2024年04月19日更新

監修記事

地震に強い間取りとは?耐震性を高めるポイントを解説!逆に地震に弱い間取りの特徴は?

地震に強い家の間取りのポイントとは

地震 に 強い 家 間取り

地震に強い家というと、家そのものの構造の耐震性が高い家を想像しますが、実は家の耐震性には間取りも大きく関係します。

地震に強い家の間取りについて詳しく紹介します。

震災後は平屋の人気が高まっている

地震の揺れをよく感じるのは、2階建ての家ならば1階よりも2階部分です。

そのため、2階部分がない平屋なら地震に強いという印象があり、震災後は平屋の人気が高まっています。

しかし平屋でも柱や壁を極力減らした広い空間のある間取りであれば、耐震性は低くなります。

また平屋が建てられている土地の強度が高くなければ、地震の揺れが敏感に家に伝わるため、家屋へのダメージが大きくなります。

平屋ならば地震に強いというわけではありません。平屋でも地震に弱い家はあるのです。

したがって、平屋だから地震に強いと考えるのではなく、地震に強い構造と間取りの家が耐震性を高めると考えるのがいいでしょう。

そのように考えれば、2階建ての家でも平屋より耐震性の高い家はあるのです。

ポイント1. 正方形に近い間取りほど地震に強い

新しく家を建てようと計画を練っていると、日当たりのいい南側には大きな窓を付けて開口部を大きく取り、壁はできるだけ取り払った広い部屋を設計したくなるものです。

しかし、こうした設計の間取りは細長くなる傾向があり、耐震性を考えると決して有利とは言えません。

地震の揺れに強い家は、長方形の部屋よりも正方形に近い間取りです。

なぜなら正方形に近い部屋は、どの方向から地震の揺れがきても耐えやすくなるからです。

ポイント2. 「耐力壁」の多い間取りにする

木造在来工法やツーバイフォー工法で耐震性を高めるためには、「耐力壁」をバランスよく設置します。

「耐力壁」とは、地震などの揺れによる負荷に耐える構造になっている壁で、この耐力壁が多く使われる間取りにすると地震に強い家になります。

耐力壁を多く使うには、部屋数を増やすことです。部屋数を増やせば、家を支える耐力壁を増やすことが可能になるため耐震性が高まります。

ポイント3. シンプルな間取りほど地震に強い

耐力壁が多く使われていたとしても、そのバランスがよくなくては地震に強い家にはなりません。

南側に大きく開口部を取り、北側に耐力壁を多く用いたとしたら、家の南側と北側では揺れ方が変わるため、家が壊れやすくなります。

耐力壁をバランスよく配置して、家全体の耐震性を上げましょう。

家の形に凹凸はなるべく少なくする

耐震性の高い住宅を設計するにあたっては、できるだけ凹凸の少ない形にする必要があります。

凹凸部分が多い形状とは、コの字型や複雑に入り組んだ形のことです。

複雑な形の場合、へこんでいる角の部分に地震によるエネルギーが集中しやすくなるため、家自体に歪みやねじれが発生しやすくなるります。

その他にも、1階部分を駐車場にすると2階部分よりも1階部分の面積のほうが小さくなり、バランスが取れず強い揺れで倒壊する危険性があるため、耐震性を上げるためには避けたほうが良いでしょう。

ポイント4. 2階より上階に重たいものを置かない

建て替えなどをしなくても耐震性を上げる方法があります。

それは、重いものを2階部に置かず1階に移し、家の重心を低くする方法です。

地震が起きた時、よく揺れるのは1階よりも2階部分です。

2階部分の重さが軽くなれば1階部分に家全体の重心を据えることになり、地震に強い家になります。

ピアノや重い家具などは1階に配置するようにしましょう。

ポイント5. できるだけ1階に大きな部屋を作らない

1階に12畳以上の大きな部屋を作った場合、耐力壁や柱の量が2階よりも少なくなる場合があります。

耐力壁や柱の量が2階よりも少なくなると、支える力が弱くなり耐震性が低くなる恐れがあると言われているのです。

また、吹き抜けなども耐力壁が少なく耐震性が低くなるため、耐震性を高めるためにはあまりおすすめできません。

大きなLDKや吹き抜けなどは憧れる間取りですが、耐震性が低くなる可能性があることを十分理解した上で設計しましょう。

「地震に弱い間取り」の特徴は?

地震に強い家の特徴があるように、地震で壊れやすい家にも特徴はあります。

その特徴とは一般住宅でよく用いられている在来工法の家に多く見られます。

そこで、地震に弱い家の特徴を紹介します。

特徴1. 柱と梁で支える在来工法の家

柱と梁で支える在来工法の家は、一般的にツーバイフォー工法の家よりも強い地震に耐える耐震性が低くなりがちです。

そのため最近では、在来工法の家でも耐力壁を多く取り入れて耐震性を高めた家が建設されるようになってきています。

ツーバイフォー工法でもより耐震性を高めるための工夫がされています。

特徴2. 一階の一面に壁がない一階部分が弱い家

在来工法では柱と梁、ツーバイフォー工法では壁によって家を支えていますが、耐力壁を多く使用することで在来工法でも家の強度を高めることが可能になります。

ところが、家の強度に大きく影響する一階部分で壁を減らす設計にすると、耐震性が低くなります。

例えばビルドインガレージのように一階部分に駐車スペースを設ける設計です。

駐車するためにガレージ出入口部分は壁を抜き、家の一部を柱のみで支えることになると、地震に弱い家になります。

特徴3. 耐力壁の配置のバランスが悪い家

開口部を大きく取りたい南側に大きなガラス窓を取り付けて、反対側の北側に耐力壁を使っているような家は、耐震性という観点で見るとバランスがよくないことから、地震に弱くなります。

