2023年12月12日更新

監修記事

建て替える?買い替える?2つの選択肢を比べて解説!

家が老朽化するなどした場合、建て替えるか買い替えるか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。この記事では建て替えと買い替え、それぞれのメリット・デメリットや費用の相場についてや、どちらを選ぶべきかのポイントについて解説します。

建て替えるか買い替えるか検討すべき時期とは

「建て替え」とは、既に建築されている建物を解体・撤去し、同じ土地に新たに住宅を建築することです。

一方で「買い替え」とは、今の住まいの売却と別の土地の新居の購入をセットで行うことを指します。

どちらの場合でも、今まで住んでいた家を手放すことになるので、建て替えや買い替えを検討する際には悩まれる方も多いでしょう。

では、どのようなタイミングで建て替えや買い替えを検討する人が多いのでしょうか?

まずは、建物の老朽化が進んだタイミングです。住宅のさまざまな箇所で不具合が生じるようになると、家の建て替えや買い替えを検討し始める人が多いと言われています。

また、ライフスタイルの変化も建て替えや買い替えが検討されるタイミングです。例えば、子供が独立して使わない部屋がでてきた場合や、親との同居すると決め広い住居が必要になった場合などです。

そして、住宅ローンが終わる時期に家の建て替えや買い替えを検討する方も多くいます。

建て替えした場合と買い替えした場合のメリット・デメリット

今の住まいを手放すと決めても、建て替えと買い替えのどちらを選んだら良いのでしょうか?ここでは建て替え・買い替えそれぞれのメリットについてご紹介します。

建て替えの場合

メリット

建て替えで家を新築するメリットは、住み慣れた土地にそのまま住み続けることができることです。

家が新しくなっても暮らす地域、場所は変わらないのが建て替えです。

生活環境が今までと変わらないため、通勤や通学・買い物などの日常生活が変わることはありません。

また、新しく近隣とのお付き合いを構築する必要もありません。

また、同じ土地に家を建てるので、今までの間取りの不満を解消しながら、間取りをゼロから検討することができ、より快適な家を実現することができるでしょう。

その他にも、土地を探す手間と費用がかからない点もメリットです。

土地を探す場合、土地が見つかるまで家は建てられませんが、建て替えの場合は土地があるので、自分たちのペースで家を建て替えることができます。

デメリット

建て替えのデメリットは、家を新築している時に仮住まいをしなければならないことでしょう。

古い家を解体する前に仮住まいへ引越し、家が完成したら新築の家に引越しするので、建て替えでは引っ越しが2回必要になるのです。

引越しの費用も2回分かかり、仮住まいの家賃費用もかかります。

床面積40坪ぐらいの木造住宅を新築する場合の工事期間は、解体~完成・引渡しまで約5~6カ月ほどです。

その期間、仮住まいをすることになりますが、仮住まいに入らなかった荷物はコンテナや倉庫を預けなければならず、その分の費用も必要になるでしょう。

また、仮住まい中は費用がかるだけでなく、慣れない環境でなかなか落ち着かず、精神的にも負担がかかってしまうことも考えられます。

建て替えのデメリットはその他にもあります。今までの住宅と同じ床面積の住宅が建てられないケースもあるという点です。

特に築年数が経っている住宅を建て替える場合、建築基準法や都市計画法、道路、条例などに改正があれば、現行法を遵守して家を建てるので、同じ床面積の住宅が建てられなくなるケースが見られます。

