2024年10月17日更新

監修記事

外壁のサビは早めに対処を!落とし方や補修にかかる費用などをチェック

多くの場合、外壁にサビを見つけても「まぁこのくらいならそのままでいいか」と見過ごしてしまいます。しかし外壁のサビを放置すると、建物の美観を損ねるだけでなく、最悪雨漏りの発生にもつながりかねません。そこでこの記事では、外壁に発生したサビの落とし方や、サビ補修の費用相場などについて解説します。外壁に発生したサビの適切な補修方法を理解して「この家に安心して長く住みたい」と思える住まいを実現しましょう。

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外壁に発生するサビの種類

外壁に発生するサビは「赤錆」と「白錆」の2種類に分けられます。

サビの種類による特徴の違いを理解して、適切に対処するための準備をととのえましょう。

【種類1】赤錆

出典:illust AC

赤錆とは、日常的に目にすることの多い赤みがかった色をしたサビのことをいいます。

赤錆は、鉄の表面が水や空気に触れて酸化することで発生し、発生後は急激に拡大するといった特徴をもっています。

また建物においては、外壁のほかにも屋根や給排水管などで多く見られる傾向があります。

赤錆を放置してしまうと、素材そのものが腐食し、穴があいたり雨漏りが発生したりするおそれがあるため、発生後は早めの対処を心がけましょう。

【種類2】白錆

白錆とは、チョークの粉のような白い粉末状のサビを指します。

亜鉛の表面が酸化することで発生する白錆は、鉄を腐食させる赤錆とは異なり、白錆は鉄の腐食を守るために作用するのが特徴です。

しかし、白錆を放置すると被害部分の下地や鉄部などがダメージを受け、いずれは赤錆の発生するおそれがあります。

そのため、赤錆と同様に白錆もできるだけ早期の対処が欠かせません。

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外壁にサビが発生する原因

外壁にサビが発生する原因として「防水性の低下」や「金属外壁の劣化」などが考えられます。

外壁にサビが発生する原因を理解して、建物におけるサビの発生を予防しましょう。

【原因1】防水性の低下

外壁にサビが発生する原因のひとつに「防水性の低下」が挙げられます。

外壁の表面は、塗料によって防水性が保護されています。

しかし、時間の経過とともに防水性能が弱まり、外壁が雨水の影響を受けやすくなります。

その結果、外壁の鉄部が水に触れ、サビが発生しやすい環境が完成します。

防水性の低下によるサビの発生を防ぐためにも、適切なタイミングで外壁塗装しましょう。

【原因2】金属製外壁の経年劣化

外壁にサビが発生する原因として、「金属製外壁の経年劣化」が考えられます。

外壁に金属サイディングやトタンを採用している場合、経年劣化で表面が傷ついたり剥がれたりするので、鉄部が露出しやすくなります。

露出した鉄部は水や空気に触れるため、サビがより発生しやすくなるでしょう。

金属製外壁はほかの外壁材よりもサビが発生しやすいため、よりいっそうの注意をはらい、適切な対処でサビを予防することが重要です。

【原因3】もらい錆

「もらい錆」も、外壁のサビを発生させる原因のひとつです。

もらい錆とは

他の箇所で発生したサビが雨や風によって移り付着すること

もらい錆により、他の箇所で発生したサビが外壁に付着することで、外壁のサビが徐々に広がっていきます。

たとえば、外壁の近くに置いた自転車のサビが、風の影響で外壁に付着するケースがあります。

また、ベランダの手すりや雨樋の金具に発生したサビが外壁に付着することも珍しくありません。

もらい錆を防ぐためには、サビが発生しやすいものをできるだけ建物の近くに置かないようにしましょう。

【原因4】施工不良

「施工不良」によって外壁にサビが発生するケースも少なくありません。

たとえば、前回の外壁塗装で適切な下地処理を実施していない場合、耐用年数よりも早くサビが発生しやすい状態になります。

また、塗料の塗る回数が不足していて、外壁の防水性能が低下している場合も同様です。

「信頼できる業者に依頼すればよかった」と後悔しないよう、慎重な業者選びを心がけましょう。

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外壁のサビを放置するリスク

外壁のサビを放置すると、サビの範囲が広がったり、外壁から雨漏りしたりするおそれがあります。

