布(織物)クロスとは?メリット・デメリットやおすすめのメーカーも

「そもそも布クロスとは?」と、布クロスの特徴がわからない人も多いかと思います。布クロスは、壁紙の中でも高級感と温かみのある質感が魅力。しかし、同時に価格の高さや施工の難しさといったデメリットも持ちあわせています。この記事では、布クロスのメリット・デメリットやお手入れ方法などを解説します。布クロスの魅力を知って、理想の空間を実現しましょう。

2025年03月21日更新

監修記事
まずは無料お見積もりから

布(織物)クロスの特徴

出典:リリカラ

壁紙のリフォームで採用されることの多い布クロスとは、織物クロスのことをいいます。

織物クロスとは、天然繊維や合成繊維を織り込んで作られたクロスを指します。

ここでは、布クロスの特徴を見ていきましょう。

【特徴1】上質な質感と高級感

布クロスは織り込まれた糸の凹凸による独特の立体感があり、上質な質感と高級感を演出できます。

そのため、布クロスはホテルのロビーや高級住宅のリビング、寝室など落ち着いた空間に多く採用されています。

シルクのような光沢のあるデザインやリネン調のナチュラルな素材感など、インテリアのアクセントとしても人気があるでしょう。

【特徴2】快適な空間を作る吸湿性・放湿性

布クロスは、繊維素材の特性によって調湿機能を備えています。

そのため、室内の湿度を調整して快適な空間の維持が可能です。

例えば、リネンやコットンなどの天然繊維を使用した布クロスは、通気性が高く結露やカビの発生を抑える効果が期待できます。

梅雨の不快感や冬の乾燥による肌や喉の負担を和らげるため、快適な住環境の維持が期待できるでしょう。

まずは無料お見積もりから

布クロスとビニールクロスとの違い

布クロスとビニールクロスは異なる素材で作られているため、質感・機能・メンテナンス性などに違いがあります。

ここでは、布クロスとビニールクロスを比較して違いを解説します。

【違い1】風合いと見た目の特徴

布クロスとビニールクロスは、手触りや見た目に差があります。

布クロス
  • 織り込まれた糸の凹凸による独特の立体感がある
  • 自然な風合いや上質な質感で高級感がある

ビニールクロス

  • 表面がツルツルしており、シンプルなデザインが多い
  • プリント加工により、豊富なバリエーションがある

【違い2】通気性や調湿性の効果

布クロスとビニールクロスは、通気性や湿度の調整機能(調湿性)にも違いがあります。

布クロス
  • 通気性や吸湿性が高く、湿度を調整する効果がある
  • 結露やカビの発生を抑えるのに役立つ
ビニールクロス
  • 空気を通しにくく、調湿機能がない
  • 湿気がこもりやすく、結露やカビが発生しやすい

【違い3】耐久性やメンテナンスのしやすさ

布クロスとビニールクロスは、耐久性やお手入れのしやすさにも違いがあります。

布クロス
  • 汚れがつきやすい
  • 水拭きができないものも多いため、お手入れが難しい
ビニールクロス
  • 水や汚れに強く、キッチンやトイレなどに適している
  • タオルで拭くだけで汚れを落とせるので、お手入れがしやすい
まずは無料お見積もりから

