目次
ハイブリッド給湯器の仕組み
ハイブリッド給湯器とは、電気式ヒートポンプ・貯湯タンク・高効率ガス給湯器を搭載した、ガスと電気の両方でお湯を沸かせる給湯器です。
基本的に光熱費が安い電気式ヒートポンプで給湯が行われ、沸かしたお湯は貯湯タンクにためられます。
ハイブリッド給湯器は各家庭の生活パターンを学習し、タンクにためるお湯の量やタイミングなどを最適化してくれます。
そのため、無駄のない給湯が可能です。
タンク内のお湯がなくなったときには、高効率ガス給湯器により瞬時にお湯が沸きます。
そのため、急な来客でお湯の使用量が通常より多くなる場合でも、湯切れを心配はありません。
ハイブリッド給湯器と従来給湯器の違い
ハイブリッド給湯器と従来の給湯器がどのように違うのか、わからない人もいるでしょう。
ここからは、ハイブリッド給湯器と従来給湯器の違いを解説します。
【1】ハイブリッド給湯器とガス給湯器の比較
ハイブリッド給湯器とエコジョーズを含むガス給湯器の違いは、以下のとおりです。
ハイブリッド給湯器 | ガス給湯器 | |
---|---|---|
燃料 | 電気+ガス | ガス |
導入費用 | 100万円~ | 20万円~ |
ランニングコスト | 約5万円 | 約12万円 |
CO2排出量 | 約665g | 約1,528g |
ハイブリッド給湯器とガス給湯器(エコジョーズ)の決定的な違いは、省エネ性とコストの差です。
ハイブリッド給湯器は、エコジョーズに比べてCO2排出量を約863g抑えられます。
ランニングコストも、ガス給湯器に比べて7万円程度の節約効果が期待できます。
ハイブリッド給湯器とエコキュートの比較
ハイブリッド給湯器とエコキュートの違いは、以下のとおりです。
ハイブリッド給湯器 | エコキュート | |
---|---|---|
燃料 | 電気+ガス | 電気 |
導入費用 | 100万円~ | 60万円~ |
ランニングコスト | 約5万円 | 約6.5万円 |
CO2排出量 | 約665g | 約790g |
エコキュートはガス給湯器に比べて環境にやさしく、さらにコストも抑えられるという特徴があります。
しかし、これらの側面においても、ハイブリッド給湯器のほうが優秀であることがわかります。
ハイブリッド給湯器のメリット
ここからは、ハイブリッド給湯器を利用することで得られるメリットを解説します。
【メリット1】光熱費の節約につながる
ハイブリッド給湯器は、電気とガスを使い分けて少ないエネルギーでお湯を沸かせます。
従来の給湯器は、光熱費が高くなりやすいです。
それに対しハイブリッド給湯器は電気とガスを効率よく活用してお湯を沸かせるため、光熱費の節約につながります。
お湯の使用量がもともと少ない家庭、床暖房を必要としない温暖な地域では節約効果を感じられない可能性があります。
【メリット2】お湯の使用量が増えても湯切れの心配がない
エコキュートでは湯切れが起きた際、再給湯に時間がかかります。
しかしハイブリッド給湯器はガス給湯器も組み合わされているため、貯湯タンク内のお湯がなくなってもすぐに給湯できます。
【メリット3】環境に優しくエコな暮らしを実現できる
ガス給湯器はガスを燃焼させてお湯を沸かすシステムのため、CO2排出量が多いです。
しかし、ハイブリッド給湯器は基本的に電気でお湯を沸かします。
そのため、ガス給湯器よりも環境に優しい生活を実現できます。
【メリット4】災害・非常時にも給湯できる
ハイブリッド給湯器は、電気とガスどちらかが使用できれば給湯できます。
貯湯タンク内に残ったお湯は、非常用水としても活用できます。
そのため、ハイブリッド給湯器は災害時や非常時にも役立つでしょう。
ハイブリッド給湯器のデメリット
ハイブリッド給湯器には、メリットだけでなくデメリットもあります。
導入後に後悔しないよう、デメリットもあわせてチェックしておきましょう。
【デメリット1】気温が低い地域では作動しなくなる可能性がある
「冷媒ヒートポンプ式給湯器」が搭載されているハイブリッド給湯器は、寒さに弱い性質があります。
気温が-10度以下など極端に低くなる地域では、作動しなくなることもあります。
仮に動いたとしても、給湯の効率が低下する可能性があるので注意が必要です。
【デメリット2】従来型の給湯器に比べて導入費用が高い
ハイブリッド給湯器は、エコキュート・エコジョーズなどの従来給湯器に比べて導入費用が高い傾向にあります。
導入費用 | |
---|---|
ハイブリッド給湯器 | 100万円~ |
従来給湯器 | 20万円~ |
利用年数が短かったり利用頻度が少なかったりする場合には、導入費用を回収できない可能性もあるので注意しましょう。
【デメリット3】維持費がかかる
ハイブリッド給湯器は、電気代・ガス代などの光熱費がかかります。
エコキュートは電気代のみ、ガス給湯器ではガス代のみかかりますが、ハイブリッド給湯器は電気代とガス代のどちらも維持費としてかかります。
ハイブリッド給湯器の導入にかかる価格
ハイブリッド給湯器の導入には、以下の費用がかかります。
本体価格 | 70万~100万円 |
設置工事価格 | 10万~20万円 |
ランニングコスト | 3万~5万円 (1年あたり) |
ハイブリッド給湯器の導入には、合計で100万円以上かかるケースも少なくありません。
導入前には、予算内に収まるかどうか確認がポイントになります。
ハイブリッド給湯器の導入に活用できる補助金制度
ハイブリッド給湯器の導入には、「給湯省エネ2024事業」という補助金を活用できます。
