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収益物件のリフォームでローンを利用するメリット
収益物件は築年数が増えるにつれて老朽化や設備の故障などが発生し、価値が下がるのが一般的です。
改善する方法として効果的なのがリフォームやリノベーションですが、費用面からすぐに手が出せない人も多いでしょう。
このような場合におすすめなのが、収益物件用のリフォームローンです。
この項では、収益物件用のリフォームローンにおけるメリットについて詳しく解説します。
【メリット1】審査が通りやすい
収益物件用のリフォームローンは、審査に通りやすい特徴があります。
これは、住宅ローンと比較して収益物件用のリフォームローンの借入可能額が低めであることが関係しています。
審査基準は金融機関によって異なりますが、借入時の年齢や年収、他社からの借入状況や収益物件の経営状態が加味されるケースが一般的です。
【メリット2】金利が低め
フリーローンなどと比較すると、用途が限定されている収益物件用のリフォームローンは金利が低めに設定される傾向にあります。
下記に実際のローン商品の比較をまとめました。
ローン商品 | 変動金利 |
---|---|
JAフリーローン | 7.775%〜 |
セゾンリフォームローン (不動産担保型) | 3.75~4.55% |
上記のとおり、収益物件用のリフォームローンはフリーローンと比較すると金利が低めになっています。
金利7.775%のフリーローンで借り入れた場合と、金利3.75%のリフォームローンで借り入れた場合では、月々の返済額が以下のように異なります。
月々の返済額 | |
---|---|
フリーローン (金利7.775%) | 60,070円 |
リフォームローン (金利3.75%) | 50,030円 |
月々の返済額を抑えたい人にとっても、収益物件用のリフォームローンはおすすめです。
【メリット3】手持ちの資金がなくてもすぐにリフォームできる
収益物件用のリフォームローンを活用すれば、手持ちの資金がなくともすぐにリフォーム可能です。
リフォームやリノベーションをすれば老朽化や設備の故障などのネックを改善でき、賃貸物件の場合には入居率の向上に繋がります。
高額のリフォーム費用を要する場合でも、担保や保証人をつけることで借入限度額を上げられるケースも。
手持ちの資金がなくリフォームを躊躇している人は、収益物件用のリフォームローンの活用を検討してください。
収益物件のリフォームでローンを利用するデメリット
収益物件用のリフォームローンを利用すると、手持ちの資金がなくてもすぐにリフォーム可能です。
しかし、その一方で見逃せないデメリットもあります。
- 控除が適用できない
- 返済期間の設定が比較的短い
- 借入限度額が低め
メリットのみではなくデメリットについてもしっかりと理解してください。
【デメリット1】控除が適用できない
収益物件のリフォームローンで適用できる控除はありません。
収益物件のリフォームやリノベーションをおこなった場合、その年の確定申告で減価償却が可能です。
設備投資をはじめとした費用を一定期間に配分する会計処理
しかしリフォームローンを利用した場合、リフォームやリノベーションにかかった費用は減価償却には該当しません。
なお、減価償却について詳しくは国税庁のサイトから確認可能です。
【デメリット2】返済期間の設定が比較的短い
収益物件用リフォームローンのデメリットの1つに、返済期間の短かさがあげられます。
収益が見込まれる収益物件は必要不可欠であるとは言い難いため、返済期間が短い傾向にあります。
なお、住宅用のリフォームローンの場合には必要不可欠なものであるため返済期間は長めに設定されることも。
【デメリット3】借入限度額が低め
住宅ローンと比較すると、収益物件用のリフォームローンは借入限度額が低めに設定されることがあります。
しかし、昨今ではゼゾンファンデックスのリフォームローン(不動産担保型)のように、最大で融資額を1億円とするローン商品も増えてきました。
収益物件用のリフォームローンを選ぶ際には、希望額まで借り入れ可能か確認が必要です。
収益物件のリフォームローンは多くの金融機関が提供しているローン商品ではありません。
借入額が多い場合は、選択肢がほとんどないことも。
アパートのリフォームで利用できるローンの種類
収益物件用のリフォームローンは、大きく分けて3種類に分類されます。
- 住宅金融支援機構(住宅セーフティネット)
- 日本政策金融公庫
- 民間金融機関
民間の金融機関をはじめ、国が株式の100%を保有している日本政策金融公庫など多くの選択肢があるため、それぞれの特徴を確認しましょう。
住宅金融支援機構(住宅セーフティネット)
住宅金融支援機構の賃貸住宅リフォーム融資は、国が運営する住宅セーフティ制度に加入することを条件に借入れが可能なローンです。
低所得者・高齢者・外国籍・子育て世帯などが該当する「住宅確保要配慮者」の受け入れ先となる住宅
