

目次
木目調サイディングとは
サイディングとは、建物の外壁に張る板状の仕上げ材です。表面に木目模様を施したものを「木目調サイディング」と呼びます。
木目調サイディングと木質系サイディングの比較
サイディングは材質によって、以下の4種類に分けられます。
| サイディングの種類 | 主原料 | 見た目の特徴 |
|---|---|---|
| 窯業系 | セメント | 木目調・タイル調・レンガ調など、デザインの自由度が高い |
| 金属系 | 金属 | シンプルでシックなデザインが多く、近年は意匠性の高い商品も増えている |
| 樹脂系 | 塩化ビニル樹脂 | 窯業系・金属系に比べると、デザインのバリエーションが少ない |
| 木質系 | 木材 | 天然素材ならではの繊細な質感と、やわらかさのあるデザイン |

一般的に木目調サイディングと呼ばれているのは、木目模様を再現した窯業系・金属系・樹脂系のサイディングです。とくに、窯業系サイディングは見た目のバリエーションが豊富で、タイル調やレンガ調などもラインナップされています。また、木質系サイディングは本物の木材を使用しているため、人工的な木目調サイディングとは区別されることがあります。
木目調サイディングの特徴とメリット・デメリット
木目調サイディングは、窯業系・金属系・樹脂系サイディングの機能性を活かしながら、木材のような見た目を楽しめる外壁材です。材質によって特徴やメンテナンス性が異なります。
ただし、木目模様は塗装などで再現しているため、本物の木材と比べると質感に物足りなさを感じたり、商品によっては安っぽい印象に見えたりすることもあります。デザインにこだわる場合は、工務店やリフォーム会社にサンプルを確認できるか相談してみてください。

