2023年10月05日更新

監修記事

50・60・70平米のマンションリフォームにかかる費用や価格の相場は?戸建てより安いって本当?

50~70平米の住宅で行うスケルトンリフォームは、一戸建て・中古マンションなど、建物のタイプによって、プランニングの内容や費用相場、工事の種類も異なります。希望するリフォームが行えるかどうか、予算面や施工可能な工事などをもとに計画していきましょう。

マンションリフォーム(スケルトン)の基本的な費用相場

スケルトンリフォームの費用は、施工する建物の面積によって変動します。

平米ごとの費用相場を知る前に、まずは、スケルトンリフォームに必要な工事の費用相場を知っておきましょう。

戸建て住宅のスケルトンリフォーム費用

戸建て住宅で行うスケルトンリフォームでは、解体工事、仕上げ工事だけでなく、外壁や屋根などの外装工事費用や、基礎や土台の補強、耐震改修、断熱改修など、様々な工事が発生します。

戸建て住宅の基本的な工事費用

※平方メートルあたりの単価
・解体工事費用:約1~3万円
・耐震補強工事費用:約2~6万円
・断熱補強工事費用:約1~3万円
・外壁、屋根工事費用:約3万円
・内装工事費用:約2万5千円
・電気配線工事費用:約1万5千円
・給排水管工事費用:約8千~2万円

この単価を元に、施工面積ごとに計算すると、住宅ごとの工事費用の相場を調べることができます。ただし、内装工事の量や選んだ建材のグレード次第で、工事費用は大きく変動ます。

例えば、同じ床材でも、化粧シートのフローリングは平方メートルあたり約3~5千円ですが、無垢材になると、平方メートルあたり約8千~1万5千円と、大きく金額が異なります。

50・60・70平米のスケルトンリフォームにかかる費用や価格の相場は?

戸建て住宅の水回り設備交換費用

※機器の本体価格・取り付け費用を含む金額です
・システムキッチン交換費用:約70万円
・ユニットバス交換費用:約80万円
・洗面台交換費用:約40万円
・トイレ交換費用:約20万円

合計:約210万円

なお、機器の価格は、各水回りメーカーの、スタンダードクラス・標準仕様商品を参考にしています。

マンションのスケルトンリフォーム費用

マンションは解体する箇所が少なく、耐震補強工事など基礎に手を加える工事や、外壁や屋根工事なども行えないため、同じ施工面積でも、戸建住宅より費用は安くなる傾向にあります。

マンションの基本的な工事費用

※平方メートルあたりの単価
・解体工事費用:約1~3万円
・内装工事費用:約2万5千円
・電気工事費用:約1万5千円
・水道工事費用:約8千円

マンションの水回り設備交換費用

※本体価格・取り付け費用を含む設備ごとの交換費用
・システムキッチン交換費用:約60万円
・ユニットバス交換費用:約70万円
・洗面台交換費用:約20万円
・トイレ交換費用:約20万円

合計:約150万円

こちらの費用も、スタンダードクラスの一般的な価格帯の商品を想定しています。ただし、賃貸物件向けの機器は、一戸建て住宅用の機器よりも、やや割安になる傾向にあります。

スケルトンリフォームとリノベーションの違い

厳密な定義はありませんがスケルトンリフォームは、リノベーションの手法のひとつと考えておくと良いでしょう。

スケルトンリフォームの絶対条件は、「基礎以外の内装・外装をすべて解体すること」です。

一方、リノベーションとは、「リフォームによって建物に新しい価値を与えること」であって、必ずしもスケルトン工事が必要というわけではありません。

「フルリフォーム」と表記された施工例を見る時は、スケルトンリフォームなのか、リノベーションなのかを、工事内容をもとに確認しておきましょう。

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50平米のスケルトンリフォーム費用

50平米(約15坪)以下の建物で行うスケルトンリフォーム費用は、以下の費用相場になっています。

建物タイプ別・費用相場

・50平米の戸建て住宅をスケルトンリフォーム:約860~1300万円
・50平米のマンションをスケルトンリフォーム:約500~800万円

50平米で行うリノベーションとの費用差

リノベーションの場合、解体工事は大規模にならないことが多く、屋根や外壁などに手を加えるフルリフォームもすべての施工例で必ず実施されているわけではありません。

そのため、スケルトンリフォームよりも、リノベーション費用の方が若干安くなる傾向にあります。

・50平米の戸建て住宅をリノベーション:約800~1100万円
・50平米のマンションをリノベーション:約400~600万円

50・60平米のリノベーション費用について詳しくはこちら

50平米スケルトンリフォームの事例

以下は、50平米の建物で行える、スケルトンリフォームの事例です。

50・60・70平米のスケルトンリフォームにかかる費用や価格の相場は?

