目次
足場の役割とは?
足場自体は一時的なもので、ずっと残り続けるわけではありません。
ですが、足場を必要とする工事を安全かつ、効率的に行うためになくてはならないものです。
ここでは、足場の役割について、解説します。
高所でも安全に作業するため
高所の作業は常に危険と隣り合わせです。
1mの高さでも、状況によっては命取りになることがあります。
高所での作業というと梯子を使用するケースもありますが、梯子は簡単に設置することができる分、簡単に倒れてしまいます。
建築の現場では2m以上での作業は高所作業と位置づけられ、作業を安全に行うための措置が求められます。
正しい足場の設置は高所で安全に作業し、何よりも大切な命を守る役割を果たしているのです。
作業の効率を上げるため
足場を設置することで、高所での移動をスムーズに行うことができます。
また、安全な足場は職人が集中しやすい環境を作り、細かい作業も安心して行うことを可能とします。
工事範囲が広ければ広いほど、足場を設置することで作業効率を上げることができるのです。
結果として、工事期間も短くなり、人件費なども少なく済む場合があるため、工事を依頼したお客様にもメリットがあることが多いです。
近隣への配慮のため
足場は、状況によっては隣地にまたがって設置する必要があるなど、近隣の協力が必要な場合があります。
もちろん、隣地に足場を設置する必要がない場合でも、隣家を塗料で汚してしまったりすれば、気持ち良く工事をすることが出来なくなってしまい、工事後の関係性にも影響を及ぼす可能性があります。
このような状況を防ぐために、塗装工事の足場には「飛散防止ネット」という布の様なものを設置し、塗料が近隣へ飛び散ることを防ぐことで、トラブルを防止しています。
また、解体作業の場合は防音シートを使用し、騒音はもちろん、ちりやホコリの飛散も防いでいます。
足場は近隣への配慮のためにも重要な役割を果たしてくれているのです。
足場の設置にかかる費用相場
足場の組み立て・解体・運搬費用の目安 | 約1,000円~/㎡ |
足場設置にかかる費用は1平方メートルあたり約800円が相場で、これに飛散防止ネットなどの費用約200円が加算され、1平方メートルあたり約1,000円が目安となります。
そのため、35坪の一般的な2階建て戸建ての外壁に足場を組んだ場合は、約300,000~約321,000円がかかります。
ここでいう、1平方メートルというのは家の広さではなく、足場面積から算出されますので注意が必要です。
足場は家よりも少し離して設置されることなどから、通常の算出方法とは異なりますので、詳細は見積を出してもらった際に確認してみましょう。
外壁塗装を行う場合何割が足場費用になる?
モデルケース(広さ35坪の2階建て住宅の外壁全面を塗装する場合)
外壁塗装の費用相場の目安 | 約85万円~約135万円 |
足場費用の目安(2階部分まで設置) | 約30万円~約32.1万円 |
※上記の表は費用の目安となっています。施工条件・施工内容などにより費用は変動します。
前述の通り、足場にかかる費用相場は約30万円〜約32.1万円です。
一方で外壁塗装費用は使用する塗料によっても費用が大きく異なり、相場には50万円の開きがあります。そのため、外装塗装にかかる費用のうち足場費用が占める割合は22%〜38%程度と幅があります。
費用だけでは判断しづらいこともありますが、足場費用としてこれ以上の割合が提示された場合には、相場から外れている可能性がありますので確認が必要です。
足場設置の坪数ごとの費用相場の目安
坪数 (平米数) | 足場費用 (1階部分のみ設置する場合) | 足場費用 (2階部分まで設置する場合) | 足場費用 (3階部分まで設置する場合) |
約20坪 (約66㎡) | 約16.4万円〜 | 約25.5万円~ | 約34.6万円~ |
約25坪 (約83㎡) | 約18.1万円〜 | 約28.3万円~ | 約38.4万円~ |
約30坪 (約99㎡) | 約19.7万円〜 | 約30.6万円~ | 約41.6万円~ |
約35坪 (約116㎡) | 約21.2万円~ | 約33万円~ | 約44.8万円~ |
約40坪 (約132㎡) | 約22.5万円~ | 約34.9万円~ | 約47.5万円~ |
約45坪 (約149㎡) | 約23.8万円~ | 約36.9万円~ | 約50.2万円~ |
