2024年12月04日更新

監修記事

木目調サイディングのおすすめメーカーは?木質系の特徴や費用も比較

木目調サイディングにすることで、美しい木目肌が温もりのある外観を演出します。天然木を使用した木質系サイディングのほか、さまざまなサイディング素材の特徴を確認しましょう。本記事では、木目調サイディングのおすすめメーカーや選び方も解説します。

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木目調サイディングとは?

そもそもサイディングとは、建物の外壁に張る板状の仕上げ材のことです。そのなかでも、表面に木目模様を施したサイディングのことを「木目調サイディング」と呼びます。

木目調サイディングと木質系サイディングの比較

サイディングは材質によって、「窯業系・金属系・樹脂系・木質系」の4種類に分けられます。

サイディングの種類主原料見た目の特徴
窯業系サイディングセメント木目調、タイル調、レンガ調などデザインの自由度が高い
金属系サイディング金属シンプルでシックなデザインが多いが、意匠性の高いものも増えている
樹脂系サイディング塩化ビニル樹脂窯業系・金属系に比べるとデザインのバリエーションが少ない
木質系サイディング木材天然素材ならではの繊細な質感とやわらかさのあるデザイン

一般的に木目調サイディングと呼ばれているのは、窯業系・金属系・樹脂系のサイディングです。とくに、窯業系サイディングは見た目のバリエーションが豊富で、タイル調やレンガ調などもあります。

また、木質系サイディングは本物の木材を使用しているため、人工的な木目調サイディングとは区別されることがあるでしょう。

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木目調サイディングの特徴とメリット・デメリット

ここでは、木目調サイディングの材質によって異なる特徴と、メリット・デメリットを解説します。

木目調サイディングは、窯業系・金属系・樹脂系サイディングの優れた機能性はそのままに、木材のような見た目を楽しめるのが魅力です。

ただし、木目模様を塗料などで再現しているため、本物の木材と比較すると安っぽい印象を感じるかもしれません。木目調のデザインにこだわりたい方は、工務店やリフォーム会社に見本を確認できないか相談してみましょう。

木目調|窯業系サイディングのメリット・デメリット

窯業系サイディングは、日本の新築戸建て住宅に最も多く用いられている外壁材です。主原料のセメントに木質繊維などを加えて、窯の中で高熱処理されることからその名が付いています。

ほかの外壁材と比較してコストパフォーマンスに優れており、デザインのバリエーションが豊富な点が魅力です。木目調の色や柄もさまざまなタイプがあります。

窯業系サイディングのメリット
  • 初期費用が安い
  • 耐火性が優れている
  • デザインのバリエーションが豊か
窯業系サイディングのデメリット
  • 耐水性が低い
  • 定期的に塗装メンテナンスが必要

木目調|金属系サイディングのメリット・デメリット

金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミ合金などの金属板に、断熱材を合わせた外壁材です。以前はシンプルでクールなデザインが大半でしたが、近年は意匠性に優れた木目調や積石柄などのデザインも数多く登場しています。

また、外壁リフォームにも好んで使用される外壁材の一つです。とくに、既存の外壁の上に新しい外壁材を重ねて張る「外壁カバー工法」で使用されます。

金属系サイディングのメリット
  • 断熱性が優れている
  • 耐水性が優れている
  • 軽量で施工がしやすい
金属系サイディングのデメリット
  • 比較的サビに弱い
  • 衝撃により変形しやすい
  • 施工できる業者が限定される

木目調|樹脂系サイディングのメリット・デメリット

樹脂系サイディングは、プラスチックの一種である塩化ビニル樹脂を主原料とした外壁材です。アメリカの住宅では主流の外壁材ですが、日本では取り扱っているメーカーが少なく、普及率は1%程度とかなり低くなっています。

メンテナンスフリーといわれることもあるほど高耐久なのが特徴で、ほかのサイディングと比べてメンテナンスの手間がかかりません。

樹脂系サイディングのメリット
  • 耐久性が優れている
  • 色あせしにくい
  • 塩害や凍害に強い
樹脂系サイディングのデメリット
  • 施工できる業者が少ない
  • 色や柄のデザインが限られる
  • 初期費用が比較的高い
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木質系サイディングのメリット・デメリット

ここからは、本物の木材を使用している木質系サイディングのメリット・デメリットを確認していきましょう。

木質系サイディングの最大のメリットは、天然木の温もりのある見た目と質感です。また、断熱性が高く環境に配慮した建材であるところも魅力でしょう。デメリットは、施工費用やメンテナンス費用が高いこと、防火性能が低いことなどが挙げられます。

