リフォームで家具や家電の購入費はローンに組み込めるのか?
バブル時代などひと昔前までは住宅の購入時に家具や家電、自動車などを住宅ローンに組み込んで、ローンと一緒に返済をするケースが少なくありませんでした。
しかし、バブル時代終わり景気が下降してくると、景気の良い時期に組んでいたローンが支払いきれなくなり自己破産するケースが増加しました。
住宅ローンの支払いが滞るケースが多くなってきたため、銀行などの金融機関では今まで許容してきた家具や家電、自動車などの購入代金を認めず、住宅を購入するための費用しか融資しないケースが増えています。
住宅ローンやリフォームローンは原則として土地・建物・諸費用などのみ認められているため、現在では基本的に家具、家電などに関しては住宅ローンに組み込んではいけないことになっています。
現に住宅ローンやリフォームローンを組む際は、銀行などの金融機関に見積書を提出することになっており、銀行はその金額から融資する金額を決定するため、家具や家電などの費用を組み込むことが難しい可能性があります。
ただ、一部の家具や家電の場合は認められることもあるので、追って「家具や家電を買い替えした場合の費用は?」としてご紹介します。
また、一部の金融機関では家具や家電費用を組み込むことを容認するところもあるようです。
高額な見積書は銀行から費用について指摘されることも
住宅ローンやリフォームローンを組む人の中には、施工会社に無理を言って銀行用の見積書をわざと高く記載してもらうケースがあります。
しかし、銀行などの金融機関は見積書に書かれている金額を精査し、おかしな点が見つかった場合は費用について指摘を入れる可能性があります。
金融機関は住宅ローンやリフォームローンは高額で返済期間も長期にわたるため、審査の際には見積書の内容まで厳しく審査を行います。
その上で不安な点や不自然な点があれば、見積書について調査が入ったり、最悪の場合は住宅ローンやリフォームローンの審査が通らない可能性があるでしょう。
一方、万が一銀行の審査が通り住宅ローンやリフォームローンの融資が受けられるとなったとしても、実は「違法や脱法」である可能性があります。
住宅ローンにはローン残高に対して住民税や所得税が還付される「住宅ローン控除」という制度がありますが、対象となる費用の他に家具や家電などの購入費用が含まれているため控除額が違法に大きくなってしまうのです。
そのため、本来の住宅取得費用以外の費用を含めるということは「違法や脱法」の可能性があるということを念頭に置いておきましょう。
家具や家電を買い替えした場合の費用は?
住宅をリフォームした際、部屋の雰囲気がガラリと変わるため家具や家電を買い替える人が多いと思います。では、家具や家電を買い替えた時の費用相場はどのくらいなのでしょうか。
戸建てとマンションの家具や家電を買い替えたときの費用相場は以下の通りです。
- 戸建ての場合:約100万円〜約200万円
- マンションの場合:約85万円
家具や家電のグレードなどによって費用は異なりますが、全てを買い替えるとなると戸建てとマンションどちらとも約100万円くらいかかってしまいます。
リフォームの場合、例えばひと部屋だけ和室から洋室にリフォームするなどであれば用意するものはカーテンや照明器具などで済むため費用はあまりかかりません。
一方、フルリノベーションのような大規模なリフォームの場合だと、新しく揃えるものが多くなる傾向にあるため家具や家電にかかる費用は高くなってしまいます。
少しでも家具や家電の購入費用を抑えたい場合は、まずカーテンや照明器具など最低限のものだけ購入し、余裕が出たら買い足していくという方法があります。
この場合だと、家具や家電の初期費用を抑えることができてお気に入りの家具をじっくりと選ぶことができるでしょう。また、インターネット通販などを利用して安く購入する方法もあります。
インターネット通販であれば、玄関先まで届けてくれるて運ぶのも楽になり、価格も抑えられるでしょう。
建物の費用としてプラスできる家具や家電とは?
先程「家具や家電は原則としてローンに組み込めない」とお伝えしましたが、建物の費用としてプラスできる家具や家電があります。
建物の費用としてプラスできる家電は以下の通りです。
- ビルトインのオーブン
- 食器洗浄器
- 冷蔵庫
- エアコン
- 床暖房
- オイルヒーター
- IHクッキングヒーター
など
上記のキッチン家電はあらかじめキッチンの一部として組み込まれているため、住宅ローンやリフォームローンに組み込むことができます。
また家具の場合は、机・棚・靴箱などの造作家具なども住宅設備として見なされるためローンに組み込めることになっています。
上記のような住宅設備としてみなされる家具や家電は高級感や統一感がありますが、一般的な家具や家電よりも高額になる傾向にあるため、選ぶ際は価格に注意しておきましょう。
家具や家電の購入に使えるローンとは?
