2023年12月15日更新

監修記事

ZEH住宅の基準とは?メリット・デメリットについて詳しく解説!

そもそもZEH住宅とは?

zeh 住宅 基準

ZEH住宅とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)」のことを指し、頭文字を並べて通称「ZEH(ゼッチ)」と呼ばれています。

最近ではメディアのCMなどでも目にする機会の多くなったZEH住宅が、どのような住宅であるかについてご紹介します。

年間の一次エネルギー消費量がゼロとなることを目指した住宅のこと

「ZEH住宅」とは、年間の一次エネルギーの消費量と生産量の収支がゼロ以下となることを目指した住宅のことです。

住宅の断熱性を高めたり再生利用可能エネルギーを利用することによって住宅の省エネ性を高め、同時に太陽光発電システムや蓄電システムを利用して、年間を通して消費するエネルギー量と同等のエネルギーを作り出します。

こうすることによってエネルギーの消費量と生産量が「消費量≦生産量」となるようにしようというものがZEH住宅です。

エネルギー基本計画について

国は10年後、30年後を見据えたエネルギー政策の基本的な方向性を示すことを目的としてエネルギー基本計画を策定しています。

2019年10月現在策定されている第5次エネルギー基本計画では、ZEHの実現・普及目標が次のように設定されています。

  • 2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上でZEH住宅の実現を目指す
  • 2030年までに新築住宅の平均でZEH住宅の実現を目指す

このことからも、国がZEH住宅の新築に積極的であることがわかるでしょう。

Nearly ZEH住宅とは?

最近ではゼロエネルギー住宅が注目され始めています。ゼロエネルギー住宅はZEHと呼ばれており、それに準じてNearly ZEHというものが制定されています。それではZEHとどこが違うのでしょうか。

Nearly ZEHというのは簡単にいうと都会などの太陽光発電が十分に設置できない住宅に配慮された基準の事を言います。

断熱性基準と省エネによる消費量削減の基準はZEHと同じものですが、日照時間や太陽光発電の設置面積が限られる事を懸念して年間の一次エネルギー消費量の基準は違います。

具体的にはZEHが年間の一次エネルギー消費量が100%以上に対して、Nearly ZEHは75%以上100%未満という基準になっています。

ZEH住宅の4つの判断基準とは?

zeh 住宅 基準

ZEH住宅としての認定を受けるためには4つの基準を満たしている必要があります。

それぞれの基準について順番に見ていきましょう。

1.強化外皮基準を満たしていること

ZEH住宅であるかどうかの判断基準の中でも特に注目を集める項目がこの「強化外皮基準」です。

この基準を満たしていることで、省エネ性の高い住宅であるという判断をすることができます。

強化外皮基準は建物の外皮の断熱性能を判断するための基準であり、3種類の地域区分ごとに異なる値が設定されています。

具体的な数値として、地域区分ごとにそれぞれ0.4以下、0.5以下、0.6以下というUA値が設定されています。

一方、従来の省エネ基準で設定されているUA値は最も基準の厳しい地域で0.46、逆に最も緩い地域では0.87という値が設定されています。

ZEH住宅の強化外皮基準は従来の省エネ基準よりも厳しい高断熱基準が設定されているのです。

2.基準一次エネルギー消費量を20%以上削減すること

この項目についてはまず一次エネルギーとは何かについて理解しておかなければなりません。

「一次エネルギー」とは、石油や石炭、天然ガスなどの自然界から直接得ることができるエネルギー源のことを指します。

それでは電気は何に該当するかと言うと、一次エネルギーを利用して生み出される「二次エネルギー」に該当します。

電気の様に一次エネルギーから変換加工して得られたエネルギーのことを二次エネルギーといいます。

つまり、この電気の消費エネルギー全てを太陽光で発電した電力に切り替えてしまえば、一次エネルギーの消費量をゼロにすることが可能なのです。

ただし、都心部では高い建物に遮られて十分な日照が得られなかったり、太陽光パネルを設置する屋根を確保できない場合も多々あり、このような事情も考慮した上でZEH住宅の基準は設定されています。

一次エネルギーの消費量を削減する方法は、太陽光発電への切り替えだけではありません。

住宅の断熱性を高めたり、換気扇や空調、給湯器などの設備機器を高効率化して住宅を省エネ化し、必要とするエネルギー量自体を減らすことも重要です。

再生可能エネルギーで生産されてプラスとなる分は除き、住宅の省エネ化によって基準一次エネルギー消費量を20%以上削減することがZEH住宅の基準では求められています。

3.再生可能エネルギーを導入すること

再生可能エネルギーとは太陽光や風力、水力、地熱などの自然界に存在する枯渇することの無いエネルギーのことを指します。

また、再生可能エネルギーは温室効果ガスを排出しない、もしくは増加させないという特徴もあります。

ZEH住宅として認められるためには、この再生可能エネルギーシステムを導入している必要があります。

たとえば、太陽光発電システムなどが該当します。

ZEH住宅の基準では再生可能エネルギーの生産量については問われないため、わずかでも再生可能エネルギーを創出していれば問題ありません。

4.1~3により基準一次エネルギー消費量から100%削減すること

ZEH住宅では、基準として定められている一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量を削減することも求められます。