借入限度額が工事費の80%までとされており、リフォーム費用全額の借り入れはできないため注意してください。
金利 | 全期間固定金利型 |
---|---|
借入限度額 | 対象工事費の80%まで |
返済期間 | 20年以内 |
保証人 | 不要 |
担保 | 不要 (融資額300万円以上の場合) |
金利は全期間固定金利型を採用しており、返済期間によって金利が異なります。
2024年9月現在の適用金利は返済期間10年以下で年1.35%、11年以上で年1.41%です。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、国が株式の100%を保有する政府系のローンです。
個人事業主や中小企業の支援を目的としており、低い金利でリフォームローンの借入れができます。
金利 | 変動金利型 |
---|---|
借入限度額 | 運転資金:4,800万円 設備資金:4,800万円 特定設備資金:7,200万円 |
返済期間 | 運転資金:5年以内 設備資金:10年以内 特定設備資金:20年以内 |
保証人 | 応相談 |
担保 | 応相談 |
利率は基準利率を採用しており、返済期間や担保の有無によって異なります。
なお、日本政策金融公庫の金利は平均して1〜3%程度です。
日本政策金融公庫は、申し込みから融資実行までに1ヶ月前後の時間がかかる場合もあるため注意しましょう。
民間金融機関
収益物件用のリフォームローンは、民間金融機関からも借入可能です。
借入条件は金融機関によってさまざまですが、金利は住宅金融支援機構や日本政策金融公庫より高い傾向にあります。
しかし、担保の有無やリフォーム範囲などの条件は少なくニーズにあったローン商品の選択が可能です。
この項では、いくつかのおすすめな収益物件用リフォームローン商品をご紹介します。
ジャックス投資用マンションローン
ジャックスの投資用マンションローンの融資対象は、不動産の購入価格および諸経費相当です。
返済期間は最長35年となっています。
金利 | 変動金利型 (融資実行月の1日時点の長期プライムレート+0.050%~7.000%) |
---|---|
借入限度額 | 購入価格の105% |
返済期間 | 3年以上35年以内 |
保証人 | 原則不要 |
担保 | 必要 |
セゾンリフォームローン(不動産担保)
セゾンのリフォームローン(不動産担保)は、自宅や投資用不動産の大規模リフォームに利用できるローン商品です。
借入限度額は最大1億円で、銀行での借入れが難しい場合での融資実績もあります。
審査に不安を感じる人は検討してください。
金利 | 変動金利型 (3.75〜4.55%) |
---|---|
借入限度額 | 100万〜1億円 |
返済期間 | 5〜30年 |
保証人 | 原則不要 |
担保 | ・本人もしくは親族が所有する不動産 ・本人と親族が共同で所有する不動産 |
SBI不動産投資ローン
SBI不動産投資ローンは、投資用(賃貸用)不動産の建設資金または購入資金、投資用(賃貸用)不動産のリフォーム資金等を資金使途としたローン商品です。
融資額は300万円から10億円で、最長25年の返済期間を設けています。
さまざまな属性や不動産において対応しているため、幅広い収益物件に利用できます。
金利 | 変動金利型 (2.70〜6.80%) |
---|---|
借入限度額 | 300万〜10億円 |
返済期間 | 1〜25年 |
保証人 | 応相談 |
担保 | 不動産 |
収益物件のリフォームにおけるローン選びのポイント
「収益物件用のリフォームローン」には、さまざまな商品があります。
ニーズに合ったリフォームローンを選ぶためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 金利
- 審査基準
- 借入可能額
- 返済期間
- 担保の有無
- 団信加入の有無
【ポイント1】金利
ローン商品を選ぶ際、最も重要なポイントといっても過言でないのが金利です。
収益物件のリフォームローンには、3つの金利タイプがあります。
特徴 | 金融情勢の変化に伴い金利も変動する |
メリット | 市場金利が低下すると返済額が減少する |
デメリット | 市場金利が上昇すると返済額が増加する |
特徴 | 一定期間で金利が固定されている (例:当初5年:〇%) |
メリット | 固定金利期間には、安定した資金計画がたてられる |
デメリット | 固定金利期間終了後、市場金利が上昇すると返済額が増加する |
特徴 | 借入時の金利が借入期間中適用される |
メリット | 返済額が市場金利に左右されないため、安定した返済プランをたてられる |
デメリット | 市場金利が低下しても返済額が変わらない |
それぞれの金利タイプには一長一短があり、安定した返済プランをたてたい人には返済額の変わらない「全期間固定金利型」がおすすめです。
