目次
壁紙のリフォームで使用する布クロスの特徴と種類について
漆喰や珪藻土などの土壁(湿式工法)の文化から、石膏ボートを下地に施工して、その上に糊をつけて、クロスを張るという現代の乾湿工法に移行した頃(1960年代)は今よりも布クロスを多く使用していました。
もともと、クロスは「cloth」という英語で、布または布地を意味する言葉なので、本来は布の壁紙を指したものだったといわれています。
その後、安価で簡単に施工できるビニールクロスが主流になり、現在ではビニールクロスのシェアは9割以上を占めています。反対に布クロスは壁紙全体の1%にも満たない現状です。
しかし、近年の自然素材ブームもあり、織物や編み物、または不織布などの素朴で温もりのある布クロスも注目されつつあるようです。
素材はカジュアル感を演出しやすい木綿や麻、高級感があるシルク、または様々な織り方に対応できるポリエステルやレーヨンなどがあります。
布クロスの織り方などの種類
織物の織り方は、さらしの木綿やブロードに代表される平織、デニムやサージ、ヘリンボーンに代表される綾織、サテンに代表されるツヤと光沢感がある朱子織などがあります。
また、織物のように織るのではなく、繊維を熱処理で圧縮したり、科学的に絡み合わせたりしてシート状にしたものを不織布と呼びます。フェルトやフリースなども不織布です。
他には、紙などに静電気の作用で植毛したものや、ループ状の編み物組織のものなどがあります。
これらの様々な布の裏に紙を裏打ちした壁紙を、布クロスと呼んでいます。
リフォームで布クロスに張替えるメリットについて
織物というと単純な織り方で、単色というイメージがあるかもしれませんが、花柄を織ったものや、ゴブラン織り調のものなど、色やデザインも比較的豊富です。その他のメリットについてもみてみましょう。
自然素材
木綿や麻などは自然を感じることができる風合いがあるので、オールドアメリカンなどの部屋のインテリアには素朴さを演出することができます。
織り方を楽しむ
厚手で凹凸感のある布地のクロスは高級感があります。リビングや応接間に使用することで、落ち着きと重厚感を味わうことができます。
吸湿性・放湿性
布は通気性が良く、調湿性もあります。水分を吸収し、乾燥時には放湿してくれるので、結露などが発生しにくいというメリットがあります。
また、厚みがあるので断熱効果や遮音効果も期待できます。
丈夫である
布はとても丈夫で破れにくく、経年変化を楽しむこともできるので、ビニールクロスのように頻繁に張替える必要がないというメリットがあります。
安心
ほとんどが自然素材なので、科学物質によるシックハウス症候群やアレルギー体質の人にも比較的安心して選ぶことができます。
クロス張替えのリフォームで布クロスにした場合のデメリット
布クロスのメリットについてみてきましたが、反対に布クロスに張替えをする場合のデメリットとは何なのでしょうか?
価格について
布のクロスは比較的安価なレーヨンから高級シルクまで、価格の幅が広いのが特徴ですが、全体的にビニールクロスに比べると高価になります。
施工が難しい
織物の繊維は伸縮するために施工は難しく、熟練の職人さんを探さなくてはなりません。そのため、施工費用が高くなることがあります。また、継ぎ目が目立ちやすいというデメリットもあります。
汚れが落ちにくい
布の特性で、汚れがつくと落ちにくいというデメリットがあります。しかし、最近は防汚加工や撥水加工などの機能がついているものが多くなっています。
防火認定について
布クロスは防火認定を受けているものが少ないため、キッチンなどで使用できるクロスの選択肢が限られてしまうというデメリットがあります。
特にマンションなど集合住宅の場合は、地域により内装制限が適用され使用できない素材もあるので確認が必要です。
布クロス(織物壁紙)の特徴について
織物の壁紙は天然素材なので、調湿性や通気性があります。
材質も厚みがあるため重厚感、高級感があり、ホテルや結婚式場などでも使われています。
家の中ではリビング、ベッドルーム、玄関などに使用することが多いようです。
布クロスは織物や編み物、不織布やフェルトなどの裏に紙を裏打ちしてあります。
様々な織り方があるので、目的に応じた温かみのある独特の風合いを楽しむことができます。
また、ビニールクロスよりも丈夫で、長く楽しむことができますが、水分を含みやすく、汚れやすいという欠点があります。
しかし、最近では撥水加工や防汚加工などを施したものもでてきました。
布クロスの織物の種類とその特徴
布のクロスは、綿や麻などを使ったカジュアルテイストのものから、シルクなどの高級素材や、凝った織り方のものまで、色や柄のバリエーションは豊かです。
どのような布クロスがあるのかみてみましょう。
平織の壁紙
縦糸と緯糸を交互に織っていく布で、さらしの木綿や羽二重、ブロードなど、一般的に良くみられる織物です。
綾織(斜文織)の壁紙
緯糸の上を縦糸が2本または3本通過した織り方で、畝模様を作ります。
代表的なものにサージ、デニム、ヘリンボーンなどがあります。
朱子織の壁紙
サテンに代表されるように、緯糸が少なく、縦糸が浮いている織物組織で、柔軟性と光沢感があります。
不織布の壁紙
繊維を織るのではなく、熱処理や科学的処理をすることで、圧縮したり絡め合わせたりしてシート状にしたものです。代表的なものにフェルトがあります。
植毛の壁紙
紙などを基にして静電気の作用で植毛し、デザインに合わせて長さを調整してカットしたクロスです。
布クロスに張替えリフォームしたときの費用について
布のクロスは織り方や繊維素材によって、価格が大きく違ってきます。
比較的安価なレーヨン素材のクロスから高価なシルク製のクロスまで、価格帯も幅広いのが特徴です。
一般的なビニールクロスに比べると、布クロスは単価や施工費などが高くなるため、全体にかかるリフォームの費用も高くなります。
布クロスの工事費込みの参考価格は以下の通りです。(すべて1平方メートル当たりの単価)
・レーヨン素材の壁紙:約1500円~
・不織布の壁紙:約2500円~
・シルク100%の壁紙:約1万円~
一方、ビニールクロスの安価なものは、工事費込みで1平方メートル当たり約1000円~です。
機能性がついたものやグレードの高いもので1平方メートル当たり約1500円~といわれています。
工事の内訳は、既存クロスの撤去および廃棄処分費、養生費、施工費、諸費用などが一般的です。
その他に、壁の下地が痛んでいたりすると下地処理の費用がかかることもあります。
また、大きな家具の移動費やエアコン着脱費用、駐車場代なども場合によっては必要になることもあります。
リフォームで布クロスを張り替える場合の注意点
織物などの布クロスは、ビニールクロスよりも施工が難しいといわれています。
布は様々な繊維を使用しているため、糊をつけてクロスを張るときに布が多少縮んだり伸びたりするからです。
そのため、布クロスの経験が少ない職人さんだと、継ぎ目が目立ってしまうことがあります。
布クロスを張る場合は、織物の壁紙が得意とする、経験豊富な職人さんがいるリフォーム会社を選ぶようにしましょう。
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