目次
庇(ひさし)の役割とは?
出典:アルフィン-AP60
玄関ポーチの上に取り付けられている屋根は「庇(ひさし)」と呼ばれる屋根の一種です。
庇は主に、以下の役割を持っています。
- 雨を避ける
- 強い日差しを遮る
- 玄関ポーチの汚れを防ぐ
しかし最近は、新築時に庇をつけていない家が多いため、天気の悪い日は、玄関先で雨に濡れてしまいます。
とくに、雨の強い日は、「玄関ポーチに屋根があれば」と思う場面は多いでしょう。
雨の日はとくに鍵を取り出すのに苦労したり、荷物が濡れてしまったりするのを防ぎ、庇の役割が存分に発揮される場面です。
玄関ポーチの屋根は後付けできる?
現状、玄関ポーチに屋根がない場合は庇の後付けも可能です。
また、庇を後付けする以外にも、テラス屋根を代用することで、庇と同様の効果が期待できるでしょう。
テラス屋根は基本的に庭のテラスやウッドデッキに設置されるケースが多いです。しかし、玄関への取り付け事例もあります。
庇もテラス屋根も独立したパーツのため、基本的には、後からでも問題なく取り付け可能です。
玄関ポーチに屋根を後付けするメリット
玄関ポーチに庇やテラス屋根を後付けした場合、玄関ポーチを雨や日差し、汚れから守り、さまざまなメリットを得られます。
それぞれ詳しく紹介していきましょう。
外に出た時や帰宅時に天候に左右されなくなる
まず、1番のメリットとも言えるのが、玄関先で雨をしのげることでしょう。
玄関ポーチに屋根がないと、鍵を締める時や、傘を閉じて家に入る際に、どうしても雨に濡れてしまいます。
しかし、屋根ができれば雨に濡れる心配はなく安心です。
また、雪が降った際には、玄関前に雪が積もるのを防ぐメリットもあり、雪かきの手間も省けます。
夏には、強い日差しを遮るので、1年を通して天候の影響を受けにくくなるのが、最大のメリットだと言えるでしょう。
玄関ポーチの汚れを防止する
玄関ポーチが天候の影響を受けにくくなり、汚れを防止する効果があります。
玄関ポーチに庇や、屋根が付いていない状態だと、ドアに埃などの汚れが溜まりやすく、雨水に濡れると雨ダレの原因になります。
しつこい雨ダレは、見栄えも悪く、掃除も手間です。事前に汚れを防止できれば、余計な手入れの手間もかからなくなるでしょう。
また、強い日差しを遮り、玄関ドアや周りの外壁、ポーチの日焼けを抑える効果も期待できます。
建物の見た目の印象が変わる
玄関ポーチに庇や屋根を取り付けると、玄関周りの印象を大きく変える場合があります。
素材やデザインによって、印象がまったく違うので、建物のイメージに合わせて素材を選ぶと、よりおしゃれな外観になるでしょう。
しかし、建物のイメージに合っていない素材を選んでしまうと、逆に見た目はアンバランスになってしまいます。
後付けする屋根単体の見た目だけでなく、建物の雰囲気を考えて素材やデザインを選ぶのがおすすめです。
玄関ポーチに屋根を後付けするデメリット
屋根を後付けする際、メリットだけでなく、デメリットの部分も気になる所です。
こちらでは玄関ポーチに屋根を後付けする際の、デメリットになり得るケースを紹介します。
外壁にビス固定の穴を開ける必要がある
玄関ポーチに庇を取り付ける際には、外壁にビス固定のための穴を開ける必要があります。
もちろん、穴を開けたら雨水の侵入を防ぐため、ビス穴部分は防水処理を行います。
しかし、年数が経ち劣化してくると、ビス穴部分が雨漏れの原因になるケースも考えられるでしょう。そのため、外壁に穴を開けるのには抵抗を感じるかもしれません。
もし、外壁には穴を開けたくないと考えるのであれば対策として、独立タイプのテラス屋根を選ぶのがおすすめです。
独立タイプのテラス屋根なら、外壁へのビス固定が不要で、穴を開ける必要がありません。
柱が邪魔に感じる場合がある
庇の場合は問題になりませんが、テラス屋根を後付けする場合は、柱が邪魔になってしまうデメリットがあげられます。
とくに玄関ポーチが狭い場合は、柱が出入りの邪魔に感じてしまう場合があります。
テラス屋根にも柱がないタイプがありますが、外壁へのビス固定は必要です。
玄関ポーチの広さを考慮して、柱ありか、なしのタイプを選ぶようにしましょう。
後付けできる庇にはどんな種類がある?
