2024年04月24日更新

監修記事

高気密住宅で結露ができるのはなぜ?知って得する結露の危険性と対策について

近年、「高気密住宅」という言葉がよく聞かれますが、なぜ高気密住宅が注目を集めているのでしょうか。
高気密住宅の特徴と、高気密だからこそ生じる結露の問題について解説します。結露によるカビや健康被害を避けたい方は必見です!

高気密住宅で結露ができる理由

高 気密 住宅 結露

日本の新しい住宅基準になりつつある「高気密高断熱住宅」

「高気密住宅」とは、従来の住宅よりも気密性を高めて設計された住宅のことです。

壁や床、天井などに断熱材を施して室内と屋外が遮断されることで高い断熱性が実現され、外からの熱が伝わりにくくなります。

また建物の隙間を徹底的になくすことで気密性が高まり、屋内の温度を一定に保つことができます。

そのため、暑い夏は外気の熱さを遮って室内は冷房による涼しさを保つことができます。

また、寒い冬は外気の冷たい空気を遮り、室内の暖かい空気を逃がさないため、快適に過ごすことができるのです。

冷暖房の効果を高めることができるため、温度調節のための電気代が節約することも可能です。

さらには1年を通して室内の温度を一定に保ちやすいことから、急激な気温変化によって体に悪影響を及ぼすヒートショックなどの病気を防ぐこともできると言われています。

理由① 結露の原因は室内にこもった湿気

上記のようにメリットの多い高気密住宅ですが、一方で結露が生じやすいというデメリットもあります。

気密性が高いがゆえに、換気をうまく行わないと室内の湿気が常に家の中にこもってしまい、それが原因で結露が生じたり、カビが発生するといった問題が起こることがあるのです。

結露やカビの影響は、建物の劣化を早めるだけでなく、人体へも影響を与えます。

そのため、高気密住宅においてこのような問題を防ぐためには「換気」がとくに重要になるのです。

高気密住宅では、窓を短い時間開けて行う程度の換気では十分ではないため、24時間換気システムを設置することが義務付けられています。

理由② 換気が低いと結露しやすい

高気密住宅で換気がうまく行われていない場合、梅雨時の湿気が高い時期だけではなく、冬場にも結露が発生しやすくなるため特に注意が必要です。

結露は冷たい空気が暖かい空気に触れて冷やされることで発生します。

高気密住宅は断熱性が高く、室内の暖かさを保つことができるががゆえに、冬場は常に外気の温度と室内の温度差が開いた状態になります。

そのため、換気が十分でない場合には、窓際などの外気に触れやすい箇所で結露を起こしやすくなってしまうのです。

この結露がさらに室内の湿度を高めることにつながり、それが原因でカビやダニが発生することも考えられるでしょう。

高気密住宅の結露はなぜ危険なのか

どのような住宅でも結露が起こることは好ましくありませんが、特に高気密住宅での結露は危険だと言われています。

その理由について詳しく見ていきましょう。

2種類ある結露

結露には、屋内からは見ることのできない「内部結露」と、直接見て確認することのできる「外部結露」という2種類があります。

結露その① 内部結露とは

「内部結露」とは、壁の内部で起こる結露のことです。

冬場、室内の暖かい空気に含まれていた水蒸気が壁の内部に浸透し、その水蒸気が外壁を通して伝わってくる外気によって冷やされることによって、壁の内部に起こる結露が内部結露です。

冬だけではなく夏でも内部結露は発生します。

外気に含まれる水蒸気が外壁を通して壁内部に浸透し、屋内がクーラーなどによって冷えていると、それによって壁の内部で結露が発生するのです。

目に見えない内部結露で家の土台が老朽化

内部結露の怖さは、外からでは見えないところで結露が起こり、知らぬ間に家の土台や柱などを腐らせるという危険性があることです。

そうなれば建物全体の強度が弱まり、地震などの大きな衝撃によって倒壊してしまう危険性も否めません。

結露その② 表面結露とは

「表面結露」とは目で直接確認することができる結露のことを言い、冬場であれば窓ガラスに水滴がつく結露が表面結露にあたります。

表面結露は、壁や窓ガラス、天井などの表面で、温かい空気に含まれた水蒸気が温度の低い建材に付着することで水滴に変わる現象です。

特に表面結露が起こりやすい場所は、温度が下がりやすい部屋の隅や家具の裏側などです。

目に見える「表面結露」はカビやダニの原因

表面結露が起こると、その周辺は常に湿度が高い状態になります。

十分な換気が行われない場合、この湿度の高さがカビやダニを発生させる原因になることがあります。

カビは壁紙やカーテンなどの内装の見栄えを悪くするだけではなく、その胞子によって健康にも影響を与えます。

また、ダニも同じく私たちの健康を害し、ぜんそくやアレルギーの原因になるとも言われています。

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高気密住宅を建てる際の結露対策

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住宅へのダメージだけでなく、健康にも悪影響を与える原因となる結露ですが、前述の通り高気密住宅の場合、その気密性の高さから結露が起こりやすくなります。

ここからは高気密住宅を建てるときに行っておきたい結露対策についてご紹介します。

対策①断熱性を高める

表面結露を起こさないためには、断熱性を高めることが大切です。

表面結露は室内外の気温差によって起こりますが、もしも窓や壁が冷えていなかったら、表面結露は起こりにくくなります。

そのため、窓ガラスや壁の断熱性を向上させることによって、外気温によって窓や壁が冷されることを防ぐことができるのです。

このように表面結露の対策には、特に窓や壁など、外気温に触れやすい部分の断熱性を高めることが有効です。

対策②外部断熱にする

内部結露を防ぐには家全体を除湿できる外部断熱が効果的です。

外部断熱では外壁と内壁の間にも断熱材を入れ、さらに気密シートを張ることで壁に浸透してきた湿気が壁内部の奥まで入らなくなるため、内部結露が起こりにくくなるのです。

また防湿効果の高い断熱材もあるため、このような素材を選ぶことも内部結露の防止になるでしょう。

対策③24時間制の換気システムを取り付ける

24時間制の換気システムの取り付けは高気密住宅の建設では義務化されていますので、必ず取り付けるようにしましょう。

24時間制の換気システムは、湿度を適度に保つことによって結露を起こりにくくするだけでなく、空気中のハウスダストやシックハウス症候群の原因となる物質が室内に留まることを防いだり、空気をきれいにすることができます。

自然換気では換気が足りない高気密住宅

でもなぜ、わざわざ換気をするための機械を取り付けなくてはいけないのでしょうか。

従来の住宅なら窓を開けるだけで十分な換気ができ、また、ある程度家に隙間があるため、窓を開けなくても外で風が吹けば家の隙間から自然と外の空気が入ってきて換気がされていました。

加えて水回りには換気扇がついていますから、それだけでも十分に換気をすることができます。

しかし気密性を高めた住宅の場合、窓が小さめに設計されていることが多く、窓を開けただけでは十分に換気ができません。

また家の中に隙間風が入らないように設計されていますから、隙間風を通した換気も期待できないのです。

換気システムを取り付けなければその分の費用が節約できると考える方もいるかもしれませんが、高気密住宅の場合は自然換気が不十分である以上、24時間稼働の換気システムが必要なのです。

建て替え・注文住宅に対応する優良な建設会社を見つけるには?

ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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