2024年04月11日更新

監修記事

地下室を増築する費用は?リフォームの注意点も解説!

新築住宅であらかじめ地下室を作っておくのはよくある話ですが、リフォームで既存住宅に地下室を作ることは出来るのでしょうか?リフォームで地下室を作る方法と、地下室を増築する際に注意するポイント、施工予算の目安などについてご紹介します。

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リフォームで地下室を作ることはできる?

地下室の施工では土地を掘り抜いて部屋を作ることになるため、既に一軒家などの建物が建っている場合、後から地下室を掘るのは難しいと言われています。

一部の建築会社、リフォーム会社では、補強を行いつつ施工を行うことで既存住宅の下に地下室を作る工法を導入していますが、利用するためには地盤の強度や住宅の構造などの制限が大きいようです。

既存住宅の下に地下室を掘れない場合は、建物が建っていない部分、例えば庭などの開いた土地に地下室を作ることになります。

地下室を増築する費用は?リフォームの注意点も解説!

地下室を増築する際にかかる費用は?

既存住宅の下に新しく地下室を掘る場合は、土地の状態などさまざまな条件が関わってくるため、目安となる費用は決まってきません。

費用以前に地下室の増築は建築確認申請上も難易度が高くさらに、既存建物をリフトアップし掘削や残土処理に必要なスペースがあり、既存建物の強度が十分あるかなど物理的な条件が必要となり実質上不可能となります。

庭などの開いた土地に地下室を掘る場合は、ある程度相場が決まっており、10畳程度の広さで約600万円となります。

注意点として、開いた土地に地下室を作る場合でも地盤の状態によっては費用が変化する可能性がありますので、まずはリフォーム会社に地盤調査などを依頼し、見積もりを立ててもらうと良いでしょう。

シェルターとして地下室を作る場合の費用

部屋として使う目的以外に、災害時のシェルターとして地下室を作る場合は、どの程度の費用がかかるのでしょうか?

一般的な地下室にシェルター機能を追加する場合、孤立した状態でも生活ができるようにするため、発電設備や空気濾過システム、そして内部を守るための頑丈なドアが必要です。

これらの設備を追加した場合、約100万円の追加費用がかかります。

近年は防災目的で地下室を導入する方も増えているため、ユニット式の地下シェルターが人気ですが、このタイプの製品の場合は、施工価格込みで約700万円が相場です。

ただ、ユニット式の地下シェルターは通常の地下室より手狭なものが多いため、部屋としても利用したいという方は通常の地下室にシェルター機能を追加した方が良いでしょう。

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地下室を増築するメリットとデメリット

地下室は地上に部屋を増築する場合に比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか?

地下室を増築するメリットと、デメリット、地下室を作る際の注意点についてご紹介します。

地下室のメリットとは

地下室は、周囲を土砂で覆われた状態となるため、地上の建物に比べて防音性に優れているというメリットがあります。

特に防音性の良さは群を抜いており、地上に防音室を作るより安くて広い部屋を作ることができる方法として人気です。

地上に防音室を作る場合のポイントは、目的にもよりますが、部屋全体を防音材で密閉し、基礎についても振動が伝わらないようコンクリートで固めなければいけません。

夜間に音量の大きな楽器や打楽器などを演奏したい場合は特に注意が必要で、最上級の防音設備が必要となり、施工価格はどんどん高くなるでしょう。

地下に防音室を作る場合、強度を確保するためにコンクリートで周囲が固められていますし、地下室の外は土砂で密閉されています。

そのため、ポイントとなる部屋の密閉があらかじめ施されている状態となり、打楽器の振動や大きな音が伝わりにくく、防音のための工事の量を減らすことができるのです。

防音性以外にも、地下室には一軒家向きの大きなメリットがあります。

地下室がある建物の場合、延べ床面積の3分の1が容積率の計算から除外できるという規定があるため、延べ床面積が100平米までしか建てられない土地でも150平米の建物を作ることができるようになるのです。

床面積の都合で部屋を増築できない場合には、地下室の作成を検討すると良いでしょう。

地下室のデメリット

地下室のデメリットは、コストが割高になることです。

防音室などのコストがかかる部屋を増築する場合と比較するとそれほどコストに違いは出ませんが、単なる居室として作る場合は、土地がある場合は地上に部屋を作った方がはるかに安く施工できるでしょう。

また、地下室には結露の問題もあります。

地下は地上に比べ、年間を通して室内の温度変化が少ないため、外気温との差によって結露が起こりやすいのです。

夏場の場合は冷えた地下室の壁に湿気が多く暖かい外気が当たることで結露しますし、冬場の場合は室内の暖かく湿った空気が冷たい壁に当たることで結露が起こります。

対策としては、断熱材を入れて地中の温度が地下室に伝わらないようにする、除湿機や換気装置を追加して湿気が地下室内に溜まらないようにする方法が一般的です。

結露については、コンクリートに含まれる水分が原因となる場合もあります。

地下室では外部にコンクリートの水分が放出されないため、室内にこの水分が放出され、結露の原因となってしまうのです。

あらかじめ施工時に強力な除湿機を設置し、さらに換気装置で常時空気の入れ換えを行えるようにしておけば、コンクリートが原因の結露も予防できるので、施工の際には必ずこれらの装置を導入すると良いでしょう。

快適に暮らせる地下室となるとこれらの設備が欠かせないため、予算はやや大きくなりますが、費用を削ると倉庫として利用するのも難しくなってしまうため、できるだけ予算には余裕を持たせた方が安心です。

改定建築基準法の容積率緩和で地下室は延べ床面積に含まれませんが、建物表題変更登記を行えば不動産税は課税されます。減税対策などの手法もあり確認しておきましょう。

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地下室を自作することはできる?

地下室の作り方は、簡単に言うと地面を堀ってコンクリートで外壁を作り、内装工事を行うだけですので、以外と自作で対応できそうに思えます。

実際のところ、地下室を自作することはできるのでしょうか?

まず、地下室を作る上での注意点はどのようなものがあるのか見てみましょう。

地下室は地下に作る設備のため、まずは土地の採掘を行いますが、天井高をある程度確保することを考えた場合、深さは最低でも2mは必要です。

これだけの深さの穴となると、地中から水が出てくる可能性もありますし、施工中の滑落予防、庭に施工する場合なら、一軒家部分の基礎が崩れないような措置もしておかなければいけません。

コンクリートの打設についても、十分な強度を確保するためには型枠の知識と鉄筋組みの知識が必要です。

前提としての話になりますが、地下に部屋を作るとはいえ、法律上は建造物となるため、構造計算が必須となり、建築などの経験がない方ははまずここでつまづいてしまうでしょう。

深くて大きい穴を掘ると、横に立っている家の基礎部分に影響が出る可能性も高いため、DIYでの地下室作成は現実的ではありません。

地下室を増設するなら、多少施工価格が高くても、安全を重視して地下室増設の実績が豊富なリフォーム会社、建築会社に工事を依頼するようにしましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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