目次
窓に結露が発生する原因

窓に結露が発生する原因は、空気中に含まれる水分が窓で冷やされ、水蒸気から水滴に変わることです。
空気の温度が下がるほど、空気中に含まれる水分量は減少します。温度の低下で空気が抱えきれなくなった水分は、水蒸気から水滴に姿を変えるため、窓に結露が発生するという仕組みです。
窓に結露が発生しやすい部屋の特徴
湿度の高い部屋などは窓で結露が発生しやすいため、結露の対策が必要です。ここでは、どういう部屋で窓に結露が発生しやすいのかを学んで、窓の結露によるカビの発生などを回避しましょう。
【特徴1】湿度が高い
部屋の湿度が高いほど空気中の水蒸気量が多いため、水蒸気から水滴に変わる量が多くなり、結露が発生しやすくなります。
たとえば、室温20℃の空気に含むことのできる水蒸気量は最大17.2グラム。湿度が上がるほど水蒸気量も多くなり、温度が下がった際に水滴に変わる量も増えます。以下の図で、湿度と水蒸気量の関係を詳しく見てみましょう。

この図からわかるように、湿度が60%増加すると水蒸気量は約2.5倍に増えます。湿度が高い環境では空気中に多くの水蒸気が含まれているため、温度が下がった際に結露がひどい状態になりやすいのです。
そのため、もし窓に結露が発生しているなら、部屋の湿度が高すぎないか確かめてみましょう。
【特徴2】温度差が大きい
室内と屋外の気温差が大きいと、室内のあたたかい空気が窓で冷やされる際に、結露が発生しやすい傾向にあります。空気が含むことのできる水蒸気量(飽和水蒸気量)は、空気の温度が下がるほど減少します。
たとえば、空気の温度が20℃から10℃に下がると、飽和水蒸気量も7.8グラム減少。この抱えきれなくなった分が、水滴となって窓に現れます。以下の図で、温度低下によって発生する結露の量を確認してみましょう。

参考元:相対湿度と温度(一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会)
この図が示すように、温度差が大きいほど空気が抱えきれなくなる水分量が増加し、その分多くの水滴が窓に発生します。室内と屋外の温度差が大きいほど窓の結露がひどくなるため、暖房の使い方や断熱対策が重要になるでしょう。
もし窓で結露が発生したら、室内と屋外の温度差が大きくないか確かめ、温度差が小さくなるような対策を実践しましょう。
【特徴3】換気回数が少ない
換気の回数が少ないと、湿気が部屋にこもりやすくなるため、窓で結露が発生しやすいでしょう。特に、日常生活で使っていない部屋や収納部屋は空気の通り道がなく、湿度が高くなる傾向にあります。
雨が降った日などは、部屋の湿度が屋外よりも高くなっているかもしれません。そのような状態で空気が冷やされると、窓で結露が発生しやすい状態となるため、ドアを開けるなどして換気をおこないましょう。
窓の結露がひどい場合の対策
窓の結露がひどい場合は、結露しにくい窓へリフォームするなどの方法が有効です。根本的な解決を望むなら、以下のリフォームを検討しましょう。
【対策1】ペア・トリプルガラスへの交換
1枚ガラスからペアガラスまたはトリプルガラスに交換することで、窓で結露が発生しにくくなります。

ペアガラスやトリプルガラスは、屋外側の冷たさを室内側に伝えにくくするため、室内側のガラスの温度低下を防止する効果が期待できます。屋内側のガラスのみ温度低下を抑える効果が期待できるのは、ペアガラスやトリプルガラスのガラス間にある空気層やガラスにコーティングされた金属膜が、室外側からの熱を伝えにくくしてくれることが理由です。
もし、既存窓が1枚ガラスで結露に困っているなら、結露が発生しにくいペア・トリプルガラスへの交換を検討しましょう。
【対策2】内窓の新設
既存窓に内窓を新設することで、室内側のガラス面における温度低下を防ぐ効果が期待できるでしょう。室内側のガラス面の温度低下を防ぐことができれば、室内のあたたかい空気との温度差が小さくなるため、窓で結露が発生しにくくなります。

