2022年11月30日更新
注文住宅の打ち合わせ期間、回数の目安や効率の良い進め方について解説
注文住宅の打ち合わせにはどれくらいの期間が必要なのか気になりますよね。打ち合わせ回数が増えると、時間的にも精神的にも負担が大きくなるので、少ない回数で効率よく進めることが大切です。この記事では、打ち合わせ期間の目安や効率良く進めるコツをご紹介します。
注文住宅の打ち合わせは、回数に決まりがないからこそどれくらいの期間が必要なのか気になりますよね。
打ち合わせ回数が多いほど細部にまでこだわり理想に近い家が作れますが、時間的にも精神的にも大きな負担となりがちです。
そのため、できるだけ少ない回数で効率良く進めることが大切になります。
そこでこの記事では、注文住宅の打ち合わせ期間の目安や、打ち合わせを効率良く進めるコツなどを解説しています。
注文住宅で失敗したくない方や、打ち合わせについて悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
注文住宅の打ち合わせ期間と回数の目安
注文住宅の打ち合わせにかかる期間は人によりさまざまですが、約3カ月〜約6カ月が多いとされています。
回数にすると、約10回〜約25回です。
とくに着工前は家のことやローンなど検討すべきことが多く、約5回〜約15回の打ち合わせが必要になります。
建築中の打ち合わせ回数の目安は約1回〜約4回ですが、住宅会社によっては打ち合わせしないところもあります。
また、完成してから引き渡しをする前に、約1回〜約2回打ち合わせをするのが一般的です。
引き渡し前の打ち合わせでは、建物が図面通りにできているか、傷や汚れがないかなどを確認し、仮に不備があった場合は、さらに数回の打ち合わせが追加になります。
注文住宅の打ち合わせ期間に決めること
注文住宅の打ち合わせでは、住宅会社の担当者のほか、建築士やインテリアコーディネーターなどとさまざまなことについて話し合います。
注文住宅の打ち合わせで決めることを具体的に解説していきます。
着工前
着工前は、以下のことについて打ち合わせを行います。
- 予算
- 間取り
- 外装
- 住宅設備
- 内装
家の設計を始める前に、まずは予算を決めていきます。
ローンの事前審査を受けることで借入可能額がわかるので、予算の参考にするとよいでしょう。
予算がわかったら、いよいよ建物の打ち合わせを始めます。土地の広さに合わせて間取りや構造などおおよそのプランを提示してもらい、さらにライフスタイルや家事動線などを考慮しながら、理想の間取りを作っていきます。
図面だけではイメージしづらいので、内装や外観のイメージパース、モデルハウスなど実物を確認しながら考えるのがおすすめです。
大枠が決まれば、あとは建築士やインテリアコーディネーターと外装や内装、住宅設備などの打ち合わせを進めていきます。
住宅設備もショールームで実物が確認できます。
カタログである程度候補を絞り込んだあとは、ショールームで実物を見てから決めると、より気に入るものが選べるでしょう。
建築中
建築中の打ち合わせでは、図面通りに進んでいるかの確認のほか、カーテンや照明など着工前に決められなかったことを決めていきます。
着工前に打ち合わせがすべて終わっている場合は、現場への立ち合いのみで、建物に関する打ち合わせはほとんどありません。
ただ、建物完成後の外構工事に向けて、業者を探したり、外構のデザインを考えたりといった新たな打ち合わせが始まります。
引き渡し前
引き渡し前には、完成した建物に不備がないかを確認し、必要があれば修正や改善するための打ち合わせをします。
同時に、アフターサービスについても説明があるので、不明点を確認し疑問が残らないようにしておきましょう。
着工までの打ち合わせ回数が少ないメリット
着工までの打ち合わせ回数が少ないと予定より早く工事が始められるので、入居可能日が早まる可能性があります。
とくに、子どもの入学や住まいの退去の関係などであらかじめ入居したい日がある人にとっては、大きなメリットでしょう。
また、打ち合わせにかかる精神的・時間的負担が少なくなるのも魅力の一つです。
着工までの打ち合わせ回数が少ないデメリット
ただ、着工までの打ち合わせ回数が少ないと細かい部分まで話し合えなかったり、住宅会社とイメージを共有できなかったりするデメリットもあります。それぞれ解説していきます。
細部まで希望に沿った家に出来ない可能性がある
打ち合わせ回数が少ないと、必要最低限のことしか話し合えない場合が多いので、細部まで希望に沿った家にできない可能性があります。
例えば、コンセントの位置やドア枠の色などを確認できずに、標準仕様になってしまったり、おまかせすることになったりするかもしれません。
細部にまでしっかりこだわって自分で決めたいという人は、必然的に多くの打ち合わせが必要になるでしょう。
ハウスメーカーや工務店とイメージの共有ができない
また、打ち合わせ回数が少ないと、ハウスメーカーや工務店とイメージの共有がしづらくなるというデメリットもあります。