なぜなら地震で家が揺れるとき、南側と北側で違う揺れ方をしてしまうことでねじれ現象が起きるため、家が倒壊しやすくなるのです。

特徴4. 総2階ではない家の耐震性は落ちる

総2階の家とは、1階と2階部分の面積が同じ家で、その外観は凹凸のない大きな箱のような形をしています。

シンプルな構造だからこそ、総2階の家は、地震が起きたときに1階と2階でねじれ現象が起きにくく耐震性も高くなります。

その一方で、凹凸があり、1階部分と2階部分の面積や形状が異なる部分平屋の家などは地震に弱くなってしまう傾向があります。

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家の形をシンプルにできない場合に検討すべきこと

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家の形をシンプルな正方形のようにまとめられなかった場合に、検討すべきこととはあるのでしょうか。

具体的にどのような対策があるのか見ていきましょう。

耐力壁のバランスをとる

耐力壁とは、建物が水平方向からの力に抵抗させるために設ける壁のことです。

木造住宅でバランスが取れていないと判断された場合、耐力壁を入れることで耐震性を高めることができます。

耐力壁はむやみに増やせば良いのではなく、耐震性を計算し不足する場所にバランスを取りながら設置します。

家を設計した段階で耐震性が不足していれば、耐力壁を設置することで耐震性を上げることが可能です。

壁や柱の量を増やす

広い部屋や吹き抜けを設置したい場合、壁や柱の量を増やすことで耐震性の不足部分をカバーすることができます。

ただ、広い部屋の場合、柱や壁が目立ちやすくなるケースもあるため、どのような間取りがベストなのか設計士や建築士などの専門家と相談すると良いでしょう。

筋交いや耐震を強化する金具を設置する

耐力壁の他に、筋交いや耐震性を強化するため金具も数多く流通しているため、これらを積極的に設置するのも1つの手段です。

しかし、筋交いや金具もむやみに設置しても意味がないため、どこにどのような耐震金具が必要なのかを調べた上で設置する必要があります。

考えている間取りで耐震性能をあげたいということをあらかじめ設計士などに伝えておくと良いでしょう。

屋根材を軽量にする

屋根材に軽量な素材を選ぶことも、耐震性を上げるのに効果があります。

屋根材は重い瓦ではなく、ガルバリウム鋼板やスレートなどの軽量な素材がおすすめです。

屋根材を軽量なものにすることで、地震が発生したときに建物への地震エネルギーを軽減させる効果があります。

実際、耐震を強化するために瓦屋根からガルバリウムなどの屋根材に変更するケースが増えており、耐震強化には有効な手段だと言えるでしょう。

地震に強い家づくりの注意点について

地震 に 強い 家 間取り

地震に強い家を新しく建てたり、より地震に強い家に建て直したりする際に気を付けたいのは家の構造だけではありません。

注意しておきたいポイントを紹介します。

地盤の強度も重要

地震に強い家を建てようと思った時、まず家の構造に目が行ってしまいますが、地震で壊れにくい家を建てるためには、その家を建てる地盤の強度も大切です。

土地の地盤にも強度があり、場所によって変わります。地震の揺れが伝わりやすいのは弱い地盤です。

2000年に改正された住宅の建築基準法に定められた新耐震基準では、新しく家を建てる場合はその土地の地盤の強度を調査することが義務付けられています。

それほどに土地の地盤と家の耐震性は大きくかかわっていることから、地盤の強度を確認することは地震に強い家を建てる際には大切なポイントと言えるでしょう。

もしも地盤が弱いと判断された場合には、地盤を強化するための改良工事を行えば住宅を建てられます。

三つの地盤改良工事

地盤改良工事には地盤の強度に従い、「表層改良工法」「柱状改良工法」「鋼管杭工法」のいずれかの工法が用いられます。

「表層改良工法」では、家を建てる地盤部分の土とセメント系の固形材を混ぜ合わせて地盤を固くします。施工期間も数日で終わる短い工事です。

「柱状改良工法」では、セメント系の固形材を特殊な重機で穴を開けて流し込み、柱状の支えを地下に作り地盤の強化を図ります。

「鋼管杭工法」は戸建て住宅ではあまり用いられない工法ですが、3つの工法の中で最も地盤の強化を高められる工法です。

金属製の鋼管を地盤の固い部分にまで打ち込み、建築物を支えます。

工法は注文住宅会社によって異なる

耐震性を高めるための工法にはいろいろな種類があります。

前述した耐力壁を使用する、筋交いを増やす、外付けの鉄骨フレームを取り付けるなどがあります。

どの工法を施工するかはハウスメーカーによって異なります。

耐震性強化のためにどのような工法が最適なのか、ハウスメーカーに詳しい説明を求め、じっくりと話し合うことが大切でしょう。

平屋でもバランスの悪い家は倒壊しやすい

平屋なら地震に強くて大丈夫と思われている方も多いかと思いますが、必ずしもそうとは限りません。

平屋でも地震に弱い家というのがあるのです。

地震に弱い平屋は、耐力壁配置のバランスが悪く、弱い地盤の上に建てられた平屋です。

開放感のある広い部屋を有する平屋では、地震の揺れに耐えるだけの柱や壁が少ないため、地震により壊れることがあります。

また地盤がゆるければ、平屋でも地震による崩壊の危険性が上がります。

平屋も他の住宅と同じく、地震に耐えうる構造や間取りを考慮することが大切です。

地盤調査の結果、地盤がゆるいと判断されたら、地盤を強化するための工事を行いましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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