震基準を満たしていない場合は、耐震リフォームに100万~200万円程度の費用がかかります。
このように、耐震リフォームの費用は高額になる傾向がありますが、万が一の巨大地震に備えることは、決して無駄ではありません。リフォームした空き家の安全を守るためにも、新耐震基準を満たした建物へリフォームしましょう。
新耐震基準とは、1981年6月1日に改正された建築基準法の耐震基準のことをいいます。新耐震基準が制定されるまでは「震度5程度の中規模地震で倒壊しないこと」が基準でした。
しかし、新耐震基準では「震度6から7程度の大規模地震」に耐えられるような構造設計が必要不可欠となりました。

前述のとおり、築年数が古かったり、長年放置された空き家は、特にリフォーム費用が高額になりがちです。しかし、賃貸や売却に出す場合、エリアな立地によっては希望どおりの賃料や売却額になるとはかぎらず、かけたリフォーム費用を必ず回収できるかはわかりません。
自分で住む場合はこのかぎりではありませんが、賃貸や売却に出す場合は、リフォームにかかる費用を回収できる見込みがあるかを考えて、リフォームする箇所としない箇所を判断しましょう。
【予算別】どこまでリフォームできる?空き家リノベーションの事例

空き家リフォームでは、工事後に空き家をどのように利用するかによって、リフォームの範囲や必要な予算が大きく異なります。ここでは、リフォームの予算別にどのようなリフォームが可能なのかを事例も交えて紹介します。


| 費用 | 約90万円 |
| 工事期間 | 1週間 |
| 面積 | 13㎡ |
| 施工範囲 | キッチン、壁紙・壁、洋室 |
およそ100万円で、築30〜40年の実家のキッチンリフォームをした施工事例です。キッチンとダイニングの腐食があり、床の沈みもあったため、床下から改修しました。
キッチンの入れ替えと床の張り替えもおこなったため、快適で見た目も清潔感のあるキッチンに変化しました(施工:redeco)。


| 費用 | 約900万円 |
| 工事期間 | 2か月 |
| 面積 | -㎡ |
| 施工範囲 | キッチン・台所、お風呂・浴室、洗面台・ 洗面所、壁紙・壁、床・フローリング、洋室、 階段・廊下、リビング、ダイニング |
およそ1,000万円で、間取りの変更や設備交換など大規模なリフォームをおこなった施工事例です。予算が500万〜1000万円のリフォームでは、水まわり設備の交換などに加えて、間取りや仕様を変更できます。
キッチンの配置を変更したり、2室を1室に変更して広々した洋室のリビングに改修しました。大規模リフォームで、明るく広々とした子育てしやすい家に生まれ変わりました(施工:アンドクリエイト)。


| 費用 | 約1,860万円 |
| 工事期間 | 4か月 |
| 面積 | 120㎡ |
| 施工範囲 | キッチン・台所、壁紙・壁、床・フローリング、 洋室、窓、階段・廊下、玄関ドア・玄関、 外構・エクステリア、その他、リビング、 ダイニング |
およそ2,000万円で、築140年の古民家をフルリフォームした施工事例です。予算1,000万円以上のリフォームでは、柱や基礎の躯体以外のほとんどを全面的にリフォーム可能です。
紹介した施工事例では、古民家の断熱性能を高めて断熱性能等級4を確保しました。また、間取りの変更や洋室への変更などのフルリフォームで、新築と見違えるようにきれいになりました(施工:ヤマト建設)
空き家のリフォームは自分でできる?

空き家のリフォームでは、無理のない範囲でDIYすることもより費用負担をおさえられます。通常、リフォーム会社などに施工を依頼すると、材料費のほかに人件費や仲介手数料がかかります。
しかしDIYで空き家をリフォームすれば、人件費や仲介手数料といった余計なお金をかけずに、理想の住まいを実現できるでしょう。
DIYで取り組みやすいリフォームは、以下のとおりです。
・クロスの張り替えや塗装
・フロアマットの張り替え
・照明の交換
・棚板の取り付け
・レバーハンドルの交換
クロスやフロアマットの張り替えは、一見難しそうですがDIYしやすいリフォームのひとつです。最近では、DIYしやすいように糊つきの壁紙も販売されています。
床や壁は施工面積が広く、部屋の印象を大きく左右するためDIYで費用をおさえてリフォームするのがおすすめです。
一方で、DIYでは難しいリフォームは、以下のとおりです。
・電気・ガス工事
・水まわりの工事
・高所での作業
・キッチンやトイレ・バスなどの設備交換
・間取りの変更をともなう工事
いずれも専門性が高く、DIYでリフォームするには難易度が高いリフォームです。とくに電気や水道、ガス工事は資格が必要なため、信頼できる専門業者に依頼しましょう。
空き家のリノベーションでビジネスチャンスも?活用方法を紹介

