納戸を増築する場合の費用相場と工事の流れ
一般的な納戸の増築費用については約50万円が目安と言われていますが、実際の施工価格は施工箇所や面積、形状などによって大きく変わります。
例えば、玄関上部吹き抜けに納戸を増築する場合、2畳で約30万円が相場となり、二階建て住宅のリビングなどの吹き抜けに5畳程度の納戸を増築する場合は約60万円が相場です。
ウォークインクローゼットタイプの収納で、作り付けの棚を設置する場合は棚の工事費用がかかり、こちらは天井までの高さの棚で約3万円が相場となります。
もし照明や換気扇などの空調機器を取り付けたい場合には、電気工事が必要となり、費用はコンセント1カ所の増設で約1万円からが相場です。
入り口に扉を設置する場合については、使用する扉にもよりますが、引き戸なら約4万円から、ウォークインクローゼットなどによく用いられている折れ戸の場合は約5万円からが工事費用の相場となります。
工事の流れとしては、まず納戸の床となる部分を支えるための梁を設置し、同時に間仕切り壁を設置、その後床張りを行い、必要なら内装を仕上げて扉を取り付けるという形になります。
また、施工の際に既存の間仕切り壁等が邪魔になる場合には解体作業が必要となり、費用が約2万円かかりますので、リフォーム会社や工務店に確認の上で見積りを立ててもらうと良いでしょう。
屋根裏に納戸を増築する場合の費用
玄関上や吹き抜けなどのデッドスペースがない場合には、屋根裏をリフォームして納戸を増築するという方法もあります。
この場合も吹き抜けに納戸を増築する場合と同じく床面を支える梁を増築して間仕切り壁を設置しますが、出入りのために梯子や階段が必要です。
また、屋根裏は気候の影響を受けやすく、湿度もこもりやすいため、空調機器の設置や断熱材の施工も欠かせません。
屋根裏を納戸としてリフォームする場合の費用は、空調機器の設置および断熱材の設置、階段の追加等を含めて約60万円が相場です。
4畳程度の納戸を部屋としてリフォームする場合の費用
既存の納戸をリフォームして部屋に作り替える場合にはどのような工事が必要で費用はどの程度かかるのでしょうか?
まず、二階建て住宅の吹き抜けに増築した4畳の納戸をリフォームする場合ですが、床面に防音材を設置し、必要なら間仕切り壁に付いても断熱材を追加していきます。
これは、一階部分に生活音が漏れてしまわないようにするために必要な工事で、もし既に防音材が使用されている場合には追加の工事は必要ありません。
また、床の厚さによって防音材の追加が難しい場合については、防音機能付きカーペットや防音フローリングの利用によっても対処することができます。
内装リフォームの費用については、壁と床の防音および断熱、クロスの貼替え、床材の張替えで合計約10万円が相場です。
防音フローリングを利用する場合については、4畳で約1万円程度割り増しとなります。
扉が折れ戸の場合は気密性を高めるために扉の交換も必要となり、費用は約5万円からが相場です。
部屋に通気口や空調がない場合については、湿気対策としてこれらの設備も必要となり、換気扇を新設する場合は電気工事を含めて約3万円から、エアコンを設置する場合は工事費約2万円とエアコンの購入費用が別途かかります。
コンセントや照明の増設については、コンセントの設置が1カ所あたり約1万円、照明については工事費用が約1万円、これに照明機器の購入費用が追加で必要です。
全ての設備を追加した場合の費用は、設備の購入価格を含めて約30万円が目安となります。
一階部分の納戸をリフォームして部屋にする場合については、床の防音工事等が不要となるため、約20万円が相場です。
納戸を増築する際の注意点
納戸を二階の吹き抜け部分や一階玄関の空きスペースに増築する場合、防火・準防火地域は増築したら全て、それ以外の地域では増築した面積が10平方メートルを超えると建築確認申請という手続きが必要です。
これは、建物に10平方メートルを超える床面積の増築を施した場合に行う手続きで、建築基準法や消防法などに抵触する建造物ではないかどうかを役所が提出された資料を基に確認を行います。
建築確認申請の費用は、手数料が約3万円、構造計算などの付帯資料の作成および手続きを建築士やリフォーム会社に依頼する場合には約5万円が追加で必要です。
そのため、できるだけ費用を抑えて増築したい時は、防火・準防火地域以外の場合は増築箇所の床面積を10平方メートル以下に抑えると良いでしょう。
また、屋根裏を納戸にリフォームする場合については天井高が1.4mを超えると床面積に算入されるという法律がありますので、施工の際には天井高を1.4m以下で設計すると良いでしょう。
もし天井高が1.4m以上となった場合には、屋根裏が新しい階として扱われてしまうため、固定資産税や火災保険等が割り増しになってしまう可能性もあります。
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