庇に使われる主な素材 | ・木製 ・アルミ製 ・ガラス製 ・ガルバリウム鋼板製 ・ポリカーボネート製 |
玄関に後付けできる庇の素材はさまざまな種類があります。素材によって見た目だけではなく、メリットやデメリットの特徴が違います。
それぞれの素材の特徴を詳しくご紹介しましょう。
木製
木製の庇は、自然で温かみがあり、ナチュラルな雰囲気があります。
木造で建てられた和風の家や古民家だけでなく、洋風なログハウスなどの雰囲気の家にも、馴染みやすいです。
しかし、他の素材に比べると、水に弱く耐久性が劣る面もあります。
耐久性を上げるため、他の素材を組み合わせて耐水性を上げた物もあるので、どんな素材が使われているか確認するといいでしょう。
アルミ製
アルミ製の庇は、玄関の庇として一般的に広く普及している素材です。
軽いため、外壁への負担も少なく済む上に、耐久性が高く、腐食しにくい特徴を持っています。
一方でシンプルな見た目の物が多いので、高級感を求めたりデザインにこだわる場合は、少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。
しかし、シンプルな見た目はどのような建物にも馴染みやすいので、選びやすい物が多いです。
ガラス製
ガラス製の庇は、見た目に高級感があり、耐水性に優れているメリットを持ちます。
庇に使われているガラスは、強化ガラスが使われており、耐久性の面で対策されている物が多いです。
デメリットとしては、透明なガラスは汚れが下から汚れが見えやすく、定期的に掃除したり手入れをする必要があります。
また、他の素材と比べると遮光性は低いため、強い日差しを防ぐ効果はあまり期待できません。
しかし、玄関を明るい印象にしたり、高級感のあるおしゃれな外観にしたい場合にはおすすめです。
ガルバリウム鋼板製
ガルバリウム鋼板製の庇は、耐久性・耐熱性に優れており、大屋根や外壁にもよく使われる素材です。
水にも強いため、腐食がしにくく、丈夫さが1番のメリットだと言えるでしょう。また、おしゃれなデザインの物が多く、モダンな雰囲気の建物と相性が良いです。
しかし、建物の雰囲気によっては、デザイン上アンバランスな印象になってしまう可能性も考えられるため注意しましょう。
ガルバリウム鋼板製の庇はスタイリッシュな雰囲気があるため、デザインを選ぶ際は、全体のイメージを考慮することが大事です。
ポリカーボネート製
ポリカーボネートは軽くて耐久性が強く、天候の影響も受けにくいため、カーポートの屋根やベランダの屋根にも使われています。
デザインも比較的馴染みやすく、どのような建物でも合わせやすいです。
一方で、他の素材に比べ、やわらかく傷がつきやすいデメリットもあります。
オーニング
特徴 | ・主にカフェなどの店舗の軒先に使われることが多い布製の屋根 |
メリット | ・必要に応じて開閉できる ・角度を変えるなど調整ができる |
デメリット | ・耐久性、耐風性に弱い |
オーニングは主に店舗の軒先に使われることが多い布製の屋根です。一般住宅の場合は、テラスやウッドデッキなどの窓際に多く使われます。
他の素材の庇とは少し違い、必要に応じて開閉できたり、角度を調整できるため、天候などによって使い分けが可能です。
しかし布製のため、風には弱く、雨や雪にも長時間当たると劣化を早める原因になります。
一般住宅の玄関に使われているケースはあまり多くないですが、海外の住宅風におしゃれな演出も可能です。
玄関ポーチに庇を後付け・延長にかかるリフォーム費用
玄関ポーチに庇を後付けする際に気になるのは費用の面です。
新たに後付けするケースに加え、既存の庇を延長する場合の費用についても紹介します。
庇の後付け・延長する場合の費用目安
木製の庇を後付けする場合 | 5万〜10万円 |
アルミ製の庇を後付けする場合 | 13万〜17万円 |
ガラス製の庇を後付けする場合 | 17万〜30万円 |
ガルバリウム鋼板製の庇を後付けする場合 | 5万〜10万円 |
ポリカーボネート製の庇を後付けする場合 | 12万〜15万円 |
既存の庇を延長する場合 | 5万〜20万円 |
オーニングを後付けする場合 | 7万〜15万円 |
庇の後付けの際にかかるリフォーム費用は素材などにもよって異なりますが、7万〜15万円程度が目安です。
ガラス製の庇は高級感がありますが、他の素材に比べると、扱いが難しく費用も高くなります。
また、既存の庇を延長しようとした場合、素材や状況にもよって値段は大きく変わります。
場合によっては延長するよりも、新設してしまった方が安くなるケースも考えられるでしょう。
テラス屋根を設置する場合の費用目安
壁付タイプの場合 | 10万〜14万円 |
独立タイプの場合 | 18万〜22万円 |
テラス屋根を設置する場合の費用は、壁付タイプの方が10万〜14万円程度です。独立タイプの場合は、18万〜22万円が費用相場です。
ただし、独立タイプの場合、状況によって玄関の壁との間に隙間ができてしまう場合があります。
隙間を塞ぐための塞ぎ材を使用し、隙間は無くせますが、オプションになり追加費用がかかるケースもあります。
また、場合によっては、玄関ポーチの前にカーポートの設置を検討するのも有効です。
雨の吹き込み対策に有効なリフォームは?