【木目調】窯業系サイディングのメリット・デメリット
窯業系サイディングは、日本の新築戸建て住宅で広く使われている外壁材です。セメント質原料や繊維質原料などを成型・硬化させた板状の外壁材で、防火性能やデザイン性に優れています。ほかの外壁材と比べてコストパフォーマンスがよく、木目調の色や柄も豊富です。
メリット
- 初期費用が安い
- 耐火性に優れている
- デザインのバリエーションが豊か
デメリット
- 表面塗装やシーリングの劣化に注意が必要
- 定期的な点検や塗装メンテナンスが必要
【木目調】金属系サイディングのメリット・デメリット
金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミ合金などの金属板に、断熱材を合わせた外壁材です。以前はシンプルでクールなデザインが大半でしたが、近年は意匠性に優れた木目調や積石柄などのデザインも数多く登場しています。また、外壁リフォームにも好んで使用される外壁材の一つです。とくに、既存の外壁の上に新しい外壁材を重ねて張る「外壁カバー工法」で使用されます。
メリット
- 断熱性に優れている
- 耐水性に優れている
- 軽量で施工がしやすい
デメリット
- 比較的サビに弱い
- 衝撃により変形しやすい
- 施工できる業者が限定される
【木目調】樹脂系サイディングのメリット・デメリット
樹脂系サイディングは、プラスチックの一種である塩化ビニル樹脂を主原料とした外壁材です。北米の住宅で多く使われている外壁材ですが、日本では取り扱っているメーカーや施工できる業者が限られるため、窯業系や金属系ほど一般的ではありません。耐候性や耐衝撃性に配慮した商品もあり、ほかのサイディングと比べて塗装メンテナンスの手間を抑えやすいのが特徴です。
メリット
- 耐久性が優れている
- 色あせしにくい
- 塩害や凍害に強い
デメリット
- 施工できる業者が少ない
- 色や柄のデザインが限られる
- 初期費用が比較的高い
※ 参考:日本窯業外装材協会「製品概要」
木質系サイディングのメリット・デメリット
木質系サイディングは、本物の木材を使った外壁材です。天然木ならではの温もりや質感、断熱性の高さなどが魅力ですが、施工費用やメンテナンス費用が高く、防火性能の確認も欠かせません。
木質系サイディングのメリット
木質系サイディングには、主に次のメリットがあります。
【メリット1】見た目が魅力的
木質系サイディングは本物の木材を使うため、外観に温もりが生まれます。人工的な木目調サイディングにはない、自然な木目模様も魅力です。無垢材の場合は、年数が経つにつれて色合いや風合いが変わる経年変化も楽しめます。長く使っても飽きにくい見た目は、木質系サイディングならではの特徴です。
【メリット2】断熱性が高い
木材は熱を伝えにくい性質があるため、木質系サイディングは外壁材として断熱面のメリットを期待できます。ただし、住まい全体の断熱性は、外壁材だけでなく断熱材や窓、屋根、施工方法などによっても変わります。快適な室温や省エネ効果を重視する場合は、外壁材だけで判断せず、住まい全体の断熱計画もあわせて確認しましょう。
【メリット3】環境にやさしい
適切に管理された森林の木材を使った木質系サイディングは、再生可能な資源を活用した建材です。また、廃材をチップ化すれば、パーティクルボード(PB)や中質繊維板(MDF)として再利用できます。製品として再生できない廃材も、バイオマス発電の資源として活用できます。
木質系サイディングのデメリット
木質系サイディングには、見た目や機能面の魅力がある一方で、費用や防火性、メンテナンス面の注意点もあります。
【デメリット1】比較的価格が高い
木質系サイディングは、ほかのサイディングと比較すると高価です。本体価格だけでなく、対応できる業者が限られていることから施工費も高くなる傾向にあります。
【デメリット2】比較的防火性能が低い
木材を使用している木質系サイディングは、窯業系や金属系のサイディングと比べると、防火性能の確認がとくに重要です。防火地域や準防火地域などでは、建物の規模や部位に応じて、防火構造・準耐火構造などの基準を満たす外壁材や工法が求められる場合があります。
防火認定を取得している木質系外壁材や、下地との組み合わせで基準を満たせるケースもあるため、採用したい場合は施工会社や建築士に確認しておきましょう。ただし、認定仕様や特殊加工が必要になると、材料費や施工費が高くなることがあります。
※ 参考:e-Gov法令検索「建築基準法」
【デメリット3】腐食に弱い
木質系サイディングは水を吸いやすい外壁材です。湿気を含んだ状態が長く続くと、腐食につながります。また、湿った木材にはシロアリなどの害虫が発生しやすく、躯体に被害が及ぶリスクもあります。腐食を防ぐには、外壁塗装などの防水メンテナンスを定期的に行うことが大切です。
【デメリット4】対応業者に限りがある
木質系サイディングの施工には、外壁材の性質を理解した技術が必要です。そのため、対応できる業者は限られます。知識や経験が少ない業者に依頼すると施工トラブルにつながるおそれがあるため、木質系サイディングの実績がある会社を選びましょう。
木目調サイディングのリフォーム費用相場
サイディングを重ね張りするリフォーム工事費用の相場は、100万〜250万円です。既存の外壁を撤去して張り替える場合は、200万〜500万円が目安になります。ただし、費用はサイディングの種類や施工面積、依頼する業者によって変わります。木目調サイディングの種類ごとの材料費と耐用年数は、次の表を参考にしてください。

| サイディングの種類 | 材料費(1平方メートルあたり) | 耐用年数 |
|---|---|---|
| 窯業系 | 3,000〜10,000円 | 20〜40年 |
| 金属系 | 5,000〜12,000円 | 20〜40年 |
| 樹脂系 | 8,000〜15,000円 | 20〜40年 |
| 木質系 | 9,000〜20,000円 | 15〜40年 |
なお、実際の工事では足場代や施工費、資材運搬費なども別途かかります。複数のリフォーム会社から相見積もりを取ると、費用の目安を把握しやすくなります。