約50坪 (約165㎡) | 約24.9万円~ | 約38.7万円~約30.6万円~ | 約52.6万円~ |
約55坪 (約181㎡) | 約26万円~ | 約40.5万円~ | 約54.8万円~ |
約60坪 (約198㎡) | 約27.2万円~ | 約42.2万円~ | m約57.3万円~ |
5坪増えるごとに約1万円〜約2万円、10坪ごとに約2万円〜約4万円加算されることが分かります。
坪数が同じでも、窓の数やベランダなど、家によって外壁面積は異なるため、表の金額と異なるケースがあります。
表は目安とし、必ず見積を取って確認するようにしましょう。
足場にかかる費用の計算方法
足場費用は足場面積に平方メートル単価をかけて算出されます。
足場面積は、家の広さではなく、足場自体の面積ですので注意が必要です。
足場面積の概算は「(家の外周+4m~8m)×(家の高さ+1m)」で計算することができます。
家の外周に数m加算されているのは、足場は家から少し離して設置するためです。
加算されるm数はいくつかパターンがあるため、余裕を見たい場合は8m程度を足すと良いでしょう。
高さは1階3.5m、2階6m、3階8.5mを適用します。
この計算方法ですと、35坪の2階建て正方形の戸建ての場合は(43 + 8)×(6 + 1)=357平方メートルが足場面積となります。
足場費用は1,000円/平方メートルですので、357,000円が足場費用の概算と分かります。
ただし、家の形状は様々ですので、正確な数値は業者に出してもらうと良いでしょう。
家屋の階数ごとの足場設置費用の差はどのくらい?
30坪の足場設置費用
家屋の高さ | 足場の設置費用 |
平屋 | 約19.7万円〜 |
2階建て | 約30.6万円~ |
3階建て | 約41.6万円~ |
足場費用は同じ家屋の大きさでも、階数によって金額が異なります。
ここでは、家屋の大きさを30坪、99平方メートルという前提で階数別に金額をまとめました。
建物の高さが5m異なるごとに、約20万円の費用が加算されます。
足場は建物の高さが高くなればなるほど、作業を安全に行うための重要な役割を果たします。
相場を知って、適切な価格で安全な足場を設置しましょう。
足場の費用が高くなるケースとは?
足場の費用は家の形状だけでなく、建っている家の状況や隣地との関係によって高くなるケースがあります。
ここでは、足場の費用が標準よりも高くなるケースを紹介します。
住宅までに段差・階段がある場合
通常は、道路から家までのアクセスに大きな段差はないですが、高低差のある地形に家を建てた場合には、玄関までに階段や、段差を設ける場合があります。
その際は、スムーズに足場資材を目的の位置まで運ぶことができないため、運搬費用が加算されるケースがあります。
ただし、多少の段差であれば問題ないこともありますので、加算されるか否かは業者へ確認すると良いでしょう。
足場が組みにくい立地である場合
前述の段差以外にも、隣家との隙間が狭い場合には、費用が加算される場合があります。
狭い場所への足場の設置は、作業効率が落ちるため、スムーズに組み立てることができず、人件費などの費用が加算されることが多いです。
また、珍しいケースですが、切り立った高い場所に家が建っている場合にも費用が高額になる場合があります。
高い場所までは安全性を考慮して安定した足場を建てる必要があり、通常の設置方法と異なるためです。
足場の設置には、家が建っている状況が重要ですので、確認しておきましょう。
3階建て以上の高さで足場を組む必要がある場合
3階建ての家は近年増えてきています。
1階に駐車場スペースを作り、2階以上に居住空間を設けている場合でも、3階建てに当たります。
3階建てに足場を設置する場合には、2階よりも安全性を考え、組みあがっているパイプを丈夫に組む必要があります。
その際には、追加の部材や資材が必要になるため、費用が加算されます。
屋根の傾斜が6寸勾配以上である場合
屋根は、なだらかな形状から急勾配なものまで様々な種類があります。
屋根塗装の場合には、急勾配であるほど危険な作業となるため、安全性に配慮して屋根足場の費用が加算されます。
具体的には6寸、約31°以上は急勾配と位置づけられ、屋根塗装の際の足場費用が高くなる可能性があります。
急勾配の屋根は雨漏りしづらく、屋根裏部屋などを作ることもできるため人気ですが、足場を設置する際は注意が必要です。
