2023年12月15日更新

監修記事

注文住宅の減額調整はどう進めればいい?かかる費用と減額案について

注文住宅の減額調整とは住宅建築のどこで行うものなの?

注文 住宅 減額

注文住宅とは

建売住宅は、広いまとまった土地を複数の区画に分け、類似の仕様によって建てる住宅を指します。設計はあらかじめ決まっていて、設計の自由度がない場合がほとんどです。

これに対して注文住宅は、依頼者の希望を活かしながら、設計事務所や工務店、ハウスメーカーなどに設計や工事を依頼して建てる住宅を指します。

建築基準法などに基づく規制はあるものの、自由度が高く、間取りや内装をはじめとして、設備や外構など、依頼者の好みを反映した住宅を建てることが可能です。

個性的でグレードの高い住宅を建てることが可能な反面、設計が確定するまでに時間がかかり、割安な規格品の使用が少なければ、建築コストも嵩むことになります。

現在では、あらかじめ設計された複数の基本的な仕様や、風呂や洗面台、トイレ、キッチンなどの設備などのバリエーションの中から依頼者が選択する、セミオーダー方式の住宅も多くあります。

注文住宅契約までの流れと減額調整

自分の好みを実現して、個性的で質の高い住宅を建設したいと考えるのは、至極当然とも言えます。しかしながら、現実問題として予算についても考えなければなりません。

希望に沿う注文住宅の見積もり額が予算をオーバーしてしまう際、希望を活かしながら、いかにコストを削減して予算内に納めるかが重要なポイントです。この減額調整は、見積もり額を確定するまでの段階で行います。

業者へ依頼する際に大切なことは、依頼者の要望が正確に実際の工事に反映され、予算内で実現できることです。見積書を確認して、希望通りの工事内容が予算内で実現できるかについて、検討することが重要です。

それには、複数社の見積もりを比較検討することで、冷静な判断も可能となります。単に金額を比較するだけではなく、それぞれの対応力や専門性、誠実さを知ることもでき、信頼のおける会社選びにつながります。

1.相談

新たに住宅を建てる場合、建築基準法などの建築制限や業者ごとの得意分野もあることから、魅力を感じる施工会社を数社に絞り込んだうえで事前に相談し、概算の見積りをもらって比較検討することがお薦めです。

2.プランニング

家族で話し合い、建てたい家のイメージを整理します。家全体や間取り、部屋ごとの希望などをリストアップして、優先順位を付けたうえで業者に伝え、概算の見積もりやプランニングを依頼します。

3.基本設計・見積もりの提示と減額調整

見積もりやプランニングを比較検討し、依頼する業者が決まったら、正式な設計と見積もり書の作成を依頼します。この段階で予算をオーバーしそうな場合、優先順位の低い希望を見送るなど見積り内容の減額調整を行いましょう。

4.設計・見積もりを確定して契約

依頼する業者との間で設計書や見積もりを確定した後は、工事請負契約を締結します。契約の前段には、業者から設計図書や仕様書など詳細なプランが示されるため、細かくチェックしておくと安心です。

契約後に追加や変更がある場合、予算オーバーとなる恐れもあるため注意が必要です。

5.着工

契約後は、着工となります。実際の着工前には、近隣へのあいさつ回りを行ってトラブル防止を図りましょう。土地には建築する建物の位置を示す地縄を張り、工事の安全を祈願する地鎮祭を執り行うことが一般的です。

減額調整をする前に知っておきたい注文住宅建築にかかる費用とは

注文住宅建築にかかる費用は「建物本体の費用」「付帯設備の費用」「その他諸経費」に分けられます。一般的に、建物本体は費用のうち8割程度、残りが建物の付帯設備や諸経費とされています。

注文住宅の建築費用は「坪単価に建坪数を乗じた額」と誤解していると、予定していた予算を超えてしまう恐れもあるため、注意が必要です。

建物本体の費用

建物本体の費用は、建物自体を建築するために要する費用を指し、冷暖房や照明、また、駐車場や門扉などの外構に要する費用は含まれていません。
また、屋外の給排水工事なども含まれていないため、本体工事のみで家を建てても、そこで生活することはできないので注意が必要です。
一般的に、建築費用の約75~80%程度となっています。

