目次
壁紙、クロスの補修費用相場
壁紙やクロスの補修といっても、損傷の程度によって補修方法や費用が異なります。
損傷の程度ごとの費用相場は以下の通りです。
クロス・壁紙の損傷と補修方法 | 費用相場 |
隙間やひび割れ | 5000円〜1万円(箇所) |
破れや剥がれ | 5000円〜3万円(箇所) |
浮き | 5000円〜3万円(箇所) |
土壁の穴埋め | 2万円〜5万円(箇所) |
塗装 | 5万円〜15万円(部屋) |
隙間やひび割れを塞ぐのにかかる補修費用の相場
壁紙やクロスは経年で乾燥して縮んだり、新築戸建ての場合だと使用されている木材の収縮で壁紙に隙間ができたりすることがあります。また、同様の理由で壁紙にひび割れが発生することも。
補修費用の相場としては5000円〜1万円程度ですが、あまりに広範囲であった場合は部分補修でなく、張り替えが必要になるので、1平方メートルあたり700〜2000円程度の費用がかかります。
DIYをすることも可能ですが、素人が施工することになるので、納得のいく仕上がりになる保証はありません。
少しでも不安がある方や手間をかけたくない方は、業者に依頼することをおすすめします。
壁紙の破れや剥がれにかかる補修費用の相場
壁紙の破れや剥がれの補修費用相場は1箇所あたり5000円〜3万円です。
壁紙の破れは下記のようなことが原因で発生します。
・こどものいたずら
・ペットがひっかく
・家具などの移動の際にぶつける
破れることで、生活に支障はありませんが、見た目はが悪くなってしまうので、お客さんを招くのを躊躇してしまいますよね。
また、剥がれは経年劣化や湿気が原因で発生します。
補修方法は、損傷の程度によって異なりますが、損傷箇所が小さければ、ご自身で行うことも可能です。上からインテリアシールを貼ることで隠すことも可能なので、検討してみてください。
DIYをする場合、しわや歪みが出てしまい、思った仕上がりにならない可能性があるため、不安な方は業者に依頼することをおすすめします。
壁紙の浮きの補修にかかる補修費用の相場
壁紙の浮き補修も破れや剥がれと同様、部分的な補修であれば5000円〜3万円が相場です。浮きの原因となるのは、湿気や乾燥による壁紙の収縮で、浴室やキッチン、窓まわりなどで発生します。
浮き箇所が小さければDIYで補修することもできますが、補修箇所を目立たないようにしたいのであれば、専門業者に相談するといいでしょう。
土壁の穴埋め補修にかかる補修費用の相場
土壁の穴埋め補修にかかる費用相場は2万円〜5万円です。仮に全体を塗り直す場合には材料にもよりますが、10万円〜30万円の費用がかかります。
土壁に穴があく原因としては、下記のことが考えられます。
・家具などの運搬時にぶつけてしまう
・ねずみが穴を空ける
・施工時の土の配合ミス
いずれにせよ穴が空いたままでは、地震の揺れなどで穴が広がったり、子どもやペットが穴を広げたりしてしまい、最悪の場合、崩落の危険があります。
土壁の補修に関して、DIYキットなどが販売されていますが、時間と手間、労力を考えると、業者に依頼する方がいいでしょう。
壁の塗装にかかる費用の相場
室内の壁の塗装にかかる費用相場は5万円〜15万円程度で、部屋の広さや材料のグレードによって大きく変化します。
例えば、トイレなどの比較的狭い空間であれば5万円〜8万円程度の費用で塗装工事が可能です。
塗装のメリットとしては、好きな色や模様で依頼ができたり、部分的な施工ができたりするので、細かいところまでこだわれます。
逆にデメリットは壁紙の張り替えより費用が高いところや施工後数日は臭気に悩まされるとことです。
DIYに関しては、一から道具を揃えたり、溶剤を使用する危険性を考慮すると、手間も時間もかかるため、業者に依頼することをおすすめします。
壁紙・クロスの補修で知っておきたい種類と見分け方
壁紙・クロスには下記のような種類があり、それぞれに特徴があります。
種類 | 特徴 |
ビニールクロス | 日本の住宅での採用率が高く、カラーや柄が豊富 |
紙クロス | 欧米での採用が多く、環境や健康面で安心 |
布クロス | 基本的に自然原料が使われており、高級感がある |
無機質系クロス | 土、石、セラミックやガラス繊維などが原料で燃えにくい |
土壁(塗り壁) | 耐火性、通気性、調湿性が高い |
一つずつ詳細を解説するとともに、それぞれの壁紙・クロスの見分け方について紹介します。
ビニールクロス
メリット | ・価格が安い ・耐久性が高い |
デメリット | ・接着剤に有害成分が含まれる |
ビニールクロスは日本で一番使用されているクロスで、デザインやカラーが豊富なのが特徴です。比較的低価格で供給されているのも、人気のひとつといえます。
さらには消臭や抗菌などの機能がある商品も展開されています。