道路使用許可・占用許可が必要となる場合
一般的に、工事車両などは敷地内や家の前に駐車します。
その場合、通常の通行に問題なく、一時的な駐車であれば許可が必要ないケースがほとんどですが、交通量の多い大通りに面している場合には許可が必要になる可能性もあります。
また、敷地いっぱいに住宅を建てている場合、足場が道路にはみ出ることもあります。
その際は道路占用許可を取る必要がありますので、注意が必要です。
これらの許可は、市区町村の専用窓口に提出する必要があり、許可が下りるまでには数日かかるため、必要である場合は忘れずに申請しなければなりません。
足場の3つの種類
足場の種類 | 特徴 |
ビケ(くさび)足場 | ・工場で生産された鉄製の枠とアンチ(踏板)を組み合わせて設置 ・安定性が高い ・構造が簡単かつ、軽量で扱いやすい |
単管ブラケット足場 | ・単管足場にブラケットを用いてアンチを設置する ・狭い場所にも設置することができる ・複雑な形状にも対応できる |
パイプ足場 | ・狭い場所や、複雑な形状にも対応できる ・比較的コストが安い |
ビケ(くさび)足場
ビケ(くさび)足場のメリット | ビケ(くさび)足場のデメリット |
・構造が簡単で、扱いやすい ・安全性が高い ・高層の建物に対応できる | ・狭い場所には設置できない ・複雑な形状には対応できない |
ビケ足場は工場で生産された建枠と、アンチと呼ばれる踏板で出来ています。分かりやすい構造で、扱いやすいことがメリットです。
組み立てから解体までが早くかつ安全性も高いため、住宅のみならず高層建築物にも使用されています。
ただし、サイズにある程度決まりがあるため、狭い場所や複雑な形状には対応することができず、狭い住宅街などには向かないこともあります。
単管ブラケット足場
単管ブラケット足場のメリット | 単管ブラケット足場のデメリット |
・複雑な形状にも対応できる ・狭い場所にも設置できる ・パイプ足場よりも安全性が高い | ・ブラケット取り付けに手間がかかる |
単管ブラケット足場は、複雑な形状にも可能で狭い場所に設置できるため、住宅街に適した足場と言えるでしょう。
ただし、アンチを取り付けるためのブラケット設置に手間がかかるため、足場の設置に時間がかかる傾向にあります。
また、アンチを設置する際にトンカチの様なもので打ち込むため、設置の際に音が響くこともあります。
パイプ足場にアンチが付いている分、安全性が高いといえますが、ビケ足場などと比べると安全性は劣る傾向にあります。
パイプ足場
パイプ足場のメリット | パイプ足場のデメリット |
・比較的コストが安い ・複雑、狭い場所に設置できる | ・安全性が低い傾向にある ・作業道具を置くスペースがない |
パイプ足場は2本パイプ上で作業を行うため、作業者は足を滑らせたりしないよう常に注意を払う必要があります。
塗装の缶なども置く場所がないため、片手に持ちながら作業をするなどの必要があり、効率良く作業ができるとも言えません。
安全性や、作業効率を考え、今ではあまり見かけない足場となりました。
ただ、足場の種類の中では比較的コストが安く設置場所を選ばないため、他に方法がない場合などに部分的に用いられることがあります。
無足場工法とは?
無足場工法のメリット | 無足場工法のデメリット |
・足場を組めない状況でも作業可能 ・滑りにくい安全さがある ・工数の短縮 ・足場費用の節約 ・近隣への影響が少ない | ・不慣れな人には作業が難しい ・対応している業者が少ない ・作業範囲が限定される ・施工後に確認が難しい |
無足場工法とは、足場を組まずに作業を行う方法です。
足場を下から組み上げるのではなく、建物の屋上に機械を設置し、吊り下げることによって作業を行います。
吊り下げるものの違いで「ロープアクセス」と「ゴンドラ作業」に分かれます。
ロープアクセスはロープをつけたフルハーネスを装着した作業員が屋上から作業場所まで降りる方法で、ゴンドラ作業は箱状のケージに作業員が乗り込み、リモコンで上下に移動しながら作業する方法です。
両方とも高層ビルの窓を清掃する際などによく見かけるでしょう。
無足場工法は足場を組むことができない人通りの多い場所や、高層階などに適していますが、対応している業者が少なく、経験のない作業員では作業が難しいなどの特徴がある方法です。
足場の設置費用を抑える方法とは?