まず、1~2の基準を満たすことによって一次エネルギー消費量を20%以上削減することが可能です。

その上でさらに太陽光発電などの再生可能エネルギーを創出することで一次エネルギーの消費量を削減して、ゼロ・エネルギーを目指します。

この「ゼロ・エネルギー」というのはエネルギーの消費量がゼロということや、光熱費がゼロであるという意味ではありません。

年間を通してのエネルギー消費量と、生産量の差し引きが概ねゼロ以下を目指すというものです。

ZEH住宅を建てるデメリットは?

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省エネにもつながり災害にも強いZEH住宅ですが、デメリットも存在します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

ZEH住宅は建設コストがかかる

太陽光発電の設置だけでも多くの費用が必要ですが、ZEH住宅の建設価格も設備投資などのコストが増えるため一般的な住宅よりも初期費用が高くなるのがデメリットでしょう。

ZEH住宅は一般の住宅の価格より最低でも約100万〜約150万円、平均すると約250万〜約300万円程度高い価格が相場だと考えておくと良いでしょう。

例えば、35坪前後の一般の住宅の建設費用が2000万円なら、ZEH住宅は2300万円くらいだと想定できます。設備投資のグレードや家の大きさによっては建設コストがさらに上昇するでしょう。

しかし、建設費用はかかってもその分光熱費が節約できます。長い目で見れば将来的には初期費用のコストを回収できるとも考えられます。

また、ZEH住宅はこれからますます普及が進み、資産価値が残りやすいと言われているため、初期費用の高さが大きなデメリットだとは言い切れない点もあります。

太陽光パネルのメンテナンスコストがかかる

太陽光パネルは屋外で強い日差しと強風などの影響で劣化や損傷することがあり、また、鳥の糞などで汚れることもあります。

傷や汚れは太陽光のガラスの透過性を下げ、発電効率が悪くなってしまいます。

また、機械なので経年劣化によって性能が衰えることも十分ありえます。

本来の太陽光パネルの効果を得続けて長い期間使用するためにも、太陽光パネルは定期的にメンテナンスを行う必要があります。

メンテナンス時は専門の業者に依頼しなければなりません。

1回の定期メンテナンスにつき約2万円を想定しておくと良いでしょう。

もしも太陽光パネルやパワーコンディショナーなど周辺の機器に故障が見つかって交換が必要な場合は、メーカーの保障期間を過ぎていればより多くの費用が必要になります。

太陽光パネルの故障リスクがある

太陽光パネルの法定耐用年数は17年とされていますが、実際には法定耐用年数よりも長く使える場合がほとんどです。定期的にメンテナンスをしていれば20年から30年は使えると言われています。

しかし、寿命が長いからといって故障しないわけではありません。

太陽光パネルが正常ならば光熱費が削減できるはずだったのに、故障によって発電量が減ってしまい損をしてしまう可能性もあります。

発電量が減った場合には故障を疑った方が良いかもしれません。

自然災害などで太陽光パネルが割れたり、太陽光を家庭で使える交流に交換する機器であるパワーコンディショナーの故障など、太陽光パネルにはさまざまな故障トラブル例があります。

特に、パワーコンディショナーは故障しやすい部分として知られており、寿命も太陽光パネルより短い約10年〜約15年と言われています。

故障を防ぎ、長く使うためには定期的なメンテナンスが必須です。

太陽光パネルの発電量は日射量の影響が大きいため不安定

太陽光パネルは太陽光が必要なため、当然のことながら日射量の影響を大きく受けます。

夜はもちろん発電できませんし、雨や曇りの日が続けば日射量が減って発電量は下がります。

また季節によっても影響があります。

日照時間が長い夏は発電量が多く、日照時間が短くなる冬は必然的に発電量が下がります。

また、太陽光パネルの設置場所が悪く、日陰になる時間が長ければ発電量は上がらないでしょう。

このように、太陽光パネルの発電量は天気や季節、設置場所など様々な要因による日射量の影響を大きく受けます。発電量が安定的でない点もZEH住宅のデメリットになるでしょう。