また、別のデメリットとして、解体工事の費用と滅失登記の費用がかかることも挙げられます。

住み替えの場合は、土地と家が売却できれば、家を解体する必要はありませんので、これらの費用はかかりません。

買い替え(住み替え)の場合

メリット

住み替えの一番のメリットは、仮住まいをしなくてよいことにあります。

住み替えは、今の家に住みながら、別の土地を購入して新築するので、仮住まいの必要がありません。

そのため、仮住まいをするための賃貸アパートや荷物を預けるコンテナ・倉庫を借りる費用がかかりません。

また、引越しが1回で済むため、引越しの費用も建て替えより安く済みます。

仮住まいがないため、仮住まい中の不便さや引っ越しが少なく、新築時のストレスも少なくすむでしょう。

その他にも、それまで住んでいた家を売却して、新築住宅の費用を作ることができる点も住み替えのメリットです。

また、住み替えは、住む場所や土地を色々な選択肢の中から選ぶことができます。

これから10年20年後の生活を考えながら、学区や交通の利便性、自然環境など、家族の生活スタイルにあった場所や土地を選ぶことができるのは、大きなメリットでしょう

デメリット

買い替えのデメリットは、住み慣れた地域を離れなければならない点です。それまで住んでいた場所を離れて、生活環境や人間関係を一から整えていかなければならないので、ストレスを感じるという方もいらっしゃるでしょう。

また、買い替えの場合は家の売却と購入、2つの手続きを並行して進めなければならなくなります。もし家の売却が上手く行っても、購入する段階で手続きが思ったように進まなければ住む場所がなくなる可能性も出てきます。

家の買い替えを行う場合は、その段取りについて事前によく頭に入れておくようにしましょう。

住み替えのデメリットは住宅ローンに関する点が挙げられます。

住み替えをする場合、住宅ローンが残っていると一括で住宅ローンを返済しなければなりません。

自己資金で一括返済できれば問題ないのですが、通常は土地と家を売却したお金で住宅ローンの残債を返済します。

しかし、土地と家を売却する時に、新しい土地をタイミングよく購入できるとは限りません。

住宅ローンが残っていて自己資金が足りない場合、売却と購入のタイミングを一緒にして一括返済するか、新しい家の住宅ローンに残債を上乗せしてローンを組み直さなければならなくなるでしょう。

また、土地と家の売却は、思うような状態や価格で売却できるかわからないとこともデメリットです。

土地と家の両方を売却できればよいのですが、土地だけ欲しいので、家を解体してほしい(更地渡し)となった場合、解体費用が別途必要になるケースや、土地の売却価格が解体費用分安くなるケースもあります。

費用の面でも建て替えと比較すると、土地と家の売却時と新しい土地の購入時には、不動産仲介手数料・税金・登記などの別途費用がかかるため、多くの資金が必要になります。

また、住み替えは環境面でもデメリットが考えられます。

住み替えで新しい土地に引っ越した場合、新しい住環境に慣れなければなりません。

近隣の方と関係を作ったり、買い物する場所や病院などを新しく探したりなど、建て替えと比較すると精神的に負担が大きくなることも考えられます。

建て替えと買い替えの費用相場はそれぞれどれくらい?

ここまで住宅の建て替えと買い替えについて解説してきました。

では住宅の建て替えや買い替えを行う場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。それぞれの費用相場について比較してみましょう。

建て替えの費用相場

建て替えの場合は、新築する住宅の建築費以外に解体や仮住まい、引越し、登記、銀行ローンの費用などが必要になります。

項目費用相場備考
引越し費用約20万円10万円×2回
仮住まい費用約50万円※1
解体・地盤調査費用約110万円~
新築住宅建築費用約2,600万円※2
地鎮祭・上棟費用約15万円
登記費用約20万円滅失、表示、所有権保存登記
銀行ローン手続き費用約5万円金融機関により違います
火災保険料(30年分)約60万円※3
住宅ローン保証料約50万円※4 借入額の約2%程度
  • ※1 家賃5万円 敷金1カ月、礼金2カ月の物件を6カ月間借りた場合で試算
  • ※2 坪60万円×40坪+消費税(8%)
  • ※3 金融機関によっては、住宅ローンの期間中の加入を住宅ローン申し込み時に義務付ける場合があります。
    費用は保険の種類により変わります。
  • ※4 金融機関によっては、住宅ローンに含める分割払いというケースもあります。その場合は、諸経費にはなりません。
    2,500万円を借りた場合の試算です。