足場は工事を行うにあたって、大事な役割を果たしていますが、工事後に残るものではないため、出来れば費用を抑えたいところです。
ここでは費用を抑えるために、行うべきことを紹介します。
相見積もりを取る
- 費用の相場を知ることができる
- 比較検討する時間を持つことができる
- 業者間で競争が生まれる
相見積もりを取り複数社から見積もりを手に入れることで、費用の相場を知ることができます。
また、中には決断を急かす業者もいるかもしれませんが、相見積もりを取ることで、全ての出そろうまで比較検討する時間を得ることができます。
相見積もりを取ることは決して業者に対して失礼なことではありません。
相見積もりを取っていることを伝えることで業者間で競争が生まれ、より良いサービスをリーズナブルに受けられる可能性もあります。
とはいえ自身で業者を探し、相見積もりを取ることはなかなか大変です。
そんな時は、ハピすむを利用しましょう。
ハピすむは、無料で利用でき、サイト内のコンシェルジュがリフォーム会社を最大3社紹介してくれます。
利用者の手間になる部分を代行してくれますので、リフォーム検討の第一歩として利用するのがよいでしょう。
足場設置が必要な他の工事を同時に依頼する
足場設置は主に外装工事に用いられることが多いです。
例えば外壁塗装と屋根塗装をそれぞれ別の時期に行った場合、2回分の足場費用がかかります。
一方で外壁塗装と屋根塗装を同時期に行った場合は、1回分の足場費用で済みます。
このように、必要なメンテナンス工事を同時に行うことで、足場組立の回数を減らし、結果としてコストを抑えることができます。
また、メンテナンス時期を同じにすることで、今後は同時に行うことができるようになるため、長い目で見ても得をすることが考えられます。
足場の設置・撤去にかかる日数はどのくらい?
足場設置にかかる時間 | 約6時間~ |
足場設置撤去にかかる時間 | 約3時間~ |
一般的な家の足場の設置は2〜3人で行えば、約6時間~約8時間で完了します。
設置には、必ず「足場の組立て等作業主任者」という国家資格を持った資格者が立ち会います。
足場は安全に作業してもらうために設置するものですので、設置時は家の状況などを確認しながら組み立てます。そのため一般的には解体よりも設置の方が時間がかかるケースが多いです。
また、かかる時間は搬入スペースや建物の建っている状況によっても異なります。
さらに、まだ完成していない足場は晴天でも不安定であるため、強風や、滑りやすい雨では余計に危険です。
そのため、設置日が雨の場合には安全を考慮し、延期する場合があります。
工事現場での事故は、被害者にはもちろんのこと、工事依頼者にも迷惑を掛け、工事が滞る原因にもなります。
工事を早く進めたい気持ちを抑え、安全第一で設置を行えるように、業者に協力しましょう。
なぜ足場の組み立てに時間がかかるのか?
足場の組み立てにかかる時間は約6時間~約8時間ですので、朝の8時から作業した場合は、夕方までかかる可能性があります。
暗くなってからの外装作業は危険なため、足場設置で1日の作業が終わる可能性が高いです。
足場は、安全に作業することを目的として設置しています。
慎重に組み立てを行い、丈夫な足場を作らなければ、最悪の場合事故になる可能性があります。
安全を考えて組み立ててもらう方が、その後の作業もスムーズに進めることができますので、しっかりと必要な時間をかけて設置してもらいましょう。
狭い所でも足場は設置できる?
隣地との間にブロック塀があり、外壁との間がとても狭い住宅は日本のいたるところにあります。
そんな狭い場所でも人が通れる隙間があれば、足場を設置することは可能です。
また、70㎝以下のスペースでも、次に紹介する方法で足場の工事を行える可能性があります。
人が通れるスキマがあれば設置可能
一般的な足場を設置するためには、70㎝のスペースがあれば設置することができます。
多くの住宅の廊下が90㎝程度で作られているため、通るには少々狭いと感じるスペースですが、人が通れる程度のスキマです。
足場は幅40㎝の踏板をはさむように、10㎝の支柱があり、合計60㎝が最低必要なスペースです。
そのため、70㎝は一般的な足場を設置できるぎりぎりのスペースと言えるでしょう。
70cm以下の隙間にも足場は設置できる?