売電価格が下降傾向にある

2009年の余剰電力買取制度によって、太陽光パネルでの発電のうち家庭で使用しない余った電力は電力会社に売ることが可能となりました。

2012年に余剰電力買取制度は固定価格買取制度に移行されています。

住宅用出力制御なしの売電価格は2009年に48円/kWだったのが、2012年には42円/kW、2017年は28円/kWまで下降しています。

売電価格はこれからも上昇する可能性は低いと見られています。

この点もZEH住宅で太陽光発電設備を導入する際のデメリットとなりうるでしょう。

しかし、電力会社と売電契約をしてから10年間はどんなに売電価格が値下がりしたとしても売電契約をした時と同じ価格で電力会社が買い取ってくれます。

また、太陽光パネルの設置にかかる初期費用自体が年々下がってきているので、売電価格が下降傾向だからといっても大きな損になるようなことはないとも考えられるでしょう。

太陽光発電の買取制度では余剰買取しか認められていない

太陽光発電で作られた電気は電力会社に買い取ってもらうことが可能です。

太陽光発電の買取制度には「全量買取制度」と「余剰電力買取制度」の2種類があります。

全量買取制度と余剰電力買取制度では出力容量や買取価格、買取期間などの違いがあります。

「全量買取制度」は10kW以上の出力になる場合に適用される制度で、ほとんどは産業用です。

家庭用の出力は平均5kW程度で10kW未満になるため、全量買取制度ではなく「余剰電力買取制度」が適用されます。

10kW以上の出力になる場合は全量買取制度と余剰電力買取制度から選択することができ、どちらの買取制度を選択しても固定価格の買取期間は20年となります。

しかし、10kW未満の出力の場合は10年間です。

設備の性能が上がる分メンテナンスコストも上がりやすい

太陽光発電システムだけでなく、ZEH住宅には高性能エアコンや給湯器、換気設備などのさまざまな設備が導入されることで住宅自体の性能が上がっています。

設備の性能が高い分、機器のメンテナンスコストも上がりやすくなるのがデメリットと言えるでしょう。

光熱費が安くなるというZEH住宅ならではのメリットが設備機器のメンテナンスコストで相殺されてしまう場合があるため注意が必要でしょう。

基準以上の断熱・気密性を維持するために間取りに制約が出る

ZEH住宅では断熱・気密性に基準値が設けられているため、その基準を満たすために希望した間取りが実現できないこともあります。

熱の出入りが少なくなるように小さい窓が用いられたり、窓数を減らしたりすることがあります。

また、開口部の大きさや位置、数などにも制約があるのです。

加えて太陽光パネルを設置するとなると屋根の形状や方角にも制約が出ます。

ZEH住宅の基準を満たしつつ、理想に近い家を建てるためにも業者とよく相談することが大切です。

ZEHビルダーに登録された住宅会社のみ補助金を申請できる

ZEH住宅は初期費用が高いことがデメリットとして挙げられますが、実はZEH住宅は基準を満たせば補助金を受け取ることができます。

2019年5月時点でZEH住宅の補助金制度はいくつか種類があり、ZEH支援事業の補助金や先進的再エネ熱等導入支援事業などが挙げられます。

しかし、細かに定められた条件を満たしていることが必要です。

例えば、強化外皮基準のクリア、再生エネルギーの導入、ZEHロードマップのZEH基準を達成していることなどです。

また、注意が必要なのは、この制度が利用できるのはZEHビルダーに登録された住宅会社を通して建設されたZEH住宅だけである点です。

補助金の申請期間も決まっているので利用を検討する際には事前に確認しておきましょう。

年度によっても条件や補助金額、申請スケジュールなどが変更になることがあります。

また、補助金の利用を考えている場合には、公募スケジュールに合わせて工期を決める必要があります。

素人には難しいことが多いので、ZEHビルダーに登録された専門業者に相談しましょう。

条件が多く手続きに手間がかかりますが、初期費用の高いZEH住宅において補助金制度はは負担軽減のため有効な手段です。

専門業者などの協力も得ながら上手に活用しましょう。

ZEH住宅の義務化と撤回とは?

住宅の省エネ基準が2020年に義務化されることが検討されていました。しかし2018年に「義務化」ではなく「説明すれば可」に変更されました。それに伴いZEHも義務化が一旦撤廃となりました。ではなぜ時代に逆行するが如く撤廃されたのでしょうか。

理由としてはまず「対応が現実的ではないということ」です。これは大手の事業者であれば対応していくことは難しくないかもしれません。

しかし、中小規模の事業者も住宅を作っています。さらに言うと大手よりも中小のほうが数が多く、これを強引に行うと経済に影響するとみなされて延期・中止が決定されたという背景があります。

但し、現在のところは延期という形をとっていますので将来的にはZEH住宅が義務化されることもありえます。従って、今後住宅を建てていくのであれば省エネルギーへの取り組みは必須であると言えるでしょう。

また、補助金の観点からみても省エネルギーに対して取り組んでいくべきと言えるでしょう。時期によって補助金の種類は変わってくると思われますが、省エネ対策は補助金関係が多くなる傾向がありますので建築の前には確認をしましょう。

最後に、省エネルギー設備を導入している住宅は将来的に建物の価値が省エネルギー対策をしていない住宅に比べて高まる傾向にあります。家を資産として考える場合、購入した家の価値が下がるのは避けたいものです。

ZEHに対しても含めて住宅メーカーと打ち合わせをして時代に沿った住宅を建てるようにしていきましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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