買い替えの費用相場

住み替えの場合は、新築する住宅の建築費以外に、土地の購入代金、土地購入の諸経費、引越し、登記、銀行ローンの費用や、外構工事にかかる費用等が必要になると考えられます。

項目費用相場備考
不動産仲介手数料約136万円
(税込)
売却金額の3%+6万円
(売却金額4,000万円の場合の試算)
抵当権抹消登記費用約4万円銀行ローンが残っている場合にかかります
(1,000万円残っている場合)
譲渡益課税約61万円土地と家が購入金額より高く売却された場合にかかる税金
(300万円高く売却・長期譲渡の場合の試算)
土地費用約2,000万円
土地の登記費用※1約30万円所有権移転登記費用(登録免許税含む)
土地購入諸経費※1約100万円不動産仲介手数料・不動産取得税
引越し費用約10万円10万円×1回
地盤調査費用約10万円~
新築住宅建築費用約2,600万円※2
地鎮祭・上棟費用約15万円
外構工事費用約100万円~敷地境界ブロックや駐車場工事代
登記費用約20万円滅失、表示、所有権保存登記
銀行ローン手続き費用約5万円金融機関により違います
火災保険料(30年分)約60万円※3
住宅ローン保証料約50万円※4 借入額の約2%程度
  • ※1 2,000万円の土地を購入した場合の概算
  • ※2 坪60万円×40坪+消費税(8%)
  • ※3 金融機関によっては、住宅ローンの期間中の加入を住宅ローン申し込み時に義務付ける場合があります。
    費用は保険の種類により変わります。
  • ※4 金融機関によっては、住宅ローンに含める分割払いというケースもあります。
    その場合は、諸経費にはなりません。2,500万円を借りた場合での試算です。

家の建て替えにかかる全体費用と住み替えにかかる全体費用を計算して比較検討すると良いでしょう。

しかし、建て替えを選ぶか住み替えを選ぶかは、費用だけでなく家で暮らす家族が快適に暮らせるかどうかが重要です。

費用や、住みやすさ、何のために家を新築するのかなども含めて、よく検討しながら選択すると良いでしょう。

建て替えか買い替えか選ぶポイントとは

建て替えと買い替えのどちらを選ぶか考える際には、どのような点を考慮すればよいのでしょうか?

1点目は、住んでいた場所から離れるかどうかです。通勤・通学の利便性という点もポイントになってくるでしょう。

現在の生活環境から利便性を向上させたいという場合には買い替えが、住み慣れた今の場所でこれからも生活を続けたいという場合には建て替えが良いでしょう。

2点目は、不動産のエリア相場についてです。人気エリアに住んでいる場合や、建物がそこまで傷んでおらず綺麗な場合は、現在の住居に資産価値があるとも言えます。

そうなると売却金を新居購入費の一部として活用できるため、お得に買い替えを行うことができるでしょう。しかし、居住地や周辺の不動産相場、物件の価値などさまざまな条件により異なるので一概に言うことはできません。

3点目は現在のローンの残債についてです。ローンが残っている段階で買い替えを行い、新しい家を手に入れようとすると、ローンを二重に払うことになるケースもあるでしょう。

建て替えを選ぶか住み替えを選ぶかは、家で暮らす家族が快適に暮らせるかどうかが重要です。建て替えや買い替えを行う目的や予算なども含めて、どちらにするのかよく検討しながら選ぶようにしましょう。

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ここまで説明してきた建て替えは、あくまで一例となっています。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】弘中純一

一級建築士事務所アルド住宅研究所

弘中純一

一級建築士、宅地建物取引士。プレファブ住宅の開発からスタートし、以来40年にわたり住宅産業に従事。建築設計事務所・住宅リフォーム会社の経営を経て、現在は住宅の悩みを解決する、コンサルティングを中心に活動中。

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