70㎝以下のスペースの場合は、狭小用足場を用いることで30㎝程度のスペースでも足場を設置することができます。しかし職人の安全を考えて設置される足場の役割としては、心もとないです。
そのため、適切な方法としては隣地を借りることをおすすめします。
隣の敷地に越境して足場を設置するので、必ず隣人の許可が必要ですが、隣人の方もメンテナンスの際には足場が必要であるため、許可してくれるケースが多いです。
ただし、越境して行うため、隣地に迷惑を掛けないで済むように、経験豊富な業者を慎重に選びましょう。
足場だけ組んでもらうことは可能?
DIYで足場を組むことは難しいですが、業者に頼めば足場だけ組んでもらうことも可能です。
その際はパイプ足場ではなく、ビケ足場を組んでもらうようにしましょう。
パイプ足場は比較的安いため、DIYで行おうと考えている方にとって魅力的かもしれませんが、パイプ足場はプロでも作業に注意が必要な足場です。
安全性を考慮して、必ず踏板がしっかりついたビケ足場を選びましょう。
また、業者に依頼していれば悪天候時の足場管理も行ってもらえますが、自分で手配した場合にはそれらも自身で行うことが必要です。
足場は思わぬ事故を起こすこともありますので、低層階を一部だけなど限定して行うことが良いかと思われます。
足場の設置は自分でできる?
足場には、作業する人の安全を確保し、建築物を傷つけずに作業を行えるようにするという重要な役割があります。
安全性の確保のためにも、足場の設置を自分で行うことはせず、必ずプロに依頼しましょう。
また、足場の設置には国家資格が必要であることや、足場部材は一般の方では手に入りづらいことから、足場を自分で組み立てることは困難だと思われます。
例え部材が手に入ったとしても、事故がおきてしまっては問題ですので、必ず業者を通してプロに依頼してください。
足場がある期間の安全性は大丈夫?
外壁塗装を安全に綺麗に行うために必須の足場ですが、足場がある期間は物損事故や自然災害、防犯面でも不安があるかと思います。
ここでは工事期間中の事故に対する保険や防犯面での対策などについてご紹介していきます。
思わぬ事故は保険が保証してくれる
足場がある期間中に起こった事故に関しては、その内容によって適用される保険が異なりますが、基本的には業者側の加入している保険で補償されます。
足場が原因の怪我や物損事故
外壁塗装業者は、万が一に備えて請負業者賠償責任保険に加入しています。
請負業者賠償責任保険では、
- 足場からの落下物で人が怪我をしてしまった
- 足場からの落下物で物が壊れた
- 工事中に塗料が近隣の家へ飛んでしまった
などといった事例に適用されます。
災害による足場の倒壊など
足場は自然災害などの影響を受けることもあります。
自然災害が原因で足場が倒壊し被害があった場合には、業者の加入している火災保険によって補償を受けることができます。
火災保険が適用できるのはあくまでも、自然災害によるものという点には注意が必要です。
防犯対策はしっかりと!
外壁塗装工事中には人の出入りが激しいことや足場が設置されていることが原因で、盗難や盗撮、不法侵入や器物破損などが起こりやすいと言われています。
外壁塗装工事での犯罪を未然に防ぐためには、防犯対策を行うことが大切です。
防犯意識が低い家だと思われてしまうと泥棒などに目をつけられます。
窓や玄関の施錠はもちろんのこと、カーテンを閉めることや足場の入り口の施錠、防犯機器の設置など念入りに行うようにしましょう。
足場の設置に関するよくあるトラブルとは?
