2024年01月24日更新

監修記事

外壁のひび割れはコーキングのDIY補修で大丈夫?

外壁のひび割れはコーキング部分から発生することが多いと言われています。コーキングのひび割れを放置すると建物の劣化を早め、耐久性が落ちてしまう恐れがあるため補修が必要です。快適な住環境を守るため、外壁がひび割れた際の補修方法についてご紹介します。

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外壁コーキングの寿命や役割について

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そもそも外壁コーキングは何のために使用されるのでしょうか。またどの程度の耐用年数があるのかについてご説明します。

外壁コーキングの役割

サイディングボードやALCと呼ばれる軽量発泡コンクリートのパネル等を利用した外壁の場合、必ずコーキングが使用されています。

コーキングは外壁のタイルの目地部分に充填されている柔らかく弾性のあるゴムのような部分のことを言います。

このコーキングは何のために存在しているのかと言うと、大きく2つの役割を持っています。

1つ目はの役割は、壁材の防水性や気密性を高めるという役割です。

サイディング等のパネルはどんなに精密に敷き詰めたとしても、パネル同士の間にほんのわずかな隙間ができてしまいます。

この隙間がある状態では隙間から雨水や汚れが浸入し、外壁の下地を傷めてしまうため、外壁そのものの寿命を縮めてしまう可能性があるのです。

2つ目の役割は、サイディングボード等の壁材を保護するという点です。

サイディングボードやALCは固い壁材ですが、温度変化によって毎日わずかですが膨張と収縮を繰り返しています。

仮にコーキングが無い状態でこれらのパネルを敷き詰めた場合、パネルが膨張した際にパネル同士が押し合い、クラックが発生してしまうでしょう。

コーキングはパネルが膨張することによって発生する圧力を緩和させる緩衝材としての役割も果たしています。

外壁コーキングの寿命

外壁コーキングの寿命は短い場合で約3~5年、長い場合は約10年と言われています。

コーキングは紫外線や寒暖差が激しい場所では劣化が早まるため、使用されている場所によって耐用年数にも幅があるようです。

コーキングの寿命が近くなると、ひび割れや剥離などを目で見て確認できるようになります。

前回コーキングを打ってから3年以上経っている場合、まずは風雨や直射日光に晒されやすい部分のコーキングが劣化していないか確認してみましょう。

ひび割れた外壁を放置することでおこる危険

多くの外壁の場合、ひび割れはまずコーキング部分から発生します。

コーキングがひび割れるということは、ある程度の年数が経っており、コーキングの弾性が失われていると予想されます。

コーキングの弾性が失われるとサイディングやALCの緩衝材としての役割を果たせなくなり、次は壁材のボードやパネルがひび割れてしまうでしょう。

ボードやパネルのひび割れを放置すると、ひび割れ部分から雨水が浸入してきます。雨水が壁材内部へ浸透すると下地が傷み、白アリやカビの発生を促進します。

外壁の下地が傷んでしまうと外壁だけでなく家全体の耐久性が落ちてしまい、台風や地震に耐えられなくなってしまうかもしれません。

コーキングの補修方法は大きく分けて、既存のコーキングを全て撤去し新しくコーキングを打ちなおす「打ち替え」と、今までのコーキングの上から新しいコーキングを打つ「増し打ち」の二つの工法となります。

当然「打ち替え」の方が費用はかさみますが、当面安上がりな「増し打ち」で対処し数年後の外壁全体のリフォームまで持たせるといった手段もあり、専門業者の意見も聞いてみるのも良いでしょう。

できれば信頼置けるリフォーム業者に1~2年に1度は検査をしてもらえば安心です。お家の健康診断と思いましょう。簡単なタッチアップ込みで半日程度、約1万~2万円で済みます。

外壁コーキングの劣化を見極める方法はある?

外壁は、「コーキング」と呼ばれる部材で外壁材と外壁材との隙間などが埋められていますが、このコーキング部材は経年劣化し、劣化したまま放置していると雨漏りや躯体の劣化などさまざまなトラブルの原因となります。

