軽量鉄骨製の建物の寿命はどのぐらいなのか?
アパートなどで良く用いられている軽量鉄骨造の建物の寿命はどのぐらいが目安なのでしょうか?
鉄の構造材とコンクリートによる構造は、一戸建ての平屋住宅やマンション、アパートなどさまざまな建物に使用されていますが、軽量鉄骨とはその中でも骨組みに使われる鉄骨の厚みが6mm以下のものを言います。
鉄骨の厚みが薄いため、やや強度が低く、高層建築には向きませんが、軽量のため工場で部材を製作し、現場で組み立てるプレハブ工法に向いた建築方法です。
この軽量鉄骨造の建物、国税庁の定めている法定耐用年数を調べてみると、19年と27年のどちらかが対象となります。
これは、法定耐用年数の基準が理由で、使用されている鉄骨の厚みが3mm以下なら19年、それ以上なら27年となるためです。
中古でアパートや住宅、倉庫などの建物を購入する場合、使用されている鉄骨の厚みについて調べておくと良いでしょう。
この法定耐用年数では、木造なら22年、6mm以上の鉄筋を使用した重量鉄骨製の建物の場合は34年、鉄筋コンクリートの場合は47年となっています。(※2017年12月時点)
ただ、これは法律上の寿命で建物の寿命というわけではありませんので、中古住宅のリフォームか建て替えかでお悩みの方は、建築会社などへ建物の調査を依頼し、建て替えかリフォームするかを考えると良いでしょう。
ただ、築年数によっては条例等の変更によって建ぺい率が変わり、家が小さくなってしまうことがあるため、建て替えよりリフォームの方が良い場合もあります。
軽量鉄骨建物のメリットとデメリット
軽量鉄骨で作られた建物には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
木造や重量鉄骨、鉄筋コンクリートなどの建物と比較して軽量鉄骨が優れている点、デメリットとなる点を見てみましょう。
軽量鉄骨のメリット
軽量鉄骨のメリットは、木造家屋と比較した場合、火災や風雨、白アリなどに強いということです。
ただ、構造に鉄を利用しているため、床下などの湿気対策を十分に施していなければ鉄骨が錆びてしまうという問題はあります。
錆については、換気システムなどを用いて湿気を除去する、または塗装で皮膜を作ることで予防できるため、中古物件を購入する際にはこのような錆対策が施されているかどうかを確かめておくと良いでしょう。
また、重量鉄骨や鉄筋コンクリート造と違い、工場で部材を加工して現地で組み立てるプレハブ工法が使用できるため、短期間で施工を行えることもメリットとなります。
軽量鉄骨のデメリット
軽量鉄骨のデメリットは、木造に比べて室内の湿度を調整しにくい点が挙げられます。
木造家屋では、木材が空気中の湿気を吸収、または排出することで室内の湿度を安定させていますが、軽量鉄骨などの鉄骨とコンクリート、石膏ボードなどで作られた建物では湿気をあまり吸収することができません。
ただ、調湿機能のある壁紙を使用したり、空調機器を使用したりすることで、湿度を調整できるため、対策を行えば湿気による問題を防ぐことができるでしょう。
また、防音性についても他の工法に比べて劣る傾向があります。
これは、構造材が軽量で強度が低いため、コンクリートなどの防音性が高く、重量がある建材を利用できないためです。
こちらについても壁に断熱材や吸音材を施工することである程度機能を高めることができます。
軽量鉄骨の耐震性は低い?
軽量鉄骨の建物は比較的薄い鉄筋を使用しているため、耐震性が低いと思われることが多いようです。
しかし、耐震性については構造材の強度も重要ですが、建物の重量も大きく影響するため、一概に構造材の強度や厚みだけで判断することはできません。
軽量鉄骨の建物の場合、プレハブ工法を利用するために建物そのものが軽く作られているほか、筋交いや耐震壁の利用によって耐震性が高められているため、木造と同程度の耐震性が確保されています。
軽量鉄骨の建物をリフォームする場合の費用は?
軽量鉄骨の建物は、防音性や断熱性がやや低いのですが、リフォームによって改善することができます。
また、スケルトンリフォームによって構造以外の全ての部分をリニューアルしたり、間取りの変更を行ったりすることも可能です。
それぞれのリフォーム方法について、工事の内容と費用を見てみましょう。
軽量鉄骨の建物に断熱リフォームを施す方法と費用
軽量鉄骨造の建物に断熱リフォームを施す場合、断熱塗料を外壁と屋根に塗布して外からの熱の侵入を防ぐ方法と、壁に断熱材を設置して室内の温度変化を抑える方法とがあります。
断熱塗料の塗布の場合、施工費用は1平方メートル辺り約6,000円に足場費などを加えたものが費用の相場です。
120平方メートルに塗装を行った場合では、塗装費が約72万円、これに足場費などが約20万円かかり、合計は約92万円。
壁に断熱材を設置するリフォームについては、壁を一度撤去して工事を行う必要があるため、スケルトンリフォームもしくリノベーションとなり、費用は1坪あたり約30万円が相場となります。
ただ、スケルトンリフォームやリノベーションを行う場合は、壁以外にどのような工事を行うか、設備を使用するかによって価格が大きく変化するため、リフォーム会社に調査を依頼し、見積もりを立ててもらうと良いでしょう。
また、同じ内容のリフォームを依頼しても業者によってかかる費用が大きく変わることがあるため、見積もりをしてもらうときはなるべく複数社に依頼しましょう。
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軽量鉄骨の防音工事について
軽量鉄骨建物で防音性を高める場合は、断熱性を高めるリフォームと同じく、スケルトンリフォームやリノベーションを施して壁を防音性の高いものに交換する必要があります。
窓をペアガラスや複層ガラスに変更したり、内窓を設置したりすることで多少防音性を高めることもできますが、構造上壁からも音が伝わるため、できれば壁ごとリフォームした方が良いでしょう。
費用は断熱リフォームと同じく、1坪あたり約30万円が相場です。
軽量鉄骨の建物に増築を行う場合の費用
軽量鉄骨の建物は、壁自体も住宅の強度を高めるための構造の一部となっているため、増築の際に壁の位置を変更することが難しく、増築の難易度が高いといわれています。
また、重量バランスなども考えて設計されているため、ベランダを利用して増築するといった工事や平屋の2階部分に増築するというのも難しいようです。
ただ、一戸建て平屋住宅の1階部分に増築し、ベランダなどの大きな窓枠を扉に交換して出入りするような増築方法なら構造に影響が出ないため、増築工事を行うことができます。
この場合、施工費用は軽量鉄骨構造で4畳なら約200万円が相場です。
ただ、大手メーカーの一戸建ての場合、制限はありますが増改築が可能な場合もあるため、リフォームを行いたい場合は建築メーカーに相談してみると良いでしょう。
軽量鉄骨製の倉庫を部屋にリフォームする
軽量鉄骨構造の倉庫をリフォームして部屋にする場合は、間取りの変更および外壁と屋根の断熱工事、水回り、電気配線などの工事を行います。
施工費用は工事を行う倉庫の大きさにもよりますが、4LDKの間取りで約1,200万円が相場のようです。
軽量鉄骨住宅をはじめ住宅のリノベーションやリフォームには各種の減税や補助金の制度があり、一定の条件で支援を受けることができます。
省エネ工事、耐震工事、バリアフリー工事といったリフォーム工事をすることで所得税や固定資産税の減税、贈与税の非課税や登録免許税の減税などの制度を利用できる可能性可能性があります。
補助金については、各自治体により各種の制度が増えたり、内容が変化していますので最新の情報を確認しておきましょう。
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