数回会って話しただけでは、自分の理想としている家のイメージを他人に伝えるのは難しく、どうしてもズレが生じやすくなります。
そのため、自分ではしっかり伝えたつもりでいても、打ち合わせが少ない場合は、イメージとは違った家ができてしまうリスクが高まるでしょう。
着工までの打ち合わせ回数が多いメリット
着工までの打ち合わせ回数が多いときのメリットは、理想に近い家が作れることです。
話し合う時間が長くなる分、自分の中にある理想のイメージをより具体的に住宅会社に伝えられます。
また、間取りや住宅設備から内装にいたるまで細かい部分にもしっかりこだわれるので、見た目も使い勝手も満足のいく空間が作りやすくなるでしょう。
着工までの打ち合わせ回数が多いデメリット
着工までの打ち合わせ回数が多いことのデメリットは、家ができあがるまでの時間が長くなることです。
また、多くの時間を打ち合わせに割かなければならないため、時間的にも精神的にも負担が大きくなります。
とくに小さい子どもがいる場合は、1回打ち合わせするだけでも大きな労力が必要になるので、何度も打ち合わせをくり返すのは大変でしょう。
注文住宅の打ち合わせ回数が変動する要因
注文住宅の打ち合わせ回数が変動する要因は、大きく分けて以下の2つです。
- こだわりが強い
- 何度もプランを変更する
細部にまでこだわろうと思うと、より多くのことを住宅会社と話し合って決めなくてはいけなくなるため、20回以上の打ち合わせが必要になることがあります。
また、家を建てるときは建築基準法などに沿って設計しなくてはならず、さまざまな制約を受けるので、すべて希望通りにできるとは限りません。
希望にそえない場合は、建築士などプロの意見を聞きながら、代替案を考えなくてはいけなくなるので、どうしても時間がかかってしまいます。
そのほか、理想像が定まっておらず、何度も間取りや設備を変更する場合は、何度もプランを練り直すため打ち合わせ回数が増えます。
反対に、それほどこだわりがなく、提案されたプランからほとんど変更しない場合は、打ち合わせにかかる時間が少なく、着工までスムーズに進めるでしょう。
注文住宅の打ち合わせを効率良く進めるコツ
家にはこだわりたいけれど、打ち合わせが多くなるのは嫌だという人は、少ない回数でもしっかり打ち合わせができるように、対策しておくのがおすすめです。
注文住宅の打ち合わせを効率良く進めるコツをご紹介します。
予算を決めておく
家の設計を始める前に、まずは予算を明確にしておきましょう。
予算が決まっていれば、選択肢をある程度絞り込めます。
予算が決まっていないと、選択肢が多くなり決めるのに時間がかかるだけでなく、計画を立ててから予算に合わせて調整するのは大変です。
最初に予算を決め、予算に合わせて設計すれば、効率良く打ち合わせが進められるでしょう。
イメージを共有する
打ち合わせをスムーズに進めたい場合、早い段階でイメージを共有しておくことが大切です。
理想とする家のイメージが伝わっていないままだと、何度提案してもらっても納得できず、お互いに時間を無駄にすることになりかねません。
理想のイメージを共有しやすいように、和風やモダンなどざっくりしたイメージだけでなく、カタログや写真など具体的に伝えられるものを用意しておくのがおすすめです。
お互いのイメージのズレを早い段階で解消しておくことで時間の無駄がなくなり、効率的に打ち合わせできるようになるでしょう。
記録をとって共有する
打ち合わせを無駄なく進めるコツとして、記録をとって共有することも大切です。
注文住宅の打ち合わせでは、伝えたはずのことが伝わっておらず「その話は聞いていない」と言われたり、説明を受けた覚えがないのに「それは説明した」といわれたりと意外とトラブルが多いものです。
一つトラブルが起こると解決に時間がとられ、打ち合わせが予定通りに進められなくなってしまいます。
トラブルによる打ち合わせの遅れを防ぐ対策として有効なのが、打ち合わせ内容の記録を残すことです。
記録を残して共有しておけば、万が一トラブルが起こったときにも、スムーズに解決しやすくなります。
こだわりたい条件の優先順位をつける
こだわりたい条件の優先順位をつけるのも重要です。すべてにこだわっていると予算が足りなくなるだけでなく、一つ一つのことを決めるのに時間がかかってしまいます。
使う頻度が高い場所や人目につく部分はこだわり、その他は標準仕様にするなど、優先順位をつけることで、限られた打ち合わせの中でも満足度の高い家が作れるでしょう。
そのほか、間取りや窓、外装などは完成してからでは変更が難しいので、優先して話し合っておくのがおすすめです。
時間をかけるべきところにはしっかり時間をかけて、時間を効率良く使えるように意識しましょう。
事前準備をする
打ち合わせは、専門家の意見が聞ける貴重な時間です。
時間を無駄にしないために、打ち合わせ前に事前準備をしておきましょう。
例えば、理想の家のイメージを家族間で共有したり、疑問点を事前にメモしてまとめたりすると、無駄なく打ち合わせが進められるようになります。