玄関ポーチに屋根が設置されていれば、雨は防げます。
しかし、雨風が強い日には、雨が吹き込んで玄関ポーチが水浸しになってしまう場合もあるでしょう。
玄関ポーチに水が溜まると、汚れや痛みの原因にもなってしまいますので、ここでは雨の吹き込みにも対策できるリフォーム方法をご紹介します。
玄関ポーチの屋根を延長する
まず、雨の吹き込み対策で考えられるリフォームは、玄関ポーチの屋根の延長です。
メーカーが販売している庇には、連結して横に延長できるタイプの庇も販売されています。
また、テラス屋根を活用するなどして、縦方向に玄関ポーチの屋根を延長するのも有効です。
玄関ポーチの屋根の幅が広がることで、雨を防ぐ範囲が広くなり、雨の吹き込み対策になります。
玄関アプローチにも屋根をつける
玄関ポーチだけでなく、門扉と玄関の間の玄関アプローチにも屋根の後付けが可能です。
玄関アプローチにも屋根を設置するようにすれば、その分雨を防ぐ範囲はさらに広がります。
屋根が広ければ広いほど雨の吹き込み対策の効果は上がるでしょう。
さらに、郵便ポストなどが玄関ポーチから離れている場合も、雨に濡れずに郵便物を取りに行けるなど、メリットはさらに多くなります。
テラス屋根に側面パネルを取り付ける
玄関ポーチの屋根がテラス屋根の場合、オプションで側面パネルを取り付け可能なタイプもあります。
文字通り側面にパネルを取り付けるため、横からの雨の吹き込みを抑える効果は大きいです。しかし、側面パネルを取り付けられるのは、柱がある「独立タイプ」のみです。
もし、側面パネルの取り付けも検討している場合は、柱の設置が必要なことも考慮して考えましょう。
玄関ポーチに庇を後付けする際に知っておくべきこと
玄関ポーチに庇を後付けする際に、知っておくべきことを紹介します。
とくに、庇を後付けする際には、取り付ける物の大きさによって、固定資産税が上がってしまうケースもあります。
また、そもそも取り付けが不可能なパターンもあり、注意が必要です。詳しく紹介していきましょう。
建ぺい率に注意が必要
玄関ポーチに取り付ける庇の大きさの奥行きが1000mm以下の場合、建ぺい率は気にしなくても問題ありません。
しかし、1000mmを越える場合は、後付けする庇も建物の一部に含まれます。
建ぺい率が上がると、後に税金の支払いに関わってくるため、注意が必要です。
また1000mmを越える庇の取り付けによって、建物全体の面積が建ぺい率の範囲を超えてしまう場合は、建築基準法に違反してしまうため取り付けできません。
大きい庇の取り付けを検討している場合は、注意しましょう。
庇のデザインや色が建物に合うか注意
玄関ポーチに庇やテラス屋根を設置した際に、よくある後悔するパターンとして、デザインが合わなかったという声があります。
外観に関しては好みの問題もあるため、一概には言えませんが、いざ取り付けてみると、
「他のデザインにすればよかった」「別の色にすればよかった」と考えてしまうケースもあるため、建物との相性をよく考えてデザインを選びましょう。
また、他にも「側面パネルをつければよかった」と後悔してしまうケースもあります。
横からの雨の吹き込みも防ぎたいと考える場合は、側面パネルのオプションが選べるテラス屋根を選択することをおすすめします。
長い庇は強風の影響を受ける場合も
奥行きが長い庇の場合、その分風の影響を受けやすくなります。
普段の天候では問題になることは少ないですが、台風などで強い風が吹く際には注意が必要です。
場合によっては、庇を取り付けていた、外壁部分が剥がれてしまうなどの悪影響が出る可能性もあります。
しかし、長い庇をつけたい理由がある場合は、耐風性も考慮して柱があるテラス屋根の取り付けを検討するといいでしょう。
DIYで庇を自分で取り付けるのは危険
庇をDIYで取り付けるのはおすすめしません。
後付けの庇やテラス屋根は、外壁にビス止めが必要だったり、柱の設置が必要になるなど、専門知識が必要になる場面が多いです。
最悪の場合は、庇が落ちて事故につながる場合もあります。玄関ポーチの屋根の取り付けは、必ず専門知識の持つプロに依頼するようにしましょう。
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