ここでは、簡単に劣化具合を見極める方法について紹介します。

目視で確認できる劣化の症状

目視で確認できる劣化の症状として「外壁とコーキング材との間に隙間ができている」「ひび割れや亀裂がある」「コーキング材の欠落箇所がある」ことなどが挙げられます。

外壁とコーキング材の間に隙間が見られる場合は、施工時の塗りムラが原因であることもありますが、経年劣化によってコーキングが痩せてくると見られる症状でもあります。

また、劣化が進んでいくと、コーキング材が徐々に硬化してひび割れや亀裂が見られようになり、いずれは剥離、欠落していきます。

このような場合は、コーキング材がすでに寿命を迎えていると考えられるため、少しでも早く交換する必要があるでしょう。

これらの症状は目視で確認できるので、建物全体のコーキングを一度確認してみましょう。

触って確認できる劣化の症状

触って劣化を見極めることもできます。コーキング部分を触ってみて「指先に白い粉がつく状態」であれば、コーキング打ち替えを検討したほうが良いでしょう。

経年劣化が進んでいくと、コーキング材が硬化して粉っぽくなり、指で触ると細かな粉が付いてくるようになります。

定期的に建物全体を確認して、異常を発見した場合には専門業者に相談しましょう。

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DIYで外壁のひび割れを補修する方法

大きなひび割れであれば素人では補修することができないため、専門の業者へ補修を依頼する必要があります。

しかし、ヘアークラックと呼ばれる幅0.3mm以下のひび割れであればDIYで応急処置をすることが可能です。

ヘアークラック程度のひび割れであれば構造上は問題ないことが多いのですが、放置するとひびが広がってしまう可能性があります。

すぐに業者へ補修を依頼しても良いのですが、ここではコンクリート壁にヘアークラックが発生した場合に自分で補修する際の手順についてご説明します。

用意するもの

ひび割れの進行を止めるためにはひび割れを埋める必要があります。

ヘアークラックを埋める材料としては、チョーク式のものとスプレー式の2種類の補修材があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、使いやすい方を選んで使用しましょう。

チョーク式のものは作業時に多少力が必要ですが、必要な分量を適切な範囲に塗り込むことができます。

一方、スプレー式のものは手軽に作業ができる反面、クラック以外の部分にも噴射して汚してしまう恐れがあります。

それぞれの補修材を使用してひび割れを補修する際の手順を見ていきましょう。

ひび割れを補修する手順

まずはどの補修材を使用するかに関わらず、ヘアークラックの周辺に付着している汚れやごみを拭き取りましょう。汚れ、特に油分が残っていると補修材の定着力が弱くなってしまいます。

チョーク式の補修材を使用する場合は補修材に少量の水を加えて練ります。適切な硬さになるまで練りこんだら、クラックに補修材を塗りこんでいきます。

この時、クラックの表面に補修材を塗るだけでなく内部へ押し込みながら塗り込みます。ヘアークラックは幅が狭いため、補修材を塗り込むのにはかなりの力が必要となるでしょう。

クラックの全体に補修材を押し込んだら乾くのを待って作業完了です。

スプレー式の補修材を使用する場合はクラックにスプレーでセメントの粉を噴射します。満遍なくスプレーしたら乾くのを待つだけで手軽に補修することができます。

気を付けること

以上がヘアークラックが発生した場合のDIYでできる応急処置の方法ですが、DIYで補修ができるのはあくまでヘアークラックのみです。

それ以上のクラックであれば処置の方法が異なるため、建物を長持ちさせるためにも専門の業者へ補修を依頼しましょう。

また、応急処置したヘアークラックを後に業者に見てもらうことになる可能性もあるため、補修に使用した補修材の名前をメモしておくと良いでしょう。

外壁やコーキングがひび割れやすい部分は?

外壁やコーキング部分は経年劣化とともにひび割れが発生することがあります。では、どのような部分がひび割れやすいのでしょうか?

まずは直射日光が当たりやすい部分です。日光や紫外線によって表面の塗膜は劣化していきます。その劣化が原因で外壁にヘアクラックなどが発生することもあるため、よく日光の当たる場所は注意しておくといいでしょう。

特にコーキングは日光や紫外線の影響を受けやすい素材です。長時間日光の当たる場所にあるコーキング部分は定期的に目視や触って状態を確認しておくことをおすすめします。

開口部周辺もひび割れが発生しやすい場所の1つです。開口部周辺は揺れや重みの力が複雑にかかるために、ヘアクラックのみならず構造クラックも発生しやすい場所です。よく注意して見ておくようにしましょう。

また、外壁から飛び出したバルコニーの裏側部分も、ひび割れが発生しやすくなります。構造的な原因やバルコニーの防水処理上の問題など、色々な原因でひび割れが発生しやすい箇所です。

コンクリート構造の建物であれば、1階と2階や、2階と3階などの階層間でもひび割れが発生しやすいと言われています。施工時の躯体打設の切れ目部分に揺れなどの力がかかると、ひび割れを起こしやすくなるためです。

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コーキングのひび割れは修理できる?