広告などで目に付くように表現される坪単価や住宅の価格は、通常、建物本体を建築するためだけの費用を指しています。

費用に含まれる主な工事としては、建物自体を建築するために必要な、工事用の足場などの仮設構築物、基礎、建築材料の加工や組み立て、屋根や外壁、窓の設置、防水や左官、断熱や気密が挙げられます。

必ずしも、明確な共通の分類で区分されているとは言えないため、建物本体の費用に含まれる範囲を確認しておくことが大切です。

付帯設備の費用

付帯設備とは、建物と構造上一体となって建物の効用を高めるものを指し、必ずしも明確な分類がなされている訳ではありませんが、不動産取引に一般的に使用される用語です。税務上は付属設備とも称されます。

付帯設備として、ボイラーや換気設備、屋外電気配線、冷暖房、照明器具、屋外給排水工事など建物に設置する設備のほか、門扉や塀、駐車場や庭など外構に設置する設備が挙げられます。一般的に、建築費用の約15~20%程度となっています。

その他諸経費

その他諸費用は、住宅を取得する前後のタイミングで支払う必要がある、印紙代など各種税金や住宅ローンにかかる費用、建物の登記費用、地震保険や火災保険などの保険料、引越し費用、家具や家電の購入費用などがあります。

義務的にかかる経費が多い中でも、住宅ローン借入れに際しての融資手数料や住宅ローン保証料、建物の所有権保存登記の依頼費用など、節約が可能な経費もあります。建築費用の約5~7%程度が一般的です。

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注文住宅の減額調整を行うポイントとは

これだけは減額調整できないものを決めておく

注文住宅は、設計の自由度が高く、設備や建材も選ぶことができる反面、設計が確定するまでに時間がかかり、割安な規格品の使用が少なければ建築コストも嵩み、予算オーバーしてしまう恐れがあります。

希望に沿う注文住宅の見積もり額が予算をオーバーしてしまう際は、いかに希望を活かした減額調整を行って、予算内に収めることができるかが重要なポイントです。

そのためには、家族で共通のイメージを整理しておくことが大切であるとともに、具体的に、希望する家の形や間取り、部屋ごとの希望などをリストアップして、優先順位を付けておくと良いでしょう。

これだけは減額調整できないものと優先順位が決まれば、業者から希望に即した減額調整案を提示してもらいやすくなり、自分自身でも優先順位の低い希望を見送るなど、見積り内容の減額調整が行いやすくなります。

グレードと耐用年数を把握しておく

減額調整の方法として、内装材などの資材や設備のグレードを下げるという選択があります。また、設備機器の耐用年数は一般的に約10〜15年とされ、建物とは異なり、取替えや更新を前提に選択することを考慮する必要もあります。

将来的に買換えや取替えが想定されるものであれば、耐用年数が長い代わりに価格の高い資材や設備を避け、希望する機能や性能が得られる短めの耐用年数のものを選択する方法も考えられます。

このため、資材や設備のグレードと耐用年数を事前に把握しておくことが大切です。

どのような減額案があるか知っておく

注文住宅のプランが確定するまでの段階では、これまでの注文住宅の中で、数々の減額案が検討され、一般的な減額案として数多い事例が紹介されています。

事前にどのような減額案があるかを知っておくことで、自身の減額案を検討しやすくなります。

注文住宅の何をどうすれば減額できるの?

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建物本体の費用の減額案

屋根の変更

屋根にも種類があり、寄棟、切妻、片流れなどがあります。寄棟造は棟が多くなることから、資材と施工費が嵩みます。それぞれの費用は、寄棟、切妻、そして片流れの順に下がっていきます。

シンプルでモダンな外観を希望するのであれば、屋根を切妻あるいは片流れに変更することによって、費用を減額することが可能です。

また、屋根の主な素材として、伝統的な屋根材である瓦、防火性・防湿性に優れた平板状の屋根材である化粧スレート、耐食性や耐熱性に優れた熱反射性や加工性なども高いガルバリウム鋼板が挙げられます。

費用は、一般的に瓦、ガルバリウム鋼板、化粧スレートの順に低くなるため、屋根の形だけでなく、素材を変更することによって、減額調整を行うことができます。

間取りの変更

間取りについては、部屋の仕切りを少なくすることによって費用を減額することができます。また、床面積を減らすことでも減額を図れます。

さらに、仕切りや壁を少なくすることで、骨組みとクロスなどの材料費、施工費や、壁やドアなどの建具を省くことができ、減額に繋げることができます。

仕切りが少ないと、効率的な家事の動線を確保しやすく、家族や空間の一体感も生まれ、家庭内での自然な交流も育まれやすくなります。

仕切りを減らして間取りをオープンにする減額案としては、「2階建ての場合、階段を仕切らずリビング内に設ける方法」「子供部屋の間仕切りを子どもが大きくなるまでは省く方法」などがあります。