どのようなトラブルが起こり得るのかを事前に把握し、事前に手を打っておくことでトラブルを避けることができます。
ここでは外壁塗装・リフォーム中によくあるトラブルの例についてご紹介します。
外壁塗装・リフォーム中の植栽や車などに塗料が飛散してしまった
外壁塗装・リフォームを行う際によく起こるトラブルの一つとして植栽や車などに、塗料が飛び散ってしまったり、足場などがぶつかり破損してしまうなどが挙げられます。
業者のミスにより汚損や破損がおきた場合には、清掃や弁償をしてもらいましょう。
工事前に写真を撮っておき証拠を残しておくと安心です。
また工事前に大事な物があることをあらかじめ業者に知らせておく、動かせるものであれば事前に邪魔にならないように片付けておくようにしましょう。
外壁塗装・リフォーム中、生活に支障が出るケースがある
足場は一度設置されると、塗装が終わるまではもちろんですが、終わった後も解体されるまで数日そのままの状態である場合もあります。
足場が設置されている間は基本的に、室外で洗濯物を干すことができず、窓を開けて換気を行うこともできません。
職人が使う塗料が洗濯物についてしまったり、塗料のきつい臭いが室内に入ってきてしまうためです。
足場が設置されている間は洗濯物は室内に干しましょう。換気については本当に換気が必要かをよく考え、必要な場合は業者に相談することで可能になる場合があります。
また、日当たりが悪くなり室内が暗くなることもあるかもしれません。
足場のある状態での生活は普段とは異なるため、ストレスを感じることも多いと思います。
ですが、足場はメンテナンスには必ず必要ですので、事前に支障があることを把握し、上手く付き合っていくように工夫してみましょう。
外壁塗装・リフォーム中によくある近隣住民とのトラブル
また、外壁塗装・リフォームでは近隣住民とのトラブルにつながることもあります。
近隣とのトラブルで起こりやすい事例としては、
- 足場が隣家の敷地内に入ってしまう
- 足場工事の騒音
- 塗料の臭い
- 作業車が邪魔
- 業者のマナーが悪い
- 日当たり不良
- 塗料の飛散
- 足場からの落下ぶつによる物損被害
などが挙げられます。
近隣との関係を良好に保つためにも、できることならトラブルは避けたいものです。
近隣トラブルを避けるために大切なことは、工事前の挨拶をきちんと行うことです。
事前に工事の期間や内容、どのような迷惑がかかるのか、注意してもらいたい点などを工事が始まる遅くとも1週間前までには挨拶とともに伝えるようにしましょう。
また事前に伝えることはもちろんですが、その際に揉め事に発展しそうな場合にはあらかじめ弁護士に相談しておくというのもトラブルを未然に防ぐための対策として考えられます。
外壁塗装・リフォーム の工事後のトラブル
不備なく工事を行ってもらうことが望ましいですが、場合によっては工事完了後に施工ミスなどのトラブルが起こることもあります。
そんな万が一の時に備えるのが「リフォーム瑕疵保険」です。
リフォーム瑕疵保険とはリフォーム後に欠陥などがあった場合、事業者が加盟している保険法人が補修費を補償してくれる保険制度のことです。
事業者が倒産してしまった場合などでも、直接保険法人へ保険金の請求を行うことが可能です。
ただしリフォーム瑕疵保険はどの部分にも適用されるわけではなく、主に構造耐力上主要な部分と雨水侵入を防止する部分が適用範囲とされています。
塗装工事では著しい白化や剥がれ、亀裂などが適用範囲に挙げられます。
リフォームを行う際にはリフォーム瑕疵保険の適用範囲を確認するようにしましょう。
またリフォーム瑕疵保険はどの業者でも使用できるものではなく、事前に業者が加盟している必要があります。
確実にリフォーム瑕疵保険を使用したい場合には、事前に確認することをおすすめします。
「足場設置無料」はウソ!足場費用に関する注意点
足場の組立はほとんどの場合、依頼した業者が別の足場業者を手配していることが多く、自社で足場の組立まで行うことは珍しいです。
足場を設置するためには、業者が足場業者へ費用を払う必要があるため、その費用が無料になることはありえません。
そのため、足場設置無料という謳い文句は嘘である可能性が高いです。
仮に見積もり上足場の費用が無料であったとしても、他の費用に上乗せされていることが多く、実際は足場費用がかかっているケースがほとんどです。
足場設置無料を売りにする業者は、早く契約したいための嘘であることが多いため、必ず相見積をとり、適切な価格の業者と契約しましょう。
工期が予定より長くなっても延長料金はかからない
足場の費用は、工期の長さに関わらず一律で設定されているところがほとんどです。
足場の費用のほとんどを占めるのは足場そのものの値段ではなく、足場の運搬や組立、解体にかかる人件費です。
そのため工期が予定より長引いたとしても、足場を設置するための工程が増えるわけではないため、足場の費用は計上されません。