住宅ローンやリフォームローンに家具や家電を組み込むことについてご説明しましたが、近年銀行などの金融機関では家具や家電を購入するためのローンを用意しているところがあります。
ある銀行の家具・家電ローンの詳細を見ていきましょう。
【利用用途】
家具・家電の購入、修理
【金利】
変動金利:4.2%〜9.2%
【融資金額】
10万円以上500万円以内
【融資期間】
6カ月以上10年以内
一度にまとめて家具や家電を揃える場合は、金額が大きくなってしまい現金で支払ってしまうとその後の生活に支障をきたす恐れがあります。
そのため、リフォーム費用に頭金をあててしまい手元に現金がなくなってしまった場合や住宅ローンやリフォームローンで組み込めなかった場合は、このようなローンを利用する方法もあるでしょう。
その他には、フリーローンといって使用用途が制限されないローンもあります。
フリーローンの場合、家具や家電の購入の他にも使えるため引っ越し代や保険料金などにも利用できます。
ただ、このような多目的のローンは一般的な住宅ローンよりも金利が高くなる傾向にあります。
借入金額が高額になるとその分支払う利息も高くなることを覚えておきましょう。
フリーローンは住宅ローンなどと併用可能なのか
ここでひとつ疑問なのが「フリーローンは住宅ローンを組んでいても併用できるか」という点です。
実は、住宅ローンやリフォームローンを組んでいてもフリーローンが組める可能性は高くなります。
なぜならば、住宅ローンやリフォームローンと同じ金融機関で利用する場合は、一度審査されて通過しており一定の返済能力があるとみなされているため、銀行などの金融機関も安心して融資できることになるからです。
また、同じ金融機関でフリーローンを利用することで、金利が数%下がる特典があったり、住宅ローン利用者限定のローンも利用できたりする可能性があります。
上記のことから、住宅ローンやリフォームローンとフリーローンは相性がいいと言えるでしょう。
家具や家電の費用は現金で支払った方がいいかもしれませんが、住宅のリフォーム費用以外にもその他諸費用もあるため、手元の現金を全て家具や家電の購入に使ってしまうのは得策とは言えません。
今後の生活のことを考えて、ある程度貯蓄を残しておく必要があります。
それでも足りない費用をフリーローンで賄うといいでしょう。
家具や家電の購入費用はどのローンがお得なのか
家具や家電の購入費用はリフォームローンとその他のローンのどちらに組み込んだ方がお得なのでしょうか。
リフォームローンとその他のローンでは、リフォームローンの方がその他のローンより金利が低い傾向にあります。
金利だけ見ると「リフォームローンに組み込んだ方がお得では?」と思うのではないでしょうか。
金利だけ見ると確かにお得そうに見えますが、実はリフォームローンの返済期間が長いほどリフォームローンの方が「損」になります。
これは「返済期間」の問題で、例えリフォームローンの金利が低くても長期的に支払う利息の金額は多くなるためトータルの金額で見ると「損」になってしまうのです。
ただ、その他のローンの方が返済期間が長い場合はその他のローンの方が利息を多く支払うことになり損をしてしまう可能性があります。
では、金利や返済期間の他にリフォームローンやその他のローンのメリット・デメリットはどのようなことがあるのでしょうか。
リフォームローンや住宅ローンに組み込むメリット・デメリット
リフォームローンや住宅ローンに組み込むメリット・デメリットは以下の通りです。
【リフォームローンや住宅ローンに組み込むメリット】
- 支払う口座が同じ
- 返済期間が長いため無理なく返せる
- 高額な家具や家電も購入しやすい
【リフォームローンや住宅ローンに組み込むデメリット】
- ローンの融資前の場合、融資が受けられない可能性がある
- 長期返済のため、利息を多く支払わなければならない
- ローンの返済額が増えるため変動金利が上昇した場合、資金管理が難しくなる
その他のローンに組み込むメリット・デメリット
その他のローンに組み込むメリット・デメリットは以下の通りです。
【その他のローンに組み込むメリット】
- 返済期間が最長10年と比較的短い
- リフォームローンや住宅ローンを利用していると金利を引き下げてもらえる
- リフォームローンを利用していると融資を受けやすい
- 担保や連帯保証人が不要のケースが多い
【その他のローンに組み込むデメリット】
- リフォームローンや住宅ローンよりも金利が高め
- ダブルローンとなり支払いが困難になる可能性がある
リフォームローンに家具家電費用を組み込む場合とその他のローンに組み込む場合にはそれぞれメリット・デメリットがありました。
どちらを選ぶにせよ、その先に長く続く生活のことを考えて、ローンを組めるからと言って必要以上の物を購入しないようにしましょう。
ローンの利用するときは、収支のバランスを考えて上手に利用しましょう。
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