2024年01月24日更新

監修記事

徹底比較!建て替えか?増築か?

住んでいる家を改築したいけれど、建て替えか、それとも増築か迷う方も多いのではないでしょうか。この記事ではは、建て替えと増築の違いや、それぞれのメリットとデメリット、費用の相場や工事を行う際のの注意点などについてご紹介します。

どちらがいい?建て替えと増築の違い

家を広げるリフォームを考えている場合、建て替えと増築のどちらがいいのでしょうか。

「建て替え」は家を解体して新しく建て直すことで、「増築」は現在の家は残したまま部屋などを増やす工事のことを言います。

ここでは、それぞれの工事内容のさらに詳しく解説します。

「建て替え」とは「一から建て直すこと」

「建て替え」とは、既存の建物の基礎部分も含めて取り壊し、一から新しい建物を建て直すことです。

新しく建て替えることで、間取りの変更や新しい設備の導入などができ、これまでに暮らしていた家の不満点などを解消することができます。

ただし、再建築不可物件(前面道路が建築基準法上の道路でない等)に指定されている建物の場合、建て替えることができない点には注意が必要です。

「増築」とは「既存の建物の面積を増やすこと」

「増築」とは、既存の建物はそのまま残して延べ床面積を大きくすることです。

例えば、部屋を付け加えたり、平屋建ての住宅に2階部分を増やしたりする工事が増築にあたります。

また、同じ敷地内なら、別棟として離れを建設した場合も「増築」と見なされます。

建て替えと増築のメリット・デメリット

ここでは、建て替えと増築のそれぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

建て替えのメリット・デメリット

建て替えのメリット

建て替えのメリットは、主に3つあります。

1つ目は、間取りを自由に変えられることです。使い勝手の悪かった間取りを変更し、より快適な住まいに作り変えることが可能です。

2つ目は、耐震性や耐熱性の向上など、性能の高い家にすることができる点です。

建て替えでは基礎部分も一旦解体するため、住宅の構造部分を含めた工事を行うことができ、より性能の高い住まいにすることができます。

3つ目は、資金計画が立てやすいという点です。

建て替える場合は多額の住宅ローンの借り入れも比較的しやすくなるため、計画的に返済を行うことができるでしょう。

建て替えのデメリット

建て替えのデメリットは、主に3つあります。

1つ目は、費用が高額になる点です。

新しい住居の建設費用だけではなく、解体費用や登記に伴う税金等の付帯費用も必要になり、増築と比べると経済的な負担が大きくなります。

2つ目は、工期が長くなることです。

新しい住宅の建設に必要な工期に加えて、建て替えでは既存住宅の解体もあるため、平均的な工期は約6か月〜1年と長くかかります。

3つ目は、建て替え中に仮住まいが必要になる点です。

仮住まいの期間は、生活環境が変わるだけでなく、仮住まい先の家賃や引越し費用もかかるので、経済的な負担もあります。

増築のメリット・デメリット

増築のメリット

増築のメリットは、主に2つあります。

1つ目は、経済的な負担が抑えられるという点です。

増築では現在の家を残して新しい部屋等を建設するため、建て替えに比べて費用の負担を抑えることができます。

また、現在の家に住みながら工事が行えるため、仮住まいに必要な費用も抑えられます。

2つ目は増築部分が延べ床面積が10平方メートル以内ならば、確認申請が必要ないことです。

確認申請とは、建物の建築工事が始まる前に、新しい建物が法律に則しているかを行政機関に申請して確認する手続きです。

申請は施工業者に依頼するのが一般的ですが、確認申請には時間も費用も必要になります。

しかし10平方メートル以内の増築ならば確認申請が必要なく、手間と費用を省くことができるのです。

増築のデメリット

増築のデメリットは、主に2つあります。

1つ目は、既存部分と増築した部分とで違和感が出る可能性があるという点です。

例えば、2階部分を増築した場合、1階部分で使用されている同じ外壁材がすでに製造されておらず、別の外壁材を使用したことで違和感が生まれたというケースがあります。

また、外観だけではなく、増築部分との接合部分などに不具合が発生して、雨漏りやひび割れ等が発生したというケースもあります。

2つ目は、増築箇所以外にも必要工事が発生する可能性があるという点です。

例えば平屋に2階を増築する工事では、既存部分の築年数が古く耐久性に劣るため、2階部分を支えるための補強工事等が必要になるケースもあるでしょう。

また、建ぺい率や容積率などの制約があるため、思い通りの増築工事が行えない場合もあります。

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建て替えと増築の費用の違いは?