木質系サイディングのメリット

まずは、木質系サイディングのメリットを解説します。

見た目が魅力的

木質系サイディングは本物の木材を使用しているため、温もりのある印象を与えてくれます。人工的な木目調サイディングにはない、唯一無二の木目模様も魅力です。

また、無垢の木を使用している場合には、年数が経過した際に色合いや面持ちが変化する経年変化も楽しめます。長年使用していても飽きのこない見た目は、木質系サイディングの特徴といえるでしょう。

断熱性が高い

木材には熱を吸収しにくい性質があり、木質系サイディングを外壁に使用することで、住まいの断熱性が高まります。

外気の温度変化が室内に伝わりづらくなるため、一年を通して快適な室温に保ちやすいでしょう。また、冷暖房の効率が上がるので省エネ効果も期待できます。

環境にやさしい

適切な森林管理が行われている木材を使用している木質系サイディングは、持続的に再生可能な資源であり、環境にやさしい建材です。

また、木質系サイディングの廃材は、チップ化してパーティクルボード(PB)や中質繊維板(MDF)として再利用できます。製品として再生できない廃材も、バイオマスエネルギーとして発電資源に利用できるのです。

木質系サイディングのデメリット

つぎに、木質系サイディングのデメリットを解説します。デメリットを知っておくことで、後悔せずに最適なサイディングを選べるでしょう。

比較的価格が高い

木質系サイディングは、ほかのサイディングと比較すると高価です。本体価格だけでなく、対応できる業者が限られていることから施工費も高くなる傾向にあります。

比較的防火性能が低い

ほかのサイディングと比較して、木材を使用している木質系サイディングは防火性能が低めです。そのため、住宅が密集しているような準防火地域では、使用できないかもしれません。

なお、特殊加工することで防火性能を高めることもできますが、追加費用がかかってしまいます。

腐食に弱い

木質系サイディングは水を吸いやすい材質です。湿気を含んだ状態が長く続くと、建材の腐食につながります。また、湿った木材にはシロアリなどの害虫が発生するため、躯体に被害が及ぶリスクもあるでしょう。

腐食防止のために、外壁塗装などの防水メンテナンスを定期的に行う必要があります。

対応業者に限りがある

木質系サイディングは、施工において高い技術力が求められる外壁材です。そのため、施工できる業者が限られます。

また、知識や技術が未熟な業者に依頼すると、トラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。優れた施工技術をもつ業者を探すようにしましょう。

>>木質系サイディングの施工業者探しはこちらから

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木目調サイディングのリフォーム費用相場

サイディングを重ね張りするリフォーム工事費用は、100〜250万円が相場とされています。また、既存の外壁を撤去する張り替え工事の場合は、200〜500万円が相場です。ただし、使用するサイディングの種類や施工面積、依頼業者などによっても異なります。

そこで、木目調サイディングの種類ごとに、材料費と耐用年数を表にまとめました。外壁リフォームを検討する際、一つの目安にしてみてください。

サイディングの種類材料費
(1平方メートルあたり)
耐用年数
窯業系サイディング3,000〜6,000円20〜40年
金属系サイディング3,500〜6,000円20〜40年
樹脂系サイディング4,000〜10,000円20〜40年
木質系サイディング5,000〜20,000円15〜40年

なお、このほかに足場代や施工費、資材運搬費などが発生します。複数のリフォーム会社に相見積りをすることで、大体の相場感がつかめるでしょう。

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木目調・木質系サイディングのおすすめメーカーと人気商品

ここでは、リアルな木目模様が美しい木目調・木質系サイディングのおすすめメーカーをご紹介します。

ニチハ「モエンエクセラード16 トランディウッド」

画像出典:ニチハ

ニチハは窯業系サイディングにおいて国内トップのシェアを誇っており、意匠性の高い木目調サイディングが勢揃いしています。

モエンエクセラード16は、原料の一部に国産木材のチップを使用している窯業系サイディングです。木目の繊細な色合いやリアルな質感を再現するために、次世代のインクジェット塗装を使用しています。