「給湯省エネ2024事業」とは、高効率給湯器の導入支援・普及拡大のために国が用意した補助金制度のことを指します。
新築注文住宅・新築分譲住宅の購入、リフォームで高効率給湯器を設置する場合に利用可能です。
基本金額 | 性能加算額 | |
---|---|---|
ヒートポンプ給湯器 | 8万円 | 最大5万円 |
ハイブリッド給湯器 | 10万円 | 最大5万円 |
家庭用燃料電池 | 18万円 | 2万円 |
ハイブリッド給湯器を設置する際の注意点
ここでは、ハイブリッド給湯器を設置する際の注意点を紹介します。
【注意点1】マンションやアパート、敷地の狭い住宅では設置場所に制限がかかる
ハイブリッド給湯器はタンクユニットとヒートポンプユニットの2つに分かれているため、通常の給湯器よりも広い設置スペースが必要です。
そのため、マンション・アパート・敷地の狭い住宅では設置場所に制限がかかる可能性があります。
場合によっては設置できないケースもあるので、自宅に設置できるスペースがあるかどうか事前に確認しましょう。
【注意点2】定期的なメンテナンスが必要になる
ハイブリッド給湯器は、専門的な知識や技術を持った業者による定期的なメンテナンスが必要です。
最低1年に1回程度は業者に点検してもらわないと、部品の劣化や故障につながりやすいとされています。
点検時期ではなくても水漏れやエラーコードの頻発、お湯が出ないなどの不具合が発生したときには、早めに修理・点検を依頼するのがおすすめです。
後悔しないハイブリッド給湯器の選定ポイント
ハイブリッド給湯器にはさまざまなタイプがあり、周辺の環境や家庭の状況によって選ぶべきものは異なります。
感覚で選んでしまうと、設置後に後悔することになる可能性も。
ここではハイブリッド給湯器の選定ポイントを詳しく紹介するので、導入前に目を通しておきましょう。
【ポイント1】生活スタイルや人数に合っているか
ハイブリッド給湯器には、容量が設定されています。
家族の人数や生活スタイルに合っていないものを選んでしまうと、ハイブリッド給湯器でも光熱費が高くなってしまう可能性があります。
お湯の使用量が多い場合は容量の大きいタイプにするなど、生活スタイルや家族の人数に合わせた給湯器を選ぶのが大切です。
【ポイント2】地域の特性に適しているか
ハイブリッド給湯器のなかには、年間の平均気温が-10℃以下の寒冷地で作動しなくなるという寒さに弱い製品もあります。
自宅が寒冷地にあたる場合は、寒冷地仕様の給湯器を選びましょう。
沿岸部などの塩害地域にあたる場所に住んでいる場合は、耐塩害仕様の給湯器を選ぶと安心です。
【ポイント3】給湯のみ・温水式床暖房付など目的に合った機能が搭載されているか
給湯器に搭載されている機能には、以下のようにさまざまな種類があります。
種類 | 内容 |
---|---|
給湯専用 | 給湯のみできるタイプ |
ふろ給湯器 | 給湯と追い炊きができるタイプ |
暖房付ふろ給湯器 | 給湯・追い炊き・暖房機能がそろっているタイプ |
ふろ給湯器では、キッチンやシャワーの給湯だけでなく自動のお湯はりや追い炊きが可能です。
暖房機能が付いていれば、浴室乾燥機・床暖房・ミストサウナなども利用できます。
給湯器の種類により機能面が異なるため、目的に合った機能が付いているものを選びましょう。
ハイブリッド給湯器でおすすめのメーカー
ここからは、ハイブリッド給湯器でおすすめのメーカーを紹介します。
【おすすめ1】ノーリツ
ノーリツは、給湯機器やコンロなどの製品の製造・販売をするメーカーです。代表的なハイブリッド給湯器は、「ココアHYBRID」です。
「ココアHYBRID」には、生活パターンに合わせてお湯をためるタイミングや量を自動で調整してくれるスマート制御機能が搭載されています。
そのため、効率よく無駄のない給湯が可能です。
除菌機能や自動洗浄機能が搭載されており、常に清潔なお湯を利用できます。
【おすすめ2】リンナイ
リンナイは、給湯器や給湯暖房機、ファンヒーターなど幅広い分野の商品を製造販売しているメーカーです。
代表的なハイブリッド給湯器である「ECO ONE」は、気象情報と連携し自動で給湯・貯湯する機能を搭載しています。
故障の可能性が高まったときには通知してくれるため、使用できなくなる前に修理・交換を検討できるのも魅力です。
リフォームする際のポイント
もしリフォームを実際に行うとなった際には、ぜひお近くのリフォーム会社に一度ご相談することをおすすめします。
リフォーム会社に相談する時に一番気になるのは「いくらかかるのか」という金額の部分かと思います。
正確なリフォーム金額を知るためには、リフォーム前に「現地調査」を受ける必要があります。
その際に、損をしないリフォームを実現するために重要なことが一点あります。
それは、リフォーム会社1社のみに現地調査と見積もりをお願いするのではなく、複数社に依頼して、必ず「比較検討」をする!ということです。
複数の会社に依頼する時のポイントは「同じ条件」で依頼することです。バラバラの条件で依頼をすると、正しい比較ができません。
このポイントをきちんと押さえ、複数の会社の提案を受けることでご希望のリフォームの適正価格が見えてきます。
「色んな会社に何度も同じことを伝えるのがめんどくさい…。」という方はカンタンに複数社を比較検討できるサービスもございますので、ぜひご利用ください。
一生のうちにリフォームをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しないリフォームをするためにも、リフォーム会社選びは慎重に行いましょう!