お互いに貴重な時間を使って話し合いの場を設けていることを意識して、家でできることは家で済ませて有意義な時間となるように備えておきましょう。
疑問点はすぐ解決する
とどこおりなく打ち合わせを進めるためには、疑問点はすぐに解決しておくことも大切です。
疑問をもったまま打ち合わせを進め、最終的に「やっぱり違った」となるのは時間がもったいないですよね。
わからないことや不安なことはその都度確認し、納得してから進めれば、効率的な打ち合わせができるでしょう。
小さな子どもがいる場合
小さな子どもがいる場合でも、以下の対策をすればスムーズに打ち合わせが進められることがあります。
- 親や託児所などに子どもを預ける
- お昼寝の時間に合わせて打ち合わせをする
- おもちゃを持参する
子どもが途中で泣いたりぐずったりするとどうしても打ち合わせに集中できません。
可能であれば、親や託児所などに子どもを預けて、夫婦のみで打ち合わせに参加するのがおすすめです。
夫婦のどちらかが子守をしつつ1人で打ち合わせをするという選択肢もありますが、どちらもこだわりが強い場合は、後々トラブルになりかねません。
できれば2人そろって打ち合わせするのがよいでしょう。
注文住宅の打ち合わせで注意すべきこと
注文住宅の打ち合わせで注意すべきことを、詳しく解説していきます。
着工前
着工前の打ち合わせで注意すべきことは、打ち合わせ記録と予算に合っているかの確認です。
それぞれ詳しく解説していきます。
打合せ内容の記録をとる
着工前の打ち合わせで注意したいことの一つ目は、打ち合わせ内容の記録をとることです。
打ち合わせ内容の記録は、基本的に住宅会社が作成しコピーなどで共有してもらえます。
打ち合わせ記録は、思っていた仕上がりと違うときなどに、自分の勘違いなのか施工会社のミスなのかを判断するときに役立つ重要な書類です。
記録が間違っている可能性もあるので、しっかり確認したうえでサインしましょう。
なかにはあまり詳細に記録していなかったり、まったく記録をとらなかったりする住宅会社もありますが、注文住宅でトラブルはつきものなので、打ち合わせ記録は残しておくべきです。
記録をとってもらえないのであれば、自分で打ち合わせ記録を作成し、住宅会社に確認してもらったあとにサインをもらうようにしましょう。
予算に合っているか確認する
着工前の打ち合わせで注意したいことの二つ目は、予算に合っているかの確認です。
予算に合っていないからと、一度決めたことをあとで調整し直すのは大変です。
内装や外装、水回りの設備などそれぞれを決める段階で、グレードは適当か、本当に必要な設備なのかをしっかり考え、予算を意識しながら計画を立てましょう。
建築中
建築が始まると打ち合わせの回数は減りますが、計画通りに工事が進んでいるか現場を確認することが大切です。
もし、打ち合わせと違う点がある場合は、早めに住宅会社に相談しましょう。
たとえ向こうのミスであっても、工事が進んでからでは対応しきれないことがあります。
疑問を感じた段階で確認し、必要があれば対応してもらいましょう。
引き渡し前
建物が完成したら、完成検査(施主検査)を行います。
完成検査では、依頼通りに仕上がっているかの最終確認を行います。
完成検査を承諾したあとは修正してもらえなくなるので、傷や汚れがないか、各設備に不備がないかなどを入念に確認しましょう。
打ち合わせが多いと迷惑だと思われない?
打ち合わせ費用を含んだ金額を支払うので、回数が多いからといって迷惑だと思われることはありません。
打ち合わせ回数は人によりさまざまですが、回数に制限はないので、納得いくまで打ち合わせをしましょう。
建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?
ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。
注文住宅の設計プランや費用は、施工店によって大きく異なることがあります。
そのときに大事なのが、複数社に見積もりを依頼し、「比較検討」をするということ!
実際に注文住宅を建てるには時間がかかるので、この記事で大体の予想がついた方は早めに次のステップへ進みましょう!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で一括査定が可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
一生のうちに注文住宅を建てる機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しない建て替えをするためにも、建設会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール
2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。
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