布クロスにリフォームするメリット

布クロスは、高級感のある質感と機能性を兼ね備えた壁材であり、リフォーム時に採用することでさまざまなメリットがあります。

ここでは、布クロスをリフォームで採用するメリットをくわしく解説します。

【メリット1】自然素材ならではの温かみと風合い

布クロスは、リネン・コットン・シルクなどの天然繊維を使用し、自然素材ならではの温かみのある質感が特徴です。

また、布クロスの繊維が光をやわらかく反射することで、室内に自然な陰影が生まれ、落ち着いた雰囲気を演出できます。

そのため、リフォーム時にもホテルライクなどの上質な空間を作りたい人におすすめです。

さらに、天然繊維の布クロスは肌触りがやわらかく、視覚的にも温かみを感じやすいため、ナチュラルなインテリアや和モダンのデザインとも相性がよいでしょう。

【メリット2】織り方の違いで楽しめるデザイン性

布クロスは、織り方によって多様なデザインや質感を楽しめるのが特徴です。

例えば、リネン調の布クロスはナチュラルな雰囲気を演出し、シルク織りの布クロスは上品で洗練された印象を与えます。

シンプルから華やかなデザインまで幅広く選択できるのも魅力です。

さらに、織り方で光の反射具合も変わるため、部屋の明るさや雰囲気を調整しやすいメリットもあります。

布クロスは織り方のバリエーションによって、空間の印象を自在に変えられるため、デザイン性を重視する方におすすめです。

【メリット3】耐久性が高く長持ちする素材

布クロスは繊維を織り込んで作られているため、強度が高く破れにくいという特徴があります。

特に合成繊維の布クロスでは摩擦にも強いため、長期間にわたって美しい状態を維持しやすいでしょう。

また、空気を通しやすい繊維素材で作られているため、湿気がこもりにくいので結露やカビの発生を抑えて劣化防止につながります。

そのため、頻繁な張り替えが必要なく、長期的に見るとコストパフォーマンスのいい選択といえるでしょう。

【メリット4】防汚・防火加工された機能性クロス

近年、防汚・防火加工が施された「機能性クロス」も数多くラインナップされています。

これにより、デザイン性と機能性の両方を兼ね備えているため、より安全で快適な住環境を作れるでしょう。

なお、公共施設や商業施設では防炎基準を満たす必要があるため、防火加工された布クロスの採用も増えています。

まずは無料お見積もりから

布クロスにリフォームするデメリット

布クロスをリフォームで採用する際には、いくつかのデメリットもあります。

ここでは、布クロスの事前に注意すべきポイントを解説します。

【デメリット1】価格が高め

布クロスは、ほかのクロスに比べて比較的高額なのがデメリットのひとつです。

例えば、布クロスには天然繊維(リネン・コットン・シルクなど)や合成繊維(ポリエステル・ナイロンなど)を使用しているため、素材自体のコストも高い傾向にあります。

また、布クロスは繊維を織り込んで作るため、製造工程が複雑です。

織り方や染色の工程によってデザイン性が変わるため、職人の手間がかり価格が高くなりやすいことも頭に入れておきましょう。

【デメリット2】汚れが落ちにくく、お手入れが大変

布クロスは、汚れがつきやすく落としにくいというデメリットもあります。

壁紙の表面にコーティングなどないため、汚れが染み込みやすく掃除の手間がかかります。

例えば、布クロスはリネンやコットン、シルクなどの繊維でできているため、液体や油汚れが染み込みやすいといった特徴があります。

長期間放置するとシミや変色につながるでしょう。

また、布クロスは水や洗剤で簡単に拭き取れないため、お手入れが難しく感じるかもしれません。

水分を含むとシミになりやすい素材のため、水拭きすれば汚れを広げてしまうので注意しましょう。

【デメリット3】施工に専門的な技術が必要

布クロスは、ビニールクロスに比べて施工が難しいため、専門的な技術が必要とされます。

そのため、DIYでの施工は不向きであり、きれいに仕上げるためには職人の技術が求められます。

布クロスは施工時に伸縮しやすく、シワやたるみが発生しやすい傾向にあります。

下地の影も受けやすく、平滑に仕上げるためには下地処理の精度が重要です。

また、補修の際には、専用の接着剤を使用しないと接着不良や仕上がりのムラが発生してしまいます。

リフォーム時には、施工経験の豊富な業者に依頼しましょう。

【デメリット4】防火認定の有無の確認が必要

布クロスをリフォームに採用する際は、防火認定の有無を確認しましょう。

布クロスは、リネンやコットン、シルクなどを使用しているため、燃えやすい性質を持っています。

建築基準法や消防法では特定の建物や空間において、防火性能を持つ建材の使用が義務付けられています。

特に、商業施設や飲食店、マンションの共用部分では、防火性能のある壁紙の使用が推奨されているので注意しましょう。

まずは無料お見積もりから

布クロスの貼り替えにかかる費用相場

布クロスの貼り替えにかかる費用相場は、1平方メートルあたり1,500~3,000円が目安です。

クロスの種類費用相場
(1平方メートルあたり)
天然繊維クロス
(リネン・コットン・シルクなど)
3,000円~
合成繊維クロス
(ポリエステル・ナイロンなど)
1,500円~

布クロスは施工に専門的な技術が必要なため、一般的な壁紙よりも高額になる傾向があります。

また、施工業者によっても費用は異なるため、複数の業者から相見積もりを取得しましょう。

まずは無料お見積もりから

布クロスへの貼り替えをおすすめできない部屋

布クロスの貼り替えは、残念ながらすべての部屋におすすめできるわけではありません。

布クロスへの貼り替えをおすすめできない部屋
  • キッチン(油汚れがつきやすい)
  • 洗面所・トイレ(湿気が多い)
  • 玄関・廊下(汚れやすい)
  • ペットを飼っている部屋(ひっかき傷や汚れがきやすい)

このような部屋に布クロスを採用したい場合は、以下のポイントを押さえましょう。

布クロスを採用する際のポイント
  • 防汚加工や防湿加工の製品を選ぶ
  • 一部の壁にアクセントウォールを取り入れる
まずは無料お見積もりから

布クロスのリフォームでおすすめしたいメーカー

出典:サンゲツ

布クロスにリフォームする際は、目的や予算に合わせて最適なものを選びましょう。

ここでは、布クロスにおけるおすすめのメーカーを見ていきましょう。

【メーカー1】サンゲツ

サンゲツは、国内最大級の壁紙メーカーです。

天然繊維を使用した高級感のあるクロスから、機能性に優れた製品(防汚・防火加工済みクロスまで幅広くラインナップされています。

上質なデザインが多いため、インテリアにこだわりたい人にもおすすめです。

サンゲツの代表的な布クロス
品番SGB2209
素材不燃認定織物壁紙
価格2,550円
(1メートルあたり)
2,780円
(1平方メートルあたり)