空き家は自分で住む以外にも、収益を生み、ビジネスチャンスとなる次のような活用法があります。
使われていない空き家は、賃貸住宅として他の人に貸し出すという活用方法があります。自分が住むためには不要な空き家でも、他の人にとっては住みたいエリアかもしれません。誰かが住むことで、劣化を防ぎ、家賃収入を得られます。
賃貸物件として貸し出す場合には、入居希望者の印象を良くするため、特に水まわりの設備、クロスや床材の張り替えなどの表層リフォームをする必要があります。
しかし、費用をかければかけるほど高い賃料が得られるとはかぎらないため、リフォームする箇所としない箇所の見極めが大切です。
使っていない空き家は、売却してしまうことも選択肢の1つです。空き家から手が離れるため、今後は固定資産税や維持費などの費用について考える必要がなくなります。
空き家を売却する場合には、柱や壁の補強をする、雨漏りで壊れている箇所を直すなど、最低限のリフォームのみで良いことがほとんどです。
中古住宅を購入したい人の中には、購入後に自分でリフォームして自分好みの家に作り替えたいと考えている人も多くいます。そのため、クロスや床材、設備をあらかじめ交換しておいても、購入希望者が気に入らない可能性もあります。
しかし、雨漏りや床が抜けているなど損傷が激しい場合は、購入を検討している人と揉める原因になり得ます。空き家を売却する際は、必要最低限のリフォームを検討しましょう。
近年、注目を集めているのが「空き家の運営を専門業者に依頼する」という活用方法です。空き家運営の専門業者は、賃貸住宅やテナントなど、空き家をもっとも有効活用できる方法を提案くれます。
住まいとしての需要が少ない地域でも、専門業者ならではの活用方法なら収益を得られる可能性があるのです。
リフォームについてや、周辺の賃貸需要についてなど、自分で考えなくても空き家の活用がおまかせででき、ビジネスチャンスにつながります。
空き家のリフォームで使える補助金制度

使い道がなく放置される空き家を減らすために、国や自治体は空き家のリフォームや解体にかかる費用に対して補助金を出しています。ここでは、空き家のリフォームで使える代表的な補助金について紹介します。
長く使える質の良い住宅にするためのリフォームをおこなったときに、その工事費の一部に対して補助金が支給されます。
補助金を受けるための要件は、住宅の面積や用途、性能基準を満たすことなど大きく4つです。なお、補助金の限度額は1戸当たり最大210万円です。
先進的窓リノベ2025事業は、古い住宅の窓を断熱窓に改良することで、住宅の断熱性能を向上させるための費用に対して補助されます。外の気温の影響を受けやすい窓の断熱性能をあげることで省エネ化し、CO2の排出削減を目指しています。
補助の上限額は1戸あたり最大200万円で、住宅の建て方(戸建て・集合住宅など)、設置する窓の性能と大きさ、設置方法によって補助額が決まります。
住宅の省エネルギー化を図るリフォームをおこなったときに補助金が交付されます。指定された高性能建材を使用することや、蓄電システム、EV充電設備の設置など補助対象となる製品を使用することが要件です。
補助金の上限額は、戸建て住宅で一戸あたり120万円です。そのほか、蓄電システムや蓄熱設備を導入すると、最大20万円が加算されます。
給湯省エネ2024事業は、家庭のエネルギー消費のうち大きな割合を占める給湯についての省エネを推進する事業です。
戸建て、共同住宅のいずれも補助対象で、機器によって1台あたり8〜18万円の補助を受けられます。
このほか、給湯器の設置に合わせておこなう、以下の機器を撤去する場合も対象となります。
・既存の電気蓄熱暖房機の撤去:10万円/台
・電気温水器の撤去:5万円/台
【Q&A】空き家のリフォームに関するよくある質問
- 50坪の戸建てをリフォームするにはどのくらいの費用がかかりますか?
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50坪の戸建てをリフォームする場合にかかる費用は、以下のとおりです。
- フルリフォーム:1,500万円以上
- 部分的なリフォーム:150~500万円
費用の変動に注意!水まわりのリフォームでは、採用する商品のグレードによって費用が変動します。
また、トイレや洗面台などリフォーム箇所が複数になる場合も、リフォーム予算に余裕を持たせましょう。
- 空き家を放置すると、年間でどのくらいの費用がかかりますか?
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空き家を放置した状態でも、年間で最低5万円以上の維持費がかかります。
なお、空き家を放置した場合は、以下の費用を負担しなければなりません。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 水道光熱費
- 火災保険料
- メンテナンス費用(草刈りなど)
- 修繕費
- 管理のための交通費
空き家の状態や立地条件などによって、年間でかかる費用は大きく異なるため注意しましょう。
- 空き家のリフォーム費用をおさえる方法はありますか?
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空き家のリフォーム費用をおさえる方法は、以下のとおりです。
- 無理のない範囲でDIYする
- 補助金制度を活用する
- 火災保険を利用する
火災保険はあらかじめ契約内容の確認を空き家をリフォームする際、契約内容などによっては必ずしも火災保険が利用できるとはかぎりません。
そのため、空き家のリフォーム予算を検討する際には、あらかじめ加入している火災保険の契約内容を確認しておきましょう。
リノベーション・フルリフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
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