また、「玄関ホールを省き、三和土からリビングまでをオープンな空間にする方法」や、「書斎や畳のスペースをリビングの一角に間仕切り無しで設置する方法」のほか、「各室の収納を1カ所にまとめる方法」などが考えられます。

その他では、上下階の壁の位置を同じにする方法もコストダウンに有効です。

窓の変更

窓の数を減らす方法や、窓のサイズを小さくすることも減額案として有効です。特に、西日の当たる方向や北側の窓を減らすことによって、冷暖房費の削減効果も期待できます。

材質の変更

内装材に利用する木材や、壁紙クロスの素材やグレードを、同質や同機能を持つ材質に変更することによって、減額を行うことができます。どの程度までこだわりを優先するかがポイントです。

2階建てへの変更

平屋建てを2階建てへ、あるいは2階建ての場合は、総2階への変更を行うことによって、減額を行うことができます。平屋建てを2階建に変更する場合、基礎や柱などの構造部分や屋根の面積を最小限に抑えることが可能です。

また、総2階にする場合も、壁の出入りを減らすことによって建物内外の壁面積を減らすことができるとともに、余分な柱の本数を減らすことにもつながります。デザイン面もスッキリとシャープな印象にすることが可能です。
出来るだけ正方形に近いシンプルな平面形状にすることが重要です。

造り付け家具から既製品への変更

造り付け家具を減らし、既製品へ変更することによって、減額を行うことが可能です。造り付け家具は、部屋に応じた使いやすさとなることや、スッキリした収納感が魅力ですが、オーダーメイドのため費用が嵩みます。

付帯設備の費用の減額案

設備機器の変更

設備のグレードを見直し、費用の減額を行うことが可能です。キッチンやトイレ、風呂などの住宅設備のグレードを再検討することも、減額調整には有効です。

システムキッチンやユニットバスは、タイプや広さによる価格差も大きく、かなりの削減効果が期待できます。

駐車場の変更

駐車場を全面土間コンクリートにする場合や、土間コンクリートの上にカーポートを設置する場合、費用が嵩むことになります。

このため、タイヤが接触する部分だけを土間コンクリートとして、砂利や人工芝などに変える方法や、固定資産税の対象ともなるカーポートの設置を見送る方法なども、減額調整には有効です。

門扉の変更

門柱は高さと幅、オプション機能を抑え、また門扉は両開きではなく、片開きタイプとすることによって、減額調整を行うことが可能です。

門扉は、グレードによる価格差が大きいため、希望を損なわない範囲でのグレードダウンを検討する方法が有効です。また、門扉を設置する代わりに、植栽に変更する方法も考えられます。

塀の変更

境界を区切る塀を周囲の高さ1m程度に囲う場合、一般的なアルミ製フェンスの場合で100万円程度かかります。

境界をブロック塀にするか、隠したい箇所だけ植栽や目隠しフェンスに変更することによって、費用はかなり減額調整することができます。

その他諸経費の減額案

銀行ローン手数料・保証料の確認

銀行などから融資を受ける住宅ローンの経費は、無視することができない程度の費用がかかります。基本的に、融資手数料、契約書の印紙税、抵当権の登記費用などの経費です。

できるだけ融資額を抑えることが望ましいことは言うまでもありません。貯金の利用や親などから融通を受けるなど、住宅ローンの利用額を低めに抑えることによって、ローンの手数料や保証料を減額することができます。

また、業者のすすめる提携ローンを利用する場合、業者にローンの事務代行手数料を支払う必要がある場合もあります。その際は、自ら銀行などで手続きを行えば、コストカットが可能です。

さらに、住宅ローンを契約する際は、少しでも金利が低い住宅ローンを選択することで、契約時だけでなく長期的にもコストダウンを図ることが期待できます。

自分で登記手続きを行う

新居を建てた場合、所有権の保存登記を行うことによって、所有権を第三者に主張できることになります。登記手続きは、基本的に自分で行うことが可能です。

登記申請書は、法務局または地方法務局で入手することもできますし、インターネット上でもダウンロードできます。司法書士への報酬分をカットすることが可能です。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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