ケイミュー「光セラ ブルレウッド18」

画像出典:ケイミュー

光セラシリーズは、太陽の力を使って外壁の汚れを分解し、雨で洗い流してくれるセリフクリーニングが魅力の窯業系サイディングです。

また、「塗り替えや張り替えのメンテナンスは40年後」とメーカーが謳うほど耐久性があり、メンテナンスコストがかからない、経済的な外壁材といえます。

きれいな外観を長期間保てるので、木目調の美観性を活かせる商品です。

アイジー工業「アイジーサイディング NPT-スプリームウッド」

画像出典:アイジー工業

アイジー工業は、日本で最も早く金属系サイディングを取り扱ったメーカーです。

アイジーサイディングはガルバリウム鋼板を使用しているため、金属系サイディングのなかでもとくに耐久性に優れています。

木目調サイディングのカラーバリエーションから、ブラックやブラウンを選べば高級感のある上品な仕上がりに、グレイベージュなら温かみのある外観に仕上がります。

旭トステム外装「Danサイディング プレシャスウッドⅡRF」

画像出典:旭トステム外装

旭トステム外装は、さまざまな建築資材を扱うLIXILのグループ会社です。

Danサイディングはスチールの金属系サイディングで、本物の木目らしさを追求したリアルな凹凸が深みのある質感を演出しています。

また、きれいな外壁を維持するフッ素のセルフクリーニング機能が付いているため、木目の美しさを維持できるのもポイントです。

ゼオン化成「GRAYNE」

画像出典:ゼオン化成

ゼオン化成は、プラスチック加工技術をベースに、樹脂系サイディングなどを取り扱っている企業です。

樹脂系サイディングの高耐久性はそのままに、意匠性の高い木目調パネルを販売しています。耐候性・耐紫外線・耐衝撃性など、充実した機能面も魅力です。

72種類の異なる木目模様・8通りのパネル形状を取り揃えているため、木目のデザインにもこだわってみましょう。

高広木材「ベベルサイディング」

画像出典:高広木材

高広木材は、カナダ原産のウエスタンレッドシダーを専門に取り扱うメーカーです。

木材に傾斜のある加工を施しているベベルサイディングは、水平部分のラインが浮き出ているかのように強調され、深い陰影をつくりだします。

木質系サイディングの美しい木目と色調に加え、外壁にメリハリが生まることで、飽きることのない外観デザインとなるでしょう。

ナガイ「ウェスタンレッドシダー外装材」

画像出典:ナガイ

ナガイは、漆喰壁や木製ドア、天然木のサイディングなど、自然素材の建築資材が揃っている企業です。

木質系サイディングには、優れた耐久性・防腐性を発揮するウエスタンレッドシダーを使用しています。真っ直ぐで美しい木目が特徴的で、透湿性や通気性といった機能面も魅力です。

節の有り無しによっても外観の印象がかわるため、ショールームやサンプルなどを確認してみましょう。

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木目調・木質系サイディングでの施工事例

木目調サイディングや木質系サイディングを使用した、おしゃれな施工事例を紹介します。

木の質感がアクセントに!

建物のベースに金属系サイディングを採用し、アクセントとして玄関とバルコニー部分に木目調サイディングを取り入れています。

木の質感が魅力の外装工事

塗装と張り替えで美しさをとりもどす

塗装によるメンテナンスと、外壁材の一部張り替えで、いつまでも美しい木目を楽しめます。

before
after

外壁塗装と一部張り替え

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木目調・木質系サイディングの選び方

多種多様な木目調・木質系サイディングから、建物に最適なデザインを選ぶ方法を解説します。

木目の色調で選ぶ

木目調サイディングの特徴は、その木目模様にあります。ほかの外壁にはない、温かみのある質感が魅力です。

加えて、サイディングの色調によっても印象が変化するため、理想の外観イメージから木目の色を選択してみましょう。

色調印象
ホワイト系の明るい色調清潔感、上品、シンプル、調和しやすい、可愛らしい、やさしい
ブラウン系の中間色調木目が引き立つ、ナチュラル、やわらかい、穏やか、ぬくもり
ブラック系の暗い色調重厚感、クール、高級感、スタイリッシュ、かっこいい

建具と色調を合わせる

サイディングを選ぶ際の失敗として多いのが、外壁と建具との色合いが合わず、建物全体でみたときに違和感のある仕上がりになってしまうというものです。

窓サッシや玄関などの建具と、外壁の色調を合わせることで、外観に統一感が生まれます。

部分的にサイディングの種類を変える

木目調サイディングを建物の一部分的に使用することで、おしゃれなアクセントになります。

サイディングの張り分け例
  • 1階と2階で張り分け
  • バルコニーの張り分け
  • 玄関まわりの張り分け
  • 縦方向に張り分け
  • 凹部に張り分け

また、木質系サイディングはほかのサイディングよりもメンテナンス頻度が高いため、玄関などの一部分に使用することで補修費用を抑えられるでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】岩納年成

大手ゼネコン会社にて、官公庁工事やスタジアム、免震ビル等の工事管理業務を約4年経験。
その後、大手ハウスメーカーにて注文住宅の商談・プランニング・資金計画などの経験を経て、木造の高級注文住宅を主とするビルダーを設立。
土地の目利きや打ち合わせ、プランニング、資金計画、詳細設計、工事統括監理など完成まで一貫した品質管理を遂行し、多数のオーダー住宅を手掛け、住まいづくりの経験は20年以上。
法人の技術顧問アドバイザーとしても活動しながら、これまでの経験を生かし個人の住まいコンサルテイングサービスも行っている。

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