保険の内容をチェックしておく
どんなに優良な業者でも、絶対に事故を起こさないという保証はありません。
そのため、依頼する業者が賠償責任保険に加入しているか必ず確認しましょう。
保険に入っていれば、工事中の事故や、誤って他人に怪我をさせてしまった場合でも損害を補償することができます。
入っていない場合には、損害を支払うことができず、業者とのトラブルに発生することもあります。
自分を守るためにも、入っている保険の内容を確認しておきましょう。
隣家には事前に知らせてておく
依頼した業者が近隣に挨拶をしてくれる場合も多いですが、自身で先に伝えておく方が良いでしょう。
足場の設置は少なからず、隣家に迷惑をかけることになります。
少なくとも2週間前程度には伝え、出来ればいつ頃解体されるかも伝えておくと親切です。
工事後も関係性を友好に保つためにも、必ず行いましょう。
必要なスペースは片付けておく
足場を設置するために業者が通る動線上に物が置いてある場合には、事前に片づけておきましょう。
自身で動かしづらいものは業者に頼むこともできますが、出来れば着手前に伝えておくと良いです。
また、仮置き場として駐車スペースを使う場合もあります。
その際は、車を事前に移動させることが必要です。
足場部材を運ぶ車は大きく、長く駐車しておくと迷惑になる場合もあります。
仮置き場に部材を置くことで、駐車時間を短縮することができます。
防犯対策をしておく
足場を設置している間は空き巣が窓から侵入しやすくなってしまいます。
窓は必ず施錠し、カーテンを閉めるなど防犯対策をしておきましょう。
また、業者に頼んで足場へ侵入できないように、柵を設置するなど対策をするのもよいでしょう。
また、工程表をもらい注意するべき期間などを把握しておくことも大切です。
一階の作業にも足場の設置は必要?
平屋の家の場合は、工事内容や立地状況によっても異なるため、業者に判断を任せることをおすすめしますが、短期間で効率的に終わらせたい場合は足場を利用した方が良いでしょう。
平屋の場合であっても、塗装範囲は身長を超えるケースが多く、足場が無い場合は何か台になるものに乗って作業する必要があります。
その場合、作業範囲が限られ、一定の範囲を終えるごとに脚立などの台を移動させる必要があり、とても非効率です。
また、屋根塗装の場合は平屋であっても足場を組むことをおすすめします。
作業の度に脚立で屋根からに上り下りすることは、かなりの危険を伴います。
事故が起きないよう安全を十分考慮し、足場の有無を決めてもらいましょう。
足場の設置を依頼する業者の選び方
業者選びの重要なポイントをまとめました。
次のことに注意して、適切な価格で良い業者を選んでください。
リフォーム瑕疵保険に加入している会社を選ぶ
リフォーム契約内容に基づく品質が維持出来てない状態を「瑕疵」と呼びます。
この瑕疵があった場合に補修費などを補償してくれる保険がリフォーム瑕疵保険です。
この保険に入っている業者を選ぶことで、安心して工事を行うことができます。
リフォーム瑕疵保険の役割 |
・工事に瑕疵があっても、依頼者に負担なく補修できる ・リフォーム業者が倒産しても費用を保険会社に請求できる ・第三者による検査を行い、適切な補修をしてくれる |
リフォーム瑕疵保険に入っていることで、工事に瑕疵があっても、費用負担なく補修することができ、万が一業者が倒産してしまってもその費用を保険会社に請求することが可能です。
また、リフォーム瑕疵保険に入ることができるのは保険法人の基準をクリアした業者のみで、どんな業者でも入れるわけではありません。
そのため、リフォーム瑕疵保険に加入している業者を選ぶことで、質の高い工事をうけることができるでしょう。
相見積もりを行い、足場代を上乗せされていないかチェックする
見積もりは必ず相見積もりにし、各項目を確認しましょう。
1つの業者だけの見積もりですと、費用が適正なのか判断することは難しいです。
少なくとも3社程度、相見積もりを取ることで、費用の相場が分かります。
極端に差のある項目は上乗せされている可能性があるため、料金の違いを業者に確認することが大切です。
「足場無料」の業者は注意が必要
足場無料を売りにして、契約を急かしてくる業者もいるかもしれませんが、足場は外部に委託している場合が多く無料になることはありません。
無料になっている分、どこか別の項目に上乗せされている可能性が高いため、このような業者には注意が必要です。
外壁リフォームの業者選びで後悔しないために
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なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
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