雨漏りが発生すると日常生活に支障が出る場合もあるため、早期のサビ補修で雨漏りのリスクを回避しましょう。

【リスク1】サビの範囲が広がる

外壁のサビを放置すると、みるみるうちにサビの範囲が広がります。

サビの範囲が広がると、美観が損なわれるだけでなく、補修の規模も大きくなり、補修にかかる費用も高くなります。

とくに、「赤錆」は被害が広がるスピードがはやいため、サビを見つけたら早めの対処を心がけましょう。

【リスク2】外壁から雨漏りするおそれがある

外壁のサビを放置した場合、外壁からの雨漏りが懸念されます。

サビが進行すると外壁の鉄部が腐食し、外壁に穴が空くケースも考えられます。

そして、穴のあいた箇所から雨水が入り込み、住宅内部で雨漏りが発生するかもしれません。

このような雨漏りの被害を最小限に抑えるためにも、適切に補修してサビの進行を防ぐことが重要です。

【リスク3】建物の構造躯体までダメージが及ぶ可能性もある

外壁におけるサビの放置は、建物の構造躯体にダメージを与えるおそれがあります。

サビの拡大は、外壁に穴があいたり、住宅内部に雨漏りを引き起こしたりするリスクを高めます。

その結果、構造躯体の腐食を招き、建物における倒壊のおそれが高まるでしょう。

したがって、建物を安全に長く守るためにも、早めの対処で大きな被害を阻止することが必要不可欠です。

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外壁に発生したサビを落とす際のポイント

外壁に発生したサビが軽度である場合、自分でサビを落とせる可能性があります。

外壁に発生したサビの落とし方をマスターし、早めの対処でサビの進行を防ぎましょう。

【ポイント1】サビ専用の洗剤を使用する

外壁のサビを落とすためには、サビ専用の洗剤を使うのが効果的です。

水では落とせないサビが、洗剤を使うことで落ちるかもしれません。

なお、外壁の内部に進行したサビには効果がないので注意しましょう。

【ポイント2】やわらかいスポンジやブラシでこする

外壁に発生したサビを落とす際、やわらないスポンジやブラシでこすると効果があるかもしれません。

ただし、強くこすると外壁を傷めてしまうので、やわらかい素材のものでやさしくこするようにしましょう。

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外壁のサビ補修を専門業者に依頼する判断基準

外壁のサビが「重度である場合」や「範囲が広い場合」などは、専門業者による補修が必要です。

「もっと早く手を打っておけばよかった」と後悔しないためにも、サビ補修を専門業者に依頼する判断基準について頭に入れておきましょう。

【判断基準1】サビの進行具合が著しい

サビの進行具合が著しい場合は、早めに専門業者へ依頼しましょう。

重度なサビは、サビの発生箇所を研磨して除去する「ケレン作業」が必要となり、専門業者でないと補修が難しくなります。

また、著しいサビの発生は、外壁の損傷や雨漏りを引き起こすおそれがあるため、補修の規模も大きくなる傾向です。

そのため、ただちに専門業者に依頼して、サビを食い止めることが欠かせません。

【判断基準2】サビの範囲が広い

サビの範囲が広いと判断できる場合、専門業者に依頼することが得策です。

広い範囲にサビが拡大すると、すべてのサビを見つけて補修するのは難しく、一部のサビを見逃してしまうかもしれません。

もし補修しきれなかったサビが残ってしまうと、再びサビが進行・拡大するおそれもあります。

したがって、サビを根本的に解決するためにも、プロの専門業者にお願いしましょう。

【判断基準3】サビ補修が高所作業になる

サビ補修を必要とする部分が高所にある場合は、必ず専門業者に依頼しましょう。

手の届かない範囲の補修を無理に行うと、転倒やけがのリスクが高まります。

専門業者であれば、安全面を考慮した作業できるので、無理に自身で補修することは避けましょう。

>>外壁のサビ補修は専門業者におまかせ

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外壁のサビを補修する手順

外壁のサビを補修する際は、サビをケレンし、錆止め塗料を塗って根本的に除去する必要があります。

業者によるサビ補修の手順を学んで、補修の具体的なイメージをつかみましょう。

STEP
高圧洗浄を行う