ですが、施工する際に使用される接着剤に「ホルムアルデヒド」と呼ばれる有害物質が含まれていることからシックハウス症候群(化学物質に対するアレルギー反応)の症状に悩まされる可能性があるため、注意が必要です。
ビニールクロスは、霧吹きなどで水を吹きかけたときに水をはじくので、水を吸い込む紙や布クロスとの違いを見極めることができます。
紙クロス
メリット | ・通気性がある ・和・洋の特徴的なデザイン |
デメリット | ・施工に手間がかかる |
紙クロスは和紙や洋紙を使用したデザインで、カラーも豊富なのが特徴です。通気性が高く、音を吸収してくれるので寝室の壁紙に最適です。
また、耐久性が高い製品や調湿機能に優れている製品も出ており、機能性から選ぶこともできます。
ですが、ビニールクロスと比較してクロス自体が薄いため、下処理が不十分だった場合、下地の凹凸をひろってしまい、見た目を損なってしまうことがあります。
見分け方は、水を吹きかけた際、水を吸い込み、すぐに乾くなら紙クロスと判断できます。
布クロス
メリット | ・布ならではの風合いがある ・通気性がある |
デメリット | ・汚れが落ちにくい |
布クロスは、自然素材の麻や木綿を使用した者や、化学繊維のポリエステルやレーヨンなどが使われているものがあり、素材を楽しむことができる壁紙です。高級感があり湿度や温度の影響を受けにくいのが選ばれるポイントです。耐久性も高く、濡れても伸びにくいの特徴があります。
汚れが落ちにくく、水拭きができないため、手入れに手間がかかるのがデメリットです。また、他のクロスと比較して流通量が少ないため、採用している業者を探すのに苦労する可能性があります。
見分け方は、水を吹きかけた際、乾きにくくシミになるようであれば布クロスと判断できます。
無機質系クロス
メリット | ・素材を活かしたデザイン ・防火性に優れている |
デメリット | ・丁寧な施工が要求される |
珪藻土やモルタルなど自然素材を活かした独特なデザインで、スタイリッシュな空間を演出できます。素材によっては防火、消臭、調湿などの機能をもっているため、機能性から選ぶことも可能です。土壁のようなデザインで、かつ比較的低価格で空間を演出することができるのも人気のひとつです。
とはいえ、本物の土壁と比較すると見劣りしてしまうためこだわりの強い人には向いていません。また、クロス本体が薄く、クロスとの継ぎ目が目立ちやすいため、丁寧な施工が要求されます。
見た目と質感が特徴的なので、無機質系クロスの場合、みただけで判断することができます。
土壁(塗り壁)
メリット | ・強制的な換気が不要 ・手塗りならではの風合い |
デメリット | ・施工時間と費用がかかる |
耐火性や断熱効果が高く、調湿効果があるのが特徴です。湿度が高い場合は水分を吸収し、乾燥している場合は溜めていた水分を放出する特性があり、室内を快適に保ちます。また、自然素材を使用しているため、シックハウス症候群を引き起こす心配もありません。
壁紙・クロスと比較して、3倍以上の費用が必要で、施工にも時間がかかるデメリットがあります。また、汚れた際に水ぶきができないため、シミなどができても落とすことができません。
無機質系クロスと同様、見た目と質感から判断することができます。
自分で壁紙・クロスの補修をすることはできる?
壁紙やクロスの補修は損傷の程度が軽微であれば、自分で補修することは可能です。ここからはDIYで補修する上での損傷範囲や程度とDIYに必要な道具を紹介します。
壁紙の補修をしたいけれど、できるだけ費用を抑えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
壁紙・クロスのDIYに必要な道具
DIYに必要な道具と施工手順は、損傷の程度ごとに異なります。また、損傷の種類によって使用する材料も変わってくるため、間違えないようにしましょう。
隙間やひび割れ
・コーキング
・ローラー
・へら
・マスキングテープ
・布切れ
道具と材料は3000円程度で揃えることができます。
破れや剥がれ、穴
・接着剤
・壁紙(同じ型番)
・カット定規
・カッター
・ローラー
・ハケ
・スポンジ
3000円〜5000円程度で道具は揃います。カッターや定規、スポンジなどはご自宅のものを代用しても問題ありません。
壁紙の浮き
・注射器
・接着剤
・ローラーまたはヘラ
・ドライヤー
注射器はクロス補修用のものを準備しましょう。
壁紙・クロスの損傷ごとのDIY 施工手順
壁紙・クロスのDIYは、隙間やひび割れ、剥がれなど損傷ごとで異なります。ここからはそれぞれの損傷に対して、ご自身でできる施工手順を紹介します。
隙間やひび割れ
1.隙間やひび割れ箇所のすぐ横にマスキングテープを貼る
2.コーキングを充填する
3.ローラーやヘラで溝にコーキングを押し込み、平滑に仕上げる
4.マスキングテープを除去し、周辺についたコーキングを拭き取る
