2024年03月28日更新

監修記事

高気密・高断熱住宅におすすめの暖房器具は?

高気密・高断熱住宅の暖房効率は?

高 気密 住宅 暖房

近年、高気密・高断熱住宅という言葉をよく耳にするようになりました。

夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるという高気密・高断熱住宅ですが、その暖房効率とはどれくらいなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

エネルギーロスが少なく暖房効率が良い

従来の家は綿密に設計して熟練大工の手によって建設されたとしても隙間ができ、家の内外の空気が出入りするため暖房がききにくい構造でした。

一方、高気密・高断熱住宅は従来の家よりも隙間を作らないように建設されているため、エネルギーロスが少なく、暖房効率が良くなるのが特徴です。

隙間が無いことで、暖房を使用して温めている部屋の中の空気が外に漏れにくく、外からの冷たい空気も入りにくくなります。

この仕組みから、高気密・高断熱住宅は魔法瓶のような家と形容されることもあるくらいです。

最小限の暖房器具で部屋を暖めることでき、かつ、暖房器具の使用が減ると二酸化炭素削減にもなるので、高気密・高断熱住宅は環境にも優しい家として知られています。

室内で発生した熱を蓄積する仕組みがある

高気密・高断熱住宅では室内で発生した熱を蓄積する仕組みがあるので、一度暖房器具を使って部屋を暖かくすると、その温かさは維持されます。

温度が維持されるということは、暖房コストの削減にも繋がります。

つまり、高気密・高断熱住宅では暖房コストを従来の家よりも安く抑えることができるのです。

高気密・高断熱住宅に取り入れない方が良い暖房器具は?

従来の家に住んでいる場合、暖房器具を選ぶ際は暖房器具の値段や光熱費の安さ、手入れのしやすさなどを重視するかもしれません。

一方、高気密・高断熱住宅では、その構造の特性から、健康のためにも安全のためにも取り入れない方が良いとされる暖房器具があります。

詳しく見ていきましょう。

石油ファンヒーターやガスファンヒーターは換気が必要

一般的に冬の暖房機器としてよく使われている石油ファンヒーターやガスファンヒーターですが、高気密住宅や高断熱住宅ではこれらの暖房機器の使用は控えた方が良いでしょう。

理由は、石油ファンヒーターやガスファンヒーターは継続して使用することで部屋中の二酸化炭素濃度が上昇するためです。

頻繁に換気を行うことが必要になりますが、頻繁に窓を開けて換気すると、換気のたびに冷たい外気が入ってきてしまうので、なかなか部屋が温まりません。頻繁というのは、具体的に1時間に2、3回程度です。

これだけ換気をすると高気密・高断熱住宅の特性を活かせなくなってしまいます。

また、高気密住宅や高断熱住宅でのファンヒーターの使用は命の危険を伴うことがあります。

従来の家においても、長時間閉めきってのファンヒーターの使用は危険ですが、空気の出入りが少ない高気密・高断熱住宅ではより危険です。

もし換気をすることなくファンヒーターを使い続けた際は、酸欠や一酸化炭素中毒など命に関わる事態に陥る場合があるということをしっかりと頭に入れておきましょう。

実際に、高気密のマンションなどの多くは、石油ファンヒーターやガスファンヒーターの使用を禁止ししています。

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高気密・高断熱住宅に取り入れるのがおすすめな暖房器具は?

高気密・高断熱住宅に石油ファンヒーターやガスファンヒーターは向いていない一方で、このようなタイプの住宅に向いている暖房器具もあります。

おすすめ①温水式床暖房:暖房効率が良く空気を汚さない

近年、床暖房を導入する家庭が増えています。しかし床暖房といっても電気式や温水式など色々な種類があります。

高気密・高断熱住宅でおすすめなのは「温水式床暖房」です。

温水式床暖房はガスで温かくした水を床下に流すことで部屋を暖かくするタイプの床暖房です。

電気式床暖房と違い、至近距離での電磁波の影響や低温やけどの心配もありません。

光熱費や維持費も安く抑えることができ、空気を汚すこともないので誰もが快適に、安心して部屋で過ごすことができるでしょう。

おすすめ②FF式ファンヒーター:床から暖め空気を汚さない

高気密・高断熱住宅では控えた方が良い石油ファンヒーターやガスファンヒーターは開放型暖房機器と呼ばれ、燃焼の際の排気は室内に放出される点が問題でした。

一方、FF式ファンヒーターは排気が屋外に放出されるため換気の必要性がなく、床から暖まります。

また、二酸化炭素濃度も上がらないので空気を汚すこともありません。

ちなみに、FFとは英語のforced draft balanced flueという略で、日本語では強制給排気式という意味になります。

日本の寒い地域ではよく見かけられる暖房器具です。

設置する際には煙突の穴をあけたり、配管設置作業などが必要です。専門知識を要するので専門業者に依頼するようにしましょう。

なお、FF式ファンヒーターは設置後に場所を移動することができない点には注意が必要です。

おすすめ③エアコン:室温に合わせて温度を自動調節できる

従来の家でも多くの家庭でエアコンを設置していますが、エアコン選びの基準は値段やメーカー、サイズ、機能など人によってさまざまでしょう。

しかし、高気密・高断熱住宅では家の性能自体が優れているため、従来の住宅よりもエアコンに高機能性を求める必要はないと言われています。

高気密・高断熱住宅では、室温に合わせて温度を自動調節できるタイプがおすすめです。

手動でエアコンの温度調節を行う場合、必要が無いにも関わらず熱を放出し続けることになるためです。

高気密・高断熱住宅において室温に合わせて温度を自動調節できるエアコンを24時間使い続けたとしても、従来の住宅よりも電気代を大幅に抑えることができるでしょう。

高気密・高断熱住宅で暖房を使用する際に注意すべき点は?

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高気密・高断熱住宅での暖房の使用は、電気代も安く済み、冬は暖かく過ごせるなどメリットを誇張した広告が多いのも事実です。

しかし、注意すべき点もあります。

注意点①温度変化によって結露が起きやすい

冬になると窓に水滴がついて濡れている結露現象を見たことがある人は多いでしょう。

結露は、家の中の温かい空気が外の冷たい空気によって冷やされることで起こります。

高気密・高断熱住宅では結露は起きないと謳う専門業者もいます。

確かに高気密・高断熱住宅では、暖房の使用を止めても温度が下がりにくく理論上では結露が起こりにくい構造になっているでしょう。

しかし、実際には結露に悩まされている人もいます。

同じ家の中でも温度の低い部屋があった場合や、換気不足、家の中で洗濯物を乾かすなど湿気を高める行為によって結露が起きることがあるのです。

結露によってカビが発生しやすくなり、住んでいる人の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

特に抵抗力の弱い子どもや高齢者はその影響を受けやすいので、一刻も早く結露対策をしなければならないでしょう。

結露対策としては、結露対策用の窓ガラスや樹脂サッシに交換すること、調湿効果の高い建材を使用すること、機械換気だけに頼らず窓を開けての換気も適宜行うなどが挙げられます。

高気密・高断熱住宅では、建材だけでなく窓も断熱窓にしておくことで結露を未然に防ぐことができるでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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