コンパクトな建物でも、プランニング次第で、窓や吹き抜けで採光性を確保し、造作家具で収納不足を補うことができます。

一戸建て住宅のリフォーム事例

■費用:約1350万円
■リフォーム内容:
・リビングの天井を吹き抜けに変更
・水回り設備一式の交換
・窓を増やして採光性の向上

中古マンションのリフォーム事例

■費用:約800万円
■リフォーム内容:
・あえて間仕切り壁を設け、SOHO住宅にリフォーム
・造作収納、造作カウンターを設置
・仕事場と居室を隔てる壁にはガラス窓を設置

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60平米のスケルトンリフォーム費用

60平米分のスケルトンリフォームは、マンションでの施工例が多くなりますが、一戸建て住宅でも行われています。

建物タイプ別・費用相場

・60平米の戸建て住宅をスケルトンリフォーム:約990~1650万円
・60平米のマンションをスケルトンリフォーム:約600~900万円

60平米で行うリノベーションとの費用差

・60平米の戸建て住宅をリノベーション:約800~1400万円
・60平米のマンションをリノベーション:約500~700万円

60平米スケルトンリフォームの事例

60平米分スケルトンリフォームでは、一戸建て住宅の場合、吹き抜けの作成による採光性の向上や、開口部の位置変更による通気性の向上など、限られた面積を有効に使うプランニングが行われます。

一方、中古マンションの場合、間仕切りや和室を撤去して、広いリビングを作るリフォームなどが行われることがあります。

60平米のコンパクトなマンションでも、スケルトンリフォームによってファミリー向けの間取りに変更することができるでしょう。

ただし、鉄筋コンクリート造のマンションは、間仕切り壁の解体が行えないものも多いため、物件を購入する時は、希望するリフォームが行えるか必ず確認しておきましょう。

一戸建て住宅の事例

■費用:約950万円
■リフォーム内容:
・間仕切り壁を引き戸に変更
・基礎部分の耐震補強工事を実施
・構造計算をやり直し、吹き抜けと窓を追加
・玄関の位置とリビングの窓を合わせ、建物の通気性を確保

中古マンションの事例

■費用:約650万円
■リフォーム内容:
・和室と洋室を区切る間仕切り壁を撤去
・和室部分はリビングと一体化、または小上がりに変更して収納兼寝室に
・キッチンはあえて壁付けにして、リビングの面積を確保

70平米のスケルトンリフォーム費用

70平米の家になると、スケルトンリフォーム・リノベーションともに、施工例の費用相場は約1000万円前後になり始めます。

50・60・70平米のスケルトンリフォームにかかる費用や価格の相場は?

建物タイプ別・費用相場

・70平米の戸建て住宅をスケルトンリフォーム:約1100~1700万円
・70平米のマンションをスケルトンリフォーム:約800~1250万円

70平米のリノベーションとの費用差

・70平米の戸建て住宅をリノベーション:約900~1600万円
・70平米のマンションをリノベーション:約700~1000万円

70・80・90平米のリノベーション費用について詳しくはこちら

70平米スケルトンリフォームの事例

70平米の住宅で行うスケルトンリフォームも、採光性・通気性・動線・収納の4点がプランニングのポイントになります。

一戸建て住宅の事例

■費用:約1100万円
■リフォーム内容:
・間仕切り壁を撤去してリビングを拡張
・別室にあったキッチンを、リビングにアイランドキッチンとして移動
・取り外せない筋交いは、リビングのインテリアとして再利用

中古マンションの事例

■費用:約850万円
■リフォーム内容:
・間仕切り壁を撤去し、子どもと遊べる広いリビングに変更
・壁付けキッチンを対面キッチンに変更し、家事のあいだも子どもに目が届く間取りに
・スキップフロアの上に寝室を設け、フロア内部は収納スペースに

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スケルトンリフォームで気をつける事

戸建住宅の場合、用途地域の変更などで使える資材に制限を受ける場合があります。

マンションの場合は共有部分との取り合いや内装制限などにも要注意です。法的確認や近隣対策など細かい配慮を心がけましょう。

住宅リフォームの減税や補助

住宅の建て替えやリフォームには各種の減税や補助金の制度があり、一定の条件で支援を受けることができます。

補助金については、各自治体により各種の制度が増えたり、内容が変化していますので最新の情報を確認しておきましょう。

リノベーションで、優良な会社を見つけるには?

本記事のリノベーションは一例で、「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なり」ます。複数社の見積もりを「比較」をすることが重要です!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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