木目調・木質系サイディングのおすすめメーカーと人気商品
木目調・木質系サイディングを検討する際に候補にしやすいメーカーと商品を紹介します。
ニチハ(モエンエクセラード16 トランディウッド)
ニチハは、窯業系サイディングで国内トップクラスのシェアをもつメーカーです。木目調サイディングも豊富に扱っています。モエンエクセラード16は、原料の一部に国産木材チップを使用した窯業系サイディングです。木目の繊細な色合いやリアルな質感を再現するため、インクジェット塗装を採用しています。
ケイミュー(光セラ ブルレウッド18)
光セラシリーズは、太陽光で外壁の汚れを分解し、雨で洗い流すセルフクリーニング機能が特徴の窯業系サイディングです。商品によっては「塗り替えや張り替えのメンテナンスは40年後」と案内されている高耐候タイプもあります。ただし、色40年品質の対象は光セラ18、フラットデザインパネル、レジェールなど一部の商品に限られるため、選ぶシリーズや保証条件を確認しておきましょう。木目調の美観を長く保ちたい場合に検討しやすい商品です。
※ 参考:ケイミュー「光セラ」
アイジー工業(アイジーサイディング NPT-スプリームウッド)
アイジー工業は、日本で早くから金属系サイディングを扱ってきたメーカーです。アイジーサイディングはガルバリウム鋼板を使用しており、金属系サイディングのなかでも耐久性に配慮されています。木目調のカラーバリエーションでは、ブラックやブラウンなら高級感のある上品な印象に、グレイベージュなら温かみのある外観に仕上がります。
LIXIL(Danサイディング)

Danサイディングは、旧旭トステム外装の商品として案内されているLIXILの金属系サイディングです。柄の深さと塗装技術により、リアルな質感を表現している点が特徴で、新築にもリフォームにも対応しています。木目調の商品を選ぶ場合は、色柄だけでなく、塗装仕様や保証条件、施工できる地域・業者もあわせて確認しておきましょう。
※ 参考:LIXIL「Danサイディング」
ゼオン化成(GRAYNE)
ゼオン化成は、プラスチック加工技術をベースに、樹脂系サイディングなどを取り扱っている企業です。GRAYNEは、耐候性や耐紫外線を考慮したPVC製の木目調パネルで、意匠性の高さも魅力です。72種類の異なる木目模様と8通りのパネル形状を展開しているため、木目のデザインにこだわりたい場合にも選択肢になります。なお、一般的なサイディングより材料費が高くなる場合もあるため、見積もり時には本体価格と部材費、施工費をあわせて確認しましょう。
※ 参考:ゼオン化成「GRAYNE」
高広木材(ベルサイディング)
高広木材は、カナダ原産のウエスタンレッドシダーを専門に取り扱うメーカーです。木材に傾斜のある加工を施しているベベルサイディングは、水平部分のラインが浮き出ているかのように強調され、深い陰影をつくりだします。木質系サイディングの美しい木目と色調に加え、外壁にメリハリが生まれることで、飽きることのない外観デザインとなるでしょう。
ナガイ(ウェスタンレッドシダー外装材)
ナガイは、漆喰壁や木製ドア、天然木のサイディングなど、自然素材の建築資材が揃っている企業です。木質系サイディングには、優れた耐久性・防腐性を発揮するウエスタンレッドシダーを使用しています。真っ直ぐで美しい木目が特徴的で、透湿性や通気性といった機能面も魅力です。節のあり・なしによっても外観の印象が変わるため、ショールームやサンプルなどを確認してみましょう。
木目調・木質系サイディングの施工事例
木目調サイディングや木質系サイディングを使った施工事例です。
木目調・木質系サイディングの選び方
木目調・木質系サイディングは、色調や張り分け方によって外観の印象が大きく変わります。

木目の色調で選ぶ
木目調サイディングの特徴は、その木目模様にあります。ほかの外壁にはない、温かみのある質感が魅力です。加えて、サイディングの色調によっても印象が変化するため、理想の外観イメージから木目の色を選択してみましょう。
| 色調 | 印象 |
|---|---|
| ホワイト系 | 清潔感、上品、シンプル、調和しやすい、可愛らしい、やさしい |
| ブラウン系 | 木目が引き立つ、ナチュラル、やわらかい、穏やか、ぬくもり |
| ブラック系 | 重厚感、クール、高級感、スタイリッシュ、かっこいい |
建具と色調を合わせる
サイディングを選ぶときは、窓サッシや玄関ドアなどの建具との相性も確認しましょう。外壁と建具の色調を合わせると、建物全体に統一感が生まれます。
部分的にサイディングの種類を変える
木目調サイディングを建物の一部に使用することで、おしゃれなアクセントになります。
サイディングの張り分け例
- 1階と2階で張り分け
- バルコニーの張り分け
- 玄関まわりの張り分け
- 縦方向に張り分け
- 凹部に張り分け
また、木質系サイディングはほかのサイディングよりもメンテナンス頻度が高いため、玄関などの一部分に使用することで補修費用を抑えられるでしょう。