建て替えと増築とでは、費用面でどのような違いがあるのでしょうか。

ここでは、建て替えと増築の相場価格についてご紹介します。

工事費用の比較

建て替えの新築工事の相場価格は約1,500~2,500万円

平均的な大きさの一戸建て住宅の建て替える際に必要となる新築工事の費用相場は、約1,500~2,500万円と言われています。

しかし、建て替える家の面積や工事内容、導入する設備等によっても価格は大きく異なります。

また、建て替えの場合は上記の新築工事以外にも解体費用や各種税金にかかる費用、仮住まい先の家賃や引越し費用などの費用も必要です。

これらの付随費用の相場については後ほどご紹介します。

増築の相場価格は木造なら1坪あたり約70万円

増築の相場価格は住宅の構造によって変動します。

木造住宅なら1坪あたり約70万円ですが、鉄骨造りなら1坪あたり約100万円と言われています。

しかし、上記の価格は1階部分に増築する場合で、平屋に2階部分を増築する場合は、1坪あたり約120万円が相場だと言われています。

平屋の場合は増築する2階部分を支えるための補強工事が必要になるためです。

また増築箇所の使用目的によっても工事費用は変わります。

水回りの増築なら設備費用等がかかりますので費用が高くなりますが、物置として使う部屋ならば内装などを最低限にできるので費用は安くなります。

建て替えに必要となる工事と相場価格

既存住宅の解体などの付帯工事費

建て替えの場合は、住宅の建築費用とは別に、さまざまな費用が必要になります。

例えば、既存住宅の解体費用や、敷地を平らにならすための造成工事費用、地盤が弱いと判断された時の地盤改良工事費用、更に門扉やフェンス、庭などを整備するためのエクステリア工事費用などです。

それぞれの工事にかかる相場価格は、下記の通りです。

  • 解体工事費用:木造の場合坪単価約4~5万円
  • 地盤調査費用:約10万円
  • 地盤改良工事費用:表層部分のみの改良工事の場合約20~40万円、地盤に柱を打ち付けるタイプの工事の場合約40~70万円

各種税金

建て替えでは「不動産取得税」「登録免許税」「印紙税」を納める必要があります。

「不動産取得税」は不動産を取得したときに課せられる税金ですが、建て替えも対象です。

固定資産税の評価額から1,300万円を引いた額に3%を掛けて算出されます。

「登録免許税」は、登記に関わる税金です。

建て替えの際には、既存の住宅を取り壊したときに行う「滅失登記」、建て替えられた新しい家について登記する「表示登記」、家の所有者を示す「所有権保存登記」などの登記を行います。

それらの登記の際に課せられる税金です。

「印紙税」は、施工業者と取り交わす建築工事請負契約書や、住宅ローンの賃借契約を行う際の契約書に収入印紙を貼って納税する税金です。

建て替えや増築の工事をするための注意点

ここでは、建て替えと増築の両方で注意すべき点と、建て替えまたは増築前にそれぞれチェックすべき事柄について紹介します。

建て替え・増築で注意すべきこと

法規チェックは必須

建て替えや増築は個人が勝手に行うことはできず、建築基準法や都市計画法、地域の条例などに従って行う必要があります。

そのため、建て替えや大規模な増築工事に入る前に、工事プランが法律に則っていることを確認するために、建築確認申請を行政機関に行って許可を得なければなりません。

建ぺい率・容積率以内で建て替えや増築を行う

各宅地には建ぺい率や容積率が設けられており、その基準内で建て替えや増築を行わなければなりません。

「建ぺい率」とは、敷地に対する建築物の平面的な面積(建坪)の比率のことです。

建ぺい率が50%ならば、100平方メートルの宅地には建坪50平方メートルまでの住宅しか建てられません。

また「容積率」とは、建坪に対して建てられる延床面積の割合です。

延床面積とは、住宅の各階の面積を合わせた面積のことで、建坪に対してどれほどの大きな住宅を建てられるのかが規定されています。

建て替えや増築の前には建ぺい率と容積率についてもしっかりと確認しておく必要があります。

借地なら地主の承諾や増改築に制限がある

建て替えや増築を行う土地が借地の場合、土地の所有権は地主が持っているため、地主の許可を得る必要があります。

また、土地によっては建て替えや増築を制限しているケースもあるため、必ず借地契約書に目を通しましょう。

住宅ローンを組む際には借地を担保にできないために融資が受けられない可能性もあります。

資金計画も慎重に行うことが大切です。

建て替えで注意すべきこと

再建築不可物件だと建て替えができない

既存住宅が「再建築不可物件」の場合には、建て替えができない点には注意が必要です。

現行の法改正以前に建てられた物件の中で、法改正後の基準で再建築不可に定められているケースもあるため、建て替えをしようとしている物件が再建築不可物件に該当しないことを、事前にチェックしましょう。

増築で注意すべきこと

既存不適格建築物は現行基準に合わせる工事が必要

現行の建築基準法の基準に見合わない建築物は、現行の基準に合わせるための工事が必要です。

これは特に耐震性について言えることですが、増築により、改正前の基準で建てられた建物と、現行の建築基準法に準じた建物を結合すると、住宅全体の耐震性がアンバランスになり崩壊の可能性が高まると言われています。

こうした事態を避けるためにも既存部分の補強工事が必要になります。

補強工事にかかる費用についても予算に入れておくようにしましょう。

10平方メートルを超える増築は確認申請が必要

10平方メートルを超える増築の場合には、行政機関にに確認申請を行う必要があります。

離れやカーポートなど、既存住宅に密接していなくても、同じ敷地内に建てられる建造物はすべて増築として扱われます。

面積によって確認申請の有無が異なるため、施工を依頼する業者にも確認しておくようにしましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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