コーキングがすでに打ってある場合でも、ひび割れを補修することはできます。ただし、使用されているコーキング材の種類によっては、完全に剥離することが難しく、手間がかかる補修工事になる場合もあります。

通常であれば、既存のコーキングを除去した上で、外壁材に下処理を行い、そこに下地となるプライマーを塗装します。この工程を行わなければコーキング材を注入した際にきちんと接着しません。その上で、コーキング材を注入してひび割れ自体の補修は完了します。

しかしこのままではコーキング材の補修部分だけが目立つため、その上から塗装が行われるケースもあります。

このように、既存のコーキングにできたひび割れ補修をすることは可能ですが、素材によっては補修が困難になったり、補修時の接着不良につながる場合もあります。

ひび割れを発見した場合は、まず専門業者に相談するなどプロの手を借りて補修するようにしましょう。

外壁のひび割れ補修にかかる費用の相場は?

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外壁のひび割れについて、DIYで補修する場合とプロに依頼する場合に分けてそれぞれの費用相場についてご紹介します。

DIYで行う場合

DIYでひび割れを補修できるのはヘアークラックまでです。ヘアークラックはホームセンターで販売されている補修材で応急処置が可能です。

補修材には先述したとおりチョーク式のものとスプレー式のものがあり、スプレー式のものの方が手軽に作業できる反面少し割高になります。

価格はスプレー式のものでも約1,000~2,000円で購入することができ、クラックの数が2~3箇所程度であれば1本で十分足りるでしょう。

補修材の他に作業時にマスキングや手袋を使用する場合でも数百円あれば必要なものを揃えることができます。

プロに依頼する場合

ヘアークラックまでであればDIYでも補修することができますが、もちろんプロに依頼しても問題ありません。クラックの初期段階であるヘアークラックの状態からプロへ補修を依頼するというケースもあるようです。

この場合の費用はクラック1箇所あたり約5,000~10,000円が相場のようです。

ただし、これは足場を組まずに作業できる位置に発生したヘアークラックの補修費用であり、高所作業が必要となる場合やクラックが大きな場合はこの限りではありません。

高所での作業が必要な場合、業者は法律によって足場を組んで安全確保をした上で作業しなければならないことになっています。仮に足場を組んで作業する場合、階層の高さにもよりますが数万円~数十万円が別途足場代として必要となります。

また、ヘアークラック以上のクラックを補修する場合は補修に使用する材料や手順がヘアークラックの場合とは異なります。そのため、大きなクラックを修復する場合の費用相場は部分補修で約10,000~50,000円のようです。

プロに依頼することのメリット

プロにひび割れの補修を依頼する一番のメリットはやはり施工技術の高さでしょう。
腕の良い業者が補修すれば、一度補修してしまえばその先数年間は心配なく過ごすことができます。

外壁のひび割れは放置したり誤った補修をしてしまうとひび割れ部分からどんどん劣化が進行してしまうため、適切なタイミングで適切な処置をする必要があります。

プロへ依頼すると費用が余計にかかるように感じられるかもしれませんが、長い目で見るとプロへ依頼することで余計な出費を抑えることができているかもしれません。

もしプロへ高所作業を伴う補修を依頼する場合、屋根のリフォーム時期が近ければ一緒に依頼することで足場代を節約することができます。

せっかく足場を組んでの作業を依頼するのであれば、他にリフォームしたい箇所がないか検討してみるとよいでしょう。

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外壁のひび割れをリフォームする際の最適なリフォーム会社の選び方

外壁のひび割れの補修をリフォーム業者へ依頼する場合、業者を選ぶときのポイントについてご紹介します。

まずは検討している業者は同様の工事実績がどの程度あるかを確認しましょう。実績が豊富であればそれだけノウハウが蓄積されており、工事担当者の施工技術も高いことが予測できます。

また、実績の有無だけでなくその業者の口コミについても確認することも有効です。大きな会社であればインターネットですぐに施工実績や口コミを確認することができるでしょう。

他には、リフォーム業者がどのような補修材を使用してどのような方法で補修を行うのかについても質問してみましょう。施行の方法や使用する補修材によってはその後の耐用年数に大きく差が生じることもあるようです。

また、依頼主から業者へ工事の内容について質問することで、工事についてしっかりチェックしているという姿勢を相手に伝えることができます。

業者へリフォームを依頼する場合は費用の高低だけでなく、工事の内容や使用する素材、担当者の対応についても事前にチェックしておくことが満足できるリフォームを行うことに繋がるでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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