【メーカー2】リリカラ

リリカラはデザイン性の高いクロスが豊富で、ナチュラル系からモダンなデザインまで幅広く取り扱いがあります。

また、防火・防汚加工の布クロスも充実しており、住宅用だけでなくホテル・商業施設向けにも人気です。

リリカラの代表的な布クロス
品番LMT-16060
素材レーヨン
シルク
価格3,900円
(1メートルあたり)
4,240円
(1平方メートルあたり)
まずは無料お見積もりから

布クロスを美しく保つためのメンテナンス方法

布クロスをきれいな状態で長持ちさせるためには、日々のお手入れが欠かせません。

ここでは、布クロスを長持ちさせるためのお手入れ方法について見ていきましょう。

【方法1】日常のこまめな掃除

布クロスは繊維の表面にホコリが溜まりやすいため、定期的に除去することが大切です。

掃除方法
  • ハタキや乾いた布で軽く拭く
  • 掃除機のブラシ付きノズルを使ってホコリを吸い取る

参考壁紙のメンテナンス(サンゲツ)

【方法2】汚れやカビに対する早期対策

布クロスは水拭きができないタイプも多いため、汚れを見つけたらすぐに対処しましょう。

また、濡れたタオルや洗剤でふき取ると、シミの原因になるので注意が必要です。

汚れた際のお手入れ方法
  • 乾式のやわらかいぞうきんで軽くふき取る
  • カビは早めに消毒用アルコールでふき取る

参考:壁紙のメンテナンス(サンゲツ)

なお、汚れを落とすのに中性洗剤や軽い水拭きを推奨していますが、壁紙を傷める可能性があるため、慎重に対応しましょう。

【方法3】湿気対策

布クロスは吸湿性・放湿性に優れた素材ですが、こまめな湿気対策は必要です。

湿気対策の方法
  • 定期的に換気をする(窓を開ける、扇風機やサーキュレーターを回す)
  • 除湿機や吸湿材などを活用する
  • 家具と壁の間に隙間を作る(空気の流れを確保する)

参考:壁紙のメンテナンス(サンゲツ)

特に、梅雨や冬場に結露の発生しやすい窓際や北側の部屋などは、こまめな湿気対策を心がけましょう。

まずは無料お見積もりから

【Q&A】布クロスに関するよくある質問

布クロスにはどのような種類がある?

布クロスは、織り方によってさまざまな種類があります。

布クロスの種類
織り方特徴
平織ナチュラルな風合いを持つので、和室やモダンなインテリアにも合いやすい
綾織ホテルや応接室など、高級感のある空間もおすすめ
朱子織
(サテン織り)
光沢のある表面に仕上げ、上品でエレガントな印象
ジャカード織複雑な模様や柄を織り込む織り方で、デザイン性が高い
不織布クロス紙のような質感でありながら、優れた耐久性・通気性がある
布クロスはペットがいる家庭でも問題ない?

犬や猫などのペットを飼っている家庭では、布クロスが傷むなどのトラブルが考えられます。

考えられるトラブル
  • 爪とぎによる引っかき傷による:繊維のほつれ
  • 体をこすりつけた際の汚れ:皮脂や毛が付着し、掃除が難しい
  • 臭いが染み込みやすい:消臭対策しないと、ペット特有のニオイが残る

なお、これらのトラブルに対する対処法は、以下のとおりです。

対処法
  • 防汚・撥水・抗菌機能付きの布クロスを選ぶ
  • ペットの爪とぎや定期的な掃除を心がける
  • 汚れが目立ちやすい場所はビニールクロスと併用する
DIYによる布クロスの貼り替えは可能?

DIYによる布クロスの貼り替えは可能です。

しかし、さまざまなリスクがあるため、おすすめはできません。

布クロスをDIYするリスク
  • 伸縮性があるため、シワやたるみが出やすい
  • のりが染み込みやすく、ムラが出ることもある
  • 貼り替えた際の継ぎ目が立ちやすい
  • 壁紙のカットが難しい
  • 施工時に専用の工具や接着剤が必要

このようにDIYによる布クロスの貼り替えにはさまざまなリスクがあるため、専門業者にリフォームを依頼しましょう。

布クロスの寿命は何年?

布クロスの寿命は、一般的に10~15年です。

なお、上記年数は建物の環境やメンテナンスサイクルなどによって異なるため注意しましょう。

まずは無料お見積もりから

壁紙・内壁リフォームの業者選びで後悔しないために

必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!

なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。

とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。

そのような方こそハピすむの一括見積もり比較を活用しましょう!
大手ハウスメーカーから地場の工務店まで、審査を通過した1000社以上の中から、まとめて見積もりを依頼できます。

無料の見積もり比較はこちら>>

また、ハピすむでリフォームされた方には最大10万円分の「ハピすむ補助金」もご用意しています。

詳細はこちら>>>ハピすむ補助金プレゼントキャンペーンの流れ

まずは無料お見積もりから

この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

LINE 友達追加
まずは無料お見積もりから
【お住まい周辺】
無料一括最大3社
リフォーム見積もりをする