内窓を既存窓よりも室内側に設置することで、大きな空気層をつくり出します。この空気層が断熱材の役割を果たし、外の冷たさを伝えにくくしてくれるため、結露対策に非常に有効です。
内窓の新設や窓の交換などの窓リフォームは、賃貸物件では勝手におこなえないのが一般的です。もし賃貸物件で窓の結露がひどい場合は、管理会社などに相談するか、のちほど紹介する「自分でできる結露予防のアイデア」を実践してみましょう。
【対策3】窓に遮熱フィルムを貼る
窓に遮熱フィルムを貼ることで、ガラス面の温度低下を防げるため、窓の結露がひどい場合の対策として有効です。窓の結露が発生しやすいのは、室温とガラス面の温度差が大きい場合です。
窓に遮熱フィルムを貼ると、遮熱フィルムと窓のガラス面の間にできた空気層によって、熱が伝わりにくくなります。そのため、室温とガラス面の温度差を小さくでき、窓で結露が発生しにくい状態をつくれるでしょう。
窓に遮熱フィルムを貼った場合、太陽光の熱などによってガラスが割れてしまうおそれもあります。そのようなトラブルが起きないように、窓のガラスに遮熱フィルムを貼る際は、専門業者に相談することをおすすめします。
窓の結露を放置すると発生しやすい症状
窓の結露を放置すると、カビやダニの発生、壁や床の劣化など、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。以下の図で、窓の結露を放置した場合のリスクを確認してみましょう。

ここでは、窓の結露を放置すると発生しやすい症状について学んで、床にシミができるなどのトラブルを回避しましょう。
【症状1】カビやダニの発生
窓の結露によって湿度の高い状態が続くと、カビやダニは湿度が高い状態で繁殖しやすくなります。
文部科学省のデータによると、室温25℃で湿度が90パーセント以上になった場合、わずか2日で目に見える程度までカビが繁殖するとされています。湿度別のカビの繁殖スピードを、以下の図で詳しく見てみましょう。

参考元:カビの発生条件(文部科学省)
この図が示すように、湿度が上がるほどカビの繁殖スピードが劇的に速まります。特に湿度90%以上の環境は、結露を放置して部屋の湿度が上がると、これらが爆発的に増えるリスクがあるのです。
窓の結露を放置すると部屋の湿度が上がりやすくなるため、湿度管理が窓の結露対策において重要なポイントとなるでしょう。そのため、窓に結露が発生していると、数日でカビが繁殖してしまうかもしれません。また、ダニが繁殖しやすいのは、気温20〜30℃で湿度が60〜80%の環境です。
このようにカビ・ダニのどちらも、湿度が高い環境で発生しやすいため、窓に結露が発生しているとカビ・ダニが繁殖しやすいでしょう。
【症状2】壁や床の劣化・腐食
窓の結露により水滴が壁・床につたっていくと、壁や床につたって濡れたままになると、劣化や腐食の原因になります。窓の結露を原因とする壁・床の劣化や腐食が起きた場合、美観を損ねたり、カビやシミの発生が起きたりするかもしれません。
そのような壁・床のトラブルが起きると、修繕のためのリフォームが必要になる場合もあります。以下の図で、結露が原因で必要になる可能性のあるリフォーム費用について確認してみましょう。

この図からわかるように、6畳の部屋で壁紙が5万円〜、フローリングが10万円〜と、結露の放置による修繕費用は決して安くありません。窓の結露を放置すると、このような経済的な負担が発生する可能性があるため、早めの結露対策が大切です。
壁や床のリフォームで費用がかかってしまう前に、窓に発生している結露を改善しましょう。
窓の結露を自分で予防するためのアイデア
窓の結露を自分で予防する方法には、結露防止シートや換気、除湿などさまざまなアイデアがあります。以下の図で、窓の結露の予防に効果的な8つの方法を確認してみましょう。