高圧洗浄機を用いて、外壁に付着したサビや埃、汚れを除去します。

外壁に汚れが残ったまま作業を進めると、塗料の密着度が下がり、塗膜の剥がれやサビが発生しやすくなります。

STEP
サビをケレンする

高圧洗浄で外壁をきれいな状態にしたら、サビを研磨して除去する「ケレン作業」をします。

ケレンは紙やすりや電動工具を用いて行われ、新しい塗料を密着させるための大きな役割をもちます。

STEP
錆止め塗料を塗る

サビを除去したら、下塗り材として「錆止め塗料」を塗ります。

錆止め塗料には、油性系やエポキシ樹脂系などいくつかの種類があるので、上塗り塗料との相性や色を考慮して選ばなければなりません。

STEP
中塗り・上塗りする

錆止め塗料を塗り終えたら、中塗り・上塗りで外壁を仕上げます。

中塗り・上塗りは、外壁を雨風や紫外線から守る効果があるほか、外壁の見た目を左右する役割もあります。

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外壁のサビ補修にかかる費用の相場

外壁のサビ補修にかかる費用の相場は、1平方メートルあたり500~2,000円が目安です。

作業内容費用相場
1平方メートルあたり)
外壁のサビ補修
(ケレン・錆止めなど)
500〜2,000円

一般的に、外壁のサビ補修を専門業者に依頼する場合は、ケレンや錆止めなどの費用がかかります。

このほかにもサビの発生状況などによっては、別途高圧洗浄やタッチアップ塗装などの費用が必要になるケースも考えられます。

サビの発生箇所によっては、別途費用がかかる

2階の外壁などにサビが発生した場合は、サビ補修をするにあたって仮設足場が必要になるケースもあります。

なお、仮設足場の費用は高額になることが多いため、局所的なサビ補修だけではなく、外壁や屋根といった外まわり全体のメンテナンスも同時に検討してみましょう。

>>仮設足場の費用についてはこちら

なお、サビの状態が著しく補修不可と判断された場合には、外壁そのものの交換が必要なケースもあります。

外壁に発生したサビを適切に補修するためにも、かならず専門業者に声をかけるようにしましょう。

>>サビ補修を専門業者に依頼するなら

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【Q&A】外壁のサビに関するよくある質問

サビの上から塗装するとどうなる?

サビの上から塗装すると、表面上はきれいに仕上がりますが、下地のサビは残ったままとなります。

下地のサビを放置すると、サビが重症化していき、外壁に穴があくおそれもあります。

また、損傷した外壁から雨漏りが発生するかもしれません。

このようなリスクを回避するためにも、サビを除去する「ケレン」や、サビを防止する「錆止め塗装」などを行うことが重要です。

外壁のサビを予防する方法は?

外壁のサビを予防する方法は、外壁の点検やメンテナンスを定期的に行うことです。

サビが発生する原因として、外壁における「防水性の低下」が挙げられます。

経年劣化による防水性の低下を防ぐためにも、適切なタイミングで外壁塗装を行いましょう。

また、外壁の近くにあるものを整理して、もらい錆を回避することも予防策のひとつです。

ガルバリウム鋼板におけるサビの落とし方は?

ガルバリウム鋼板に発生したサビは、水で洗い流しましょう。

また、やわらかいスポンジやブラシを用いて、やさしくこするような落とし方も効果的です。

ただし、サビの状態が著しい、またはサビの範囲が広い場合は専門業者に補修を依頼しましょう。

専門業者であれば、ケレンや錆止め塗装によってサビを根本的に除去できます。

サビ補修を依頼するときにおける業者選びのポイントは?

サビ補修を依頼する際、ケレンや錆止め塗装などの「下地処理」を適切に行える業者を選びましょう。

下地処理は、サビを根本的に補修する上で欠かせない作業といえます。

仮に、ケレンや錆止め塗装が適切に行われなかった場合、すぐに新しい塗料が剥がれたり、サビが再発したりするかもしれません。

したがって、見積書の項目に「下地処理」が含まれているかどうかをチェックして、適切なサビ補修ができる業者を選ぶことが重要です。

>>サビ補修の業者探しはこちら

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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