文字で見ると簡単そうですが、マスキングテープの養生が意外と難しく感じる人が多いようです。また、コーキングは、拭き取ることで何度も挑戦できる水性のものを使うといいでしょう。
破れや剥がれ、穴
1.補修する箇所の周りを四角くカッターで切れ込みを入れる
2.切り込み箇所を剥がし、周りを清掃する
3.補修箇所より大きめの壁紙を接着剤で貼り付ける
4.ハケでならし、貼り付ける
5.のりしろ部分をカッターで切り取る
6.壁紙をローラーで圧着する
7.はみ出た接着剤をスポンジで拭き取り、完成
シンプルなデザインであれば、接近してみなければ分かりにくくなります。壁紙の柄によっては、補修箇所が目立つことも考えられますが、破れや剥がれを放置しておくよりはいいでしょう。
壁紙の浮き
1.注射器に接着剤を入れ、浮き部分に充填する
2.ローラーやヘラで満遍なく押さえつけ、表面を平滑にする
3.ドライヤーで乾かす
壁紙が傷つくのは、注射器の小さい穴程度なので、補修後でも目立ちにくいのがうれしいポイントです。接着剤は充填しすぎないように注意しましょう。小さい穴が気になるのであれば、コーキング刷り込むことで改善が可能です。
壁紙が破れたときのおしゃれな隠し方とは
施工に自信がない方や大きな損傷を隠したいときには、下記のようなインテリアシールやウォールステッカーがおすすめです。
種類・デザイン | 特徴 |
動物や植物 | 小さい傷や剥がれを隠すのに最適 |
レンガやタイル、木目調 | ペットのひっかき傷など広範囲を隠すのに最適 |
剥がせる壁紙 | 一時的に損傷を隠したいときに最適 |
動物や植物、レンガ調など様々な柄があり、お好みのステッカーが見つかるでしょう。また、レンガやタイル柄など、広範囲を隠せるものなどもあり損傷の大きさに合わせて選ぶことができます。
貼って剥がせるタイプもあり、お部屋のちょっとしたアクセントに使うこともできます。
賃貸契約における壁紙・クロスの原状回復と補修費用
原状回復とは、アパートなどの賃貸住宅の賃貸借契約が終了し、退去する際に、借りていた部屋を本来あるべき状態(入居時の状態)、に戻して返す義務のことです。では、壁紙やクロスはどのような状態が原状回復といえるのでしょうか。
ここからは、国土交通省のガイドラインを参考に、原状回復が必要な状態と不要な状態を解説します。
原状回復が不要な状態なのに、補修工事を行なって、無駄なお金を支払わないようにしましょう。
賃貸の原状回復が必要な状態とは
下記のような状態であれば、原状回復が必要になります。
・釘やネジで開けた穴
・禁煙部屋なのに喫煙した際のヤニ汚れ
・落書き
・結露を放置したことによるカビや剥がれ
故意的に壁を汚したり損傷させた場合は、原状回復の必要があるということです。
また、これまで紹介した、剥がれや破れ、隙間などは必ずしも原状回復が必要というわけではありません。
というのも、入居者が毎日掃除し、キレイに家を保っていても、壁紙・クロスは経年劣化していきます。入居者が入れ変わるたびに修繕費を負担させていると、大家さんは身銭を削ることなく修繕し続けてもらえますよね。
このように大家さんが不当な利益を得ぬよう、入居者が損をすることがないように、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」において、壁紙・クロスの経年劣化による残存価値は6年で1円になると定められているのです。
賃貸の原状回復が不要な状態とは
下記のような状態であれば、原状回復は不要です。
・画びょうやピンなどで開けた小さな穴
・エアコン設置に必要なビス穴
・経年劣化による損傷
・普通に生活している上でできる汚れ
一般的には故意でなく経年劣化や普通の生活をしている上で汚れたり損傷したりしたものに関しては原状回復が不要です。とはいえ、ガイドラインには法的な効力はないため、契約書を確認しておきましょう。
また、事故で壁に穴が空いた際などは、火災保険を利用して補修できることがあります。責任の所在が難しい損傷については、契約書にのっとり、大家さんに相談するのがいいでしょう。
まとめ
今回は壁紙の補修費用相場と、種類の見分け方、DIYの可否、賃貸における原状回復の必要性について解説しました。
補修費用相場については、損傷の程度や種類によって補修方法が異なり、費用が大きく変わることがわかりました。損傷の範囲が小さい場合、道具を揃えることでDIYも可能です。
とはいえ、壁紙・クロスの補修や施工は簡単なものではありません。出来栄えにこだわりたい場合は、業者に依頼することをおすすめします。
壁紙・クロスには様々な素材があり、それぞれに特徴があります。部屋の空間や用途に合わせて、いろいろな組み合わせで壁紙を選ぶのも楽しいですよね。
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