これらの方法を組み合わせることで、窓の結露を軽減できる効果が期待できます。窓の結露を自分で予防するには、100円ショップなどで手に入るグッズなどを活用する方法があります。
ここでは、窓の結露を自分で予防するためのアイデアについてチェックして、窓の結露を軽減させましょう。
【アイデア1】結露防止シートを貼る
結露防止シートを窓に貼ることで、室温との温度差を小さくし、窓で結露が発生しにくくできるかもしれません。
結露防止シートと窓のガラスの間に空気層ができるため、屋外側からの冷たさが室内側へ伝わりにくくなります。そのため、結露防止シートを貼る前よりも、室内側と窓ガラスにおける温度差の軽減が期待できるでしょう。
ただし、窓に結露防止シートを貼る場合、貼る際は窓ガラスをきれいに掃除してください。結露防止シートと窓のガラスの間に気泡が入ると、美観を損ねたり、シートがはがれてきたりするおそれもある点に注意しましょう。
【アイデア2】結露防止スプレーを使う
窓の結露を予防する対策として、結露防止スプレーを窓に吹きかける方法も有効です。
結露防止スプレーを使うメリットは、窓のガラス面に薄い膜をつくることで、膜が水分を弾き、水滴をつきにくくします。窓に水滴がつきにくくなるため、床や壁の腐食などを予防できるでしょう。
しかし、結露防止スプレーの効果は2週間〜1か月である場合が多く、定期的に結露防止スプレーを吹きかける必要がある点に注意しなければいけません。
【アイデア3】換気をこまめにおこなう
窓がある部屋の換気をこまめにおこなうことで、湿気を逃し、窓の結露を予防する効果が期待できます。
空気の流れがあまりない部屋の場合、部屋の四隅や窓付近を中心に、湿気がたまりやすい傾向にあります。そのような状態が続くと、室内と屋外の温度差が大きくなった際、窓で結露が起きてしまうかもしれません。
厚生労働省の基準でも、室内で衛生的な環境を維持するためには湿度40〜70%が最適とされています。
- 湿度:40~70%
- 室温:18~28℃
部屋の換気やサーキュレーターの使用などで、窓で結露が発生しない衛生的な室内環境を目指しましょう。
【アイデア4】暖房温度を下げる
部屋の暖房温度を下げることで、屋外との気温差を小さくし、窓の結露を予防できる効果が期待できます。環境省が提示している「ウォームビズの指針」においては、暖房時の室内温度は20℃が目安とされています。
参考元:ウォームビズ(環境省)
このような基準を参考にして、エアコンなどの暖房の設定温度が高すぎないか見直してみましょう。
【アイデア5】電気式の暖房機器に変える

ガスや石油を使う暖房機器から電気式に変えることで、室内の湿度上昇を防ぎ、窓の結露予防の効果が期待できます。
ガスや石油は、燃焼する際に化学反応で大量の水蒸気を発生させるため、室内の湿度が上がる傾向にあります。そのため、ガス・石油式の暖房機器を使っていると、窓の結露を抑制できないかもしれません。
窓の結露を予防したいなら、暖房の際に水蒸気を発生させないエアコンなどの暖房機器への切り替えを検討しましょう。
【アイデア6】窓下にヒーターを設置する
窓下にヒーターを設置することで、窓と室温の温度差を小さくできるため、窓の結露予防の対策として有効です。窓の幅に合わせて窓用のヒーターを購入し、室内側から窓をあたためましょう。
ただし、部屋の湿度・室温が高い場合は、窓用のヒーターを使用しても窓で結露が発生してしまうかもしれません。そのため、窓下にヒーターを設置するだけでなく、結露が発生しにくい部屋の環境を整えておくことも大切です。
【アイデア7】部屋を除湿する
除湿機で部屋の湿度を下げることで、部屋の水蒸気量を減らせるため、窓に結露が発生しにくい環境に変えられる効果が期待できます。特に、北側にある部屋や洗濯物を干している部屋などは、湿度が高くなる傾向にあります。このような部屋の窓で結露が起きている場合、窓やドアを開けたり、換気扇を稼働させたりなどの方法では湿度が下がりにくいかもしれません。
もし「部屋の湿度が下がらず、窓の結露が改善されない」という場合は、除湿機の活用を検討してみましょう。
【アイデア8】窓から観葉植物や加湿器を離す
湿度上昇の原因となりやすい観葉植物や加湿器を窓から離すことで、窓まわりの湿度を下げ、窓の結露予防の効果が期待できます。
たとえば室温20度でも、湿度が高い場所ほど結露を発生させやすく、湿度の低い場所は結露が発生しにくい傾向にあります。もし窓の近くに観葉植物や加湿器を置いているなら、窓に結露が発生する前に、窓から離れた場所に移動させておきましょう。
窓における結露対策のリフォーム事例
窓における結露対策をおこなったリフォーム事例について紹介します。どのような対策をおこなったのかチェックして、自宅の窓における結露対策の参考にしましょう。
【事例1】内窓の設置
「寝室のベッド側にある窓で結露が発生している」とご相談があったお客さまの施工事例です。内窓の新設をおこなって、既存窓と内窓のあいだに空気層をつくることで、結露を発生しにくい状態に仕上げています。