市場の動向をこまめに確認できる人には「変動金利型」や「固定金利期間選択型」が適しているケースも。
なお、変動金利型や固定金利期間選択型と比較すると基本的な金利は高い傾向にあるため、状況によっては利息が高くなることを理解しておきましょう。
【ポイント2】審査基準
審査基準でリフォームローンを選ぶのも1つの方法です。
申込者の属性に加えて物件の収益性が加味されるケースが多い
審査に通る自信がない人には有担保型のリフォームローンがおすすめです。
一般的には、無担保型のローン商品よりも有担保型は審査が緩く借入額も高くなる傾向にあります。
なお、金融機関によって異なりますが民間の金融機関の場合は、銀行系のローン商品よりも信販会社系のローン商品が審査に通りやすいことを覚えておきましょう。
【ポイント3】借入可能額
収益物件のリフォームローンは、金融機関によって借入可能額が異なります。
このため、事前にリフォームの見積もりをとり具体的な金額が決定してからローン商品を探すと効率的です。
【ポイント4】返済期間
月々の返済額を抑えたい場合、返済期間の長いリフォームローンを選択すると効果的です。
収益物件に利用できるリフォームローンの中には、住宅ローンと同等の35年ローンを組める商品もあります。
収益物件に不測の事態が発生しても対処できるよう、余裕のある返済プランを計画してください。
返済期間が長ければ、その分月々の返済額を抑えられます。
【ポイント5】担保の有無
収益物件用のリフォームローンには有担保型と無担保型があります。
有担保型 | 無担保型 | |
---|---|---|
借入限度額 | 高め | 低め |
返済期間 | 長め | 短め |
金利 | 低め | 高め |
審査にかかる時間 | 遅い | 早い |
無担保型のリフォームローンはその名の通り担保がないため、差し押さえのリスクがありません。
しかし、融資条件は厳しく借入限度額も低いため小規模なリフォームに適しています。
一方で有担保型の場合、差し押さえのリスクこそありますが低い金利で長期間の借入れが可能です。
リフォームの規模によって担保の有無を決定してください。
【ポイント6】団信加入の有無
リフォームローンの中には団信に加入できるローン商品もあります。
「団体(だんしん)信用生命保険」の略称のこと。
契約者が死亡もしくは高度障害を患った際に、ローンの残債が保険金でまかなわれる
団信の条件は金融機関によって異なり、保険料が上乗せされているローン商品もあれば、別途保険料の支払いが必要なローン商品もあります。
加入中の生命保険がある場合には、双方の保証内容を確認して加入の可否を決定してください。
【Q&A】収益物件でのリフォームローン利用に関するよくある質問
- 収益物件でリフォームローンを利用する際の借入可能額は年収の何割?
-
収益物件でリフォームローンを利用する際、一概に年収のみで借入可能額が決まるわけではありません。
申込者の属性はもちろんですが、一般的なリフォームローンとは異なり物件の収益性や不動産経営の実績などが加味され融資が決定されます。
このため、まずはリフォーム費用の見積もりをとり、どの程度の費用が必要であるか確認してください。
- 収益物件でリフォームローンを利用する場合、最長何年まで組める?
-
収益物件でリフォームローンを利用する場合の返済期間は借り入れする金融機関によって異なります。
セゾンファンデックスの「リフォームローン(不動産担保型)」の場合、返済期間は5〜30年としており、住宅ローンと同程度の返済期間が設けられていることがわかるでしょう。
居住用リフォームローンの返済期間は15年程度居住用のリフォームローンの多くは、返済期間は15年程度と住宅ローンよりも短めに設定されている
- 収益物件でリフォームローンを利用する際、審査を通過するポイントはある?
-
収益物件でリフォームローンを利用する際、民間の金融機関
また、有担保型のローンを組むか無担保型のローンを組むかで審査の難易度も変わってくるでしょう。
有担保型のローンの特徴借入限度額や返済期間、金利などが無担保型のローンよりも優遇される。無担保型と比較すると審査に時間を要することも
- 収益物件に居住用のリフォームローンは利用できる?
-
収益物件に居住用のリフォームローンは利用できません。
アパートやマンションをはじめとした収益物件に利用できるリフォームローンは「不動産投資用リフォームローン」と呼ばれ、居住用のリフォームローンとは別物です。
なお、収益物件の購入時であれば「アパートローン」にリフォーム費用を組み込むことはできます。
- 収益物件でリフォームローンを利用した場合、対象となる減税制度は?
-
収益物件でリフォームローンを利用した場合、対象となる減税制度はありません。
居住用物件向けリフォームローンのような補助金や助成金制度もないため注意してください。
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