この事例では、マンションの寝室に内窓を設置し、リフォーム費用は約10万円、工期は半日間で完了しました。リフォームから数日たったある日、お客さまから「冬場の結露がなくなり、窓から冷たい空気が流れてきにくくなった」と喜びの声をいただきました。
【事例2】窓に断熱塗料を塗布

窓における結露などのトラブルで悩んでいたお客さまより、ご相談を受けたことがきっかけで、窓リフォームをおこなった施工事例です。採用したのは、窓に「断熱塗料」を塗る方法。断熱塗料を窓に塗ることで、室温との温度差を軽減できるため、結露予防の効果が期待できます。
この事例では、一戸建ての窓に断熱塗料を塗布し、リフォーム費用は約15万円、工期は1日で完了しました。
窓が結露した際の応急処置
窓の結露を放置すると、カビなどの発生が起きるため、水滴を拭き取るなどの応急処置が必要です。もし窓が結露した場合は、放置せずに早めの応急処置心がけましょう。
【対処法1】水滴を拭き取る
窓の結露によってガラスについた水滴を、タオルなどで拭き取ることで、カビやダニの発生を予防できるでしょう。
ガラスについた水滴を放置すると、窓枠や窓台がぬれて、湿度の高い状態を好むカビやダニが発生するおそれがあります。窓の断熱リフォームなどで結露対策をおこなうまでは、こまめに水滴を拭き取って、カビやダニの発生などのトラブルを回避しましょう。
【対処法2】専用洗剤でカビを除去する
窓の結露によってカビが発生した場合、カビの増殖や健康被害が起きるリスクを軽減するには、専用洗剤でカビを除去する方法も有効です。
カビは温度・湿度・汚れの3つがそろうと、胞子を飛ばして増えていく特徴があります。また、カビの胞子を吸い込んでしまうことで、アレルギーや肺炎などの健康被害を生じるおそれもあるため、窓まわりのカビを放置するのは危険です。
そのようなカビによるトラブルを回避するために、カビを除去したい箇所に合った専用洗剤で掃除しましょう。
【対処法3】結露吸水テープを貼る
窓の結露で水滴が床や壁をつたってしまう場合、結露吸水テープを窓の下部などに貼ることで応急処置が可能です。結露吸水テープとは、窓の結露による水滴を吸水するテープのことをいいます。
こまめに窓の水滴を拭き取っても水滴が落ちてしまう場合、結露吸水テープを貼っておけば、テープが水滴を吸収してくれます。結露吸水テープが床や壁につたう水滴を吸うことで、床・壁がぬれることで腐食してしまうリスクを軽減できるでしょう。
ただし、結露吸水テープを長期間放置するとテープからカビが発生するおそれもあるため、定期的にテープの交換が必要です。
【Q&A】窓の結露に関するよくある質問
- 窓の結露対策は100均の商品でも可能?
-
窓の結露対策は、100均などで販売されている結露防止の商品でも対応可能です。
- 結露防水シート
- 結露防止スプレー
- 結露吸水テープ
手軽に使えるグッズを選び、窓の結露を予防しましょう。
- 二重サッシの結露に有効な対策は?
-
二重サッシの結露には、窓の交換などによるゆがみの改善が有効な対策です。
- 窓枠のゆがみを窓の交換で解消する
- 断熱性の高いトリプルガラスに交換する
断熱性が高い二重サッシであっても、窓枠などのゆがみで結露が起こる場合もあります。そのような場合は、窓の結露の原因を専門業者に判断してもらい、窓の結露に対する対策をしましょう。
- ペアガラスの内部結露ってなに?
-
ペアガラスの内部結露とは、ガラスとガラスの間にある空気層で発生した結露のことをいいます。

出典:内部結露(AGC) ペアガラスにおける内部結露が起きるのは、ガラスのひび割れなどが原因として考えられます。
- ガラスにひび割れが発生した
- ガラスの接着部が劣化した
ガラスのひび割れや劣化箇所から湿気が入ると、ペアガラスで結露が発生しやすい状態となるでしょう。このような状態になった場合、専門業者によるメンテナンスや窓の交換が必要になります。























